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2006年11月 3日 (金)

【前代未聞?】タイガース鳥谷のスーパーパッチカードはニセモノ?

野球ファン、トレーディングカードのコレクターにとっては垂涎の的である、選手使用のユニフォームが、実は他の選手のモノだった!?-ファン、消費者、コレクターを愚弄するようなサギとも思える行為が球団とメーカーによって行われたと、ネットで騒ぎになっている。

株式会社ベースボール・マガジン社(以下BBM)が発売しているトレーディングカード、その中でも高級版とうたっている「2006タッチ・ザ・ゲーム」の売りの一つが人気主力選手が試合で使用している道具の一部を断裁、加工してカードに一体化する通称メモラビリア・カード。そしてその中でも製造枚数が極めて少ない、ユニフォームの背中に刺繍されているネーム表記の文字部分を使用したカードが、その選手の名前に使われていない文字を使っていたため、大騒ぎになっている。

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スポーツカード・ミント 池袋店から出た鳥谷敬スーパーパッチカードの写真。TORITANIなのに何故Eなのか?

同店のHP  http://www.onyx.dti.ne.jp/mint05/index.html より。

鳥谷敬スーパーパッチカードは、タイガース鳥谷が使用しているユニフォームの文字部分を使用してカード化したもので、限定3枚しかない、超お宝品。しかしその写真を見ると、使用された文字は大文字のE。「TORITANI」の中にEの文字はなく、誰か他の選手のユニフォームを使用したモノであることは明らかだ。ユニフォームの袖には「Tigers」という表記がありEの文字が使用されているが小文字のeであり、鳥谷のユニフォームにはEの文字は存在しないのだ。

事の発端は、この全体で3枚しか製造されていないカードが当たったという大手カードショップチェーンのスポーツカード・ミント 池袋店が自店のHPに「当店から出ました!」と写真を掲載したことに始まる(上記の写真。 http://www.onyx.dti.ne.jp/mint05/index.html )。この写真が2ちゃんねるのカードコレクター向けの掲示板に転載されたところ、不審点に気付いた2ちゃねらーが怒りをあらわにするとともに、様々な真相が憶測で語られ出した。先月の15日頃の動き。

鳥谷のユニフォームにEの文字が存在しないことから、この製品が間違いであることは明らかなのに、発覚後半月を経過したにもかかわらず、製造元のBBMからは何ら公式のコメントは発せられていない。実は今回の「2006タッチ・ザ・ゲーム」ではタイガースからはユニフォームの提供は鳥谷のみ。貼り間違い、作り間違いということは考えにくく、タイガース球団とBBMが何らかの理由で本人のユニフォームを使用せず、ばれないようにやろうとしたのが手違いでばれるような文字で製造してしまったというのが2ちゃねらーの間では定説になってしまった。ちなみに問題のスレッド[NPB]日本の野球カード・トレカ総合スレ[37BOX]   は発言数が1000.を超えてしまったため、閲覧するには面倒な手順が必要な状態になってしまった。 ( http://hobby8.2ch.net/test/read.cgi/collect/1146669135/l50 ) 2ちゃねらーの中にはBBMに直接抗議のアクションを起こした者も少なくないようだが、いつまでたっても「調整中」とのことで、対応もお粗末な模様。

また2ちゃねらーの間では、実際に使用されたのが誰のユニフォームだったかも特定されている。もちろんEの文字が使用されている別のタイガースの選手なのだが、敗戦処理。は個人的にはこの選手特定には疑問を感じている。

彼らが特定したのはシェーン・スペンサー。SPENCERで、Eが存在している。スペンサーのユニフォームの後ろ姿の写真まで掲載し、ストライプの位置などからスペンサーで間違いないと特定している。Rを使えばばれなかったのに、何らかの手違いでEを使ってしまったのか?

この商品は9月末に発売されたそうだが、カードを実際に製造したのはもっと早い時期であろう。スペンサーが今シーズン限りで戦力外になるような選手であろうと、製造時期にはまだタイガースの戦力だった訳で、ユニフォームはスペンサー本人が所持していたと考えられる。ユニフォームがあくまで球団が所有するもので、建前は選手に貸与しているものであっても、こうした事情でスペンサーに「一着ユニフォームを提出してくれ」と言って業務命令を出しても、スペンサーが簡単に応じるものなのかどうかという疑問が敗戦処理。にはわいてくるのだ。

それというのも、野球のトレーディングカードの発祥はアメリカ大リーグ。それがためか、日本でも来日外国人選手の中にはカードに採用されることに特別なステータスを感じている選手が少なくないらしい。余談だが大リーグの大物選手が日本球界に飛ばされて日米の習慣の違いに戸惑いながら奮闘するシーンを描いた映画「ミスター・ベースボール」では来日早々に球団代表ら、球団のお偉方に日本語の名刺で自己紹介されて戸惑う外国人選手役のトム・セレックが名刺の代わりに自分の野球カードを手渡すシーンで、このジャンルの存在を敗戦処理。は知った程だ。

それでは誰のユニフォームなのか?状況証拠からスペンサーが堅いと思えるが、球団に残っている過去の選手のユニオームを使用したのではないか。敗戦処理。はいわゆるレプリカ・ユニフォームの類を所有していないし、カードコレクターでもないので超・貴重品なカードを所有している訳でもないのでユニフォームの背中の文字の大きさというものも把握していないが、例えばEの文字の長辺を使用してIの文字に似せるつもりだったとか…。

日本以上にファンサービスという考えが先進的であり、トレーディングカードというジャンルも先に確立しているアメリカ。プロフィールによると、スペンサーは米大リーグ三球団での所属を経て日本のタイガースに入団している。そんな選手に冒頭で書いたようなファン、消費者、コレクターを愚弄するようなサギとも思える行為の片棒を担いで欲しくないという敗戦処理。個人の願望もあり、敢えて「定説」とは異なる可能性を模索してみたのだ。

今年の8月にはジャイアンツの球団職員が選手使用済みのバットなどに、職員自身が選手のサインに似せたサインを偽造してネット・オークションに出品していた事件が発覚。当該職員は懲戒解雇になるという事件があった。また10月にはホークスの本拠地でボールボーイを務めていた男性がホークスの選手のユニフォームなどを盗んでこれまたネットオークションに出品されるという事件が発覚。この男性も逮捕された。さらには9月には横浜スタジアムでの試合中に落合博満監督の鞄が監督室から盗まれるという事件が発生したが、場所と状況から推測する限りでは犯行可能な人物はきわめて限定できそうな感じだ。これらの事件は、いわば組織の末端の一人が役得を悪質に利用したという見方が成り立つだろうが、今回取り上げたケースはいまだ全貌、真相が明らかにされていないが、最悪の場合、組織ぐるみでファン、消費者、コレクターを愚弄するようなサギとも思える行為が為された可能性がある訳である。対応を誤れば、日本のトレーディングカード市場そのものに大きな転換期を招いてしまうおそれすら、あろう。

もはやこのカード1枚(3枚?)の問題ではないのだ。

先に挙げた2ちゃんねるのスレッドでは、残り2枚の鳥谷敬スーパーパッチカードはもとより、「2006タッチ・ザ・ゲーム」で商品化されている鳥谷敬ジャージーカード300枚、鳥谷敬パッチカード50枚、鳥谷とドラゴンズの福留孝介のそれぞれのユニフォームのボタンを使用した鳥谷&福留ダブルボタンカード5枚もすべてニセモノなのではないかと推測されている。疑いだしたらきりがないが、BBMがはっきりとした対応をしない限り、こうした疑惑の波及はどこまでも拡がりかねない。そしてタイガース球団としても何らかの表明をすべきだろう。

BBMが発行している週刊ベースボール誌には CULTURAL REVIEW about BASEBALL という連載があり、トレーディングカードのみならず、野球に関係する書籍、CDなどを紹介している。二年前の球界再編騒動の際に盛んに「野球は文化だ」という議論が為されたが、その周辺に渦巻くこれらの産業も、いわば文化を形成しているのだ。日本において野球のトレーディングカード市場を率いてきたのは紛れもなくBBMだが、文化を大切にするのであれば、今回の結末を誰もが納得の行く方向に導いてもらいたいものである。

筆者注.敗戦処理。Blog.あい ウオッチ baseballでは敗戦処理。自らが撮影した写真のみを掲載することを旨としておりますが、今回ではことの重大さを明確にしたいため、リンクでなく、画像をそのまま使用させていただきました。また本文中の各カードの製造枚数はベースボール・マガジン社が発行する隔月刊誌スポーツカード・マガジンNo.59(200611月号)を参照しました。

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