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2006年2月22日 (水)

バファローズ、野茂を獲得へ

昨シーズン、ヤンキースの3Aに所属したままシーズンを終え、今シーズンの所属が未だ決まっていない野茂英雄投手に関し、日本のバファローズが「力は衰えていない。戦力には十分なる」と獲得に興味を持っているという。今日(22)のスポ-ツニッポンが報じている。

野茂は1995年にロサンゼルス・ドジャースに入団。今日に至るまでの日本人メジャーリーガーブームの先駆者となった。その後メジャーリーグ数球団を転々としてきたが、そのたびに野茂本人は日本球界復帰の意思がないことを明言していた。しかしこのオフ、メジャー三十球団すべてがキャンプインしたこの時期においてもまだ立場がフリーなまま。バファローズはこうした状況を踏まえ、獲得の脈ありと踏んでいるようだ。

周知の通り、旧バファローズを任意引退という形で退団してドジャース入りを果たした野茂の日本での保有権は旧バファローズが持っていたが、合併により現バファローズが引き継ぐことになっている。バファローズ以外の日本の十一球団が野茂を獲得しようとする場合にはまずバファローズと野茂の間の保有権を解除してもらってからでないと話が先に進まないが、バファローズの場合は障害無く交渉できる。

理屈はそうだろうが、野茂の保有権を安易に合併球団に引き継いだものと認めてしまって良いのだろうか。

「千葉茂さんのカツカレー」の項でもふれたが、事実上「近鉄バファローズ」というチームは消滅したのである。ましてや合併球団はパ・リーグで唯一の永久欠番であった旧バファローズの背番号1を、本人である鈴木啓示氏の許可を得たとはいえブルーウェーブで背番号1をつけていた選手にそのまま付けさせるというデリカシーのないことを平気で行ったチームである。合併する球団の残すべき伝統を蔑ろにしておきながら、オイシイ権利だけは受け継ぐというのは虫が好すぎると敗戦処理。は思っている。

パ・リーグでは2005年度の開幕戦のカードを決める際に二年前に当たる2003年度のリーグ順位をもとに上位三球団に開幕カードの興行権を与えたが、2003年にリーグ三位になった旧バファローズの権利を無効とし、四位のマリーンズを繰り上げ、合併球団は旧ブルーウェーブの順位で扱われた。これは極めてニュートラルな考え方だと思う。旧ブルーウェーブが旧バファローズを吸収したという事実を踏まえれば自然とそうなるであろう。

その考え方から行けば、野茂投手の日本における保有権は現在のどの球団にも属しないこととし、特例的に自由契約またはフリーエージェントで大リーグに移籍した選手と同じ扱いにすべきではないのか。もちろんその場合でも現バファローズは野茂と障害無く獲得交渉できる。

年頭の一部スポーツ紙に書かれたジャイアンツ小久保のホークス復帰説は高塚猛氏が球団を去り、ホークス球団そのものの経営母体が変わったことでさもありなんという現実味を帯びてくるが、こちらのバファローズも経営母体が完全に変わったことで野茂英雄の選択肢の中に日本球界復帰というカードが加わるのだろうか。

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