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2006年3月22日 (水)

アメリカの、アメリカによる、アメリカのための大会(2)-野球界にFIFAはない

第1回のWBCは日本代表チームの世界一で幕を閉じましたが、審判問題をはじめ、大会の運営に関して問題点が多いことは明らかです。この大会は前にも書きましたように、アメリカの、アメリカによる、アメリカのための大会だったのです。

言い出しっぺがMLB機構とMLBの選手会。この長年火花を散らしていた両者が手を握って初めて実質的な野球の世界選手権を実現させたことには敬意を表すべきであろうが、一国に開催を委ねざるを得なかったことにやはり限界があったのだろう。

それではどういう形での開催が理想だったのか?

各国の野球界を横断的に統括している組織にIBAF(国際野球連盟)があるのだが、これはアマチュア野球の国際団体であり、今回のWBCのようにプロリーグに所属する選手を含めたベストメンバーでの大会開催にこぎ着けるほどの力はない。つまりサッカーのワールドカップを運営するFIFAに相当する組織が野球界にはないのが実情なのだ。

勝手な理想を挙げさせてもらえれば、言い出しっぺはMLBであっても構わないが、「野球世界選手権実行委員会」的な組織を参加希望国の共同運営で設立出来ればよかったのだ。そしてその設立が契機となり、野球の世界にもサッカー界におけるFIFAに相当する組織が自ずと立ち上がる、そんな展開になれば好かったと思うのである。

そのためにはアメリカに次ぐプロリーグの歴史の長さを持つ日本の野球界がもっと力を付けていなければならなかったのは言うまでもない。しかし日本にはプロもアマも統括するような縦断的な野球の組織が存在しない。プロ野球はNPB、社会人野球は日本野球連盟、高校野球は日本高等学校野球連盟、大学野球は全日本大学野球連盟とそれぞれ別組織になっている。日本高等学校野球連盟と全日本大学野球連盟が所属する日本学生野球協会、さらに日本野球連盟及び日本学生野球協会で構成される全日本アマチュア野球連盟という組織があるにはあるのだが、広くプロとアマが一つになる組織は存在しないのである。この辺もサッカー界においては日本サッカー協会というプロもアマも統括する組織が機能しているのとは対照的だ。国内の野球組織も統括出来ない日本の野球界に世界の野球大会を開催しようという発想などなかったのであろう。

縦断的な組織がないのなら、プロリーグであるNPBがもっと前面に出るべきではなかったのか。変な話だが、二年に一度開催される日米野球は読売新聞社と毎日新聞社が交互に主催しているし、今回のWBCアジアラウンドの主催に読売新聞社は名を連ねているがNPBの名は出ていない。アジアラウンドの公式プログラムに挨拶を載せているのはMLB機構、MLB選手会、読売新聞社、(特別協賛の)アサヒビールであり、根来コミッショナー等NPB幹部の名前はない。国内の再編問題にもスピードある対応が取れていないのに国際大会にまで目が行かないのが現状なのであろう。

WBC日本代表の王貞治監督は就任が決まった際に「いろいろと問題点はあるかもしれないが、とにかく第一回をスタートしないと先に進まない」という趣旨のコメントを発していた。また二次リーグアメリカ戦後の記者会見では「野球がスタートしたといわれる米国で、そういうこと(判定変更)があってはならない」と発言した。この二つの発言に第一回ワールド・ベースボール・クラシックの問題点が凝縮しているように感じる。次回、2009年開催までに今挙げた問題点をクリアしなければ、この大会が真の野球世界選手権として定着することはあるまい。

サッカーのFIFAも、元々の設立時はそれまで世界のサッカー界をリードしてきたイギリスを中心に動いていた風潮に対し、オランダなどヨーロッパ大陸の各国が国際大会運営のために立ち上げた組織であるという。本家意識の強いイギリスはしばらくFIFA傘下に加入することを拒んでいたという。このイギリスを野球におけるアメリカに置き換えれば、野球界の未来のあり方にヒントが見えてくるのではないか。

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