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2006年12月 3日 (日)

三洋電機がプロ野球オールスターゲームのスポンサーから撤退

プロ野球オールスターゲームのスポンサーを1988年から19年続けていた三洋電機株式会社が今シーズン限りでスポンサーを降りることを表明し、日本野球機構にも通告した。同社は現在経営再建中であり、毎年特別協賛金として払ってきた3億4000万円にメスを入れた形だ。2004年の球界再編騒動で一リーグ制への移行が懸念された状況下で「一リーグの東西対抗になったらスポンサーを降りる」と発言して一石を投じたのは記憶に新しいが、日本プロ野球界としては大きなスポンサーを失ったことになる。同社に代わる新しいスポンサーは現れるのか?そもそも今の日本のプロ野球に新たにスポンサーシップ契約を結ぶ企業が出てくるのだろうか?

この報道に接した後、日本野球機構の公式HPをのぞいてみた。トップページにNPBのスポンサー企業、「NPBパートナー」の社名が掲載されているが、コナミ、三洋電機、新日本石油、日本生命の4社のみだった。試しにJリーグの公式HPでJリーグのスポンサー企業を探すと、カルビー、キャノン、サントリー、ジャパンエナジー、UFJニコス、コナミ、アイデム、平和、GEコンシューマー・ファイナンスと9社が並んでいる。これだけをとってみても企業としてスポンサーシップを結ぶ魅力がある競技はどちらかというのがわかってしまいそうだが、実は日本プロ野球にもこのくらいの数の企業がスポンサーについていた時期が割と最近まであった。

1999年の資料によると、日本アイビーエム、大塚化学、日清製粉、ファミリーマート、日本マクドナルド、三洋電機…、といった企業がスポンサーとして名を連ねている。ただし日本マクドナルドはマリーンズの親会社、ロッテグループのロッテリアと競合、ファミリーマートはホークスの親会社、ダイエーグループのローソンと競合する等の理由でその後お引き取りいただいた。そのような経緯を経て現在の協賛各社に落ち着いた形だ。

同じプロスポーツリーグでも、Jリーグはチームの経営母体である企業色があまり前面に出ないがプロ野球では親会社の色が比較的出ているため機構としてスポンサーを募ろうにも制約が多いのだろう。こんなところにも二つの組織の違いが如実に出ている。

別に敗戦処理。は企業色が前面に出るプロ野球界の方式が必ずしも誤っているとは思っていない。約七十年の日本プロ野球を支えてきたのは親会社企業の資金的援助による力が大きいことを理解している。

ただ問題は企業は当然ながら競争の原理で浮き沈みが激しい。日本の景気も一時よりは好転したと評価されているが、三洋電機のように長く高額のスポンサー料を払ってくれる企業を探すのは容易ではないだろう。これまでは大企業の社会還元の一環という形で球団経営に乗り出したり、気前よくスポンサー料を払う企業が出ていたのだろうが、これからは新興企業が知名度や企業イメージを挙げるために参加するという形にシフトしていくのだろう。昨日の報道でインボイスに代わるライオンズ球団のスポンサーとしてグッドウィルグループとの契約がまとまったというのがあったが、今後もこのような新興企業とのタイアップを模索していくことになるのだろう。

ただしかつての旧バファローズがタイアップした消費者金融のように社会通念上いかがなものかという業種や、その旧バファローズを買い取ろうとした、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったライブドアがその後どうなったか考えればわかるように、歴史の浅い業界、企業に対する見極めは慎重にならねばなるまい。新しい企業は成長を急ぎすぎ、往々にして道を踏み外しかねない。

明日4日のプロ野球実行委員会で今後のオールスターゲームに関する話し合いが持たれるようだ。まさかスポンサーが見つかりそうもないから来年から一試合にしようなどとはならないだろう(たしか2009年までオールスターゲーム開催地は決まっているはず)が、オールスターに限らずこれからのスポンサーシップの考え方を見直す時期に来ていることを踏まえた議論にして欲しい。

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