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2007年1月27日 (土)

ついにK-1転身説まで出た中村紀洋の最後の望み、ファイターズは中村獲得に乗り出すのか?

早いもので、中村紀洋が正式に自由契約選手として公示されてから一週間が経過した。スポーツ新聞報道レベルではいくつかの球団で獲得の可能性が浮上したかと思えば、その直後に否定報道が出るという繰り返しで、26日現在で獲得の意志を表明している球団はない。それどころか、26日の日刊スポーツの1面には格闘技のK-1への転身説まで出た。その記事には最後の望みとしてファイターズが今日27日に行われるスタッフ会議で再検討して結論を出すとも書かれていた。果たして中村の行く先は?

これまで敗戦処理。は本ブログで中村に対しては辛辣な意見を述べ続けてきた。上記で最後の望みと書いたファイターズは敗戦処理。の贔屓チーム。当初中村に関して高田繁GMが「獲らない。」と言っていたから、ファイターズに関しては立ち消えたかと思っていた。しかしその記事の中に「ヒルマン監督がどうしても欲しいと言えば考えないこともないが」との但し書きがあった。そして来日したトレイ・ヒルマン監督が関心があるともないともとれる発言をしたことから、27日のスタッフ会議で…との話になったのだろう。

ファイターズは昨シーズン、三塁のポジションを固定できなかった。三塁手として最も多く出場したのは飯山裕志の62試合だが、その大半は試合途中からの守備固めであった。シーズン途中からは相手が右投手先発なら左打ちの稲田直人が先発で、相手が左投手先発ならスイッチヒッターのホセ・マシーアス起用というのが一般的になった。マシーアスが解雇され、稲田が一番手という感じだが、新外国人のアンディ・グリーンが三塁を守れると言うことでこちらが本命だろう。付け加えればアジアシリーズでアピールした木元邦之にも復活の期待がかかる。

しかし一方で、主に一塁を守っていた小笠原道大がFAでジャイアンツに移籍したため、一塁のポジションと三番打者が抜けており、その穴が埋まっておらず、グリーンを一塁に回せば、「三番・三塁」がすっぽり空くのも事実。

ここに中村が、一部報道にあったように、年俸1,500万円程度でも獲得できるというのであれば、ダメ元で獲得するのも悪くないのではないかと敗戦処理。も思えてきた。

ファイターズは北海道移転からSHINJO、稲葉篤紀、岡島秀樹とシーズンごとにサプライズ補強をし、それが結実し、2006年の栄冠へつながった。実は彼らは獲得時には評価はさほど高くなかった。SHINJOですら、三年間のアメリカ生活から帰ってきた時には「都落ち」の印象がぬぐい得なかった。稲葉は大リーグ入りを目指したがオファーがなかった選手で、岡島はジャイアンツで居場所を失いつつあった状態だった。それを考えると、言葉は悪いが買い叩いて中村を獲得し、決して優先的にポジションを与えるのではなく、それこそ年俸1,500万円選手の待遇でライバル達と競争させるのも悪くないかなと敗戦処理。は気持ちが変わりつつあるのである。

ちなみに年俸1,500万円といえば、2007年のファイターズで言えば、飯山とまさに同額である。稲田に至ってはまだ1,200万円だ。

なにしろ一度戦力外通告をした坪井智哉を年俸2,000万円で再雇用した球団だ。また2000本安打目前の超ベテラン田中幸雄とは年俸の大幅ダウンを合意してこれまた2,000万円で契約した球団だ。このオフはまだサプライズ補強がないし、中村獲得も悪くないのではないかと。

ただ、同じ右打ちの内野手という点で前述の田中幸雄とバッティングするのが最大のネックかもしれない。力の衰えは誰の目にも明らかではあるが、後楽園球場時代からの生え抜きで、2000本安打までようやくあと18本まで近づいたカリスマ生え抜き戦士のただでさえ少なくなった出場機会を奪う存在となると、ファンからの猛反発を買いかねないからだ。田中幸の2000本安打までの18本という数字はすぐ目の前のように思えるが、昨シーズンの安打数が15本だったことを考えると、昨シーズン並みの出場ペースでは達成できないということになり、そこにわざわざトラブル・メーカーの中村を獲得することにファイターズファンが猛然と拒否反応を示すことは容易に想像できる。

中村は小笠原と同じ、今年34歳になる本来ならばバットマンとして働き盛り。手首の故障の不安がなければ、かつての年俸5億円分の働きは無理にしても、復活は期待できると思えるのだが、どうだろうか?

いずれにしても、球団としての最終意思決定は今日27日に下される。どうする、ファイターズ?どうなる、中村紀洋?

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2007年1月21日 (日)

Bs平野恵一命がけファインプレーの評価-バファローズ球団におけるバランス感覚

昨年5月6日のマリーンズ対バファローズ戦の守備でフェンス際のファウルフライにダイビングキャッチを試みて胸部などを骨折し、約四ヶ月半戦列を離れたバファローズの平野恵一の四度目の契約更改交渉が19日に行われ、それまでの提示より100万円の上積みを勝ち取り、200万円ダウンの4600万円(推定)で更改された。話題になった中村紀洋の契約交渉では中村が左手首痛を押して出場して成績不振だったのが交渉扱いされなかったのが争点だったそうだが、平野の方は四度目の交渉で上積み獲得に成功。中村と平野の差はいったい何なのか?代理人の腕の差なのか<笑>?前川勝彦の処遇も含め、本当に不思議な球団だ。

平野恵は一昨年の2005年に二塁手として115試合に出場。それまでの便利屋的な起用法から、完全に二塁のポジションに固定された形だった。しかし2006年は前述した通り5月6日の対マリーンズ戦で今江敏晃の放った一塁側内野席ギリギリのファウルフライに果敢にダイビングキャッチを試み、捕球したもののフェンスに身体を強打。胸部などを骨折し、約四ヶ月半もの間戦列を離れた。一軍復帰はシーズン最後の二試合という時期だった。

中村の交渉時にバファローズ球団ではプレー中のケガでも公傷と認めないという話があったことから、平野恵の交渉が難航しているのもむべなるかなと思っていた。しかし2006年の出場数が前年の118試合(二塁以外での出場を含む)から33試合に激減したにもかかわらず推定年俸4800万円から300万円程度の減額提示だったということはあの「命がけファインプレー」は既に評価されていたことになる。

【平野恵一の最近三年間の成績】
2004年 124試合 打率.279(リーグ25位)、6本塁打、39打点
2005年 118試合 打率.285(リーグ15位)、3本塁打、33打点
2006年    33試合 打率.235 2本塁打、6打点

平野側は公傷を主張してダウンは無しでの現状維持を求めていたようで、球団側は考慮はするがダウンは避けられないという査定だったのだろう。

因みに中村は12日に行われた球団との最終交渉の後でチームメートの平野恵の力にもなれなかったことを悔やんでいた。

「(昨年フェンスに激突し、今なお契約保留中の)平野恵一にも力になれなかったと謝りたい。どこまで頑張れるかと思って頑張ってきたけど、自分1人ではどうにもできなかった。やっぱり選手は弱いですね」
(1月13日付日刊スポーツより。カッコ内も記事のまま)

しかし、そもそも球団は中村の左手首痛と平野恵の骨折を全く別の基準で査定していたのだろう。今にして思えば中村のこの発言は平野恵に便乗してファンの同情を買おうかとの真意を邪推させる。敗戦処理。的には中村が平野に謝るべきなのは、主砲として満足な打撃ができず、4月の時点で既に二度の完封をマークするなど素晴らしい投球をした平野佳寿が年間を通して7勝11敗という成績に終わったことでもわかるように新人投手の奮闘に援護できなかったことの方だろう<苦笑>。

閑話休題。ところで以前から疑問に思っていたのだが、平野恵一の「命がけファインプレー」は本当に公傷扱いする必要のあるプレーだったのだろうか。

スポーツニュースであのシーンを観たから、筆舌に尽くしがたいプレーであることは理解しているつもりだが、結局はファウルフライなのである。2対0でリードした三回裏の二死一塁という場面で、四ヶ月戦列を離れるリスクのあるプレーを本当にすべきだったのかという事だ。

ファウルフライ-それもスタンドギリギリで、捕れなくても投手にダメージの少ない打球だ。この時の打者が二番の今江で、今江を出塁させると福浦和也、サブロー、マット・フランコというクリーンアップにつながる場面だから未然に防ぎたいというのは解る。しかしそのためのアウト一つと、四ヶ月の欠場、チームにとって痛いのはどちらかと言うことだ。手首の痛みと闘って無理して出場を続けた中村がブレーキとなった部分はそのまま査定され、必ずしも無理をする必要がないと思われるシーンでの無茶には配慮する。バファローズという球団のバランス感覚に違和感を憶えるのは敗戦処理。だけだろうか。

バランスといえば、引き逃げと無免許運転で起訴された前川に対する対応にも首を傾げざるを得ない点があった。

事件に関する詳細は割愛するが、バファローズ球団は18日、前川克彦(登録名は勝彦)被告を解雇、自由契約にすることを発表した。(翌19日、自由契約選手として公示された。)

雑賀忠夫球団社長は、

「車の事故に対して社会的な風潮が厳しい中で、こういう事件を起こしたことに対し、球団として処分を下すことを決めました。熟考を重ねた末の決断でした」
(20日付日刊スポーツより)

と会見で説明した。しかしそこまで熟考したのなら、「社会人として更生するのに、手を差し伸べる用意はあります。今すぐは無理としても、本人が十分に反省した上で望んだ場合や社会の情勢が許した場合ですが、我々は門戸を開けておくということ。(球団に復帰させる)期間については、今は申し上げられません」(同社長。20日付日刊スポーツより。カッコ内も記事のまま)との温情を示すことは、この段階で発言すべきだったのかという点だ。

たしかに所属先として、社会的常識のかけらもない事件を起こして解雇した後も更生を支援し、復帰の道を閉ざさないという考え方も解らないことはないが社長自身「車の事故に関して社会的な風潮が厳しい中」と感じているのであれば、たとえ会見の席上で報道陣から追究されたとあっても、この時点で温情を示すのは妥当とは思えない。時あたかも、この会見の前日の17日にはタレントの風見しんご の10歳の娘さんが交通事故に遭われて幼い命を失ったばかりだ。そしてそのほんの一週間ほど前の11日にはモーニング娘。のリーダー、吉沢ひとみ の16歳の弟さんも交通事故で亡くなられている。本当に「社会的な風潮」を意識しているとは思いがたい。いかに想定外の事件発生とはいえ、事件発生直後の対応ではない。冷静に処分その他を議論する期間はあったはずだ。

前川への対応、平野恵と中村に対する対応の差、そもそも中村(あるいは谷佳知を含めて)と清原和博への待遇の差と、この球団のバランス感覚には首を傾げざるを得ない点が多い。少なくとも前川の件だけでも、現実に被害者が存在するということを強く意識して対応しないと、前川だけでなく、球団自体、ひいては野球界全体の社会的常識も問われるのである。

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2007年1月20日 (土)

五人目の外国人選手に内野手を獲得するジャイアンツに戦略はあるのか?

ジャイアンツは19日、かねて交渉中だったロッキーズのルイス・ゴンザレス内野手との契約が合意に至ったと発表した。ジャイアンツの外国人選手は、昨年から在籍しているイ・スンヨプ、ジェレミー・パウエル、姜建銘に加え、既に獲得決定済のデーモン・ホリンズとこのゴンザレスで五人となった。今シーズンからアジア外国人枠が採用されれば、この五人を同時に一軍登録することも可能になる見通しだろうが、内野も外野も守れるオールラウンドプレーヤーのゴンザレスの本職は二塁手。そこには若手が育ちにくいと言われるジャイアンツで、昨シーズン頭角を現した脇谷亮太がいる。ジャイアンツファンの敗戦処理。としても首を傾げたくなる補強だが、そこにどのような戦略があるのか?

今年の年頭、球団事務所の仕事始めの頃に事務所に顔を出したジャイアンツの原辰徳監督がフロントに新外国人選手獲得の進捗状況を確認していたとの記事がスポーツ新聞に出ていた。ホリンズを獲得した時点で、野手のレギュラー候補はおおむね見えてきたので、あらたに外国人を獲得するとしたらゲーリー・グローバーの代わりの先発投手か、抑え投手のどちらかだと想像した敗戦処理。はベースボールフォーラムのジャイアンツ掲示板にもそのニュアンスで書き込みをしてしまったが<苦笑>、ホリンズ獲得の時点でジャイアンツが構想する2007年のオーダーをこんな感じでイメージしていた。

(二)脇谷
(中)鈴木尚
(三)小笠原
(一)イ・スンヨプ
(右)ホリンズ
(左)高橋由
(遊)二岡
(捕)阿部

ちなみに敗戦処理。の好みで選ぶと、こんなバージョン。

(二)脇谷
(遊)二岡
(三)小笠原
(一)イ・スンヨプ
(右)ホリンズ
(左)高橋由
(捕)阿部
(中)矢野

どちらにせよ、新加入の谷佳知と安打製造機清水隆行が代打要員に控える贅沢な布陣だ。これにゴンザレスが加わるのだ。清武英利球団代表はゴンザレスの獲得決定に際して

「若くオールラウンドなメジャーリーガーを獲得でき心強く感じている。ホリンズには一瞬のうちに戦況を変える豪打を、ゴンザレスには高いアベレージと守備を期待する」 (20日付、日刊スポーツより)

と期待を寄せていた 。32歳のホリンズと27歳のゴンザレスというバリバリの大リーガーの獲得は原監督の希望でもあった訳だが、原監督が常々掲げている「実力至上主義」ではベテランの過去の実績も、若手の将来性に賭けるというスタンスもあまり重視されない。脇谷亮太や鈴木尚広を試合に使いながら育てていこうという発想がないから五人目の外国人がオールラウンドな野手なので、そうでなければ投手を獲得するはずだ。もちろんこれは工藤公康がFA補償のプロテクトから漏れてベイスターズへの移籍が決まったから言っている訳ではない。

で、新外国人二人を加えたオーダーはどうなるのだろうか?

(中)鈴木尚
(遊)二岡
(三)小笠原
(一)イ・スンヨプ
(二)ゴンザレス
(左)高橋由
(右)ホリンズ
(捕)阿部

ゴンザレスが脇谷に代わって二塁を守る場合を想定した。脇谷を活かす場合、脇谷が「一番・二塁」でゴンザレスは中堅に回る。新外国人二人が揃って本領を発揮すれば、左右のバランスも取れたなかなかのオーダーになる。

しかしその反面、ジャイアンツは外国人選手のスカウティングが致命的に下手くそで、活躍するのは日本の他球団で実績を残した選手を獲得した時だけというジンクスがあるのはもはや周知の事実。両外国人がスカだった場合のオーダーも考えておかねばなるまい<苦笑>。

(二)脇谷
(中)鈴木尚(清水)
(三)小笠原
(一)イ・スンヨプ
(遊)二岡
(右)高橋由
(左)谷(矢野)
(捕)阿部

ここでようやく谷の名前が出てくる。小笠原道大の加入でどのバージョンでも少なくとも三、四番が固定できるのは心強い。ただ三、四番がともに左打者なので五番には右打者を置きたいところ。内田順三打撃コーチもそのような談話を発していた。これでも谷の復活待ちという点はあるが、そこそこのオーダーだ。それでも野手の外国人を二人も獲得するというのは、昨シーズンの不成績の大きな原因の一つに故障者の続出があったからではないかと推測する。全試合出場を果たした二岡智宏以外の主力がことごとく故障による離脱を経験した。昨年3月31日のセ・リーグ開幕戦、対ベイスターズ戦のスタメンと、極端に故障者が続出した6月8日の対ホークス戦(斉藤和巳投手に内野安打1本に抑え込まれた試合)のスタメンを比較してみよう。

3.31開幕戦   6.8対ホークス戦
(左)清水     →(中)小関
(二)小坂     →(左)木村拓
(遊)二岡     →(指)清水
(一)イ・スンヨプ →(遊)二岡
(中)高橋由    →(捕)阿部
(三)小久保    →(一)斉藤
(捕)阿部     →(右)亀井
(右)亀井     →(三)脇谷
              (二)小坂

これは極端な比較にしても、昨シーズンの故障者続出には本当に泣かされた。シーズン開幕後に獲得した小関竜也や木村拓也をスタメンに加えるなどでやりくりしたが、その小関のベース踏み忘れ事件や木村拓が二塁を守ったゴールデンイーグルス戦で難しくない飛球を落球して決勝点を与えた試合など、付け焼き刃では危機を凌げないことをジャイアンツファンは痛感させられた。それならばシーズン前に盤石な補強をしておこうという発想は理解できないこともない。

しかし一方ではジャイアンツファンの中にも、若手が育たないことへの苛立ちがあるのももはや疑いのない事実だろう。次のシーズンにすぐに結果を出そうとすれば、大型補強に走るのも理解できるが、他球団には人気と実力を備えた二十代前半のスター選手がいるのに、ジャイアンツにはその候補すら浮かばない状況に、苛立っているファンは少なくないはずだ。そんな中で昨年は脇谷がルーキーながら後半は一番打者に定着した。もはや若手とは言いづらいが、鈴木尚もセンターに固定された。開幕時には亀井義行と矢野謙次でライトのポジションを争う状況だった。今挙げたメンバーはまだ一本立ちとは言えないが、彼らのハツラツなプレーに一服の清涼感を味わったファンも少なくあるまい。そこにまた外国人が二人加わっていく。脇谷や鈴木尚が外国人を押しのけてレギュラーポジションを得るようであれば頼もしいが、これでまた彼ら以外を含めた若手のモチベーションが下がる可能性も懸念しなければならないのである。

思い出して欲しい。昨年のジャイアンツは開幕から9カード連続負け越し無しの好ダッシュを切って一時は独走するのではないかとも思えた程だったが、それでも4月のテレビ中継の平均視聴率は過去最低だったのだ。

■巨人戦の視聴率が過去最低 4月の月間で12・6%

  ビデオリサーチは1日、各テレビ局が4月に中継したプロ野球巨人戦ナイターの月間平均視聴率が、関東地区で12・6%だったと発表した。月別の集計がある1989年以降で、4月の月間平均視聴率としては過去最低となった。ビデオリサーチによると、これまで4月の巨人戦ナイターの月間視聴率は、昨年の12・9%が最低。ことし4月で最も低かったのは、26日の対広島戦(TBS)で8・8%。最も高かったのは、21日の対阪神戦(日本テレビ)で16・3%だった。巨人は原辰徳新監督の下、4月末で2位中日に4ゲーム差をつけて首位に立っており、好成績が視聴率に結び付かない結果となっている。(共同通信、2006年5月1日)

【参考資料】ビデオリサーチ社「プロ野球巨人戦・月平均世帯視聴率」http://www.videor.co.jp/data/ratedata/program/07giants.htm

今シーズンからお膝元の日本テレビすらジャイアンツ戦を地上波からBSデジタルに移管する方針を打ち出している。昨シーズン途中からの急激な失速での低迷だけが視聴率低下(=ファンのジャイアンツ離れ)の原因と考えては見誤る。昨年の4月のデータを省みれば、ただ単に勝てるチームにすればよいというだけではないことに気付かねばならないのだ。即ちチームとして魅力をアップして放映権収入を減少させないためには、もちろんチームが強くあることが必要条件であるが、それだけではもはや十分条件には成り得ないという視点が必要だと敗戦処理。は強調しておきたい。

そしてそこまで考えるのであれば、五人目の外国人に若手の成長の芽を摘み、モチベーションを低下させる懸念のある野手を獲得するよりも、まだまだ盤石とは言えない投手を獲得する方が理にかなっているのではないか。

取りあえずジャイアンツの昨シーズンの投手編成を振り返っておこう。

【先発】上原、内海、パウエル、西村、姜、グローバー
【中継ぎ】久保、林、前田、真田、野間口、福田
【抑え】高橋尚、豊田

この中からグローバーが抜け、FAで門倉健を獲得した。桑田真澄を自由契約にしたが、工藤には復活を期待していた。またドラフトの希望枠で獲得した金刃憲人には即戦力の期待が大きい。ただ抑えの豊田清には往年の絶対的抑えという信頼感を置きがたいし、半年かけてようやく様になりつつある感じだった高橋尚成を抑えから先発に戻し、姜を抑えに回す構想を原監督は抱いているようだ。だとすれば抑えが不安だからストッパーの務まりそうな外国人を探してくるとか、エース上原ですら白星が一桁に終わるシーズンが二年続いていることを考えて先発完投型の投手を獲得するという考えがあって然るべきではないのか。昨年は尾花高夫投手総合コーチの就任もあってチーム防御率を一昨年の4.80から3.65と改善されたが、それでもリーグ1位だったドラゴンズの3.10に比べるとまだまだで、改善の余地はあるはずだ。

昨シーズンの敗因を踏まえ、チームを強くすることと、魅力のあるチームにして地上波で放送される試合を増やして放映権収入を増やすことは、二大使命であって、ベクトルが同じ方向を向いているようでそうではないらしく、この二大使命を同時に果たすのは至難の業と思われる。そのための改善(例えば補強)に戦略なりが垣間見られれば期待できるが、この外国人選手の獲得一つを見ても現時点ではそう言い切れない。

敗戦処理。は「女子アナがデジアナになる」四年後まで今家にあるテレビと付き合っていこうと考えているのだが、CSと契約しなければジャイアンツ戦を観ることが出来なくなる日がマジで近づいてきているようで淋しい限りである。

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2007年1月16日 (火)

「生」観戦した野球場(24)-大田スタジアム

03_5 いろいろな野球場で日本のプロ野球を観てきました。その数40以上。だからどうしたと言われればそれまでですが。

このコーナーでは敗戦処理。がプロ野球の試合を観戦した野球場について順に書いていこうと思います。月に1~2球場の割合で書いていこうと思います。また、シーズン中に新たな球場に行ったら加筆していこうと思います。

24回 大田スタジアム 観戦球場ファイル-23

前回の市営浦和球場の時に、「今後この球場のように地方の市民球場の類がどんどん出てきます」と書きましたが、今回の大田スタジアムがまさにそうです。ただ地方球場といっても、東京ですが。

1994年創設。JR京浜東北線大森駅からバスに乗って「大田スタジアム」下車。(東京モノレールの流通センター駅からでも徒歩15分で行けるらしい)だだっ広い通路を5~6分歩くと両翼97.6m、中堅122mで外野が天然芝で内野が土というきれいなスタジアムがある。

東京には意外に本格的な野球場が少ない。特に高校野球でいう東東京側は東京ドームと神宮球場を除くと一気に格が落ちる。そんな中でナイトゲーム設備もあるこの球場は重宝される。敗戦処理。が初観戦したのは2001年7月28日のイースタン・リーグ公式戦、ジャイアンツ対ファイターズ戦。この時はジャイアンツ主催だったが、その後のプロ野球使用状況を調べるとスワローズ主催のイースタン・リーグ公式戦が多い。また2004年3月28日にはスワローズ対カープの一軍のオープン戦が組まれ、東京で東京ドームと神宮球場以外の球場で一軍戦が組まれること自体が珍しいので話題となった。

03_6  いわゆる湾岸地域だからといってしまえばそれまでだが、スタジアムの周囲が狭くない。とにかく開放的なスペースで、本当に東京かと思える。そしてレフトスタンド後方には羽田空港から離陸する、または着陸する飛行機の行き来が見えるので、ナイトゲームで一塁側の内野席に座ると野球以外の楽しみ方も味わえる。ロッテ浦和球場の新幹線観察と並ぶ、二大暇つぶしといえよう。

もちろん敗戦処理。の観戦経験からすると、ナイトゲームでも試合終了後にバスの臨時便が出るので帰りはさほど心配ない。

ジャイアンツの二軍の本拠地であるジャイアンツ球場が稲城市ではなく川崎市にあるということを踏まえると、イースタン・リーグが関東に集中しているといいながら実は都内にファームの球場がないのである。これは正直都民の一人として淋しい。

まだ今シーズンのイースタン・リーグの日程が発表されていないが、もう少しこの球場での試合を増やして欲しいものだ。

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2007年1月14日 (日)

逆襲どころか無計画?中村紀洋&代理人vs球団のままごと契約更改

12日、バファローズ中村紀洋サイドと球団の6回目の契約更改交渉が行われたが、またも決裂。中村は球団に残ってプレーする意思がないことをあらためて通知し、球団もトレード先を探し、受け手が見つからなければ自由契約にするという。敗戦処理。は11日付のエントリーで中村の逆襲が始まると書いたが、とんだ買いかぶりで、単なる交渉下手だったことが露呈した。球団の方も野球協約で定める減額制限を呈示して断られた後の対応に不可思議な点がある。近年、ようやく大リーグ並みに代理人交渉が認められて定着しつつあるが、こんなままごと契約更改をしているようではそれこそ日本のプロ野球はアメリカ大リーグのファームと嘲笑われる?

このオフのバファローズと中村の契約更改交渉は、下交渉の時点で球団が野球協約で定める減額制限を超える減俸を提示したことから中村が不信感を抱き、その大幅減額の原因となった左手首の負傷が公傷と認められていないことで完全に溝が出来、中村の代理人を務める茂木立仁(もぎたて・ひとし)弁護士と球団との採算の交渉もまとまらなかった。12日の交渉では中村本人が第1回交渉以来の同席となったが、決着は中村の退団決定ということになった。

敗戦処理。の11日付のエントリーでは、減額制限を超えた減額は選手の合意があって初めて成り立つものなのに、中村が拒否しても減額制限内での交渉に入らないのであれば、それは球団側の落ち度であるから、その当たりを突いて中村サイドが何らかのウルトラCを用意してくるのかと思ったが…。

この件を報じた13日のスポーツニッポンは中村本人に12日の交渉の様子を聞いているが、その中にこんなくだりがある。

- 直接、球団事務所に足を運んだのは?

「ケガのことをはっきりさせたかったので。プレー中のケガは公傷にならないのですかと聞いたら、うちは認めないと言われた。そういう方針が球団にある以上は受け入れざるを得ないが、僕としては譲れなかった」

信じられない。これが最終交渉と目された席で聞く質問か?

中村や代理人は今まで何を球団と話し合ってきたのか?

茂木立代理人は「契約とかは専門家の仕事で私が進めればいいケース。ただ(ケガについては)本人不在だと分からないケースがある」(同じく13日付スポーツニッポンより)と言ったそうだが、ケガの程度や、どういうシチュエーションでケガを負ったかに関係なく、プレー中のケガを公傷と認めない方針であれば、中村が同席したかどうかは関係ない。一方で同じ紙面で中村の方は「基本的にオリックスでプレーすることを考えていたが、言葉の掛け違いが多すぎてこういう結果になってしまった。自分自身が交渉の場にいればよかったなと思う」と言ったとなっている。

代理人は本人の不在を嘆き、本人は自分がその場にいたらと後悔する。いったい何なんだこのコンビは?

中村は旧バファローズの出身で、合併球団とはいえ現球団の一員になったのは昨シーズンが初めて。一年契約を結ぶ際、確認しなかったのか?

この球団では昨年の清原和博の死球に対する報復宣言騒ぎがあって、その時にも20年選手清原のあまりの次元の低さにあきれたが、今回の中村も似たり寄ったりだ。

しかし中村も清原も、もとをただせば現バファローズ球団に引っ張ってきたのは故仰木彬さんだ。合併球団とはいえ、どちらの球団のファンも合併を歓迎しておらず、そのため双方のファンをつなぎ止められる希有な人材として高齢の仰木さんに初代合併監督の白羽の矢が立ち、文字通り骨身を削って采配した後、一線を退いて、この二人を引っ張ってきた仰木さん。「誰にも歓迎されない合併」を引きずっている球団を変えるには強烈な個性の持ち主が必要だったのだろうがこの二人に関しては仰木さんの見込み違いだったと断定せざるを得ない。そしてこの二人、何かと仰木さんの名前を出す。拾ってくれた仰木さんへの感謝を忘れない志を保ちながらあの成績では、もはやこの両選手に2006年を超える成績を望むのは無理ということか。

それにしても昨年来、この球団のニュースといえば、清原の問題発言の他にかつて所属した選手の薬物使用や、現役選手による引き逃げに、今度はけんか別れ。圧倒多数のプロ野球ファンの反対を押し切って合併した結果がこのような御難続きというのは何か見えない力でも働いているということなのでしょうか。

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2007年1月13日 (土)

これからプロ野球選手を目指す人必見!-クビになって再就職が決まりやすい球団はどこ?

プロ野球選手を目指す人達は、華やかな面だけに注目して球団を選んではいけません。今度は戦力外通告、はっきりいえばクビを宣告された選手が、再就職の決まりやすい球団はどこなのかを調べました。別掲のこれからプロ野球選手を目指す人必見!-有名人と結ばれやすい球団はどこ?と併せ、これからプロ野球選手を目指す人は参考にしていただければ幸いです<笑>。

スポーツ報知が毎年暮れも押し詰まった12月30日前後に、そのオフの全球団の去就をまとめた一覧表を掲載しています。球団を去る人として、FAやポスティングで出ていく人、トレードで出ていく人、監督やコーチ、スタッフに転身する人、野球界を離れる人の進路を書いています。もちろん去就の「就」の方も、新人選手、移籍選手、新外国人選手が書かれており、チームの顔ぶれがどう変わるか整理した表になっています。

敗戦処理。は去就の「去」の欄に注目しました。

球団主導でトレードされた選手や、FA、ポスティングで自分の意思でその球団を離れた選手を除き、戦力外通告を受けた選手、あるいは限界を感じ、現役引退を決めた選手の再就職がこのスポーツ報知の特集の時点で決まっているかを基準とし、球団別に再就職が決まっている確率を調べました。対象期間は2001年のオフから最新の2006年オフ(つまり、ついこの間の2006年12月30日付けまで)としました。戦力外通告を受けながら他球団での現役続行が決まった選手は対象から外しました(アマチュア球界での現役続行は対象に含む。)。また外国人選手と、コーチ、監督等首脳陣を除きました。

なお記事の時点で「○○を目指す」、「○○予定」という表記のものはその時点では決まっていないのでカウントしていません。再就職先は野球界以外の一般職種だけでなく、他球団(日本以外を含む)での、コーチ、監督、裏方(打撃投手、ブルペン捕手、球団職員)への転身を含みます。またアマチュア球界で現役続行する選手を含みます。要するに日本のプロ野球で現役を続けられなくなった人が次の年の仕事が決まっているかどうかです。

いきなり順位発表からいきます。2001年~2006年の実績です。

1位 74.2%(23/31) カープ
2位 70.6%(24/34) スワローズ
3位 66.7%(24/36) ドラゴンズ
3位 66.7%(30/45) タイガース
5位 63.2%(24/38) ベイスターズ
6位 60.5%(23/38) ライオンズ
7位 56.8%(21/37) ジャイアンツ
8位 52.2%(24/46) ホークス
9位 50.9%(27/53) バファローズ
10位 50.0%(10/20) ゴールデンイーグルス
11位 48.7%(19/39) ファイターズ
12位 47.8%(22/46) マリーンズ

セ・リーグ全体 66.1%(146/221)
パ・リーグ全体 51.7%(125/242)
十二球団合計   59.4%(271/463)

【参考】「saishuushoku.xls」をダウンロード

注.カッコ内は(決定済/対象選手数)。また調査期間における旧バファローズの数字を含まず。

全体で6割弱なのですね。もちろんこれは、12月末頃のスポーツ報知に掲載される時点をベースにしていますので、それ以降に決まる選手がいる訳です。なかには現役続行を手にした選手もいます。上位5球団にセ・リーグが集中しています。このデータだけを観ると、後々のことまで考えたら、セ・リーグの球団に入団した方が良いというように思いがちですが、この場合球団は最終所属球団です。最初に入った球団とは限りません。

1位のカープで再就職が決まっていた23人の内、半分強の12人はコーチ、打撃投手などという形で球団に残っています。ただこの傾向はカープに限らず今回の六年間の調査で再就職が決まっていた総計271人の中でも134人と、ほぼ半数近くが現役最終所属球団に残っていることになります。

2位のスワローズはかつて善きにつけ悪しきにつけ「ファミリー球団」といわれた球団ですが、今なお健在ですね。特にこの二年で親会社のヤクルトに3人が採用されています。

タイガースの場合、2002年からずっと評論家に転身する選手が毎年1人以上でています。人気球団ならではですね。

何とジャイアンツがセ・リーグで最下位なのですね。

「引退後のことを考えたら、『元巨人』という肩書きが物を言う」とよく言われますが、それは実績を残した選手に当てはまることであって、戦力外通告を受ける選手には当てはまらないのかもしれませんね。ただジャイアンツも近年、フロント、球団職員の若返りを図っているそうなのでその方面で採用されるケースが増えてくるかもしれません。

パでトップのライオンズも決定済の23人の内、半分強の13人が球団に残っています。「西武」になったばかりの頃にはスカウトする選手の家業に西武グループが仕事を回したり、支援する形で選手を入団させていると言われたりもしましたが、引退後のフォローもばっちりということですね。

プロ野球選手が選手を辞めて野球界を離れて再就職する場合。同年代で、その同じ仕事をしている人は高校なり大学を出てその道に進んでいる訳ですから、元プロ野球選手が一般企業に就職した場合、現役時代とは全く異なる苦労を強いられることが多いようです。飲食店開業など、自営の道を歩むもの、あるいはその目的で修行するためにいったん就職するもの、いろいろあるようです。

これまでに書いたように、再就職決定には球団職員、スタッフも含まれています。このような転身の仕方をした選手を対象外にすると、決定済選手の数はガタッと落ちます。しかし球団職員に残るというのも再就職に変わりありませんし、見方を変えれば面倒見の良い球団ということにもなります。

一説ではドラフトの上位指名、特に近年の逆指名、自由獲得枠、希望枠での入団選手には球団が引退後の補償まで呈示するケースもあると言われています。そのことの是非はともかく、いかなるスター選手といえども、現役期間より、現役引退後の生活期間の方が長い訳です。選手側が現役期間より長い期間のことを心配するのも当然のことでしょう。

前回に続き、この調査もあくまでシャレですよ。もちろん集計に漏れが無いようには充分注意したつもりですが。

ただこの2点の調査から考えると、スワローズに入団してフジテレビの女子アナと結婚する。しかも引退後のフォローも高い球団である。これが一番幸せな野球人生かもしれません。そして運悪く再就職率の低い球団からドラフトで指名された選手は入団拒否をして次のチャンスを待つのではなく、その球団でプレーして戦力外通告を受けたら、トライアウトを受けてでも再就職率の高い球団に入る道を考えればよいのです。

昨年FA権を取得した黒田博樹投手がカープ残留を決意したのは案外正解だったかも。

【参考資料】
スポーツ報知2001年12月31日付紙面
スポーツ報知2002年12月31日付紙面
スポーツ報知2003年12月31日付紙面
スポーツ報知2004年12月30日付紙面
スポーツ報知2005年12月30日付紙面
スポーツ報知2006年12月30日付紙面

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2007年1月12日 (金)

これからプロ野球選手を目指す人必見!-有名人と結ばれやすい球団はどこ?

ついこの間年が明けたかと思ったら、1月も3分の1を過ぎています。さすがに正月ボケが残っている人は少ないと思いますが、年末年始をすっかり寝正月で過ごした敗戦処理。でしたが、テレビをつけると、いやぁ~出まくっていましたね、陣内智則!これも紀香効果でしょう、レオパレスもいい宣伝になったことでしょう。それにしても、このところお笑いタレントばかりが美人女優をゲットする傾向が続いています。そこで日本プロ野球の世界はどうなのか?有名人と結ばれるケースの多い球団はどこなのか?2003年以降に有名人(タレント、女子アナ、スポーツ選手)と結婚したプロ野球選手を調べ、所属球団別にランキングしてみました。また2006年時点での現役選手であればそれ以前に結婚した選手も対象にしました。

結婚相手はタレント、女子アナ、女性スポーツ選手などジャンルを問わず広く「有名人」とします。ただし有名の度合いを三段階に分けました。

A 幅広く知名度が高い人

B そのジャンルに興味を持っている層には知名度が高い人

C 失礼ながら知名度の低い人

とし、Aを5点、Bを3点、Cを1点として集計します。A、B、Cの種別は勝手ながら敗戦処理。が判定します。

なお選手の方は有名無名を問いません。婚約、結婚当時の所属球団とします。奥さんの名前は基本的に芸名等一般によく知られた名前を優先して表記しました。肩書きは結婚当時のものを原則としました。その後離婚した人もいますが、ここでは不問です。

【ベイスターズ】

福盛和男(福元英恵=フジテレビアナウンサー) 判定B

古木克明(池端忍=モデル) 判定C

鈴木尚典(長沢百代=球団オフィシャルリポーター) 判定C

種田仁(笹山智美=元TOKYO FMパーソナリティ) 判定C

佐々木主浩(榎本加奈子=タレント) 判定A

石井琢朗(荒瀬詩織=元アナウンサー) 判定B

佐々木主浩(清水香織=タレント) 判定C

石井琢朗(瀬能あずさ=タレント) 判定B

【ゴールデンイーグルス】

川岸強(高山香織=名古屋テレビアナウンサー) 判定B

【カープ】

新井貴浩(大橋裕美子=モデル) 判定C

緒方孝市(中條かな子=タレント) 判定A

前田智徳(西岡英美=モデル) 判定C

【バファローズ(旧ブルーウェーブ、旧バファローズ)】

後藤光尊(斉藤ますみ=元グラビアアイドル) 判定B

宮本大輔(海原やすよ=漫才師) 判定B

藤崎紘範(澤田磨希=ラジオ大阪バファローズガール) 判定C

谷佳知(田村亮子=柔道) 判定A

イチロー(福島弓子=TBSアナウンサー) 判定A

田口壮(香川恵美子=TBSアナウンサー) 判定A

【ジャイアンツ】

上原浩治(山崎美穂=元モデル) 判定C

黒田哲史(新山千春=タレント) 判定B

二岡智宏(用稲千春=フリーアナウンサー) 判定C

高橋由伸(小野寺麻衣=日本テレビアナウンサー) 判定B

小田幸平(石井江奈=フリーアナウンサー) 判定C

岡島秀樹(栗原由佳=フリーアナウンサー) 判定C

【マリーンズ】

渡辺正人(WAKO=歌手) 判定C

代田建紀(北島えり=元グラビアアイドル) 判定B

サブロー(中嶋美智代=タレント) 判定B

【スワローズ】

飯田哲也(大野道子=テレビ神奈川リポーター) 判定C

城石憲之(大橋未歩=テレビ東京アナウンサー) 判定A

古田敦也(中井美穂=フジテレビアナウンサー) 判定A

石井一久(木佐彩子=フジテレビアナウンサー) 判定A

五十嵐亮太(神崎織江=ベイスターズマスコットガール) 判定C

土橋勝征(白鳥靖代=女優) 判定B

【ホークス】

岡本克道(CAORI=タレント) 判定C

杉内俊哉(上葉えりか=タレント) 判定C

和田毅(仲根ますみ=グラビアアイドル) 判定B

城島健司(大藤真紀=タレント) 判定C

松中信彦(林恵子=フリーキャスター) 判定B

本間満(結城めぐみ=グラビアアイドル) 判定B

辻武史(藤井美香=タレント) 判定C

【タイガース】

藤本敦士(仲埜裕貴=タレント) 判定C

新庄剛志(大河内志保=グラビアアイドル) 判定B

【ライオンズ】

土肥義弘(小椋玲奈=モデル) 判定C

松坂大輔(柴田倫世=日本テレビアナウンサー) 判定A

松井稼頭央(菊池美緒=タレント) 判定C

清原和博(木村亜希=元モデル) 判定C

【ドラゴンズ】

関川浩一(家森幸子=テレビ東京アナウンサー) 判定C

大西崇之(坂上晴美=プロゴルファー) 判定B

遠藤政隆(澄田理恵子=ラジオパーソナリティ) 判定C

【ファイターズ】

金村曉(奥田亜矢子=元タレント) 判定C

中嶋聡(制野愛=モデル) 判定C

木元邦之(前原絵理=女優) 判定C

金子誠(白木清か=「ニュースステーション」キャスター) 判定B

昨年結婚を発表したゴールデンイーグルスの川岸強は昨シーズン限りでドラゴンズから戦力外通告を受けてゴールデンイーグルス入りした選手ですので、本来であればドラゴンズに分類すべき選手ですが、ゴールデンイーグルスを0にしたくないのでこちらに入ってもらいました。

抜けている選手がいるかもしれませんが悪しからず。他意はありません。

またCに判定した奥様、そのファンの方、関係者の方ごめんなさい。

それでは集計します。なお一人で有名人と二度結婚している選手がいますが、何度も結婚することを奨励している訳ではないので、判定の高い方をとって計算します。

蛇足ですが複数の野球選手と結婚した有名人は見当たりません。

12位 3点=ゴールデンイーグルス

11位 4点=タイガース

10位 5点=ドラゴンズ

9位 6点=ファイターズ

7位 7点=カープ

7位 7点=マリーンズ

6位 8点=ライオンズ

5位 10点=ジャイアンツ

4位 13点=ホークス

3位 14点=ベイスターズ

2位 20点=スワローズ

1位 22点=バファローズ

イチロー、田口壮、谷佳知を輩出した旧ブルーウェーブが、フジテレビジョンの資本参加があるスワローズを僅差で制したという感じですね。

その点では3位のベイスターズもTBSが親会社ですから、今後上昇を期待したいですね。でも福盛和男のように親会社のライバル局の女子アナと結婚するとトレードされる可能性もあるので要注意です<>

4位のホークスはこの面でも地域密着という感じがします。地域密着を打ち出している球団は地元メディアから親密な取材を受けるケースも増えるでしょうから、そこで選手と女子アナ、レポーターなどとの交際が始まりやすいのではと思います。その意味では9位のファイターズの今後の上昇にも期待したいところです。

ゴールデンイーグルスの場合は出来てまだ二年間ですから、ランクの中に並べるのはきついような気がします。ちなみに昨シーズン前に発売された選手名鑑(「2006プロ野球全選手百科名鑑」日本スポーツ出版社発行)に掲載されていた2006年のゴールデンイーグルスの(外国人選手を除く)63選手中26人が独身なので今後に期待したいですね。

敢えて言うまでもありませんが、シャレですよ。ただお笑いタレントばかりにいいとこ取りをされず、今年はプロ野球選手の華やかな交際が写真週刊誌などを賑わせて欲しいところです。マスコミなどにばれず、いきなり婚約発表なんていうのが一番かっこいいのですが。人気低迷が叫ばれる日本プロ野球ですが、野球ファン以外の人にも関心を持たれるような、恋愛ロマンスで盛り上がるというのも国民的娯楽としてのステータスを取り戻す第一歩だと思います。

松井秀喜選手、早く松たか子さんと結婚して下さい!

なお、こういうオイシイ側面だけで希望球団を決めるのは危険なので<>、明日の同じ時間にもう一つの指標を公開します。お楽しみに。

【参考資料】

@nifty:ベースボールフォーラム:掲示板:プロ野球【噂のシンソー】

2007年3月31日終了予定。※閲覧するにはニフティのIDが必要です。

2006プロ野球全選手百科名鑑」日本スポーツ出版社発行

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2007年1月11日 (木)

工藤公康のプロテクト漏れ-ベイスターズ入りに関して

ジャイアンツがベイスターズの門倉健をFAで獲得したことに対する補償でベイスターズは9日、ジャイアンツのプロテクト枠から漏れた工藤公康を獲得した。過去に二度のFA移籍を経験した43歳の超ベテラン工藤が、新人と外国人と移籍組を除く28人のプロテクトリストから漏れたのはある意味敗戦処理。にとって衝撃的。気が付けばこのオフ、ジャイアンツは小久保裕紀、桑田真澄、工藤公康と現役を終えた後も指導者として期待できた選手を三人も手放すことになったのである。

原辰徳監督は実力至上主義を掲げているから、これまで功労のあった者でも力が衰えたら戦力外にしたり、プロテクト時に優先順位が落ちると言うことなのかもしれないが、何かもう少しベテラン選手の処遇に関しては考え直した方がよいような気がする。そう思うのは敗戦処理。だけだろうか。

まず最初に、敗戦処理。はFA移籍に関する補償に関して重大な勘違いをしていたことを、訂正せねばならない。

2006年12月7日付け小笠原道大FA移籍でなぜファイターズはジャイアンツに人的補償を求めないのか?で、

まず始めにFA移籍に伴う補償の仕組みを整理しておこう。FA補償に関しては野球協約第205条で定められているが要約すると、

FA宣言した選手が日本の他球団に移籍した場合、元の所属球団は移籍先の球団に対し、次のどちらかの補償を求めることが出来る。

1.FA移籍した選手の移籍直前のシーズンの年俸金額と、さらにその金額の20%の額。(元の年俸の1.2倍の金額。)

2.FA移籍した選手の移籍直前のシーズンの年俸金額と、移籍先球団の選手1名。ただしこの場合、移籍先の球団がプロテクトした28名を上限とした選手と外国人選手を除いた選手の中からの任意の1名となる。

と記述したがこれは誤りで、

1.FA移籍した選手の移籍直前のシーズンの年俸の80%の金額と、さらにその金額の50%の額。(元の年俸の1.2倍の金額。)

2.FA移籍した選手の移籍直前のシーズンの年俸の80%の金額と、移籍先球団の選手1名。ただしこの場合、移籍先の球団がプロテクトした28名を上限とした選手と外国人選手を除いた選手の中からの任意の1名となる。

金額の比率に誤りがありました。これは完全に敗戦処理。の思いこみによる勘違いなので、この場を借りてお詫びして訂正させていただきます。

申し訳ありませんでした。

なおこれは初めてのFA行使選手に対する規定であり、2度以上のFA行使選手の場合は「旧年俸の40%の金額とさらにその金額の50%の額(元の年俸の0.6倍の金額)または旧年俸の40%の金額プラス選手1名」となることを付記しておく。

そうなると、人的補償にするか、金銭のみの補償にするかの境目はこの時の発言で想定した旧年俸の20%と、プロテクト外の選手の比較ではなく、旧年俸の40%の金額と、プロテクト外の選手との比較になる。

元発言ではファイターズからジャイアンツにFA移籍した小笠原道大の例を示したが、これを門倉に当てはめると、2006年の門倉の推定年俸7500万円の40%、3000万円相当以上の選手がプロテクトから漏れていたら人的補償を求めた方が得ということになる。工藤は推定年俸2億3000万円からの1億円を超える減俸呈示に更改を保留していたが、ベイスターズが工藤獲得に踏み切るのは理にかなっていると言えよう。

この点で小笠原移籍で補償を求めるファイターズの高田繁GMが、「1億5000万円クラスの選手がプロテクトから漏れないから…」といって金銭のみの補償を求める方針を明らかにしたのも頷ける。

そろそろ本題に入ろう。

ところで敗戦処理。を含むジャイアンツファンにとってショックなのはまず工藤がプロテクトから漏れたことだろう。

けんか別れとまでは言わないが、スマートな形での退団とは思えない桑田の退団。キャプテンを務めた小久保のFA流出(ただし古巣への復帰)と、どうも功績のある選手の退団の仕方がしっくりこないものである。一年前には同じプロテクト漏れで江藤智を手放したし、その年には清原和博もファンには納得しづらい戦力外通告であった。三年前には川相昌弘も…。

それだけに「またか」との思いが強いのだろう。

実は敗戦処理。は独断で選ぶ28人のプロテクトリストをつくってみた。9日付けのスポーツニッポンによると新人、移籍組、外国人選手以外に28人をプロテクトするということで、敗戦処理。なりに考えたのが別掲の敗戦処理。が選んだ28人のプロテクト名簿である。

「G-PROTECT28.xls」をダウンロード

工藤、前田幸長、小坂誠、木村拓也あたりがボーダーラインなのである。豊田清、野口茂樹は2006年にFAで入団した際に2007年までの複数年契約を結んでいるのでプロテクトせざるを得ない。(それがなくても敗戦処理。だったら豊田はリストに入れるが。)二年目になる2006年の新人もなるべく残したい。いろいろと考えた結果、工藤、前田、小坂はリストに入れたが木佐貫洋、木村拓也、斉藤宜之、川中基嗣、實松一成といった面々を外さざるを得なかった。

ジャイアンツの清武英利球団代表の「苦しい決断」という言葉がよく分かる気がした。

ただ昨年工藤が不本意な成績に終わったのは開幕直後はそこそこの調子だったのに中五日で回転させてからペースが狂ったのが原因だと敗戦処理。は見ている。2006年6月27日付巨人を壊しているのは誰だ?で書いたことの繰り返しになるが、工藤を組み入れた先発ローテーションで中五日で回すなどというのはベテランへの配慮のかけらもない証拠だ。先発投手の登板間隔を短くした外国人監督であるカープのまーティー・ブラウン監督でさえ、昨年シーズン中に39歳になった佐々岡真司の登板間隔には配慮していた。

超ベテランの工藤にとっては、工藤に対してよりリスペクトしてくれる球団に移籍した方が選手生命の上では幸せなのではないかと敗戦処理。は思っている。おそらくジャイアンツよりも、ベイスターズの方が工藤を必要としているのであろう。

また渡邉恒雄会長が将来指導者として戻ってきて欲しい旨をコメントしていたが、川相がそのままドラゴンズのコーチになったように一度手放した選手が簡単に戻ってくると思うのは安直だと指摘しておきたい。

ベイスターズは工藤に優勝経験や、現役投手としての生きた手本との期待を持っているだろう。工藤は43歳にしてなお、大リーグ挑戦を語る男だけに、ベイスターズが流出防止として工藤にコーチ兼任を持ちかけるかもしれない。

ベイスターズが最後に優勝したのが1998年。当時の優勝メンバーはエース三浦大輔を初め、川村丈夫、石井琢朗、佐伯貴弘、鈴木尚典とまだ残っているがライオンズ、ホークス、ジャイアンツと三球団でチームの優勝に貢献してきた工藤の存在はやはり格別なのであろう。

そして2002年を最後に優勝から遠ざかっているジャイアンツの投手陣では(ジャイアンツでの)日本シリーズ登板経験者は上原浩治、高橋尚成、前田の三人だけになってしまったということにジャイアンツのフロントの何人が気づいているのだろうか。

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2007年1月10日 (水)

中村紀洋の逆襲!?

スポーツ報知web版によると、バファローズの中村紀洋内野手の契約更改交渉が9日に球団と中村の代理人を務める茂木立仁弁護士の間で行われたが決裂。同弁護士は会見で、「(球団側と)自由契約かトレードしかないという認識にはなったが、まだ結論は出ていない」と主張。これを受けて報道陣の取材に応じた機谷俊夫球団代表は「一度(慰留を断念する)結論を出したが、話し合う用意はある」と交渉の再開に含みをもたした。

敗戦処理。は昨年1125日付け甘えるなノリ!-中村紀洋が温情更改を要望?

でも書いたように中村には厳しい評価をしていますが、中村に弁護士が付いていることを考えると、これが中村の逆襲の第一歩なのではないかという気がする。果たして、中村の逆襲とは?

今日は工藤公康についても書きたいのですが、どうもこのニュースが気になったもので<苦笑>。

各種報道で報じられている通り、中村の契約更改に関して下交渉の段階で野球協約に定める減額制限(中村の年俸が推定2億円だとしたらその40%)を超える下げ幅で提示があり、その後もその水準のままであるのなら、中村がそれに応じる気がないのであれば、球団は野球協約に定める減額制限の範囲内で中村ないし代理人と交渉しなければならない。またバファローズ球団は昨年11月末に連盟に提出する保留者名簿に中村を記載しているのだから、減額制限を超える減額交渉に応じないことを理由に中村を解雇したり、中村に不利益を生じさせることは出来ない。それは中村の昨シーズンの成績が85試合に出場したのみで、打率.23212本塁打、45打点というとても年俸の半分も働きをしていない体たらくであっても例外ではない<苦笑>

このオフには野球協約の定めを超える大幅な減額を飲んでいる選手が目立っているが、それらは選手の合意があってこそ。中には選手の弱い立場を利用しているものもひょっとしたらあるのかもしれないが、それはあくまで邪推であり、この発言とは関係ないのでここでは問わない。規定の減額を超えたものに中村や代理人がno!といえば、協約の範囲内で交渉しなければならないのである。

間に代理人が入り、なおかつ密室での交渉なので部外者には本当のところはわからないが、報道による上記の推理が外れていなければ、不条理なことをしているのは中村側ではなく球団側だとも言えるのである。

そして中村に代理人という弁護士が付いている以上、そのくらいの計算はしているだろう。日刊スポーツには中村が自由契約になれば大リーグの球団がマイナー契約で動くとの報道もあった。マイナー契約を結んでおいてキャンプに招待選手扱いでテストするという形式らしい。球団はこれを機に厄介払いしたいと考えているのかもしれないが、相手の手の内をよく読んでから対応した方が良いだろう。

しかし敗戦処理。にはそれでも疑問が残る。

その場合、国内球団を含め、本当に中村紀洋に食指を動かす球団があるのだろうか?

【参考】

当ブログ20061125日付け甘えるなノリ!-中村紀洋が温情更改を要望?

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2007年1月 6日 (土)

最も打てない現役野手は誰だ?-現役選手凡打率大調査

凡打王は誰だ?

最近は単に打率や本塁打数だけでなく、打者の価値判断をするデータが増えてきた。大リーグのアスレチックスのビリー・ビーンGMが重視する、出塁率と長打率を足したOPS(On-base plus slugging)という指標の存在がマイケル・ルイス著の「マネー・ボール」などで脚光を浴びてきている。そこでひねくれ者の敗戦処理。としては、逆に打者として、最もチームに貢献していない野手が誰なのかを調べる指標は無いものかと考えた。そして全くの独断ではあるが、現役選手の通算成績から凡打率というものを割り出し、ランク付けしてみた。

単純に打率の数字を1から引いて凡退率を出す(例えば打率.250の打者であれば1-.250で凡退率.750)というのも考えたがそれではあまりにも単純なので安打以外に四死球による出塁、犠打飛による貢献を取り除き、役に立たなかった打席数の割合を算出することにした。

計算式はこのように設定した。

凡打率=(打席数-(安打+犠打+犠飛+四球+死球+打撃妨害出塁))÷打席数

これが凡打率である。厳密に言えば、犠打や犠飛にカウントされない進塁打が凡打に含まれてしまう(バント以外の、例えば無死二塁で意図的に二塁、一塁方向にゴロを打って走者を進めるのは「犠打」にカウントされないし、「犠飛」は塁上の走者をホームインさせた飛球のみで、二塁からタッチアップして三塁に進んだ場合はカウントされない)ので、この式の分子に当たる凡打がすべてチームの役に立たなかった打席とは言えないが、一般的に表に出ている打撃成績で算出するにはこれが限界だろうということで考えた。

対象は現役選手で、2006年シーズン限りで現役引退を表明した選手、外国球界に移籍した選手、戦力外通告を受けて来季の在籍球団が決まっていない選手は除外した。そして投手は除いた。規定打席数(対象選手)は通算60打席以上。これは新人王の資格で、新人選手以外の獲得資格が野手では通算60打席以下と定められていることに基づく。この打席数を超えている選手はもはや新人とは言えないということで一人前とは言い切れないにしても、新人扱いはされない選手ということで基準とした。

まず最初に全野手対象ということで、全試合指名打者制の2004年のパ・リーグのチーム凡打率を調べてみた。

2004年パ・リーグ球団別凡打率
カッコ内はチーム打率
マリーンズ             .643 (.264)
旧バファローズ       .633 (.269)
ファイターズ      .6324 (.281)
旧ブルーウェーブ  .6323 (.283) 
ライオンズ             .6322 (.276)
ホークス                .616 (.292)

リーグ全体             .6316 (.278)

おおよそチーム打率の逆順になっており、「打てない」、「打撃面で役に立たない」指標として使えそうだ。

次に個人の凡打率を調べるに当たって、一般的な選手の凡打率がどのくらいなのかを調べてみた。2006年の公式戦で規定打席に達した両リーグ各29選手の合計の打席数、安打数などで凡打率を算出してみた。規定打席に達しているということはレギュラーポジションを獲っている選手とみなした。

パ・リーグ29人合計 .625
セ・リーグ29人合計 .636
両リーグ58人合計  .631

これらのデータから推測すると、凡打率が.630を超える選手は平均より凡打が多い選手と思われ、当然ながら凡打率が高ければ高いほど凡打が多い、チームに貢献する打席が少ないという見方が出来そうだ。

そもそも敗戦処理。が凡打率に着目したのが、ある酒の席での「實松(一成)ほど打てない野手はいない」、「實松はせっかく巨人に移籍したのだから桑田(真澄)から打撃を教わるべき」などの話から、本当に實松ほど打てない野手はいないのか?という疑問が沸いたからである。ちなみに實松と桑田の通算打撃成績を比べてみると、

實松 561打数84安打13本塁打39打点 打率.150
桑田 890打数192安打7本塁打79打点 打率.216

どちらに、より打撃センスがあるかは…。

閑話休題、それでは現役選手凡打率ランキングを発表する。まずは上位トップ10から

順位 選手名  所属 凡打率
1位 西村弥      楽 .821
2位 田原晃司      西  .789
3位 炭谷銀仁朗 西  .774
4位 長坂健治      楽  .765
5位 仲沢忠厚      ソ  .760
6位 亀井義行      巨  .755
7位 的場直樹      ソ  .753
8位 鈴木郁洋      オ  .751
9位  井手正太郎   ソ  .750
10位 實松一成      巨  .749

1位の西村弥は、ゴールデンイーグルスの2006年の新人選手。プロの水に慣れていない新人選手を1位にしてしまうのはさすがに気の毒な気もするが、67打席に立ったためエントリーしてしまった。3位の炭谷銀仁朗(=今年から登録名を「銀仁朗」に変更)も同様。銀仁朗は契約更改の際に、松坂大輔が抜けて投手力が弱くなる分を攻撃でカバーしなければならないチーム事情を説かれ、打撃向上を課されたという。因みにライオンズで捕手登録されている選手で対象者は上記の田原晃司、銀仁朗の他に野田浩輔と細川亨。これに昨シーズン限りで現役を引退した通算298打席の椎木匠の5人の合計の凡打率は.707。今年から細川が伊東勤監督の現役時代の背番号27を受け継ぐらしいが、捕手が揃って貧打というのも伊東監督にとっては頭が痛いところだろう。チャンスで代打を送りたいが投手との相性を考えると変えたくない、そんなジレンマに何度となく悩まされたことだろう。しかし銀仁朗は打撃センスもなかなかのものがあるように思えるし、リードを勉強し、打撃に比重を置く余裕が出来れば、代打不要の存在にくらいはなれるのではないだろうか。

ちなみに上位10人中6人が捕手である。 守備重視のポジションゆえ、どうしても打撃成績が悪くても出場機会が増えるから、こういう結果も致し方ないのか。

意外だったのは、 實松より上位に来る選手が9人もいたことだ。正直、實松と細川の1位争いかと思っていた<苦笑>。ただ上位10人の中で實松は打席数が最も多い637。2位が的場直樹の328で、他の8人は實松の半分も打席に立っていないのである。打席数の多さを考えると、今後實松に打撃開眼の望みは薄く、なおかつこの10人の中で実質的に最もチームの攻撃時に足を引っ張ってきた選手と言えよう。

あとは6位のジャイアンツ亀井義行。外野手で唯一のトップ10入りはいかがなものか。左打ちの外野手で、今年三年目。昨年は開幕スタメン入りを果たした期待の星だった。既に外野守備では一定の評価を得ているようだが、外野手で凡打率がこんなに高いのは問題外である。チームメートのイ・スンヨプに二年間付けた背番号25をとられ、新たに背負う番号は35。ジャイアンツでは淡口憲治、清水隆行と左の好打者を輩出した番号で首脳陣もまだまだ期待している。ジャイアンツの外野は依然として狭き門だが、凡打率を下げてポジションを狙って欲しい。

次に11位以下を紹介する。凡打率7割を超える選手を一気に列記しよう。

順位  選手名  所属 凡打率
11位 中村公治     中 .744
12位 飯山裕志     日 .743
13位 黒田哲史     西 .741
14位  小谷野栄一  日 .7399
15位 小田幸平     中 .7395
16位 森谷昭仁     楽 .7344
17位 小野公誠     ヤ .7342
18位 松田宣浩     ソ  .732
19位  藤田一也     横  .731
20位 大松尚逸     ロ  .728

21位 塀内久雄     ロ  .727
22位 根元俊一     ロ  .726
23位 浅井良     阪 .7246
24位 小田島正邦  横 .7244
25位 代田建紀     ロ  .7241
26位 辻武史        ソ  .721
27位 平石洋介     楽 .717
28位 城所龍磨     ソ  .716
29位 三木肇        ヤ  .7129
30位 村田善則     巨  .7128

31位  鶴岡慎也     日  .712
32位  倉義和        広  .7098
33位  牧田勝吾     オ  .7097
34位  吉本亮        ソ  .709
35位  G・G・佐藤   西  .7077
36位  福川将和    ヤ .7075
37位  清水将海    中 .706
38位  稲嶺誉        ソ  .7059
39位  草野大輔    楽 .7054
40位  米野智人    ヤ .7034

41位  志田宗大    ヤ .7029
42位  塩川達也    楽 .70283
43位  柳沢裕一    中 .70278
44位  高山久       西 .702

やっぱり捕手と主に守備要員として起用される選手が多いですね。算出し、順位を付けていて気付いたのですが、凡打率が高くなる選手というのは、単に打率が低いだけでなく、四死球や犠打、犠飛が少ない選手がより上位に来るということですね。そして別掲の一覧を参照していただければわかると思いますが、一発狙いでホームラン・バッターながら打率が低いタイプの打者でも、相手に警戒されて四死球が多い選手は凡打率は高くならないのである。

なお、ここまで外国人選手が出てきませんが、凡打率が7割を超える外国人選手がいないのではなくて、凡打率が7割を超えている外国人選手は昨シーズン限りでクビになっているのです。エリック・バレント.732、ジェイソン・グラボースキー.704、ホセ・マシーアス.703の3選手が凡打率7割を超えていました。

ちなみに2007年も引き続き日本プロ野球でプレーする外国人選手で最も凡打率が高いのがライオンズのジェフ・リーファー.677で、スワローズ勢のアレックス・ラミレス.664、アダム・リグス.655が続いています。

凡打率が7割を超えている選手の中でほぼレギュラーをつかみかけているのがファイターズの鶴岡慎也とスワローズの米野智人。守備重視の捕手というポジションですが、せめて四死球、犠打、犠飛を増やして凡打率を下げたいところですね。

また前述の亀井の他にファイターズ飯山裕志、ライオンズG.G.佐藤と銀次朗、ホークスの松田宣浩と的場、カープの倉義和は昨年の開幕スタメンに名を連ねた顔ぶれ。今年レギュラーポジションを狙うならば打撃面を大幅に鍛えなければならないだろう。

なお敗戦処理。が勝手に實松のライバルと設定したライオンズの細川の凡打率は.683で第70位。實松にはかなり水をあけた。意外にも二割を超えている通算打率(.202)が實松(同.150)との差になった。

ところで、ここまでお付き合いいただいた方の中には既にお気付きの方もいらっしゃると思いますが、この計算で逆に凡打率が低い選手は、チームに貢献できない打席の確率が低い、つまり高い確率でチームに貢献する結果の打席をしている選手ということになる。

同じ基準で凡打率ワースト10を選ぶとこうなる。

順位  選手名  所属 凡打率
1位 松中信彦     ソ   .583
2位 カブレラ     西  .584
3位 小笠原道大 巨  .590
4位 和田一浩   西  .5975
5位 青木宣親   ヤ  .5985
6位 福留孝介   中  .5986
7位 金本知憲   阪  .5988
8位 関本健太郎 阪  .6016
9位 石井義人   西  .6021
10位 ラロッカ      オ  .6024

打席数に違いがあるとはいえ、さすがにワースト10には錚々たる顔ぶれが並んだ。特筆すべきは8位の関本健太郎。昨年までの通算打率.294という安定感に加えて四死球の多さがポイントだ。タイガースの査定担当者、契約更改担当者はあくびしている暇があったら関本のデータをもっと細かく見るべきだろう<笑>。9位の石井義人と10位のグレッグ・ラロッカは通算打率が3割を超えている。ラロッカが新天地で活躍するか否かはスワローズのフロントが再契約の際に悩んだ故障次第だろう。

005_201_10 

あらためてこの調査結果を振り返ると、實松の貧打ぶりが際立っている。60打席以上としたため10位になったが、500打席以上なら断トツの1位だ。実質的には實松が最も打てない現役選手といっても過言ではないかもしれない。

鎌ヶ谷を始め、イースタンの各球場では「打てないキャラ」でいじられるのが定着となっている。しかし昨年の3月にジャイアンツに移籍してから、残念ながらそのキャラがジャイアンツファン、特にジャイアンツの二軍戦を観戦するファンに浸透しているとは言い難い。これが打撃開眼で浸透しないというのならまだしも、単に存在感が薄いというだけなのが淋しいところだ。阿部慎之助に次ぐ第2捕手の座をつかめそうでつかめないのももどかしいが、實松には實松らしくあって欲しいという思いも、サネ・マニアを自認する敗戦処理。にはある。今年はいずれにせよ存在感を示して欲しい。

凡打率全調査はこちらから「2006BONDARITU.xls」をダウンロード

【参考資料】
「2007ベースボール・レコード・ブック」ベースボール・マガジン社刊

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2007年1月 3日 (水)

村田兆治140km出た!!-新年観戦初めはマスターズリーグ

このところ何年か、1月2日はマスターズリーグを観戦するのが敗戦処理。の定番となっている。言い方を変えれば生観戦初めはここ数年、新年最初のマスターズリーグとなっている。マスターズリーグの試合を生で観るのは年にこの試合と、あと一試合あるかという程度で、マスターズリーグの熱烈なファンというほどではないが、新年早々生で野球を観ることが出来るというのはいいものだ。

顔合わせは毎年、東京ドリームスと札幌アンビシャス。ここ何年か固定されている。今回は札幌アンビシャス(以下札幌)の持ちゲームということで、東京ドリームス(以下東京)がいつも通り一塁側に陣取るが、札幌が後攻め。

手荷物検査を終えて自分の席に向けて通路をくぐると、テレビで見慣れたあのCMが流れてくる。そう、今年のマスターズリーグのスポンサーはソフトバンクなのだ。

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ソフトバンクモバイルがマスターズリーグの特別協賛をしているため試合前、試合中に頻繁にCMが。さすがに野球場なので「スパイは出て行け」バージョンは放送されない<笑>?

予め購入したネット裏の指定席に座ると、試合前の練習中で東京が打撃練習のまっただ中。元TBSの石川顕アナがグラウンドでその様子を実況しているのだが、この人練習中、試合中を問わず、やたらに自分でリードして観客に拍手を強要する。打撃練習で打撃投手を務める元ホエールズの遠藤一彦に「手を振れ」と言い、遠藤がそれに応じないと観客に「遠藤投手に拍手を」と迫り、拍手に遠藤が応えると、「皆さん、これがマスターズリーグの良いところです。巨人戦でこういうことがありましたか? 日本ハムの試合でこういうことがありましたか?」と言う。そして何かと「マスターズリーグって面白いでしょう。」を連発。正直うざい。

マスターズリーグの試合では選手のプロフィールやエピソードをスタンドのファンにわかるように説明するアナウンサーがいるが、今までは時にうるさいと感じることもあったが、試合を邪魔しない程度のものであった。ところがこの試合は明らかに今までと違った。

その一方で新年恒例の選手による振る舞い酒は、コスチュームを着たお姉さんの振る舞い酒に変わっていた。それはそれで悪くなく、敗戦処理。も一杯ごちそうになったが、尾崎行雄さんや藤城和明さんに振る舞われてこそ、1月2日に東京ドームに来た意味があるというものだ。来年はぜひ復活させて欲しい。この両選手が試合に欠席したのかと思いきや、選手入場の際に並んでいた。ファンが殺到するとか、何か特別な事情で中止になってしまったのだろうか?これでは石川アナの「マスターズリーグならではのサービス」という言葉も虚しく聞こえる。

石川アナの暴走は試合中も続く。

東京の攻撃時に江夏豊が三塁コーチに立っていることを観客に紹介しようと喋り始めた時にマウンドの阿波野秀幸が投げようとしたら投げるのを中断するようにアナウンスした。大先輩を紹介する時に投球するとは何事かと言わんばかりの石川アナだったが、本末転倒なのは明らか。誰か止めてくれ!さすがに自分でもやり過ぎと気づいたのか、「マウンドの投手というものはそれほど集中しているということです」などと苦し紛れのフォローをしていたが<苦笑>

新年最初の試合と言うことで、試合前のセレモニーとして国歌斉唱。国歌を独唱する大役は選手の中から…とアナウンスされたので、てっきり元ハッピー&ブルーの藤城さんかと思いきや、何とガンちゃん!

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熱唱するガンちゃん

(注.マスターズリーグでの登録名は「ガンちゃん」)

いくらエンターティナーとはいえ、ガンちゃんの歌というのはあまり聞いたことがない。正直、NHK紅白歌合戦の特別審査員を務めた田口壮以上の大役といって過言ではないだろう。本当に大丈夫なのか、ギャグを挟むところではないぞと心配したが、ガンちゃんは真面目に歌い上げた。お見事。

次いでこれも恒例のマスターズリーグの大沢啓二議長による年頭の挨拶。昨年は同じ1月2日の新年初試合の日に近藤貞雄さんが亡くなられたということもあってか、オチのない型どおりの挨拶だったが、今年はお約束のあっぱれ!喝!が挨拶に盛り込まれていた。

試合は東京が西崎幸広、札幌が津野浩とファイターズOB同士の先発。この後前述の通り阿波野や、河野博文も登板するなど、敗戦処理。と同年代の、古き良き時代のパ・リーグを支えた投手の登板が続いたのは嬉しかった。また偶然だろうが両軍のスタメンマスクは東京が大宮龍男で札幌が加藤俊夫と、これまたファイターズの優勝メンバー。加藤の方はこの試合までリーグの打率トップだとか。

試合は三連覇を目指す札幌が一回裏に押し出しの四球で先制すると、東京が三回表に四番・駒田徳広の犠飛で同点に。しかし札幌はその裏すぐにこちらも四番・石毛宏典の三塁線を破る痛烈な二塁打で2対1と勝ち越し。

そしてこの試合のクライマックスは、このまま2対1で迎えた六回裏、東京の四番手として村田兆治、57歳が登板。

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先頭の石毛への初球がいきなり140km!! やれ「次はフォークを投げろ」だの、うるさい石川アナのリクエストにのせられながらも石毛を三振に仕止めると、続く小さな大打者・若松勉の初球に何と141km!! 何も若松さん相手に140km超えを出すことはないだろうと思った(ちなみに若松さんは59歳…)が、その後もストレート勝負。若松も必死で食らいつくが結局三塁ファウルフライに仕止められる。村田は続く高田誠に今季初の被安打を喫するが続く駒崎幸一を一塁ゴロに打ち取り無事1イニングを無失点に抑えた。

その後七回裏に札幌が二死無走者から広瀬哲朗のショートへの内野安打(もちろんお約束のヘッドスライディング付き)を皮切りに羽生田忠克がセンター前に運んだ二死一、二塁から高橋雅裕がレフト線にタイムリー二塁打で2点を追加し、4対1と勝負を決めた。

東京は切り札斉藤明夫をビハインドの八回裏に投入。二死から松本匡史相手にこれまたお約束の背面投げを披露するサービスを見せた(無念、シャッターチャンスを逃した!)。ここでも石川アナはひたすら「背面投げを見せろ」の一点張り<苦笑>

【2日・東京ドーム】

東 001 000 000 =1

札 101 000 20× =4

東)西崎幸広、●河野博文、川尻哲郎、村田兆治、増本宏、斉藤明夫-大宮龍男、市川和正、大矢明彦

札)津野浩、○阿波野秀幸、ガンちゃん、川口和久、S橋本清-加藤俊夫、高田誠

※責任投手は場内発表されなかったため通常のルールで当てはまる投手を敗戦処理。が選びました。

以上書いたように試合には随所に見所があり、年の初めのお楽しみとしては満足行くものであったが、石川アナがもうちょっと静かにしていてくれればもっと気分良く東京ドームを後に出来ただろう。実は今日一緒に観戦する予定で観戦できなかった友人によると「本当にマスターズリーグを楽しもうと思うなら正月の試合を避けて別の日にした方がいい」とのことだったが、何となくその言葉の意味がわかったような気がした。おそらく1月2日の試合はよそ行きなのだろう。

それにしても石川アナにはせっかくの好試合に水を差された感じがした。普通のプロ野球の試合と異なり、ラジオでの中継が無く、またスポーツ新聞を買っても順位表や個人成績が出ていないから、実況アナによる説明というのは必要なサービスだと思うが、何事も、ほどほどが肝心なのだろう。

奇しくも今日は出発前、さほど興味がある訳ではないのだが日本テレビで箱根駅伝を観ていたら何か違和感があるのに気づいた。そう、船越雅史アナの実況がないからだ。その理由は敢えてここではふれないが<苦笑>、船越アナの実況こそ、この書き込みで何度も用いているフレーズ、箱根駅伝のお約束なのだ。そしてこの船越アナ、いや船越元アナが最初にみそを付けたのがサッカー中継での「ゴール、ゴール、ゴール…」のしつこすぎる絶叫だった。アナウンサーの実況も過度になると邪魔になるという、船越元アナはまさに教訓だったはずだ。

マスターズリーグでも活躍したが、昨年亡くなられた渡辺謙太郎さんは決してそういうことはなかったですよ、後輩の石川さん。

それでも試合後に合流したベースボールフォーラムの友人との軽い新年会?で、今年もプロ野球を出来るだけ生で観戦しようという気運は高まった。そして今年も、拙文ではあるが生観戦ならではの観戦記をこのブログやベースボールフォーラムで発信できたらとあらためて思った次第である。

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2007年1月 1日 (月)

「生」観戦した野球場(23)-市営浦和球場

04_1 いろいろな野球場で日本のプロ野球を観てきました。その数40以上。だからどうしたと言われればそれまでですが。

このコーナーでは敗戦処理。がプロ野球の試合を観戦した野球場について順に書いていこうと思います。月に1~2球場の割合で書いていこうと思います。また、シーズン中に新たな球場に行ったら加筆していこうと思います。

23回 市営浦和球場 観戦球場ファイル-22

観戦した順に書いていき、途中新たな球場での観戦があったらそれをはさんでいくという方式で月に2回の割合でエントリーしていたら2007年第1回のこのコーナーは市営浦和球場になってしまいました。日本国内で40以上の野球場でプロ野球観戦をするということは、今後この球場のように地方の市民球場の類がどんどん出てきますので地方球場マニアの方はお楽しみに。

今回紹介する市営浦和球場は主にイースタン・リーグ公式戦で使用される。埼玉県に二軍の本拠地を置く球団はライオンズ、マリーンズ、スワローズの三球団だが、どの本拠地も、とても観客に野球を見せる球場とは言い難く、二軍とはいえまだまだ人気の高いジャイアンツ戦を組む時などは特に休日となるとキャパシティ的に各球場で対応しにくいため地方開催にすることが少なくない。近場だとこの市営浦和球場ということになり、敗戦処理。が観戦したのも2001年5月20日のマリーンズ対ジャイアンツ戦と同年6月30日のスワローズ対ジャイアンツ戦。因みにこの観戦時期に浦和市と大宮市と与野市の合併で「さいたま市」となったため今ではこの球場は「さいたま市営浦和球場」と称している。

場所はJR京浜東北線の北浦和駅から歩いて15分ほどの距離なのだが、敗戦処理。は根性がないのでバスで総合グラウンドまで行ってそこから歩いている。

敗戦処理。の気まぐれスコアブックで振り返るとマリーンズ対ジャイアンツ戦ではジャイアンツがマリーンズ先発のジェフリー・クベンカを攻めて二回表に小田幸平、堀田一郎、福井敬治の本塁打で打者一巡、5点を奪いこの回でKO。小野仁、三澤興一のリレーで8対5で逃げ切った。

マリーンズがこの年の開幕直後に獲得したジェフリー・クベンカは挙式の二日後に来日するというドタバタぶりで話題になったが一軍では3試合の登板にとどまった。この頃のマリーンズは外国人選手にはあまり恵まれなかったが覚えている人も少ないのではないか。

スワローズ対ジャイアンツ戦ではスワローズの山部太とジャイアンツの小野仁の投手戦。米野智人のタイムリーと堀田一郎のソロ本塁打による1対1の均衡が続き、延長十一回表にジャイアンツが永池恭男のタイムリーで1点を勝ち越して2対1で勝った。この頃の小野仁と山部のファームでの安定ぶりは素晴らしかった。明らかにレベルが違うように思えるのに、それでも一軍から声がかからない。堀田も同様。そういう視点でファームの試合を観戦することでもプロ野球の競争社会の厳しさや奥の深さを垣間見ることが出来る。敗戦処理。がファーム観戦の面白さにはまって行ったのもちょうどこの頃だった。

この試合には当時一軍で元木大介に遊撃手のポジションを奪われていた二岡智宏が調整出場したため二岡目当ての女性ファンが殺到し一ヶ月前のマリーンズ戦とは雰囲気が全然違ったのを今も憶えている。

イースタン・リーグの日程表を見ると、近年この球場でのプロ野球開催が激減していることがわかる。2005年はスワローズ主催試合が2試合、2006年はなし。ライオンズのファームが埼玉県内各地での主催試合を増やす一方でイースタン開催実績の豊富なこの球場での開催試合が減っているのが残念だ。地元としても、Jリーグ・浦和レッドダイヤモンズの本拠地、浦和駒場スタジアムの方に力を入れていてプロ野球の誘致に積極的でないのかもしれない。ただ特にマリーンズとスワローズは本拠地球場を手直しする気がないのなら、この球場をもっと活用することを考えるべきではないか?と敗戦処理。は思うのだが。

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2006年、最も観客動員力を持った球団はどこだったか?-2006年度観客動員力調査

皆様、新年明けましておめでとうございます。敗戦処理。でございます。

昨年の2月にスタートした あい ウオッチ baseball!!-敗戦処理。ブログ も、おかげさまで初めて年を越せました。本年もどうぞよろしくお願い致します。

さて新年一発目のエントリーですが、昨年2006年の球団ごとの観客動員力を調べてみました。これは観客動員数の実数発表がなされた2005年にも調べましたが、2006年シーズンでも再調査してみました。

まずは公表されている2006年度公式戦の球団別主催試合観客動員数を一試合当たりの平均観客動員数の多い順に並べてみます。平均で比較するのは、両リーグで公式戦の数が異なり、一球団当たりの主催試合の数がセ・リーグが73試合、パ・リーグが68試合なので総数で比較できないからです。

2006年度公式戦主催試合平均観客動員ランキング
順位 球団          平均動員数(前年比)
1位 タイガース                43,218(+311)
2位 ジャイアンツ              39,626(-403)
3位 ドラゴンズ                 32,859(+1,566)
4位 ホークス                   29,964(-1,153)
5位 ファイターズ               23,581(+3,498)
6位 バファローズ              20,445(+502)
7位 マリーンズ                 19,848(+230)
8位 スワローズ                18,019(+105)
9位 ライオンズ                 17,597(+1,374)
10位 ベイスターズ              15,158(+1,788)
11位 ゴールデンイーグルス 13,996(-373)
12位 カープ                      13,829(-556)

実数発表になってから二年連続でタイガースがナンバーワンになっています。2004年までのジャイアンツの東京ドームでの55,000人という発表は何だったのでしょうか<笑>?東京ドームに55,000人のキャパシティが無いということは半ば公然になってはいたものの、二年連続で平均で4万人前後とは、いかに今までが大雑把だったか、あるいはこの二年間で急激に観客動員が落ちたかということですね。

実数発表元年の2005年との比較では12球団中の8球団が増加。ジャイアンツ、ホークス、ゴールデンイーグルス、カープが減少しています。不振続きでテレビ視聴率の低下や人気低迷が叫ばれているジャイアンツと2005年は新規参入の一年目の話題性、新鮮味があって二年目での減少がなんとなく予想できたゴールデンイーグルスは、前年比で減というのもむべなるかなというきがしますが、ホークスとカープは意外な感じがします。二年連続でプレーオフに敗退したホークスファンの間に「公式戦でいくら頑張っても…」というムードが蔓延してしまったのでしょうか?

ちなみに順位で比較すると2005年度と入れ替わっているのは下位球団だけで、2005年は10位がカープで、12位がベイスターズで2006年はこの2球団のみが入れ替わりました。

そしてリーグ単位で比較すると、両リーグとも2005年より2006年の方が観客動員数が上回っています。

さて、ここからが敗戦処理。が調べる観客動員力です。

一般に観客動員数とは、主催試合に入場した観客数を意味します。ただしその観客が主催する球団のファンとして来ているのか、相手のビジター球団のファンとして来ているかは問われていません。基本的には主催球団のファンが大半を占めるものと推測できますが、例えばセ・リーグではジャイアンツ以外の球団の主催試合で地上波でテレビ中継がされるのがジャイアンツ戦だけであったり、ビジターチームの観客動員力に依存しているケースがあるということに着目しました。パ・リーグがセ・リーグに対して交流戦の開催を長く切望してきたことも同様の理由だと思えます。

例えば、主催試合の平均観客動員数が最下位だったカープの対戦相手ごとの一試合平均観客数を多い順に並べると、下記のようになります。なおキャパシティの異なる地方球場開催を除いて広島市民球場での主催試合に限定しています。

1位  対ファイターズ戦              20,793
2位  対マリーンズ戦                20,507
3位  対ジャイアンツ戦              16,598
4位  対ドラゴンズ戦                 15,696
5位  対タイガース戦                 14,683
6位  対ゴールデンイーグルス戦 13,244
7位  対ホークス戦                   12,868
8位  対バファローズ戦              11,672
9位  対スワローズ戦                11,584
10位 対ベイスターズ戦             11,002
11位 対ライオンズ戦                 8,824

年間で11回ある同一リーグ相手の主催試合と3回しかない交流戦を同一に比較するのはいささか強引かもしれませんが、例えば同じセ・リーグ相手でも対ジャイアンツ戦と対ベイスターズ戦を比較すると、対ジャイアンツ戦の方が一試合平均で5,596人多く入場することになり、この5,596人の差がジャイアンツとベイスターズの観客動員力の差であるというのが今回の調査における前提です。

そしてこの対戦カード別平均観客動員数の数値を偏差値に換算します。

1位  対ファイターズ戦                67.76
2位  対マリーンズ戦                  66.97
3位  対ジャイアンツ戦               56.26
4位  対ドラゴンズ戦                  53.78
5位  対タイガース戦                  51.01
6位  対ゴールデンイーグルス戦  47.06
7位  対ホークス戦                    46.03
8位  対バファローズ戦               42.75
9位  対スワローズ戦                 42.51
10位 対ベイスターズ戦               40.92
11位 対ライオンズ戦                  34.94

偏差値という言葉自体思い出したくもない人も多いでしょうが(もちろん敗戦処理。もその一人ですが<苦笑>)、偏差値の場合、数値が50が平均を表し、50より上の場合は離れれば離れるほど平均より上ということを意味し、逆に50より下の場合は離れれば離れるほど平均より下ということになります。そしてこの数値が対カープ戦における各球団の観客動員力であり、その順位なのです。

しかしカープ戦だけを調べたのではカープそのものの観客動員力がわかりません。これと同じことを全球団の主催試合で調べ、それぞれ偏差値を算出し、その偏差値を合計したものが12球団の観客動員力と敗戦処理。は見なします。集計に当たっては他球団もカープ同様、本拠地球場での主催試合のみを対象としています。バファローズの場合は二つの本拠地球場を対象としています。

その合計は以下の通りです。

2006年観客動員力順位
順位 球団                    偏差値合計(前年比)
1位  タイガース               699.60(-11.76)
2位  ジャイアンツ             672.85(-25.9)
3位  ファイターズ              599.89(+33.92)
4位  ホークス                  585.12(+4.22)
5位  マリーンズ                580.99(+36.47)
6位  ライオンズ                518.51(-6.29)
7位  ドラゴンズ                 515.82(-3.85)
8位  スワローズ                513.61(+27.44)
9位  バファローズ              500.08(+63.54)
10位 ベイスターズ              477.04(-15.69)
11位 ゴールデンイーグルス  468.59(-64.22)
12位 カープ                       467.90(-37.89)

やっぱりタイガースとジャイアンツが上位に来ますね。偏差値の平均が50だと書きましたが、この計算では偏差値を11回足していることになりますから、偏差値合計で550を越えているタイガース、ジャイアンツ、ファイターズ、ホークス、マリーンズの5球団が観客動員力の強い球団ということが出来るでしょう。

ただ2005年も1位と2位だったタイガースとジャイアンツですが両球団とも観客動員力を表す偏差値合計が前年を下回っています。この両球団の観客動員力が下がっていて、全体の観客動員数が多少とはいえ増加しているということは、日本プロ野球界としては、特定の球団の観客動員力への過度の依存現象が緩和され、良い傾向だったのではないかとも推測できます。特に2007年度から頼みの交流戦が減少するパ・リーグにおいては6球団中4球団で観客動員力が増加しているのは心強い限りです。

ただ人気低迷が囁かれるジャイアンツがこのデータにおいても深刻なこと。2005年は新規参入球団としての話題性があったものの二年目の2006年には早くも減少したゴールデンイーグルス、そのゴールデンイーグルスの後塵を拝した形のセ・リーグのカープなど、2007年には相当な危機感を持ってもらわないと困る球団もあります。ゴールデンイーグルスは2006年には野村克也監督の就任で一年目よりは進化をしたと思えますし、シーズン終盤戦の優勝争いをかき回した力はなかなかなものでしたが、このデータ上では退歩した形です。一方で2005年の大躍進から一転してプレーオフ進出すらならなかったマリーンズが前年の数値を上回ったのは特筆すべきだと思います。またバファローズの上昇はやはり清原和博の商品価値にまだまだ利用価値があるということでしょうか?

2007年の日本プロ野球では交流戦が減少し、ポストシーズンゲームの意義がこれまでと急変するなど、先が不透明です。ファイターズの観客動員力の源となったであろうSHINJOの引退、松坂大輔、井川慶ら看板選手が海を渡ってしまう球団など現時点で観客動員に翳りの予想される球団がありますが、営業努力や白熱した試合の連続で、つかんだファンを離さない努力をすると共に、新たなファン層の開拓にも努力を惜しまないでもらいたいものです。

この調査は、あくまで敗戦処理。が一つの目安として、公開された数値を元にデータ化したものであって公式のものではありません。ただしこのような調査、集計が出来るのも、2005年から観客動員の実数発表がなされたからであり、今後ともNPBに対しては可能な限り情報公開を推進してもらいたいと思います。

【参考文献】
2007ベースボール・レコード・ブック(ベースボール・マガジン社刊)
2006ベースボール・レコード・ブック(ベースボール・マガジン社刊)
真の観客動員力がある球団はどこか? あい ウオッチ baseball!!-敗戦処理。ブログ2006年2月1日付

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