「生」観戦した野球場(20)-ヤクルト戸田球場
いろいろな野球場で日本のプロ野球を観てきました。その数40以上。だからどうしたと言われればそれまでですが。
このコーナーでは敗戦処理。がプロ野球の試合を観戦した野球場について順に書いていこうと思います。月に1~2球場の割合で書いていこうと思います。また、シーズン中に新たな球場に行ったら加筆していこうと思います。
第20回 ヤクルト戸田球場 観戦球場ファイル-19-
前回の横須賀スタジアムに続き、またもファームの本拠地球場を取り上げる。今回はスワローズのファームの本拠地、ヤクルト戸田球場。
これまでこのコーナーで取り上げたファームの本拠地球場はジャイアンツ球場、ファイターズスタジアム、横須賀スタジアム。これらはいずれも、観客から入場料を取って試合を見せるに値する施設であるが、このヤクルト戸田球場と、次回予定しているロッテ浦和球場はこれらの球場とは対極に位置する。
JR埼京線、武蔵野線の武蔵浦和駅から一時間に二、三本のペースで運行されている国際興業バス、下笹目行きで約10分かけて「彩湖道満グリーンパーク」で下車。ここから荒川の堤防を乗り越えた河川敷に「彩湖・道満グリーンパーク」というレクリエーション施設があり、野球やソフトボールのグラウンド、テニスコート、サッカー場兼陸上競技場などがあり、その一角にスワローズのファームの本拠地球場、ヤクルト戸田球場がある。
敗戦処理。がこの球場で初めて生観戦したのは2001年の4月29日だが、実はそれを遡ること約十年以上前に勤め先のレクリエーションで年一回、この施設でソフトボール大会とバーベキューを楽しんでいた。ある年、上司らと車でこの施設に向かう時、上司から「前から気になっていたけど、このいつも空いていて、奇麗なグラウンド、ここを借りられないのか」と聞かれた。運転していた先輩が「ここだと、バーベキューが出来る場所まで移動が面倒ですね」と適当に答えていたが、調べてみるとそのいつも空いているグラウンドがプロ野球のファームのグラウンドだったという訳だ。
資料によると両翼100mで中堅は122mという立派な広さを持つが、内野だけ人工芝で外野は天然芝というアンバランスさ。スコアボードは得点表だけで、選手の打順などは記載されていない。そもそも観客席といえるモノはネット裏の100人くらいが座れるかという長椅子(六段くらいだったか?)があるのみ。他には一、三塁側のネット沿いで立ったまま観戦するか、三塁側後方の土手に寝そべって観るしかない。このような状態なので、当然ながら入場料は無料。これで週末に人気のジャイアンツ戦を開催できるのかという疑問が生じるが、日程表を観るとこの球場で土、日に対ジャイアンツ戦を開催するのは年に一度か、二度でさいたま市営浦和球場に移されて開催されることが多い。
もちろんこういう球場の、ファンにとっての最大の利点は好きな選手を本当に間近で観ることが出来ること。特に試合中にボールボーイ、バットボーイを務める控え選手(たいがいは入団一、二年目の選手)は声援の内容によってリアクションしてくれることが多い。やみつきになるファンがいるのもわかる。反面、ファイターズファンで札付きのヤジおやじがここで発したスワローズの捕手へのヤジに選手本人が激怒して一触即発の雰囲気になるケースもあった(そのヤジおやじは後日出入り禁止になったそうだ)。
これまでに取り上げた立派すぎるファームの施設に比べて、選手達にプロ野球選手といえども一軍と二軍でこれほどに格差があるのかと思い知らせるにはこのような施設で奮闘させるにはこのようなレベルでも構わないと思うが、敗戦処理。の自論としてファームの選手といえどもプロのはしくれである以上、自分たちのプレーを観るためにファンの人が入場料を払って来ているという自覚を持たせることも重要で、そのためには最低限、入場料を取るに値する施設を備えるべきだと考えている。例えば、旧バファローズの二軍が老朽化したかつての一軍のホームグラウンド、藤井寺球場を使用していた時の入場料は300円。安い高いの問題ではなく、お客さんが金を払って観に来ているということを選手に自覚させるということは、いかに育成第一とはいえ、重要な問題だと思う。そうすることによって、プレーだけでなく、ファンサービスの基礎も身につけることが出来るだろう。この球場だけの問題ではなく、各球団には再考を促したい。
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