« 辻内デビュー戦で致命的弱点露呈? | トップページ | WBC二次リーグ、直前の不安 »

2006年3月12日 (日)

ふたりの選手にさようなら&ありがとう

ジャイアンツ球場を辻内降板とともに去ったのは東京ドームのナイトゲームでふたりの選手にお別れをするためです。別に昼の部が終わってからでも間に合ったと思いますが書き込んだりする時間を考えると…<苦笑>。

東京ドームのナイトゲーム、オープン戦のファイターズ対バファローズ戦は敗戦処理。にとってはふたりの選手への惜別試合となりました。

ひとりは昨シーズン限りで現役を引退、この試合の始球式で東京のファンに別れを告げる岩本勉。もうひとりは現役を続行しますが贔屓チームの選手からライバルチームの選手になるバファローズの清原和博です。

岩本というのは不思議な選手でした。気合いを前面に出し、スタンドまでも伝わる魂のピッチングでファイターズファンを熱くさせてくれるかと思えば相手打線に火を付けてしまったり。二年連続開幕戦完封勝利の実績が示すようにここと心に期した試合での集中力は素晴らしいものがありましたが、年齢を経ての投球の熟練化がうまくいかず、不幸にもチームの北海道進出を境に存在感を薄めてしまいました。しかし敗戦処理。の様な後楽園の頃からファイターズを応援している身にとっては西崎幸広らが抜けた後で地味になったチームで明るいパフォーマンスを連発し、チームメートのみならず我々ファンをも盛り上げてくれた岩本の存在は残した通算成績のみではとても語れない存在感がありました。

ちょうど一週間前には札幌ドームで引退試合をしてもらい、マリーンズで長年対決した堀幸一選手と真剣勝負。そして二年間ついに実現しなかった札幌ドームでのマイクパフォーマンス「まいどっ!」を実現させました。今夜は東京のファンの前で始球式。球団からのコーチ就任要請を断り、他球団での現役続行を望んだ選手に対してこれだけ球団が配慮をしたのも、岩本の人柄故でしょう。

人柄といえば、今日の始球式前に場内に流れた岩本の引退スピーチではチームメートやファンへの感謝の思いの他に、東京ドームの球場設備のスタッフへの感謝の思いをかなり長く述べていました。岩本とはそういう男なのでしょう。北海道移転を前にした2003年の本拠地最終戦後のセレモニーでも当時選手会長を務めていた岩本は挨拶をしていましたが、その時も岩本は球場関係者への感謝に長い時間を割いていましたから。

そして清原和博。

敗戦処理。はジャイアンツファンですが、いわゆる「清原信者」ではありません。応援するチームで九年間プレイしてくれましたが、期待に応えてくれたというよりは、期待を裏切られたという思いの方が強いくらいです。このブログで2月2日付で発言した「清原和博の使い途」で書いた内容が敗戦処理。の清原に対する率直な重いです。昨シーズンの戦力外通告も妥当だと思いましたし、2001年オフに球団が四年契約を結んだ時には「長すぎる…」と思ったくらいでした。

しかし、それでもジャイアンツナインの一人です。清原のバットで感動させてもらったことも少なくありません。普通であれば「他の球団に行っても頑張れよ」と励ますところですが、パ・リーグにも贔屓チームを持つ敗戦処理。にとっては今シーズンは宿敵になるのです。そこで清原と訣別するために、バファローズのユニフォームを着る清原和博をじかにこの目に焼き付けようと思ったわけです。もちろんスポーツニュースなどではバファローズのユニフォームを着ている清原を何度となく観ていますが、直に観ればまた違うと思いました。

Photo_2 岩本勉、最後の一球

そして岩本の始球式。普通なら先攻のバファローズの一番打者(この試合では谷佳知)が打席に入るところですが、清原が打席に入りました。清原は豪快に、本当に思い切りよく空振りしてくれました。岩本も嬉しかったことでしょう。

さようなら、岩本勉

さようなら、清原和博

そしてありがとう。

02

始球式後、マウンドに歩み岩本をねぎらった清原。ともに昨シーズン終了後、不本意な戦力外通告を受けた身。ふたりとも胸中は複雑であろう。

ふたりが与えてくれた感動を胸にしまいこみ、2006年の日本プロ野球に注目したいと思います。

ちなみに試合の方はこんな感じでした。

【12日・東京ドーム】
Bs 000 000 000 =0
F  000 004 01× =5
本塁打)稲葉1号2ラン(大久保・6回)、SHINJO3号(大久保・6回)、稲葉2号(香月・8回)=2打席連続
Bs)セラフィニ、●大久保、平野佳、香月-日高、前田
F)八木、○清水、立石、建山、トーマス-高橋、中嶋

ファイターズの八木は投球間隔が長いのが気になった以外は問題なし。不利なカウントになっても平気でストライクを取れる。安定した投球で5イニングを無失点。また「二番・二塁」でスタメン出場した同じルーキーの川島は二打席連続見逃し三振と精彩を欠いていたが三打席目に先制のスクイズを決め小技も巧いところを見せてくれました。既にオープン戦で殊勲打を何度か放っています。強運の持ち主かもしれませんね。面白い戦力になってくれそうです。また稲葉が右に左にホームランを連発。SHINJOも豪快な本塁打を放つなどファイターズファンにとってはたまらない試合でした。投げる方も八木の後、清水、立石、建山、トーマスとつないで完封リレー。それも全員無四球でスカッとした試合でした。

|

« 辻内デビュー戦で致命的弱点露呈? | トップページ | WBC二次リーグ、直前の不安 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ふたりの選手にさようなら&ありがとう:

» [オープン戦]0312vsオリックス 八木が牛打線を5回0封 [ZAWA talk]
日本ハムのルーキー八木が、オリックス打線を抑え込んだ。清原から空振り三振を奪うなど、先発し5回を投げ2安打無失点。前回登板した4日のロッテ戦では3回で5失点していただけに「今日ダメなら2軍と思っていた」と、危機感を力に変え、猛アピールした。ヒルマン監督も「グ..... [続きを読む]

受信: 2006年3月13日 (月) 01時42分

« 辻内デビュー戦で致命的弱点露呈? | トップページ | WBC二次リーグ、直前の不安 »