欽ちゃん球団解散せず。-何でそうなるの?
所属選手の破廉恥な行為を理由に自らが監督を務めるクラブチーム、茨城ゴールデンゴールズの解散を宣言した萩本欽一監督が22日、かねて予定されていたセガサミー戦で解散を撤回。球団の続行を明言した。衝撃の解散発言からわずか3日。停滞気味の社会人野球にクラブチーム設立ブームをもたらした救世主の球団解散撤回宣言に関係各方面は一安心といったところのようだが、わずか3日で「何でそうなるの?」
欽ちゃん球団こと茨城ゴールデンゴールズは22日、解散宣言後初の対外試合、対セガサミー戦を新潟県魚沼市で行った。この試合は震災復興の記念試合だったが、試合前、スーツ姿でグラウンドに姿を現した萩本監督はスタンドのファンの「やめないで~」に答える形でスーツを背番号55のユニフォームに着替え、チームの存続を誓った。かつて司会を務めた人気番組「スター誕生」風に言えば「かいさ~ん、なしよ」と言ったところか。
そもそも一選手の不祥事で、なぜ球団ごと解散という形にならなければならないのかが最大の謎だが、このチームにも契約しているスポンサーがあり、大将の思いつきで解散出来る規模ではなくなったということだけは確かの様だ。冒頭にも記したように、停滞気味の社会人野球界にクラブチーム設立ブームという波を起こしたトップランナーである茨城ゴールデンゴールズというチームの存在意義を考えると、そのチームが存続するという結論は喜ばしい。60歳を過ぎた大人がわずか3日で前言を翻すという茶番に言いたいこともあるが、解散宣言以後の報道を見て気になったことについて述べてみたい。
萩本監督の解散宣言の翌日のいくつかのスポーツ紙を読んでみた。切り口は似ており、欽ちゃん球団以降に発生した、著名人が携わっているクラブチームの数々が紹介されており、その冠になっている著名人からの解散を惜しむ声を載せている。敗戦処理。個人としても解散は惜しいと想うが、欽ちゃん球団が解散したらクラブチームブームも終焉だというような声もあり、少々ガッカリした。もしも欽ちゃん球団が解散したら、残ったクラブチームががんばって野球の裾野を拡げる活動を引き継げばよいだけの話だと思うが、彼らは欽ちゃん球団、いや萩本欽一という存在にオンブにダッコで自分たちで社会人野球を、クラブチームを、野球というスポーツを盛り上げようと言う気概を持っていないのだろうか?
「萩本さんが人気に火を付けてくれたから、俺もここらで地元に恩を売るのも兼ねて、野球チームに名義貸ししておくか」という程度でやっていた著名人や、社会人野球界そのものも、欽ちゃん球団人気にオンブにダッコで自前の野球人気復興策を持ち合わせていないとしたら、あまりにも情けない。
折しもプロ野球界では来年のポストシーズンをセとパで統一した方がいいのでは?という話からセ・パ交流戦の試合数の減少案に話が及び、交流戦の試合数の維持を主張するパ・リーグと、現象を主張するセ・リーグで真っ向から主張が対立しているが、これも対ジャイアンツ戦、対タイガース戦という特定人気カードを組める試合数に関わる利権争いという構図に置き換えることが出来、欽ちゃん球団ブームにぶら下がろうとしているタレントによるクラブチーム、社会人野球界全般の構図と共通する感じがする。
プロ野球も社会人野球も、特定のヒーローの存在にすがりすぎているようでは明るい未来は無いと思う。いつまでもONという存在に頼り続けることも同様。この3日間に起きたこと、その報道に接して日本の野球界はまだまだ改革がほとんど進んでいないのだなという思いを強くしてしまった。
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