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2007年3月 4日 (日)

やっぱり鎌ヶ谷には二軍の試合がよく似合う。【3/4イースタン教育リーグ観戦記】

01_101 昨日(3日)のファイターズ対マリーンズ戦に続き、今日も鎌ヶ谷に行ってきました。今日はイースタン教育リーグで、相手はジャイアンツです。満員札止めになった昨日の一軍戦とは雲泥の差がありますが、最寄り駅からのシャトルバスが運行されない教育リーグの試合としては、なかなかの入り具合で、日曜日のジャイアンツ戦だけのことはあります。ネット裏の最前列を眺めると、鎌ヶ谷名物とも言えるヤジ軍団がずらりと並び、やっぱり鎌ヶ谷はこうじゃなきゃ、というのを実感した一日でした。(写真:いつもながらの鎌ヶ谷三塁側スタンド風景。ファームの選手へのエールの横断幕が並ぶ)

敗戦処理。が入場した時にはちょうど両チームのスターティングラインアップが紹介され始めたのですが、ジャイアンツが一番に矢野謙次、二番に小坂誠と並べてきたのには驚きました。FA補強などで内野、外野ともに競争が激しくなっているジャイアンツですがヤングジャイアンツの象徴のように昨年から結果を残し始めた矢野と、ベテランの小坂が実戦を優先すると言うことなのかイースタンの鎌ヶ谷にまで出てくるとは、この球場によく足を運ぶ身としては、前日のマリーンズ、清水直投手同様、ありがたいような、恐れ多いような気持ちになります<>

先発投手は両軍とも二年目の投手。

ファイターズが星野八千穂でジャイアンツが深田拓也。ともにルーキーイヤーの昨年は一軍未登板でしたが深田の方は日米野球の前座としてのジャイアンツ対MLB選抜戦で二冠王のライアン・ハワードから三振を奪って話題になったサウスポーです。

両投手とも無難に立ち上がりから抑えていきましたが均衡が破れたのが四回表。

01_102 この回の先頭、矢野が左中間スタンドに豪快に叩き込みました。星野の方は4イニングを投げて被安打はこの一本だけ。四死球もなく成長の跡を窺わせました。

矢野としては、谷佳知の仕上がりが思いの外早く、ベンチを温めるくらいなら教育リーグに出場した方が矢野のためになるとの判断で鎌ヶ谷まで来たのかもしれませんが、見事に結果を出しました。しかも一発だけでなく、六回表の打席では1点リードで無死一、二塁という状況で右狙いのファウルで粘り、最後にはバントで走者を進めるという、原辰徳監督が観ていたら喜びそうな小技も見せました。ジャイアンツ打線のメンバー構成は谷が活躍してもまだ左右のバランスが悪いように思えます。矢野には昨年以上のレベルアップを期待したいですね。(写真:先制本塁打を放った際の矢野のスイング)

一方で同じようなシチュエーションで出場したと思われる小坂は矢野がつなげた一死二、三塁のチャンスでも三振に倒れるなど2三振を含めて3打数0安打。名人芸といわれるショートの守備でも三遊間のさほど難しいとは思えぬゴロをお手玉しエラーとしてしまうなど、およそ小坂らしくありませんでした。今日の試合ではジャイアンツが昨年の高校生ドラフトで1巡目に指名(堂上直倫の外れ1位)して入団した坂本勇人が本職のショートではなく三塁でスタメン出場し、小坂と三遊間を組んでいましたが、坂本としてはすぐ隣に生きた手本がいる訳ですから首脳陣としても小坂への期待は大きかったでしょうが残念ながら精彩を欠いていました。そもそも二岡智宏が戦列を離脱している時に小坂までリタイヤするようでは…。

01_105 ジャイアンツ先発の深田の方もファイターズ打線がスタメン9人中5人の左打者をぶつけてきたことをあって、自分のペースで投げられた感じです。深田は5イニングを投げて無失点で被安打1。奪三振は一回裏の三者連続を皮切りに8個奪いました。

(写真:先発で好投した深田。投げ方が林昌範に似ている?)

前述のライアン・ハワードからの奪三振は球審のアシストがあってのものだったようですが<苦笑>、工藤公康が抜け、林が故障で出遅れ中ということを考えると、深田もどんどんアピールして欲しいですね。

ファイターズは星野の後、小刻みに継投しますが北海道に縁の深い二人のルーキーが出てきました。五回表には高校生ドラフト3巡目指名の植村祐介(北照高)が、七回表には大学生・社会人ドラフト8巡目指名の内山雄介(旭川大)がそれぞれ登板しました。

植村は球が速いですね。まだまだ天然物という感じで、思いっきりストレートを投げ込むという感じでした。二人目の打者に四球を与え、ひやっとさせましたが、次打者のセンター前に抜けそうな打球を二塁の高口隆行が横っ飛びでおさえて4-6-3の併殺を完成させてくれたため1イニングを無失点という結果になりました。一軍で投げるようになるにはまだまだ時間を要するのかもしれませんが、器の大きさを感じさせる楽しみなルーキーですね。

対照的に内山は緊張していたのでしょうか、何かどことなく仕草がぎこちなかったのですが案の定やっちゃいました。

四球と安打の走者を背負った二死一、三塁から山本光将を投ゴロに仕止めたと思ったら一塁にワンバウンドの送球。一塁の佐藤吉宏も近距離からのワンバウンドに対応しきれずはじき、これで1失点。完全に一人相撲でしたね。高校卒の植村と違い、内山は大学卒なので首脳陣の目も厳しいでしょう。早く自分のペースで投球できるようになって欲しいですね。

ファイターズは二人のルーキー以外には清水章夫、江尻慎太郎、立石尚行がそれぞれ1イニングずつ投げました。

ジャイアンツの方は深田の後は六回裏に育成選手ドラフトで入団したサウスポーの鈴木誠が登板。先頭打者に二塁打されてバントで送られて一死三塁と、外野フライでも同点にされるピンチを招きましたが後続を断って1イニングを無失点に切り抜けました。

七回裏からは酒井順也が3イニングのロングリリーフ。見事無失点に抑えきり、3対0でジャイアンツが完封勝ちという結果でした。

酒井はこのオフの背番号大シャッフルではただでさえ大きい54番から64番に変更。いわば降格組の一人です。今日で26歳になった入団九年目の投手。かなり以前から抑え、セットアッパーの候補として期待されていましたが未だ開花していません。このオフに変えたのか、今日はサイドスローで投げていました。3イニングで許した走者は味方の失策で出した一人のみ。今日の好投をきっかけにして欲しいものです。

【4日・ファイターズスタジアム】

G 000 100 101 =3

F 000 000 000 =0

G)○深田、鈴木誠、S酒井-實松、伊集院

F)●星野、植村、清水、内山、江尻、立石-渡部、小山

本塁打)矢野(星野・4回=ソロ)

01_103 高校卒のルーキーが登板するあたり、この時期の教育リーグの見所でもあるのですが、ファイターズでは今日投げた植村の他に高校生ドラフトでは広陵高の吉川光夫と関西高のダース・ローマシュ匡を獲得しました。登板予定のないこの二人はしおらしくボールボーイを務めていましたが、試合の前半には吉川と陽仲壽、川島慶三の三人でボールボーイを務めていました。吉川はともかく、他の二人は…<苦笑>。(写真:ユニフォーム姿が川島。その隣が陽。少し前屈みなのがダース)

01_104 その陽の目を覚めさせるようなルーキーが入ってきました。今日の試合で「九番・遊撃」でフル出場した大学生・社会人ドラフト7巡目指名の今浪隆博(明治大学)は守備が軽快で右に左に難しいゴロを難なく捕球していました。今日のフィールディングを観た限りでは現時点で守備では陽や尾崎匡哉を既に抜いていると思えます。九番打者で出てくるくらいですから、打撃に課題があるのだろうと思いますが、左打ちで、六回裏の第二打席で左投手の鈴木から放った左中間二塁打は、いわゆる「球に逆らわないバッティング」という感じで、今後の成長を期待させます。今シーズン守備重視なら高口、今浪の二遊間コンビは外せないでしょう。今日のプレーを観る限りではそのくらい褒め言葉を並べたくなります。(写真:左対左攻略法のお手本のような打撃で二塁打を放った今浪)

昨日の一軍戦での糸井嘉男といい、今日の今浪といい、負け試合でもこういう選手のプレーを観ると、嬉しくなります。これだからファーム観戦はやめられませんね。

その一方で三塁に回った市川卓の守備はぎこちなくて危なっかしいし、外野から回った一塁の佐藤吉宏は一回表の守備でいきなりファウルフライを落球。八回にも市川からの普通の送球を落球するなどちょっと一塁には不向きな印象を持ちました。

04_3 ジャイアンツは一軍の競争に敗れた選手達が再浮上を狙う場として、ファイターズはまだ天然に近い素材の選手の鍛錬の場としてそれぞれ今年のファームが機能する様な感じがします。かつて佐藤義則コーチがファイターズの投手陣のレベルをあげてくれましたが、今年は新加入の水上善雄コーチ(意外ですがコーチ業は初めてとのこと)が内野守備のレベルを上げてくれることを期待したいです。

(写真:三塁ベースコーチから戻ってくる水上コーチ)

その一方でファイターズは昨日の一軍同様、とにかく打てません。キャンプ、一軍オープン戦で話題の金子洋平が「三番・左翼」でフル出場しましたが、三打席連続三振の後、第四打席も三塁ゴロと四タコ。三振に終わっても期待感を持たせる思いっきりの良いスイングは巷間囁かれているように中村紀洋によく似ています。楽しみな存在であることは間違いない様なので早く壁を打ち破って鎌ヶ谷を脱出して下さい。そして金子洋に押し出されるように「七番・DH」に回った鵜久森淳志も三打席連続三振に終わって全く精彩を欠いています。とにかく全体で2安打のみでした。昨年から指導に当たっている島田一輝コーチと大村巌コーチ、何とかして下さい。

今日は右打者の打席を撮影しようと試合当初は一塁側(ジャイアンツ側)に陣取っていたのですが、佐藤の失策などに対する鎌ヶ谷名物の矢継ぎ早なヤジ攻撃に、ジャイアンツファンの人達が驚いていました。たしかに慣れていない人は驚くでしょう。また三塁側に陣取ってからは前日の一軍オープン戦を観戦に来たら当日券完売で入れなかったとぼやいている人が結構いました。冒頭に書いたように常連のヤジ軍団、特にTさんは今年も健在だということがわかりました。

やっぱり鎌ヶ谷には二軍戦が似合いますね。

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