東京ドームでヒルマンが舞った!!-ファイターズが二代目アジアチャンピオンに!!
第二回アジアシリーズは予選リーグ三戦三勝で1位通過の日本代表ファイターズと予選二位通過のチャイニーズタイペイのLA NEW ベアーズとの間で決勝戦が行われ、1対0で辛勝したファイターズが二代目アジアチャンピオンに輝きました。
ファイターズが、その設立以来16年間本拠地としていた東京ドームで初めてファイターズの監督が胴上げされたのです。ファイターズ球団の北海道移転が決まった時、最後のシーズンも成績が振るわず東京ドームでの胴上げという夢は叶わずに終わるのかと一度は諦めましたが、アジアシリーズが開催されたお陰で(大袈裟に言えば)19年越しの夢が叶ったのです。
25年前のリーグ優勝の時には前後期制のプレーオフを制して大沢啓二監督が後楽園球場で宙に舞いました。今年はシーズン1位通過、プレーオフ制覇、日本シリーズ優勝とすべて札幌ドームで決め、トレイ・ヒルマン監督が二度札幌ドームで宙に舞いました。後楽園の頃からファイターズを応援している敗戦処理。としては16年間本拠地としていた東京ドームで胴上げの可能性のある千載一遇のチャンスを見逃す訳にはいかず、ファイターズが日本一を決めた日に今日のアジアシリーズ決勝戦のチケットを獲りました。
試合そのものはファイターズ打線がチャイニーズタイペイ代表チーム、ベアーズの許文雄投手をファイターズ打線が打ちあぐみ、0対0のまま試合が進み、七回裏に二番手の飛鋭投手から失策で出た木元邦之をバントと暴投で三塁に進め、鶴岡慎也のライト前ポテンヒットで辛うじて1点を奪ってダルビッシュ有、武田久、MICHEALのリレーで逃げ切るという何とも形容しがたい勝ち方でしたが、とにもかくにも昨年のマリーンズに続き、今年も日本シリーズ優勝チームがアジアシリーズを制しました。
「敗戦処理。は『親善試合丸出しの日米野球なんかもう要らない』と言っているがその日米野球よりアジアシリーズの方が客席に空席が多いじゃないか」とある人から言われました。しかし国別の世界一決定戦こそWBCの実現でなされましたがクラブチーム世界一決定戦はプロ野球界に存在しません。将来的にはアジアシリーズチャンピオンとMLBのワールドシリーズチャンピオンの対戦が定期的に行われるように、このアジアシリーズは布石にならなければならない重要なイベントなのです。そして、これはあまり言われていないとは思いますが夏季五輪の種目に野球が復帰するためにもこうした国際試合の成功は不可欠だと敗戦処理。は考えています。
日本で野球に接しているファンの間にはおおむね、
日本>韓国>チャイニーズタイペイ>中国
という図式があると思います。しかし今回は韓国のサムスンライオンズがベアーズに敗れ、韓国代表チームが決勝戦に残れないという事態になりました。しかし思い起こせば、アテネ五輪のアジア地区予選でも韓国はチャイニーズタイペイに敗れ五輪に進めませんでした。ベアーズが二戦にわたりファイターズを苦しめたことでもわかるようにアジアの野球レベルは確実に上がっています。
毎回日本から出場したチームが優勝するようでは大会への興味が薄れてしまうおそれもありますが日本にはアジア野球界の牽引車たらねばならぬ重責があります。今後どのようにこの大会を発展させていくか、これからも注目していきたいですね。
さて、ファイターズファンにとっては今日の試合にはもう一つ重要な意味合いがあります。
そう、小笠原道大選手の去就問題です。
以前の発言でも触れましたが、来年以降同じような葛藤に選手本人やファンらが悩まされないようにFA(およびポスティング制度)の行使を日本シリーズ終了後ではなくアジアシリーズ終了後とするよう野球協約の改正を求めるというのが敗戦処理。の主張でありますが、
「敗戦処理。は小笠原の去就に関してどう考えているんだ!」とよく聞かれます。理由は言わずもがな、敗戦処理。がファイターズと同じくらいジャイアンツも愛してやまないからなのですが、はっきり言わせていただきますが小笠原にはファイターズに残って欲しいと切望しています。小笠原のいないファイターズなんて想像も付きません。そりゃあジャイアンツとしては小久保も抜けましたし、イスンヨプと並ぶ打線の中心が欲しいところでしょう。しかし、ジャイアンツが必要としている以上にファイターズに必要な選手なのです。それが敗戦処理。のスタンスです。
JR水道橋駅前で小笠原の残留要請の署名をするファン。敗戦処理。も球団合併反対の時以来の署名にペンを走らせました。
しかしそうは言っても現実にジャイアンツは小笠原を獲得に来るでしょう。球団史上初めて四年間も優勝から遠ざかってしまったのです。何が何でも獲得に来るでしょう。それには最大限の「誠意」を見せて欲しいというのが敗戦処理。の意見です。それはもちろん、ファイターズや他の獲得を目論む球団よりも高い給料や待遇を保証するとか、原辰徳監督直々の出馬とかその程度のものではありません。敗戦処理。がジャイアンツに示せと言う「誠意」が何かについては実際にジャイアンツが獲得交渉に来たらここで書きたいと思っています。
今年の小笠原はWBC日本代表にメンバーに選ばれたこともあって2月下旬のWBC壮行試合から11月のアジアシリーズまで日本プロ野球界の中で誰よりも長く、濃く真剣勝負の中に身を置き続けました。そのうえでさらに日米野球でも「四番」の重責を務め、その間に東西対抗にも義理堅く出場しました。そんな日本プロ野球界の鏡のような小笠原道大に、今年一年本当にお疲れ様、最初から最後まで感動をありがとうと告げたいですね。世界一、日本一、アジア一を同一年度に果たした唯一の野球人小笠原道大、明日(13日)ファイターズと話し合いを持つとのことだが、ゆっくりと休んでじっくりと考えてファイターズファンに朗報を聞かせて下さい。
「生涯FIGHTERS」小笠原のファイターズ残留を願うファンによる横断幕。しかしその背後には何でも欲しがるあの人がほほえんでいる<苦笑>。
【お断り】本文中、LA NEW ベアーズの選手名表記は日本の漢字で近いと思われる文字を充てています。ご了承下さい。
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コメント
TeroRin様、コメントをありがとうございました。
ドラゴンズとファイターズのファンですか。私はジャイアンツとファイターズのファンですから、微妙な三角関係が成り立ちますね<笑>。
本当に今年は長い一年でした。
と、アジアシリーズ優勝で締めくくれるはずだったのですが、未曾有の大難問が最後に残ってしまいましたね。
トレイ・ヒルマン監督の残留はほぼ確実だとのことですので、あとはガッツだけですね。
12日は生で「シンジラレナ~イ」を聞けて最高でしたが、この件に関しては「シンジラレナ~イ」結果にならないよう祈るのみです。
ありがとうございました。またいつでも遊びにいらして下さい。
投稿: 敗戦処理。 | 2006年11月15日 (水) 00時23分
TBいただきました。
私は北海道移転以来のファイターズファンかつ30年来のドラゴンズファンという、今季最も美味しい思いをした野球ファンです(笑)。
小笠原選手の去就については全てが決まるまで何もコメントしないスタンスではありますが、結果によってはかなり複雑な立場になりそうでちょいと心配ではあります。まあ私も残留熱望派ですが。
興味深いエントリがたくさんありましたのでRSSリーダに登録させていただきます。今後ともよろしくです。
投稿: TeroRin | 2006年11月14日 (火) 16時45分