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2006年10月18日 (水)

松坂を大リーグに渡して本当にいいのか?

ライオンズがパ・リーグのプレーオフ第一ステージで敗退したため、大リーグでのプレーを熱望しているといわれる松坂大輔のポスティングシステムによる大リーグ移籍をライオンズ球団が認めるかどうかに注目が集まっている。

2000年オフのイチローの時と同様に、FA権取得を一年前にしてのポスティング容認となれば、FAによる大リーグ移籍だと球団に補償金が入らないため、ポスティング制度にかけて入札金が球団に入る方が得という考えなのであろう。しかし、本当にそれでいいのか?

このジレンマは、ポスティングシステムがあって、一年でも早く大リーグに移籍したい選手が存在する限り今後も続くものであろうが、イチローの時にも感じたことだが、「ライオンズの松坂」というより、「日本を代表する投手・松坂」を一年前倒しして手放してしまって良いのだろうかという疑問が敗戦処理。には残る。

12日付の日刊スポーツによると、米国シアトル紙が松坂の交渉権獲得には日本円にして約3450000万円が必要だと報じているらしい。たしかにこの金額が入れば、少なくとも来年のライオンズは単年では赤字から脱却出来そうだ。

西武ホールディングス後藤高志社長

「日本ナンバーワン投手だから(抜けた場合の不安は)大きいが、一般論としてトップアスリートが世界の舞台で腕を試したいという気持ちは理解できる。西武グループとしては容認?そう受け取ってもらって結構です。」

まあ西武グループの財政的事情を考えると、34億円には代えられないのでしょうね。

しかし冷静に考えると、来季のライオンズ球団の収支は、この34億円を別にして今季と比較した場合、明らかに落ちることだろう。

それでなくても、ライオンズの人気は決して高いとは言えない。プレーオフ第一ステージ、第二戦、第三戦のスタンドの熱気はホークスファンに完全に押されていたという。埼玉県所沢市という独占市場にいながら、同じパ・リーグでもファイターズ、ホークス、マリーンズのような地元に愛される地域密着型球団になっているとはとても言い難い。常勝球団を築いた名将森祇晶が抜け、清原和博が抜け、松井稼頭央が抜け、豊田清が抜け…、その度にチームカラーを変え、25年間の長きにわたりAクラスを続け、その間半分以上の15年間もリーグ優勝を果たしているチームつくりには本当に頭が下がるが、ファンによる盛り上がり、一体感に欠け、観客動員もままならない。今シーズンは終盤までリーグ1位突破がかなり濃厚な位置をキープしていたにもかかわらず、観客動員数では実数発表になってから二年連続でパ・リーグ5位。これがライオンズ球団の実情だ。

冒頭に記した、イチローをポスティングシステムで手放した当時のブルーウェーブがその後どうなったか?

ライオンズも旧ブルーウェーブと同じような転落の一途をたどるのか?

かつて大砲清原がFAで抜けた時には機動力野球型のチームに変革して翌年には3年ぶりのリーグ優勝をすぐ果たした。松井稼頭央の抜けた穴は、同じ遊撃のポジションに全く異なるタイプの中島裕之を抜擢し、やはり翌年すぐ優勝を果たした。松坂の代役など、来季すぐにあらわれるはずはない。西口文也を中心に投手陣全体のレベルアップで補おうとすることが考えられるが、あるいは打高投低のチームに変貌するのかもしれない。これまでの事例同様、チームカラーを一新して臨むかもしれない。

しかし今のライオンズにとって重要なのは、そうしたチーム強化もさることながら、チーム成績が安定しているのに観客動員がままならないことへの対策の方が急務で、こればかりは松坂のポスティング移籍で大リーグの球団から34億もらおうがいくらもらおうが、決して解決には近づかない問題である。

一説によると、イチローをポスティングにかけたことで旧ブルーウェーブ球団にもたらされた入札金の約14億円は球団の強化費などに使われたのではなく、それまでの球団の赤字を補填してきた親会社に還元されたといわれている。西武グループが同じ道理で松坂の入札金を還元するよう介入してくることも想像に難くない。上記の西武グループトップのコメントをその通りに受け取れはしない。

「松坂がいるだけじゃ、観客動員に結びつかない」

よく耳にする意見だ。しかし「松坂がいなくなったら、さらに観客動員は冷え込む」ということが何故わからないのか。「目先の金に目がくらんで松坂を売った球団」というレッテルを貼られ、さらに球団イメージを悪化するリスクを考えていないのか。たしかに34億円という大金は、何物にも代えがたいものだろう。松坂流出という問題はポスティングをしなくてもその一年後には間違いなくやってくる問題だ。一年早くチーム力の低下を招くリスクを負ってでもどうせなら球団への見返りが多い方法を考える道理もわかるが本当にこれが最良の選択肢なのか?

今後も大リーグ志望の高い超スター選手を抱える球団は、選手の大リーグ移籍希望を我慢させながら、FA取得一年前にポスティングシステムでの移籍を容認するという戦術に走るだろう。しかし、スター選手の流出ということがいかにチーム力に響くかということをもう一度考えて欲しい。一年でも長くそのような選手には元の球団でプレーして欲しいと、ファンは本音では思っているはずだ。

ポスティングではないが、松井秀喜を失ったジャイアンツは、その後天下のジャイアンツとは思えないほど悲惨なチームに成り下がっている。清原、松井、豊田らの流出を、チームカラーを変えることで何とかチーム力ダウンを免れてきたライオンズが、また今度もチーム力ダウンを免れる術を持っているのか、そしてさらなる人気低下の足止めがかかるのか?

ポスティング移籍はもちろんルールに則った正規の移籍手続きであるのだが、FA移籍ですら元の球団のファンの心証を悪くする一面が少なくない現状ではポスティングによる大リーグ移籍にはファンの目はより冷ややかなのは否めない。個人的にも松坂がポスティングでの大リーグ移籍を実現するのなら、その際にはライオンズへの入団時に当時の東尾修監督からもらった200勝目のウイニングボールを東尾氏に返却してから行って欲しいと思っている。筋違いかもしれないが。

松坂を大リーグに渡して本当にいいのか?

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