ファイターズ奈良原、金銭トレードでドラゴンズへ
ファイターズの奈良原浩(38歳)内野手が金銭トレードでドラゴンズに移籍することになり、17日、両球団から発表された。奈良原は昨シーズン終了後、ファイターズから事実上の戦力外通告を受け、それこそ想定外の大幅な年俸ダウンを飲んで現役続行を決意したという経緯がありました。 田中賢介、飯山裕志といった昨年まで一軍半だった内野手が完全に一軍に定着し、新外国人のホセ・マシーアスや即戦力ルーキーと言われた川島慶三ですら一軍にいられない現状で、38歳の内野手に一軍復帰の可能性はたしかに少ないでしょうが、ファイターズでは数少ない日本シリーズ出場経験者として、今シーズンの終盤、チームがプレーオフ進出をかけた争いをする時に、そしてそのプレーオフで日本シリーズ進出をかけて闘う時にこのベテランの力が必要になると信じていた敗戦処理。にとってはショックが大きいです。 報道によると、奈良原本人は出場機会の可能性があるならと言うことで、今回のトレードを前向きに捕らえているようです。それが救いではありますね。 ただどうでしょうか。ドラゴンズは正二塁手の荒木雅博選手が右脇腹痛で長く戦列を離れていますが、奈良原と同じような境遇の超ベテラン川相昌弘の存在もありますし、荒木が復帰し、沢井道久や中川裕貴に一軍挑戦というレベルアップがあれば、また同じ運命になるかもしれません。それでもファームですら出場機会が満足に得られない現状よりはベターだとの判断でしょうか。 敗戦処理。はファイターズのファームの本拠地、鎌ヶ谷に月1回程度観戦に出かけますが、鎌ヶ谷でファームの内情に詳しい方から、奈良原本人から、モチベーションを保つのがしんどくなっているとのニュアンスの言葉を聞いたと言う話を聞いたことがあります。本人、球団ともに苦渋の決断だったのでしょう。 ちなみにトレードが発表された17日、敗戦処理。は鎌ヶ谷でイースタンのファイターズ対ジャイアンツ戦を観戦していました。奈良原は六番・DHでスタメン出場していた尾崎匡哉の代打として出場。2打数1安打でした。最初の打席は野間口貴彦からセンターライナー、二打席目は同じ野間口からいかにも奈良原らしい渋くセンター前にはじき返す安打。このイニングはファイターズが0対7から5点を還すビッグイニングになったのですが、その中で貴重なツナギ役を果たしました。 ↓観戦記はコチラ↓ その時点ではまさかこれがファイターズのユニフォームを着た奈良原を観る最後の機会になるとは思いませんでしたが。 この試合でも将来の大型内野手と言われ、「守りはすぐに一軍で使える」とまで言われた陽仲寿や、今日初の一軍入りを果たした稲田直人に内野守備でぎこちないプレーが目立っていただけに、奈良原には現役選手としてのモチベーションを保ちつつ、若手のお手本として語り部でもあって欲しいと思っていました。 それにしてもファイターズというチームは、昨シーズン終了後にはこの奈良原への年俸50%ダウン提示以外に、岩本勉と山田勝彦に戦力外通告→コーチ就任要請をして共に断られるなど、晩年を迎えた選手への配慮に何か欠けがあるように思えて残念でなりません。特に山田はファイターズからのコーチ就任要請を断った挙げ句、同一リーグのゴールデンイーグルスのコーチに就任しました。そもそも奈良原がファイターズに来たトレードの経緯も、元エースで成績が下降した西崎幸広に戦力外通告をし、「出来ればFA宣言してどこか他球団に行って欲しい」などと身勝手な要望をした挙げ句、石井丈裕とともに2対1のトレードになったものでした。 何かこのチーム、ちょっと変ですね。 最後になりますが、決まった以上はドラゴンズで悔いのない現役生活を送って下さい。そしてファイターズのユニフォームを着て最後のプレーを生で観ることの出来た幸運に感謝します。
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