村田兆治140km出た!!-新年観戦初めはマスターズリーグ
このところ何年か、1月2日はマスターズリーグを観戦するのが敗戦処理。の定番となっている。言い方を変えれば生観戦初めはここ数年、新年最初のマスターズリーグとなっている。マスターズリーグの試合を生で観るのは年にこの試合と、あと一試合あるかという程度で、マスターズリーグの熱烈なファンというほどではないが、新年早々生で野球を観ることが出来るというのはいいものだ。
顔合わせは毎年、東京ドリームスと札幌アンビシャス。ここ何年か固定されている。今回は札幌アンビシャス(以下札幌)の持ちゲームということで、東京ドリームス(以下東京)がいつも通り一塁側に陣取るが、札幌が後攻め。
手荷物検査を終えて自分の席に向けて通路をくぐると、テレビで見慣れたあのCMが流れてくる。そう、今年のマスターズリーグのスポンサーはソフトバンクなのだ。
ソフトバンクモバイルがマスターズリーグの特別協賛をしているため試合前、試合中に頻繁にCMが。さすがに野球場なので「スパイは出て行け」バージョンは放送されない<笑>?
予め購入したネット裏の指定席に座ると、試合前の練習中で東京が打撃練習のまっただ中。元TBSの石川顕アナがグラウンドでその様子を実況しているのだが、この人練習中、試合中を問わず、やたらに自分でリードして観客に拍手を強要する。打撃練習で打撃投手を務める元ホエールズの遠藤一彦に「手を振れ」と言い、遠藤がそれに応じないと観客に「遠藤投手に拍手を」と迫り、拍手に遠藤が応えると、「皆さん、これがマスターズリーグの良いところです。巨人戦でこういうことがありましたか? 日本ハムの試合でこういうことがありましたか?」と言う。そして何かと「マスターズリーグって面白いでしょう。」を連発。正直うざい。
マスターズリーグの試合では選手のプロフィールやエピソードをスタンドのファンにわかるように説明するアナウンサーがいるが、今までは時にうるさいと感じることもあったが、試合を邪魔しない程度のものであった。ところがこの試合は明らかに今までと違った。
その一方で新年恒例の選手による振る舞い酒は、コスチュームを着たお姉さんの振る舞い酒に変わっていた。それはそれで悪くなく、敗戦処理。も一杯ごちそうになったが、尾崎行雄さんや藤城和明さんに振る舞われてこそ、1月2日に東京ドームに来た意味があるというものだ。来年はぜひ復活させて欲しい。この両選手が試合に欠席したのかと思いきや、選手入場の際に並んでいた。ファンが殺到するとか、何か特別な事情で中止になってしまったのだろうか?これでは石川アナの「マスターズリーグならではのサービス」という言葉も虚しく聞こえる。
石川アナの暴走は試合中も続く。
東京の攻撃時に江夏豊が三塁コーチに立っていることを観客に紹介しようと喋り始めた時にマウンドの阿波野秀幸が投げようとしたら投げるのを中断するようにアナウンスした。大先輩を紹介する時に投球するとは何事かと言わんばかりの石川アナだったが、本末転倒なのは明らか。誰か止めてくれ!さすがに自分でもやり過ぎと気づいたのか、「マウンドの投手というものはそれほど集中しているということです」などと苦し紛れのフォローをしていたが<苦笑>。
新年最初の試合と言うことで、試合前のセレモニーとして国歌斉唱。国歌を独唱する大役は選手の中から…とアナウンスされたので、てっきり元ハッピー&ブルーの藤城さんかと思いきや、何とガンちゃん!
熱唱するガンちゃん
(注.マスターズリーグでの登録名は「ガンちゃん」)
いくらエンターティナーとはいえ、ガンちゃんの歌というのはあまり聞いたことがない。正直、NHK紅白歌合戦の特別審査員を務めた田口壮以上の大役といって過言ではないだろう。本当に大丈夫なのか、ギャグを挟むところではないぞと心配したが、ガンちゃんは真面目に歌い上げた。お見事。
次いでこれも恒例のマスターズリーグの大沢啓二議長による年頭の挨拶。昨年は同じ1月2日の新年初試合の日に近藤貞雄さんが亡くなられたということもあってか、オチのない型どおりの挨拶だったが、今年はお約束のあっぱれ!と喝!が挨拶に盛り込まれていた。
試合は東京が西崎幸広、札幌が津野浩とファイターズOB同士の先発。この後前述の通り阿波野や、河野博文も登板するなど、敗戦処理。と同年代の、古き良き時代のパ・リーグを支えた投手の登板が続いたのは嬉しかった。また偶然だろうが両軍のスタメンマスクは東京が大宮龍男で札幌が加藤俊夫と、これまたファイターズの優勝メンバー。加藤の方はこの試合までリーグの打率トップだとか。
試合は三連覇を目指す札幌が一回裏に押し出しの四球で先制すると、東京が三回表に四番・駒田徳広の犠飛で同点に。しかし札幌はその裏すぐにこちらも四番・石毛宏典の三塁線を破る痛烈な二塁打で2対1と勝ち越し。
そしてこの試合のクライマックスは、このまま2対1で迎えた六回裏、東京の四番手として村田兆治、57歳が登板。
先頭の石毛への初球がいきなり140km!! やれ「次はフォークを投げろ」だの、うるさい石川アナのリクエストにのせられながらも石毛を三振に仕止めると、続く小さな大打者・若松勉の初球に何と141km!! 何も若松さん相手に140km超えを出すことはないだろうと思った(ちなみに若松さんは59歳…)が、その後もストレート勝負。若松も必死で食らいつくが結局三塁ファウルフライに仕止められる。村田は続く高田誠に今季初の被安打を喫するが続く駒崎幸一を一塁ゴロに打ち取り無事1イニングを無失点に抑えた。
その後七回裏に札幌が二死無走者から広瀬哲朗のショートへの内野安打(もちろんお約束のヘッドスライディング付き)を皮切りに羽生田忠克がセンター前に運んだ二死一、二塁から高橋雅裕がレフト線にタイムリー二塁打で2点を追加し、4対1と勝負を決めた。
東京は切り札斉藤明夫をビハインドの八回裏に投入。二死から松本匡史相手にこれまたお約束の背面投げを披露するサービスを見せた(無念、シャッターチャンスを逃した!)。ここでも石川アナはひたすら「背面投げを見せろ」の一点張り<苦笑>。
【2日・東京ドーム】
東 001 000 000 =1
札 101 000 20× =4
東)西崎幸広、●河野博文、川尻哲郎、村田兆治、増本宏、斉藤明夫-大宮龍男、市川和正、大矢明彦
札)津野浩、○阿波野秀幸、ガンちゃん、川口和久、S橋本清-加藤俊夫、高田誠
※責任投手は場内発表されなかったため通常のルールで当てはまる投手を敗戦処理。が選びました。
以上書いたように試合には随所に見所があり、年の初めのお楽しみとしては満足行くものであったが、石川アナがもうちょっと静かにしていてくれればもっと気分良く東京ドームを後に出来ただろう。実は今日一緒に観戦する予定で観戦できなかった友人によると「本当にマスターズリーグを楽しもうと思うなら正月の試合を避けて別の日にした方がいい」とのことだったが、何となくその言葉の意味がわかったような気がした。おそらく1月2日の試合はよそ行きなのだろう。
それにしても石川アナにはせっかくの好試合に水を差された感じがした。普通のプロ野球の試合と異なり、ラジオでの中継が無く、またスポーツ新聞を買っても順位表や個人成績が出ていないから、実況アナによる説明というのは必要なサービスだと思うが、何事も、ほどほどが肝心なのだろう。
奇しくも今日は出発前、さほど興味がある訳ではないのだが日本テレビで箱根駅伝を観ていたら何か違和感があるのに気づいた。そう、船越雅史アナの実況がないからだ。その理由は敢えてここではふれないが<苦笑>、船越アナの実況こそ、この書き込みで何度も用いているフレーズ、箱根駅伝のお約束なのだ。そしてこの船越アナ、いや船越元アナが最初にみそを付けたのがサッカー中継での「ゴール、ゴール、ゴール…」のしつこすぎる絶叫だった。アナウンサーの実況も過度になると邪魔になるという、船越元アナはまさに教訓だったはずだ。
マスターズリーグでも活躍したが、昨年亡くなられた渡辺謙太郎さんは決してそういうことはなかったですよ、後輩の石川さん。
それでも試合後に合流したベースボールフォーラムの友人との軽い新年会?で、今年もプロ野球を出来るだけ生で観戦しようという気運は高まった。そして今年も、拙文ではあるが生観戦ならではの観戦記をこのブログやベースボールフォーラムで発信できたらとあらためて思った次第である。
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コメント
今のソフトバンクホークスはマスター選手の現役には勝てない。
投稿: 岡本昌明氏(夕張市長) | 2009年2月 2日 (月) 02時19分