SHINJO最後の東京ドーム。そしてもうひとり
7月30日のファイターズ対ホークス第12回戦はファイターズにとって今季最後の東京ドームでの公式戦。既に今季限りでの現役引退を表明しているSHINJOにとってはかつてタイガース時代に宿敵ジャイアンツと激戦を繰り広げた球場でもあり、ヒーローインタビューの場を借りて現役引退を表明した場でもある。
敗戦処理。はSHINJOが引退表明する前からこの日の試合に注目していた。今季の日程ではファイターズが東京ドームで行う土、日の試合、つまり敗戦処理。が生観戦可能な試合は7月30日のこの試合だけだからだ。平日でも仕事が速く終われば試合の2/3くらいは観戦出来るのだが、今季は4月にホークス戦を一試合観戦出来ただけだった。SHINJOが引退表明をした試合も行く意気込みはあったが、仕事で都合がつかなかった。
そんな訳で前売りが発売された5月早々にこの試合のチケットをおさえておいたのだが、その時にSHINJO以外にももうひとりこの日の試合が最後の東京ドームになるかもしれないと敗戦処理。が勝手に思い込んでいる人物がいる。
ホークス監督、王貞治。
もちろん5月にチケットを購入した時点では王監督が病気になるなどということは考えていなかった。ただ王監督もホークスを率いてもう12年目だ。チームをパ・リーグでは揺るぎない力のチームに育て上げ、そろそろ後進に道を譲ってGM、球団副社長という立場から大所高所に立ってチームを観るようになるのではと敗戦処理。は勝手に妄想していたのだった。
そして王監督は病気でチームを離れなければならなくなった。王選手時代からのファンとしては、病気の治療がすんで体調が旧に復しても、もう王さんにはユニフォームを脱いでゆっくり休んで欲しいものだと思っている。その意味では本人は不在ながら、「王ホークス」としては最後の東京ドームかもしれない。敗戦処理。はもちろん試合ではファイターズを応援するが、野球に興味を持ち始めた頃からのスーパースター王貞治のことも気になる。
そこで敗戦処理。としても、何か王監督に影ながら力になれないかと考えた結果、東京ドーム観戦に先立ち、自由が丘に寄って亀屋万年堂でナボナを購入した。やはり敗戦処理。の世代にとって王貞治といえばナボナなのである。自由が丘駅前ロータリーにある自由が丘駅前店ではなく、そこからちょっと離れた亀屋万年堂総本店に入った。
もちろん店内にはGIANTSのユニフォームを着てナボナを宣伝する王選手のポスターが飾ってある。また2005年1月1日の日付の入った王さんのサイン色紙も飾られていた。敗戦処理。はナボナ数種類を選びレジへ。これで店員さんが「ナボナ同様、森の詩もよろしく」と言ってくれれば最高なのだが、そういうジョークを言いそうな感じの人では無かったので森の詩も一緒にレジに出した<笑>。そして王監督の一日も早い回復を祈り、東京ドームに入場後、ナボナと森の詩を食した。
実は、敗戦処理。にとってナボナを食べたのは29年ぶり。前回食べたのも東京ドームの前のジャイアンツの本拠地、後楽園球場であった。その時は王選手が大リーグのハンク・アーロンの持つ本塁打記録を超えた翌日で、王選手の大記録を祝福して観客全員にナボナがプレゼントされたのだ。1977年(昭和52年)9月4日-ジャイアンツ対スワローズ戦。読売新聞の販売員から外野自由席のチケットをもらっていた敗戦処理。はその前日、初めて王選手にホームランを打つなと願った。しかしその願いも虚しく王選手は敗戦処理。観戦予定の前日に756号を放ってしまった。
ちなみに王選手は敗戦処理。がナボナを食べて観戦した756号翌日の試合でサヨナラ本塁打を放った。やっぱりただものじゃない。
「ナボナはお菓子のホームラン王です。」-王選手を起用したCMで一躍名をはせた亀屋万年堂。王選手が親しくしていたチームメートの奥さんの実家が営んでいたことで出演が決まったそうだ。そして現在、王さんの元チームメートは亀屋万年堂の社長に就任している。名刺には「元東京読売巨人軍」と刷られているらしい。
その人の名は国松彰。
自由が丘から東急東横線とJRを乗り継いで東京ドームに着いた敗戦処理。はびっくり。予定より早く、開門の16:15より前の16時前に着いたのだが22番ゲートに長蛇の列。当日券売場には「指定席完売」の貼り紙が。こりゃぁ北海道移転前の本拠地としての最終戦以来の大入りかと思ったが、本当にその通り。ファイターズ戦で東京ドームの内野の二階席に客を入れたのもひょっとしたらその時以来か?
試合はファイターズ八木智哉、ホークス杉内俊哉の予告先発。両先発絶好調で四回表まで両軍とも一人の走者も出ない投手戦だったが四回裏二死から小笠原道大が両軍初安打となるライトポール際への先制ソロ本塁打。ここでフェルナンド・セギノールがレフトフェンス直撃の二塁打。レフト松中信彦の好返球であわやというタイミングだったがセギくんが巧くタッチをかわしたようでセーフ。
セギノールにもこういう走塁が出来るんだ!
稲葉篤紀も続きセンター前に運ぶタイムリー。そして中締めはSHINJOの東京ドームラストアーチ!!
東京ドームでのファイターズ最終戦で、本当に最後になるSHINJOと、主砲ガッツの一発そろい踏み。在京ファイターズファンにとってはこの上ない展開だ。
八木は五回表にフリオ・ズレータにソロ本塁打を喫して完全試合を逃すが、その後もスイスイ。アウトの半数近くがSHINJOへの飛球という、SHINJOのラストステージを意識したかのような投球、お見事。
六回裏に稲葉が杉内からソロ本塁打を放ち5対1としてここで杉内KO。七回表に杉内が二つの死球でつくった二死一、二塁のピンチを切り抜けたあたりで何とかモノに出来そうなメドがついた感じであったが、その裏無死一塁から杉内対策でスタメン出場していた田中幸雄が1978本目、毒島章一さんを抜く球団歴代単独2位になる節目の安打をライト線に運び、これが二塁打で無死二、三塁。敗戦処理。としてはまさに感無量。役者が揃ったとはこういう時に使う表現なのであろう。
結局この後金子誠のタイムリーと田中賢介のスクイズで2点を加えで7対1として勝負を決めた。
九回表、エラーがらみの一死一、二塁で6点差あるのに八木降板。何でと思ったら今日一軍登録された岩下修壱の移籍後初登板。白血病と闘いながら投げ続ける苦労人。松中を三ゴロに仕止め見事お役御免かと思ったらズレータ相手に続投。
本当かよ!
岩下に右の大砲ズレータを抑えろと言うのはさすがに酷だったようで、フルカウントから四球。ここで武田久が出てきて大道典良にタイムリーを打たれて7対3となるが、代打・本間満を三振に仕止めて7対3でゲームセット。ファイターズにとって今季最後の東京ドーム主催試合は36,505人という異例の満員ファンの後押しもあって快勝に終わった。
ヒーローインタビューは好投した八木。本塁打を放ったSHINJOがまた何かバカなこと、いや爆笑パフォーマンスを魅せてくれるかと思ったが特になし。ただ東京ドーム最終戦ということでファイターズナイン達が試合終了後にライトスタンドのファンに挨拶に出向いた。
結局「お菓子のホームラン王」パワーはファイターズ打線に御利益があったようで、ガッツ、SHINJO、稲葉の一発がホークス投手陣を粉砕した形になった。
敗戦処理。にとっての憧れのスーパースター、王貞治さんには一日も早く、体調回復して欲しいですが、それとペナントレースの展開は別。監督の一大事にナインが結束し、ホークスが100%以上の力を出して頑張る姿に胸が熱くなる点もあるが、だからといって、ライバル球団がたやすくホークスに快進撃をさせてはなるまい。プロ野球とは最高の技術水準を持つ同士の争いで、基本的には技術や戦術に勝る方が勝利を得るもので、メンタルな要素が入ってきても揺るがないのが高い水準=プロ野球だと敗戦処理。は思っている。
そしてファイターズは今年、優勝出来るチャンスの年なのだ。
【30日・東京ドーム】
H 000 010 002 =3
F 000 401 20× =7
H)●杉内、竹岡、神内、星野-的場
F)○八木、岩下、武田久-高橋信
本塁打)小笠原20号(杉内・4回)、SHINJO13号2ラン(杉内・4回)、ズレータ21号(八木・5回)、稲葉14号(杉内・6回)
あ~あぁ、本当は今年は東京ドームで日本シリーズを開催するはずだったのになぁ。
P.S. 関係ないですが先日所沢でも王さんの回復を七夕様に願かけしているのを見つけました。
よく見ると隣に王さんの古巣のチームの前オーナーの悪口が…<苦笑>。
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