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2006年2月 4日 (土)

堀江容疑者の絶頂期

自室の整理をしていたら、古いビデオテープが出てきた。

一昨年の球界再編騒動の最中に放送されたテレビ朝日、

「朝まで生テレビ」を録画したものだ。

2004年6月13日に唐突に発表された当時のブルーウェー

ブとバファローズの合併。これに端を発した球界再編騒

動で、ライブドアが旧近鉄バファローズを買収すると名

乗りを上げ、ホリエモンとライブドアという会社が一躍

脚光を浴びた。プロ野球選手会、古田敦也会長も立ち上

がり、実質的な支配者とされる当時のジャイアンツの渡

邉恒雄オーナーとの会談を申し込むが、「たかが選手が」

と一蹴される。この時の同オーナーの不遜な態度がプロ

野球ファンのみならず広く一般大衆の反発を買い、世論

までもがプロ野球界の合併反対という大きな流れを作っ

ていった。そんななか、プロ野球オーナー会議では「さ

らにもう一組の合併が進行中である」とファンや世論が

求める方向と真逆な方向に水面下で進みつつあるのは誰

の目にも明らかだった。そんな7月の末に、テレビ朝日

の「朝まで生テレビ」がこの問題を取り上げた。古田選

手会長と、球団買収に名乗りを上げた企業の社長の初の

対面()ということもあり話題を集めた。もちろんシー

ズン中なのでスワローズに試合がない日の昼間に収録さ

れた。

約3時間のビデオを通しで観てみた。

まず出演者を紹介しておこう。

朝まで生テレビ、第208弾「激論!ド~する?! 日本プロ

野球」

パネリスト(紹介順。肩書きは番組内で紹介されたまま)

栗山英樹  プロ野球解説者

古田敦也  ヤクルトスワローズ プロ野球選手会会長

堀江貴文  ライブドア社長

二宮清純  スポーツジャーナリスト

広瀬一郎  経済産業研究所 上席研究員

三宅久之  政治評論家

東尾修   プロ野球解説者

坂井保之  プロ野球経営評論家

ヨネスケ  落語家

遙洋子   タレント、作家

江本孟紀  プロ野球解説者

司会

田原総一朗 ジャーナリスト

寺崎貴司(テレビ朝日アナウンサー)

長野智子

ちなみにまだこの時点では楽天は球界への参入を表明し

ていない。

思えばこの時期が堀江容疑者の絶頂期だったのではない

か。

例によってTシャツ姿で出演し、渡邉氏の盟友として出

演した政治評論家の三宅久之氏に「こういう場にふざけ

た格好で来るな。ネクタイくらい締めてこい!」と酷評

されながらも、球界参入への強い意思表示を続けたホリ

エモン。もちろん放送当時には、球界参入を志願したI

T業界の時代の寵児が球界参入の意気込みを語るという

のも目玉の一つだったが、現役プレイヤーである古田が

選手会長という立場で出演したことの方がインパクトが

大きく、前述の三宅氏らも明らかに古田には気を使って

いた。

また出演した選手OBの間でも、ホリエモンに対するス

タンスが二分された感じだったのが印象深い。司会の田

原氏をサポートする役割を兼ねていた感のある栗山氏は、

ホリエモンに好意的なスタンスを示していた感じであっ

たが、パ・リーグひとすじの東尾氏はホリエモンを快く

思っていないことが顔に出ていた。

東尾氏は放送中、何度かパ・リーグの良い部分をとくと

くと語っていたが、それが経営面に好影響をもたらすこ

とがなかったのが現実でそれが故にパ・リーグでは過去

もセ・リーグより多い身売りの歴史があった訳だし、つ

いには身売りどころか、球団合併という瀕死の危機に陥

ったのだが、永年その世界で苦闘を続けてきた誇りがあ

ったのだろう。この若者の口から出る「理想論」に何か

胡散臭さを感じていたのかもしれない。

ちなみに江本氏はホリエモンの参入案、改革案に具体的

な反対理由を挙げていた。

討論番組といっても各参加者が言いたいことを言い合っ

て結論などまとまらないのがこの番組の持ち味であり、

視聴者は誰が言っていることが最も説得力があるかを確

かめるか、自分と同じ、あるいは似た意見を発する論客

が他の論客からどう攻められるかに興味を持ってみるの

がこの番組のベターな見方であると思う。それでも評論

家が机上の空論をぶつけ合うばかりでなく、複数の当事

者が出演して議論に加わったことで、興味を持つファン

にはそれなりに有意義な内容になったと思う。

ホリエモンの逮捕後、今までやたらに持ち上げておいて、

手の平を返したように批判している人のことを非難する

論調を方々で見かけるが、犯罪の容疑がかかって逮捕さ

れた以上、評価が一変するのは避けられないと思う。敗

戦処理。個人としては、あの合併騒動の最中にライブド

アという会社が旧バファローズ買収に本気で名乗り出た

という事実は、球界の縮小化に反対する多くのファンを

勇気づけたし、仮に球界参入のために会社を実態以上に

健全に見せようとして一連の錬金術を駆使してそれが不

法行為に走らせた一因であったとしても、歴史上の事実

として球界の縮小化を阻止した一助になったことは疑い

ようのない事実だと思う。楽天もソフトバンクも、まだ

あの時点ではNPBに縁もゆかりもなかったのだから。

番組のエンディングで、ホリエモンはついに「渡邉さん

の前に出る時はネクタイ締めて行きますよ」と重大決意

をした。その対面は渡邉オーナーの失脚で実現せず、ホ

リエモンも逮捕されたため今後もないかもしれない。

野球の世界では「れば」と「たら」は禁物だとされてい

るが、もしも「仙台ライブドアフェニックス」が誕生し

ていたら、いや「大阪ライブドアバファローズ」が誕生

していたら、2005年のプロ野球はどんな形になっていた

のだろうか。そして二年連続での球団オーナーの逮捕と

いう不祥事にプロ野球界はどういうたいしょをしていた

のだろうか。

「朝まで生テレビ」ではこの後にも一回、プロ野球再編

問題を取り上げたと記憶している。機構側からも出演が

あり、またスポーツライターの玉木正之氏がさかんに

「楽天の立候補はライブドア潰し」と連発していた記憶

があるから、楽天の参入表明以降だったと思う。

今週の日曜日にNHKのBS1で「ディベート・プロ野

球改革」という番組が放送された。マリーンズの瀬戸山

隆三球団代表やホークスの小林至取締役、選手会の松原

徹事務局長等が出演して熱い議論を交わしたそうだ。敗

戦処理。は都合で放送を見ることが出来なかったので明

日5日の13:10からの再放送を楽しみにしている。

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