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2006年12月13日 (水)

格下寺原とトレード!-横浜は多村を使いこなせないのか?

01_84 ベイスターズの多村仁とホークスの寺原隼人の1対1の交換トレードが発表されて約1週間になるが、多村と寺原とでは不釣り合いな感じが否めないことからこのトレードについて様々な憶測が飛んでいる。最も一般的なのは多村が故障が多く、なおかつ自分の身体を大事にしすぎるタイプで、多少の無理をおして出場している他のナインとの軋轢があるからベイスターズの首脳陣が放出したがっていたという説。しかし今シーズンはともかく、多少のお休み期間があっても3割、30本塁打をマークする三拍子揃った選手を放出することが本当にベイスターズにとって得策なのか?トレード推進論者の敗戦処理。としては、実力はありながら何らかの理由で首脳陣が巧く使いこなせない選手がいないとトレードが盛んにならないため、トレード自体は大歓迎だが(だから金村曉を出してでもファイターズには獲得に走って欲しかった!)、チームとして本当のところどうなのか?

それまでもそこそこ試合に出ていた多村が頭角を現したのは2003年で、定位置を確保して臨んだ2004年に123試合に出場して3割、40本塁打、100打点といきなり大ブレーク。翌2005年も3割、30本塁打をマーク。今年のWBCでは日本代表に選ばれ、外野の一角とクリーンアップにがっちりと固定され、世界一に大きく貢献した。しかし今シーズンは肋骨の骨折などの故障、体調不良などでたった39試合の出場にとどまった。多村の最近三年間の成績を表示しておこう。

多村仁の最近三年間の成績

2004 123試合 40本塁打 100打点 打率.305 13

2005 117試合 31本塁打 79打点 打率.304 13

2006年 39試合  8本塁打 20打点 打率.276

通算     586試合 111本塁打 296打点 打率.284

今シーズンの故障だけなら、来季に復活を期す多村に球団も暖かくサポートしただろうが自己最高の123試合に出場した2004年にぎっくり腰による登録抹消期間があり、昨年はインフルエンザで開幕出場を逃したかと思えば、6月には自動車事故での欠場もあった。まだまだ数え上げたらきりがないので、暇な人はこちらを参照して欲しい。スペランカー多村仁 よく 「○○のデパート」とか「○○の総合商社」というたとえがあるが、ここまで凄いとどんな表現が当てはまるのだろうか。

しかし、しかしである。冒頭でも書いたが、今シーズンは論外にしても、過去二シーズンはそれでも「3割・30本塁打」をマークしているのだ。今シーズンの成績(というか、欠場歴)をもとに来シーズンも…と考えるのかもしれないが、今シーズン多村はWBCに出場しており、WBCに出場した選手の中には多村に限らず、昨年と比べて大きく成績が低迷した選手が少なくない。そう考えれば多村はWBC燃え尽き症候群に過ぎないのかもしれない。ベイスターズは多村再生に賭けるのも一つの手ではなかったのか?

大矢明彦新監督を迎え、最下位脱出はもちろん二年ぶりのAクラスに返り咲いてプレーオフ進出を果たすために、門倉健のFA移籍を見込んで先発投手を補充したいというのが最大の理由と考えられるが、そうであるならば、失礼ながら寺原以上の投手を差し出す球団が他にあったのではないか?ベイスターズのフロントのコメントとして「彼を一番理解してくれるであろう王監督の下へ送り出したかった」と言うのがあったが、多村のことを考えてあげるのは立派だが他によりよいトレード相手の選択は本当に良かったのか?

敗戦処理。の友人のベイスターズファンの一人は「首を切るなら、他に働いていないベテランの野手が何人かいるが、彼らじゃトレードが成り立たない。多村にしても、良くてせいぜい三位のチームでは、無理をせず、コンディションの良い時だけを選んで出場して好成績を残す方を選ぶだろう。でもそうやっていたら今年は本当にシャレにならない故障に見舞われた。強いチームに行って優勝争いのさなかにいれば、夢中で出場するだろうけれど、今までが今までだから肝心なところで故障してソフトバンクのファンをガッカリさせるのではないか」と言っていた。

敗戦処理。も多村には来シーズン、ベイスターズファンをあっと言わせるような活躍を期待したい。なおトレード成立を題材にした発言であるにもかかわらず、交換相手の寺原に関してほとんど言及していないが、今回のトレードが初めに多村放出ありきで成立したのは明らかなので、その交換相手が誰でどのくらい期待出来るかに関しては枝葉末節なので特に触れるつもりはない。敗戦処理。はトレード推進論者だから、自身の贔屓チームでエースと言われる金村や生え抜きのスターである高橋由伸のトレード案を惜しげもなく披露するが、今回の多村のトレードに関して報道から伝え聞くベイスターズ球団のまるで多村へのネガティブキャンペーンのような論調には違和感を禁じ得ない。特にベイスターズナインが多村のさぼり病にうんざりしている云々に至っては、多村のリタイヤは他の選手にとってはアピールのチャンスであり、首脳陣が嫌うのならまだしも、チームメートが疎んじるのは筋違いのような気がする。それともこのチームは悪い意味でのいわゆる「仲良しクラブ」なのか?

もっとも、この多村のように成績とは裏腹に首脳陣、フロントの印象の良くない選手がいないと、トレードというものが積極的になされないのも事実だが。

とはいうものの、一応寺原隼人の最近三年間の成績

2004年    6試合 0勝 0敗     防御率7.56

2005年    2試合 0勝 0敗     防御率9.00

2006年    16試合   7勝 5敗     防御率4.23

通算   56試合 2012敗1S 防御率4.75

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