ジャイアンツが小笠原獲得に見せる誠意とは?
2006年オフFA市場最大の目玉、ファイターズ小笠原道大のFA権行使に伴い、来年何が何でも優勝しなければならない(と思っている)ジャイアンツが動いた。アジアシリーズを終えてどこよりも遅くオフシーズンに入ったファイターズの小笠原に、所属球団ファイターズに次いでジャイアンツが交渉の席に着いた。今日の第一回会談に原辰徳監督が早くも登場。今日はまだ結論には至らなかったようだが、ジャイアンツはこの先、小笠原獲得にどのような誠意を見せるのか?
ジャイアンツとファイターズ双方を愛し、かつ小笠原のファイターズ残留を望む敗戦処理。としてはジャイアンツには獲得するのなら最大限の誠意を示してもらいたいと思っている。もちろんそれはファイターズや他に名乗りを上げる球団を上回る金銭面の条件とか、渡邉恒雄会長が認めたと言われる「ヒゲ面OK!」のことではない。それは?
残留を要請しているファイターズの金銭的条件は「3年契約・総額15億円」と報じられている。これに対してジャイアンツは「3年契約・総額20億円」を提示するのではと報じられており、ドラゴンズはジャイアンツの出方を観てから考えるらしい。
個人的にはファイターズには既にFA宣言済みの小笠原に対して再度FA権を獲得出来る四年後までの四年契約を提示して欲しいと思っている。小笠原は先月33歳になった。四年後の年齢は37歳。一塁守備に専念させることが出来ればまだまだ打線の中軸を担えそうだ。ファイターズは「条件の上乗せはしない」と表明しているようだが、「3年・15億」を「4年・20億」にするだけでも一つの誠意と言えよう。
さて一方のジャイアンツだ。
小久保裕紀が抜け、イスンヨプと並ぶ打線の中心が欲しいところだ。高橋由伸、阿部慎之助の存在を考えると左打者偏重打線になりかねないがみすみす見過ごす手はない。ライバルドラゴンズに奪われて福留孝介、タイロン・ウッズと恐怖のクリーンアップを形成されるのを防ぎたいというのもあろう。そこで
「3年契約・総額20億円」
「トレードマークのヒゲを容認」
「原監督が交渉に同席」
となるのだろうが、これらだけでは「誠意」という言葉が安く聞こえてしまう。
まず先にジャイアンツに言っておきたいのはこれまで正力松太郎氏の「巨人軍の選手は紳士たれ」の言葉に基づいてヒゲ、長髪などを認めていなかったにもかかわらず、喉から手が出るほど欲しい選手のトレードマークがヒゲだから許すというのはいったい何なんだと言うこと。そんなものは誠意でも何でもない。そもそも過度な特別扱いは新天地に臨む男に無形のプレッシャーを与えるだけである。これまで獲得してきたFA選手達がジャイアンツのユニフォームを着た途端に迫力が薄れていった原因をまだ把握出来ていないのか?
小笠原がヒゲにどれだけこだわりを持っているか知らないがジャイアンツの一員になるのなら小笠原の方からヒゲをさっぱり剃っていくだろう。
敗戦処理。としてはむしろ、ジャイアンツの球団史上初めての四年連続して優勝を逃すという由々しき事態を打開する補強の切り札を迎えるに当たっては健康面に支障がなければ長嶋茂雄終身名誉監督が交渉に加わるくらいの誠意を見せるべきだと思っている。そしてミスターからのプレゼントは自分とともに現役時代ジャイアンツの伝統を築き、守ってきた王貞治現ホークス監督とのW永久欠番の間の背番号2を与えること。
「君の力で僕の3番とワンちゃんの1番の間の2番も永久欠番にして欲しい」との口説き文句で小笠原を迎えて欲しい。
実際にはジャイアンツでは4番も永久欠番だから1~4まで永久欠番になるが、そのくらいの演出はすべきであると考える。
今季、ジャイアンツの背番号2はマリーンズから移籍してきた小坂誠が背負ったが小坂には大西崇之の引退で空いた00番をつけてもらう。小坂にとって00という番号はマリーンズ入団一年目に背負った番号であり、新人選手としての年間最多盗塁記録を塗り替え、新人王を獲得した思い出深い番号だろうと推測する。初心に帰ってやり直すというモチベーションにもなるだろうから、背番号を剥奪されても降格というニュアンスを防げる。
* 間違っても「三塁」を任せるから空いている5番などという安直な発想はやめて欲しい。
今季のパ・リーグ二冠王にして過去にも首位打者二回、最多安打二回。2004年アテネ五輪野球日本代表メンバー、2006年WBC日本代表メンバー、通算打率.320というジャイアンツ球団史上最大の低迷期からの脱却を狙う切り札の獲得には少なくともこのくらいの「誠意」を示して欲しい。
もちろんこれでも大方のファイターズファンは納得するはず無いが<苦笑>。
そして清武英利球団代表が再三口にしている「大胆な血の入れ替え」が本気であれば小笠原の加入で左打者偏重打線になることを考慮してここ二年成績と存在感が著しく低下している高橋由伸をトレード要員に先発ローテーション投手か抑え投手獲得を狙うのも一考だろう。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
ごんぞう様、コメントをありがとうございました。
お待ちしていました。ようこそいらっしゃいました。
FA宣言=移籍確実と思えたカープの黒田博樹投手がカープ残留を決めたのは地元ファンの熱意だったとか。
もはや ごんぞう さんを始めとする地元の皆さんにすがるしかありません。
敗戦処理。もたとえ1%でも望みがあるならばそれに賭けたいです。
投稿: 敗戦処理。 | 2006年11月18日 (土) 20時53分
Eagles fly free 様、コメントをありがとうございました。
>敗戦処理。さんにとって、
「プロ野球界がON頼みから脱却すること」
と、
「読売ジャイアンツがミスター頼みから脱却すること」
とは、別問題なのでしょうか。
う~ん、痛いところを突いてきますね<苦笑>。
これまでFA宣言した選手の争奪戦で球団が見せた誠意で印象的だったのがタイガースが清原和博を獲得しようとした時の
「ユニフォームの縦縞を横縞に変えてでも」
だったので、それを上回る「誠意」となると、終身名誉監督の登場しかないかなと考えたのです。
一回目の交渉で既に原監督が登場してしまったということもありますし。
ところで話は変わりますが
金村←→多村 の件、先を越されたなと言う感じです。
ファイターズファンにとって歓喜に浸っていられるのは今日の優勝パレードと明日のファン感(鎌ヶ谷は26日)まで。恐怖のオフシーズンがいよいよ始まります。シーズンで試合をやっている方がナンボか楽ですよ、本当。
投稿: 敗戦処理。 | 2006年11月18日 (土) 20時43分
こんばんは。
両チームをこよなく愛される敗戦処理。さんのご心中を推し量りますれば、このような題材に取り組まれること自体が容易ならざることであったと拝察致します。
ただ、一点だけ。
敗戦処理。さんにとって、
「プロ野球界がON頼みから脱却すること」
と、
「読売ジャイアンツがミスター頼みから脱却すること」
とは、別問題なのでしょうか。
もちろん。
「異国の地で、采配を揮うこと」
と
「近くのホテルまで行き、ひと言声をかけること」
との肉体的、精神的負担の差は、比べようもないものではありますが。
それでも…
投稿: Eagles fly free | 2006年11月16日 (木) 21時48分
そうだ、小笠原をとるんなら、由伸をよこせ!ついでに清水と、ナベツネの威力で、台湾チームのギャル応援団もつけれ!
投稿: ごんぞう | 2006年11月16日 (木) 02時49分