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2006年5月 2日 (火)

究極の十二球団戦力均衡化シミュレーション-ゴールデンウイーク暇つぶし企画

一昨年の球界再編論争において、日本プロ野球が十二球団で生き残っていくためのありかたが論じられる中で球団間の戦力格差を埋める、いわば球団間の戦力均衡化の必要性が俎上に載せられるケースが目立った。ドラフト制度の改革やFA制の導入などで人気や資金力のあるチームに有力選手が集まりやすい現状を何とかしない限り戦力の均衡化による白熱した優勝争い、順位争いが見込めないという論議だ。

では、どうすれば十二球団の戦力を均衡化出来るのか?

ここでは非現実的ではあるが、十二球団の選手を実力に応じて再分配し、十二球団の戦力を極力均衡化させる方法を考えてみた。ドラフト制度の論議で取り上げられるウェーバー制度というものがある。ドラフトで下位チームから順に希望選手を指名していくという方式である。例えば一巡目は前のシーズンの日本シリーズに敗れたチームのリーグの最下位チームが1番目に指名し、2番目は日本シリーズに勝ったチームのリーグの最下位が指名。3番目は日本シリーズに敗れたチームのリーグの5位チームが指名する。一巡目の11番目は日本シリーズに敗れたチームで、12番目は日本シリーズに勝ったチームによる指名となる。二巡目は指名順をこの逆とし、1番目が日本シリーズで勝ったチーム、2番目は日本シリーズで負けたチーム、そして11番目は日本シリーズに勝った方のリーグの最下位、12番目は日本シリーズに敗れた方のリーグの最下位。以降、指名順ごとにこの順序を交互にするという制度である。本シミュレーションでは十二球団の外国人選手を含めた全現役選手をこのウェーバー制で十二球団に再分配すれば、十二球団の戦力を均衡化出来るのではないかという仮説に基づいて選手のシャッフルを行うのである。

そのためには十二球団の支配下選手、全802選手を1番から802番まで完全に順位付けしなければならない。どのような方法が適切か考えたが、敗戦処理。の主観が入ることを避ける意味で数値化して順位を決めることにした。必ずしもベストな方法とは思えないが、推定年俸の多い順にランク付けすることにした。ただし推定年俸の基準となる各球団の台所事情はそれぞれ異なるから、例えば同じ推定年俸1億円の選手であっても、金満球団の1億円選手と、そうでない球団の1億円選手を同じ順位にすることには疑問がある。そこで全球団の財源を同じものとし、その中で多くの年俸を勝ち得ている選手が上の順位に来るような計算を試みた。

約七十年の歴史を誇る日本プロ野球の歴代通算打率を比較するのに時代間の格差(飛ぶ球、反発力の強いバットの使用、球場の広さ)を同じ条件下に置き換える公式として、古くから使われるTBA( True Batting Average )というものがある。

(A選手の通算打率-A選手の実働期間中のリーグ打率)×プロ野球創設以来のリーグ打率÷Aの実働期間中のリーグ打率+プロ野球創設以来のリーグ打率

この式は昭和59年(1984年)のNumber誌(文藝春秋)からの引用であるが、当時の数値で通算打率を比較すると、通算打率1位、.323の若松勉は.309となり、通算打率3位.313の川上哲治は.325となって逆転する。

これと同じ理屈で、十二球団の財源を同じ条件とし、各選手の推定年俸を再査定するための式は以下のようになる。

(A選手の推定年俸-A選手の所属球団の平均年俸)×十二球団の平均年俸÷A選手の所属球団の平均年俸+十二球団の平均年俸

ちなみに敗戦処理。調べによる推定年俸のベスト12は以下の通りである。

1位 A・カブレラ    60,000(単位=万円、以下同じ)
2位 T・ウッズ     50,000
2位 松中信彦     50,000
4位 小笠原道大   38,000
5位 上原浩治     34,000
6位 今岡誠      33,000
6位 松坂大輔     33,000
8位 高橋由伸     32,000
9位 岩瀬仁紀     30,500
10位 A・ラミレス     30,000
10位 小久保裕紀   30,000
10位 西口文也    30.000
10位 J・パウエル   30,000
10位 SHINJO    30,000

上の式で再計算した結果の換算年俸ベスト12はこう変わる。財源のない球団で高い年俸を貰っている選手が浮上してきます。

1位 A・カブレラ      57,204(単位=万円、以下同じ)
2位 松中信彦        43,798
3位 小笠原道大      39,965
4位 T・ウッズ        37,111
5位 黒田博樹        33,572
6位 J・フェルナンデス 31,864
7位 前田智徳      31,558
8位 SHINJO         31,551
9位 松坂大輔      31,462
10位 A・ラミレス      31,015
11位 岩隈久志      28,678
12位 西口文也      28,602

そしてこのベスト12が十二球団のドラフト1位となる。

カープ             A・カブレラ
ゴールデンイーグルス 松中信彦
ジャイアンツ         小笠原道大
ファイターズ          T・ウッズ
スワローズ          黒田博樹
バファローズ         J・フェルナンデス
ベイスターズ         前田智徳
ライオンズ          SHINJO
ドラゴンズ           松坂大輔
ホークス            A・ラミレス
タイガース           岩隈久志
マリーンズ           西口文也

偶然だろうが所属チームの変わらない選手はいない。そして換算年俸13位~24位の選手をドラフト2位として割り振る。ウエーバー制度なのでマリーンズ、タイガース、…ゴールデンイーグルス、カープの順になる。

マリーンズ           今岡誠
タイガース           小林雅英
ホークス            和田一浩
ドラゴンズ           谷佳知
ライオンズ           鈴木尚典
ベイスターズ         三浦大輔
バファローズ         金本知憲
スワローズ          石井一久
ファイターズ           J・カブレラ
ジャイアンツ          緒方孝市
ゴールデンイーグルス  古田敦也
カープ              上原浩治

そして全選手をウェーバー順で割り振っていく。ポジション別に分けるという作業をしていないので特定の球団に特定のポジションの選手が固まる恐れはあるが、取りあえずやってみる。

なおスワローズの古田選手兼監督が野村克也監督率いるゴールデンイーグルスに入団するという皮肉。スワローズで一時代を築いた師弟関係の復活で新規参入球団の二年目を強化して欲しい。ここではスワローズの監督には若松勉前監督に留任して貰う。

「simulation-of-balance.xls」をダウンロード

さて、十二球団の割り振りが決まったところで、開幕戦のオーダーを組んでみる。

パ・リーグ開幕戦
ファイターズ対ゴールデンイーグルス

ゴールデンイーグルス ファイターズ
(左)村松有人      (二)仁志敏久     
(三)平野恵一      (遊)梵英心
(遊)A・シーツ      (三)岩村明憲
(一)松中信彦      (一)T・ウッズ
(指)山崎武司      (捕)阿部慎之助
(右)武内晋一      (左)J・カブレラ
(捕)古田敦也      (指)佐伯貴弘
(二)藤本敦士      (右)桧山進次郎
(中)鈴木尚広      (中)堀田一郎
(投)金村曉       (投)D・ゴンザレス

その他の先発投手  その他の先発投手
藤井秀吾        清水直行
土肥義弘        小林宏之
江草仁貴        C・リー
有銘兼久        前川勝彦

抑え           抑え
建山義紀        小山田保裕
木佐貫洋        長田秀一郎

野村監督談「金村は生まれ故郷の宮城でさらに一皮向けてくれることを期待しとる。ライトにはグラボースキーを使おうか迷ったが、新人の武内にかけてみたい。古田はワシの後釜を狙っているようだが、ワシは捕手古田の後釜を捜さねばならない。谷繁も先が見えているし、高橋信二は打撃だけ。カツノリが広島に行ってしまったので、炭谷という新人でもワシの横に座らせて教育するわ。」

ヒルマン監督談「投手には清水直行と小林宏がいるが、WBCが終わったばかりなので開幕カードは無理だろう。北海道には以前は巨人ファンが多かったと聞いているので巨人から来た選手には期待している。特に堀田は北海道の出身だからね。」

ライオンズ対バファローズ

バファローズ       ライオンズ
(遊)小坂誠        (左)青木宣親
(中)佐藤友亮      (三)今江敏晃
(一)J・フェルナンデス (一)イ・スンヨプ
(左)金本知憲      (右)サブロー
(指)ベニー・A       (指)A・リグス
(右)M・フランコ      (中)SHINJO
(三)木元邦之      (捕)矢野輝弘
(捕)長坂健治      (二)小谷野栄一
(二)宮本慎也      (遊)早坂圭介
(投)斉藤和巳      (投)帆足和幸

その他の先発投手  その他の先発投手
S・ダグラス        K・バーン
金田政彦        S・バワーズ
インチェ          正田樹
黒木知宏        吉井理人
                    
抑え            抑え
豊田清          横山道哉
三瀬幸司        

中村監督談「打線には自信がある。他にも宮地克彦とか宮出隆自とか使いたい選手がいるし。ただ捕手が長坂を含めて四人しかいないのが辛い。」

伊東監督談「旧ロッテ勢やSHINJOの明るいキャラで観客動員をアップ出来れば。投手陣は不安。藪田安彦と星野智樹の中継ぎ陣はしっかりしているけど、先発と抑えがいないなぁ。」

ホークス対マリーンズ

マリーンズ         ホークス
(中)大村直之      (中)森谷昭仁      
(遊)石井琢朗      (右)藤井淳志
(二)井端弘和      (二)種田仁
(右)多村仁        (三)小久保裕紀
(三)今岡誠        (指)A・ラミレス
(左)アレックス・O     (左)和田一浩
(一)石井義人      (一)J・ズレータ
(指)大松尚逸      (捕)橋本将
(捕)日高剛        (遊)城石憲之
(投)西口文也       (投)工藤公康

その他の先発投手   その他の先発投手
ドミンゴ・G           高橋建
門倉健            川島亮
高橋尚成          山口和男
G・グローバー       中田賢一           

抑え              抑え
藤川球児          石井弘寿
馬原孝浩          五十嵐亮太

バレンタイン監督談「前のチームならかなりの人数をWBCに出さなければならなかったが、このチームではさほどではなかったからベストコンディションで開幕を迎えられるね。」

王監督談「WBCでしばらく日本を離れていたので、まだ誰がどのチームにいるのか把握出来ていないよ<苦笑>。工藤と小久保が福岡に帰ってきてくれたのでファンも喜んでくれていることだろう。」

セ・リーグ開幕戦
ジャイアンツ対ベイスターズ

ベイスターズ        ジャイアンツ
(中)清水隆行       (中)緒方孝市            
(二)高須洋介       (遊)川崎宗則
(三)金城龍彦       (一)小笠原道大
(右)福留孝介       (右)嶋重宣
(左)前田智徳       (二)G・ラロッカ
(一)清原和博       (三)立浪和義
(遊)中島裕之       (左)田中幸雄
(捕)倉義和         (捕)領健
(投)三浦大輔        (投)川上憲伸

その他の先発投手   その他の先発投手
佐々岡真司        杉内俊哉
小野晋吾          和田毅
ダルビッシュ有       L・マルティネス
桑田真澄          吉見祐治
                    
抑え               抑え
張誌家             岩瀬仁紀
永川勝浩           久保裕也

牛島監督談「オレも甲子園で活躍してプロに入った選手だったから、桑田と清原の花道はきちんとつくってあげたいね。金城を三塁に回したのは外野手ばかり多いので内野の経験がある金城に回って貰った。前田と清原はフル出場は難しいかもしれないので濱中治をうまく使って休ませたい。」

原監督談「長嶋さんでもこれだけ欲しい選手を揃えられなかったでしょう。四番は小笠原でも良かったんだけど、本人が『三番が慣れている』って言うのでね。田中の外野には不安はあるけど、早めに2000本安打を達成して欲しいから。」

スワローズ対タイガース

タイガース           スワローズ
(二)鳥谷敬          (二)荒木雅博
(中)柴原洋          (右)真中満
(遊)二岡智宏        (一)福浦和也
(三)新井貴浩        (三)中村紀洋
(右)稲葉篤紀        (中)高橋由伸
(左)憲史            (左)矢野謙次
(一)小田智之        (遊)阿部真宏
(捕)的山哲也        (捕)藤井彰人
(投)新垣渚          (投)黒田博樹

その他の先発投手     その他の先発投手
岩隈久志            石井一久
J・パウエル            久保康友
下柳剛               M・ロマノ
大竹寛               S・ソニア

抑え                 抑え
小林雅英            藤田宗一
J・ベイル             川村丈夫
福原忍(一応三人でJFK)

岡田監督談「この制度には反対だったかって?そらそうよ。」

若松監督談「この制度のお陰で今年も監督をやることになりました。抑えがいないので本来は中継ぎの二人に抑えをやってもらうよ。そういうのには慣れているから。」

ドラゴンズ対カープ

カープ             ドラゴンズ
(遊)西岡剛         (中)赤星憲広
(右)栗山巧         (遊)沖原佳典
(左)坪井智哉       (左)谷佳知
(一)A・カブレラ        (三)村田修一
(三)中村剛也       (右)K・ガルシア
(中)大塚明         (捕)里崎智也
(二)三木肇         (一)栗原健太
(捕)カツノリ          (二)東出輝裕
(投)上原浩治          (投)松坂大輔

その他の先発投手     その他の先発投手
山本昌             井川慶
D・セラフィニ         渡辺俊介
J・ベバリン          石川雅規
T・デイビー          一場靖弘

抑え              抑え
M・クルーン          MICHEAL
久保田智之          安藤優也

ブラウン監督談「捕手は似たり寄ったりのレベルなので迷っていたら変なオバサンから電話がかかってきたのでカツノリにしておいた。」

落合監督談「開幕投手は松坂でも井川でも渡辺俊介でも石川でもよかったんだけどね。嬉しい悲鳴だな。」

全く無作為にシャッフルしたので戦力が均衡になっているとは言い難く、非現実的ではありますが、こういう遊びで想像をめぐらすのは面白いものがあります。いずれ交流戦も飽きられたら、本当にシャッフルを考えなければならない時が来るかもしれませんね。

換算年俸について       
       
球団ごとに財源に差があることを均一化するため、推定年俸を以下の式にて換算しています。       

対象としたのは後から開幕したセ・リーグ開幕日、3月31日現在の十二球団支配下選手です。       

換算年俸=(A選手の推定年俸-A選手の所属球団の平均年俸)×十二球団の平均年俸 ÷ A選手の所属球団の平均年俸  + 十二球団の平均年俸
                     

この式は、アメリカの「スポーティング・ニューズ」という雑誌で時代、環境の異なる選手の成績を同一条件下において比較出来るように用いたTBA(True Batting Average)という式をもとにして作成しました。       

なお、計算の元になっている推定年俸は主に日刊スポーツに掲載されたものを使用していますが、       
必ずしも単一の媒体のみから使用しているものではありません。       

換算値が同じ場合、前年の推定年俸が高い方を上の順位としました。前年も同額の場合はさらにその前年にさかのぼっていきます。       

       

選手名、推定年俸は一応校正しましたが、誤記が無いとは保証出来ません。ご了承下さい。       

このランク付けは、敗戦処理。が個人的に十二球団全選手の推定年俸のデータベースを持っているので推定年俸をもとに       
ランク付けしただけに過ぎません。このランクが必ずしもプロ野球選手のランク付けになるものではありません。

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