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2006年4月21日 (金)

SHINJO引退表明の日にデビューした男

SHINJOが引退表明した18日に一軍デビューを果たした男がいる。

済美高からファイターズ入りして二年目の鵜久森淳志である。済美高時代の甲子園での長距離砲としての暴れっぷりは鮮烈だった。2004年の春の選抜での優勝、そして夏の大会での本塁打連発は、甲子園を沸かせた右の大砲という意味では清原和博以来の逸材と感じさせるスケールの大きさだった。昨年は同期・同年齢のダルビッシュ有が早々と一軍で戦力となったのを尻目にファームの試合に出続けて専ら場数を踏んだ感じだった。敗戦処理。も何度か鎌ヶ谷などで鵜久森の打撃を生で観たが、まだプロの投手の攻めに完全に対応できているという感じではなく、好球が来れば長距離砲の片鱗を見せてくれるという、いかにも未完の大器といった印象を持っている。

16日のホークス対ファイターズ戦でフリオ・ズレータから暴行を受けた金村曉が登録抹消となり、代替えの先発投手を登録するまでの期間限定で、鵜久森の一軍デビューが決まった。鵜久森はSHINJOの満塁本塁打でファイターズの勝利が濃厚となった後の八回裏、代打で登場し、三球三振に倒れた。敗戦処理。から観ても一軍入りは時期尚早だから、三振という結果は致し方ないと思う。新人研修のようなもの。相手チームの清原和博や中村紀洋を観て何かを学ぶもよし、チームの先輩、小笠原道大やそれこそSHINJOから学ぶものもあるだろう。早ければ明日(21)にも二軍落ちするのかもしれないが、ベンチの中からでも学べることはあるのだろう。

ファームの試合で鵜久森を観ていて時折歯痒く思うことがある。それは相手投手に簡単に追い込まれ、つり球や難しい球に手を出して相手の術中にはまるケースが多い点だ。好球必打といった感じに乏しいのが残念だ。もっともファームでも四番を任され、チームの浮沈の鍵を握る存在になっているのでボールをじっくり見ていくよう心がけているのかもしれないが。

一方で魅力的な点は、三打席連続三振でも、ここぞの場面で長打を放ったり渋く内野の間を抜くタイムリーを放ったりして何とか形にしてしまう点。このへんは大器の片鱗を感じさせる。またホームランも、右に左に真ん中にどの角度へでも遠くにとばせるのが魅力で、特に昨年のイースタン最終戦で放った二発の本塁打-一本目がレフトオーバーで二本目がライトオーバー-と打ち分けたのは圧巻だった。

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昨年のイースタン最終戦で2本の本塁打を放った鵜久森。左が1本目でレフトオーバー。右が2本目でライトオーバー。

先のWBC日本代表チームのメンバー構成を観てもわかるように、日本人の右の大砲は意外と少ないのである。多村仁が三番に抜擢されてアジアラウンドから本塁打を連発したから良かったが、多村の活躍がなければ左打者ばかりが並ぶアンバランスな打順を組まざるを得なかったかもしれないほどであった。

SHINJOが引退してチームを去ったら、ファイターズ球団としては新たなスターが必要になる。あのエンターティナーぶりの代役はそう簡単には現れないが、野球選手としてスター生のある選手を育てるとなれば、ダルビッシュや鵜久森に期待がかかろう。さらに鎌ヶ谷には陽仲壽もいる。

                                                                           ここから先は敗戦処理。の推測だが、ヒルマン監督はおそらく今年、時機を見て鵜久森に一軍テストを施す計画だったのだろう。それは昨年のダルビッシュを当初は札幌ドームでしか登板させなかったのと同様に札幌ドームでの三連戦とか六連戦を選んで実施する計画だったのであろうが金村の不慮のアクシデントで急遽計画を前倒し。札幌ドームではないけれど東京ドームだから、まあいいや。(移動の交通費も浮くし。)

おそらくは今後、ダルビッシュと鵜久森を前面に出した売り出し計画を球団はどんどん試みることだろう。

ところで敗戦処理。は当ブログでも書いたように、今月8日にジャイアンツ球場でジャイアンツ対ファイターズ戦を観戦した。この試合のファイターズのスタメンは次代のファイターズを担うであろう顔ぶれが上位打線に揃う、夢のラインアップであった。

Photo_2一番から川島慶三、工藤隆人、陽、鵜久森。川島はこの後一軍に返り咲いて例の八木智哉が幻のノーヒットノーランを達成した試合で決勝点となる内野ゴロを放った選手だが、ホセ・マシーアスが既に34歳であることを考えると、これから十年余り、陽と二遊間を組んで守りの要となって欲しい期待の星である。そしてセンターには工藤。タイガースの赤星憲広の後輩に当たるJR東日本出身の左打ちの外野手で駿足が売り。入団時から先輩と同じ背番号53を託されているところから球団の期待も判ろうというもの。出来れば近い将来、これと同じ並びを一軍でも観てみたいほどだ。決してそれは夢ではないと思う。

明日(21)のファイターズ対マリーンズ戦の予告先発が橋本義隆と発表された。奇しくもこの夢のラインアップの日の先発投手でこの日勝利投手に輝いたファーム投手陣の成長株№1。橋本は明日一軍登録され、おそらく入れ替わりで鵜久森が二軍落ちであろう。(また交通費が浮く!)敗戦処理。は今日までの対バファローズ三連戦 in 東京ドームを生観戦する予定であったが三日間とも仕事の関係で行けなかった。鵜久森の晴れ舞台を観たかったが、今度の土曜の鎌ヶ谷に何食わぬ顔して四番を打っているような気がする。その時にまた会えるだろう<苦笑>。次に一軍から声がかかる時は実力で呼ばれる時。そのタイミングで東京ドーム(または週末の千葉マリンか所沢)があれば、今度こそ馳せ参じたいものだ。

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