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2006年11月 7日 (火)

仁志敏久のトレードで感じること

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球団史上初めて四年間連続して優勝から遠ざかっているジャイアンツ。清武英利球団代表は「チームを立て直すために、血の入れ替えは必要だ」とかねて語っていたが、その第一弾なのか、原辰徳監督との確執が取り沙汰され、成績も停滞続きの仁志敏久がベイスターズにトレードされた。血の入れ替えはFA宣言選手の公示後かと敗戦処理。は思っていたが、早くも始まったという感じだ。既に小久保裕紀のFAによる流出は確定的で、ジャイアンツのFA補強も動きがあるのは必至だし、原監督は外国人助っ人は現役バリバリのメジャーリーガーが欲しいと言っていた。チームとして低迷続きなので手を打たなければならないのは明らかだが、手当たり次第に何でも獲りに行くのではなく、ビジョンを持った補強、育成を願いたいところだ。(写真は今季の二軍戦で打撃練習をする仁志。因みに手前は退団が決まったジョージ・アリアス)

原監督から干されていた仁志は移籍を希望していたそうで、今日の記者会見でも感謝の言葉を述べていたという。かつては「巨人からトレードされるくらいなら引退する」と言ってトレード通告を受けたら本当に引退してしまった選手がいたが、もはやそういう時代ではないのだろう。仁志がトレードとなれば、清水隆行にもトレード話が水面下で進められていても不思議ではない。(ファイターズファンでもある敗戦処理。としては複雑な心境だが)FA宣言した小笠原の獲得にも全力で行くだろう。獲得すれば高橋由伸、イスンヨプ、小笠原と左打者ばかりが並ぶ打線になるので右の外国人強打者を獲得し、清水をトレード要員に先発ローテーション投手を狙う。あるいは仁志と交換で獲得したベイスターズの小田嶋正邦のようにまだまだ伸びしろのある若手投手狙いに走るのか。

ただ補強ではどうにもならないものもある。小久保の代わりに誰がキャプテンシーを発揮してチームをまとめるのか?ということだ。

キャリアでいえば高橋由だろうが、由伸にそれが務まるくらいなら小久保にキャプテンをお願いする必要はなく、プレーに専念してもらえたはずだ。かつては投手の江川卓が実質的なチームリーダーになっていた時期もあったというが大リーグ願望の強い上原浩治に求心力を求めても期待薄だろう。

松井秀喜は周囲に年上の選手もいたため、口に出してチームを引っ張るようなことはほとんどしなかったそうだが、ストイックに野球に打ち込む姿勢で、黙ってその背中で後輩、若手を引き締めていたという。松井はFAでジャイアンツを去る年まで選手会長をしていたが、松井が選手会長になる時に前任者の川相昌弘は松井の前に仁志、清水でワンクッションを置こうと仁志への前条を模索したようだが本人が「柄じゃない」と固辞したという。選手会長はあくまで選手間の決定事項であるが、あの時、仁志や清水にチームリーダーとしての教育が出来ていたら、松井流出後のこの四年間のジャイアンツはかなり現状とは異なる形になっていたのではないか。

資金面で他を圧倒する(と言われている)ジャイアンツは今年のFA戦線でも、あの注目選手を手中に入れるかもしれない。その選手も、自らの行動でチームメートの範となってきた選手だ。だが、生え抜き至上主義のこのチームでその選手がリーダーシップを張れるのは早くても数年後。ジャイアンツはまたしても遠回りすることになるのか?

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