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2007年3月27日 (火)

中村紀洋を支配下登録したドラゴンズ球団へ

23日、ドラゴンズは育成選手契約を交わしていた前バファローズの中村紀洋を支配下登録するよう申請し、セ・リーグから公示された。オープン戦での育成選手の出場が可能になって以来、205番のユニフォームを着てアピールを続けていた。落合博満監督ら首脳陣が中村紀洋の支配下登録を即決しなかったのは中村紀を登録すると支配下登録選手の人数が上限の70人に達してしまうからと言われていた。今後主力選手のケガなど不測の事態になった際に6月末まで認められるトレードや外国人選手の獲得で対処するために支配下選手数に余裕を持たせたいからだ。しかし中村紀の支配下選手登録でドラゴンズ球団の支配下登録選手の人数は上限の70人になった。そこで…、

ドラゴンズ球団さん、ファイターズに一人左投手を譲ってくれませんか?

ファイターズはFA権を行使して大リーグのボストン・レッドソックスに入団した岡島秀樹の穴を埋める左投手を必要としている。左投手が豊富で支配下選手枠に余裕を持たせたいドラゴンズ球団に金銭トレードを申し込んでみたらどうか?

ファイターズは先日、ここ数年恒例となった感のある開幕直前の交換トレードで正田樹を放出してタイガースから金澤健人を獲得したが、金澤は中継ぎ投手として実績があるものの右投手。しかも本人は先発転向希望。

オープン戦からの起用法をみていると昨年中盤戦から先発に転向した武田勝にセットアッパーの役割を担わせようとしているようだ。これは敗戦処理。構想と合致する。新人の山本一徳がオープン戦で頭角を現すと気の早いマスコミが「ポスト岡島の一番手」ととりあげていたが、ルーキーにいきなりでは荷が重かろう。現有戦力の中から岡島の後釜を選ぶとしたら武田勝が適任だと思うが、武田勝をセットアッパーに回すということは先発要員が一人減ることを意味する。

現実にファイターズは今日(27)からバファローズとライオンズを相手に六連戦となるが先発投手が一人足りない。

27()対Bs 金村(20日オープン戦から中六日)

28()対Bs 八木(21日教育リーグから中六日)

29()対Bs スウィーニー(24日イースタンから中四日)

30()対L  ダルビッシュ(24日開幕戦から中五日)

31()対L  グリン(25日第二戦から中五日)

()対L  ?谷間

谷間の日には当面建山義紀の先発で、いずれ希望枠ルーキーの宮本賢、実績のある江尻慎太郎、橋本義隆あたりでやりくりするつもりなのだろうが理想的には左投手が一枚欲しい。須永英輝が開幕一軍入りを果たしているが、逆に一軍入りしたと言うことは先発要員ではないと考えられる。(今日から先発する投手は開幕一軍入りしていない。登板日に登録される)

辛抱強く若手の台頭を待つというのも一つの考え方だが、後で後悔するよりドラゴンズへの金銭トレードを薦めたい。ドラゴンズにこだわるのは前述の状況で金銭トレード(こちらの選手拠出を求められない)に応じてくれそうなのがドラゴンズだからである。

ではドラゴンズ投手陣の左投手事情をみてみよう。

超ベテランの山本昌、クローザーの岩瀬仁紀、さらに今シーズンドラゴンズに入団した菊地正法、フランクリン・グラセスキーを除いた左投手はこんな顔ぶれである。

小笠原孝(1976.11.29生、9年目)

06公式戦 9試合2勝2敗0S 防3.72

07オープン戦 3試合0勝2敗0S 防6.00

樋口龍美(1976.5.12生、3年目)

06公式戦 登板無し

07オープン戦 登板無し

久本祐一(1979.3.14生、6年目)

06公式戦 27試合2勝2敗1S 防1.76

07オープン戦 3試合0勝0敗1S 防6.35

川井進(1980.6.17生、3年目)

06公式戦 登板無し

07オープン戦 登板無し

小林正人(1980.8.21生、5年目)

06公式戦 23試合1勝0敗0S 防5.25

07オープン戦 8試合1勝0敗0S 防0.00

石井裕也(1981.7.4生、3年目)

06公式戦 11試合2勝1敗0S 防4.01

07オープン戦 2試合0勝1敗0S 防4.50

高橋聡文(1983.5.29生、6年目)

06公式戦 26試合1勝3敗0S 防10.29

07オープン戦 2試合0勝0敗0S 防0.00

佐藤亮太(1983.9.2生、2年目)

06公式戦 1試合0勝0敗0S 防0.00

07オープン戦 0勝0敗0S 防0.90

長峰昌司(1984.8.8生、5年目)

06公式戦 2試合0勝0敗0S 防4.50

07オープン戦 5試合1勝1敗0S 防1.93

小笠原孝は若手だと思っていたら三十代に入っていたのですね。敗戦処理。の印象では伸び悩んでいる感じだが、どうも先発型に転向してから精彩を欠いている様に思える。対左打者のワンポイントやショートリリーフでいい味を出していたように思えるが。何より小笠原をもらって空いている背番号2をつければ球団事務所の倉庫に眠っている「小笠原グッズ」の一部を再利用できるメリットがある<>

他には樋口龍美はヘルニアの持病と闘っているのでちょっとリスクが高い。久本祐一、石井裕也は一軍戦力として手放しそうにない。また高橋聡文以下の若手は二十代前半で伸びしろに期待してドラゴンズが手放すまい。

そうなると川井進、小林正人の二人が残る。川井に関しては全く未知数。小林はサイドスローで左殺しが本領。ファイターズファンには昨年の日本シリーズ第三戦で小笠原道大の打席でリリーフに出てきて初球をぶつけた投手といえば思い出していただけるか。

小笠原、川井、小林当たりに絞ってトレードを申し込むのはどうだろうか。

ここまでおつきあい下さった皆様の中には、そんなに左投手が欲しいのなら左の正田をトレードに出さなきゃいいだろう?という疑問がわいた人も少なくないだろう。

ちなみにファイターズの左投手事情だが、この二年間、左投手を手放しまくっている。

05年 高橋憲幸、加藤竜人

06年 コリー・リー、佐々木貴賀、岩下修壱、吉崎勝、岡島秀樹、ブラッド・トーマス

07年 正田樹

岡島は別として、おそらくは球団としては右左に関係なく、力の衰えた選手を戦力外にしているだけなのだろう。逆に金澤獲得も右左に関係なく欲しい戦力だったのだろう。

そうは言っても、岡島は左投手としての利点を活かしていたし、岡島の穴を埋めるまでにはいかなくても左投手は必要だろう。開幕一軍登録が発表された頃を見計らってトレードに動いて欲しいものだ。

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2007年3月23日 (金)

なぜ希望枠を今年のドラフトから撤廃できないのか?

昨日(21)は祝日だったので、ドラフト制度に関するプロ野球の代表者会議の結果に関してはその日の夕方のニュースで聞いていましたが、開いた口が塞がらないというか、あまりの問題意識の無さに昨日は書き込む気がしませんでした。もちろん今もなのですが…。

取りあえず手短に。

ライオンズを除く11球団の代表者が参加した会議で各スポーツ紙によるとそのうちの8球団までは即時撤廃を積極的に押し通していたがジャイアンツ、カープ、ホークスの3球団がそれぞれに思惑を持って反対していたそうだ。11分の8が撤廃支持。野球協約で定める重要事項の決議に必要な4分の3には満たないがジャイアンツ以外は採決で賛成の可能性もあったという。しかし根来泰周コミッショナー代行の「世間の風や勢いに流されて理屈を見失ってはいけない。きちんとした制度には時間がかかる。来年3月まで審議を続け、今年は暫定的に従来方式でどうか」との仲裁案で紛糾した。来年(2008)のドラフト会議での撤廃は決めたものの今秋に関しては継続審議にするという。「来年3月まで」かかるであろうことから、今秋は従来方式でやるのだという。

こんな馬鹿げた理屈が何故通ってしまうのか?

百歩譲って、あるべきドラフトの姿を見極めるのに要する時間が今秋のドラフト会議まででは足りないとしよう。そうであるならば、来年から撤廃することに決めている「希望枠」を今秋のドラフト会議においても撤廃し、暫定的にウェーバー方式で行うという感じに最大の焦点である「希望枠」の撤廃を最優先にするのがファン、アマチュア団体に対するプロ野球側の最低限の誠意ではないのか?

ジャイアンツ清武英利球団代表

「希望枠が不正の温床と言われるが、逆指名、自由、希望枠で入った190人が汚染されているのかといえばそうではないと思う。希望枠ならFA短縮は不可避。入り口(希望入団枠)の自由がないなら、出口の自由(FA短縮)を与えるべき。1年短縮(9年から8年)では抜本的な改革にならない」

(3月22日付スポーツニッポンより)

希望枠を正当化するのなら、現時点で疑いの濃い「希望枠」制度は今秋のドラフトでは暫定的に廃止し、汚染されていないことを誰もが納得の行くように証明した上で再開すればよいだけのこと。

またFAの短縮に関しても、これまた議論を尽くせばよいだけで、今秋のドラフトに間に合わせなければならない道理はない。決まった時点で今秋のドラフトを経て入団した選手にさかのぼって採用すれば良いだけのこと。

基本的に優先順位が何なのか、まるで危機感が無いとしか言いようがない。

今、NPBがやらなければならないこと。

アマチュア三団体(日本高野連、全日本大学野球連盟、日本野球連盟)と協議をし、今秋のドラフト会議の運用方式及び日程をいつまでに決めなければならないかをまず決める。即ちドラフト改革という作業の「納期」を決める。

「納期」が決まったら、納期から逆算して会議を何回、いつのタイミングで開けば良いかを決め、その日程をアマチュア三団体に告げる。

「来年3月まで審議を続け」ないと決められないから今年は見送るのではなく、今秋から実施するには何をしなければならないのか、取り除くべき障害は何なのか、それを考えるという発想に何故切り替えられないのか?

「プロ野球球団の代表者は親会社からの天下りが多く、野球を愛していない…」云々という意見をよく聞くが各球団の親会社はいずれ劣らぬ錚々たる企業。それぞれのビジネスにおいて、昨日の代表者会議のような危機感のない、悠長な姿勢で取り組むようなことはないだろう。

やっぱり長くなってしまった<苦笑>。 書いていてうんざりしてきたのでそろそろ止める。

目を醒ませ、NPB!

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2007年3月18日 (日)

敗戦処理。的新ドラフト案-入札+アドバンテージ付き抽選方式

ライオンズ球団の「栄養費」問題発覚を受けて、それがなければ現行方式を継続する予定だった今秋のドラフト制度に関して、再検討することになった。21日に行われる十二球団代表者会議で希望枠の撤廃を含むドラフト制度案を議論するとのことだが、敗戦処理。も無い知恵を絞って新しいドラフト制度を考えてみた。それは…。

敗戦処理。が考えた新ドラフトは、いわゆるウェーバー制ではなく、入札方式。「江川問題」を受けて制度改定されて1978年秋のドラフト会議から逆指名制度が採用される前の1992年秋のドラフト会議までのシステムに近い。

もちろん希望枠、自由獲得枠、逆指名など名称の如何を問わず、ドラフト対象選手から球団を指定できる制度はこの際廃止する。

まずドラフト会議だが、最近二年間のように分離開催をせず基本的に一回で高校生、大学生、社会人、独立リーグ(四国アイランドリーグ、北信越ベースボールチャレンジリーグ)の選手をすべて同時に会議にかける。

この2点を前提として、

各球団はまずドラフト1位で交渉権獲得を希望する選手を入札する。

この時2球団以上の指名(競合)がなければ、指名した球団に交渉権が与えられる。

2球団以上が指名した選手に関しては指名した球団間で抽選となる。ただし過去の入札制度下での抽選とは異なり、ウェーバー順位によってアドバンテージを付けた抽選方式を行う。

例えば、ある選手をAとBの2球団が指名した場合。

ウェーバー制上位のA球団が「当たり」1枚、「外れ」1枚が入った抽選箱から先に1枚を選び、その場で開封。「当たり」であればA球団にその選手の交渉権が与えられる。しかし「外れ」の場合、B球団に交渉権が与えられるのではなく、B球団は再度「当たり」が1枚、「外れ」が1枚入った抽選箱から1枚を選ぶ。これでB球団が「当たり」を引いたならばB球団に交渉権が与えられるが、B球団も「外れ」を引いた場合はA球団に交渉権が与えられることにする。

この方式だと、従来ならA球団とB球団の抽選での確率は五分五分だったところを、単純計算でA球団75%、B球団25%という確率になり、下位球団に有利になることで戦力の均衡化を目的とするドラフト制度の根本的な考えにも即しているといえる。

3球団が指名した場合はどうか。

競合する球団が増えようと、抽選箱の中身は変えない。常に「当たり」1枚、「外れ」1枚が入った抽選箱からウェーバー上位の球団から順に引いていく。ウェーバー最上位のA球団が最初に2枚の中から1枚を選ぶ。即ち50%の確率で指名選手の交渉権を獲得する。ウェーバー順位二番目のB球団が抽選できる確率は、A球団が「当たり」を引かなかった場合のみだから、その時点で50%。そこで確率50%の抽選に挑む訳だから、B球団が交渉権を獲得できる確率は50%×50%で25%。残ったC球団が抽選できる確率はAもBも「当たり」を引かない場合のみなので、その時点で25%。そこで確率50%の抽選に挑む訳だから、C球団が交渉権を獲得できる確率は25%×50%=12.5%である。なおA、B、Cがいずれも「当たり」を引かない確率は100から502512.5を引いた12.5%だが、この場合は抽選二巡目に入るのでなくウェーバー制最上位のA球団に交渉権がわたることにしているのでA球団の交渉権獲得率は最初に自分で「当たり」を引く50%プラス全部が「当たり」を引かない12.5%で62.5%となる。つまりこの抽選方式で交渉権を獲得できる確率はA球団62.5%、B球団25%、C球団12.5%となる。

4球団以上が指名した場合も同様のシステムで抽選を行う。この方式であれば、指名が競合して抽選になる場合にウェーバー順位が上位の球団が常に確率上有利になるのだ。

ウェーバー順位を尊重したいのなら完全ウェーバー方式のドラフトでいいじゃないかという反論が当然あるだろう。ドラフト制度に抽選という要素を残すことで、以前の入札方式の時代のようにドラフト会議を一つのイベントとしてテレビで放映させ、NPBが放映権料を得ることが出来るからだ。実際当時はドラフト制度に因んだ名前のビールを発売していたサッポロビールが番組スポンサーになってドラフト会議の模様が地上波で生中継されていた。

もちろん今から約二十年前の出来事だから阿部寛がドラフトワン公国の王子に就任する前の出来事だが。

なお、上記の抽選方式における確率の計算は、数学が得意でない敗戦処理。が計算したものだが、たぶん間違ってはいないと思う<苦笑>。もしもこの方式では確率に差が出ないということであれば、ウェーバー上位の球団が2枚の中から1枚の「当たり」を選び、外れた場合に二番目の球団は3枚の中から1枚の「当たり」を選ぶようにと、徐々にハードルを高くすることによって、ウェーバー順位が上の球団への優位性を保てばよいと思う。

ドラフト1位での重複による抽選に外れた球団による、いわゆる「外れ1位」指名はウェーバー順位に基づいて順番に指名することにする。この場合はあくまでウェーバー順で、指名した時点で交渉権は確定することとする。

高校生も大学生も社会人も独立リーグも同時に一回のドラフト会議にかけるという点を考えると、この方式をドラフト3位までくらい続け、4位以降はウエーバー制で構わないのではないか。

これが敗戦処理。的新ドラフト案、入札+アドバンテージ付き抽選方式である。

なお、ドラフト制度改革論者にはウェーバー方式こそ理想のドラフト制度だと論じる人が多い。ウェーバー方式に関する敗戦処理。の考えを述べておきたい。

その前にウェーバー方式の定義を確認しておこう。

基本的にウェーバー方式とは順位が低かったチームから順に指名するシステムで、例えば日本シリーズに敗れたチームの方のリーグの最下位の球団が1番で、次は日本シリーズに勝ったチームの方のリーグの最下位球団で、3番目は日本シリーズに敗れたチームの方のリーグの5位だった球団。こうやって順番を決めると、日本シリーズに敗れた球団が11番目で日本シリーズに勝った球団が12番目になる。

指名した順に交渉権が確定してしまうので、自球団より先に指名予定選手を指名されてしまった球団は諦めて他の選手の指名に切り替えなければならない。

全球団が1巡目の指名を終えたら、2巡目は1巡目の逆の順番で指名していく。以後3巡目以降、その繰り返しになるというもの。

なお最近二年間の高校生ドラフトではシーズンの順位が確定する前に行われたため、前もって決めた日時の順位。リーグ間の順序はオールスターゲームの結果を基準とした。

ウェーバー方式の最大の利点は下位球団からの指名、競合抽選無しということで戦力の均衡化という目的にそぐっている点と言われているが、敗戦処理。はこれにも異議を唱えたい。どうせやるなら、一巡目から何巡目であろうと、常に下位球団から指名していくようにしないと、新人選手のレベルが均一化されないからである。

例えば十二球団が上に挙げたウェーバー方式で各8人の選手を指名するケースで考える。

12球団×8人=96人の選手が指名される訳だ。あくまで机上の計算だが、ドラフトに参加する球団の補強ポイントが同じで、スカウトの目利きも同じであれば、この96人の評価(1番から96番というランク付け)は同一になる。つまりウェーバーにより事前に指名の順番は決められているが、どの球団が一番目の指名権を持っていたとしても同じAという選手をドラフト1位で指名するという前提で考える。このA選手は96人中のナンバーワンだから96点とし、二番目の球団が1位で指名するB選手は95点、三番目の球団の1位指名選手は94点とし、一番最後に指名される選手を1点として各球団が1位から8位までで指名した選手の得点を合計すると、どの球団も388点で同じになります。

計算例

ウェーバー1番目の球団が指名する選手の得点

1位指名 96

2位指名 73

3位指名 72

4位指名 49

5位指名 48

6位指名 25

7位指名 24

8位指名  1

8人合計 388

ウェーバー6番目の球団が指名する選手の得点

1位指名 91

2位指名 78

3位指名 67

4位指名 54

5位指名 43

6位指名 30

7位指名 19

8位指名  6

8人合計 388

ウェーバー12番目の球団が指名する選手の得点

1位指名 85

2位指名 84

3位指名 61

4位指名 60

5位指名 37

6位指名 36

7位指名 13

8位指名 12

8人合計 388

このように巷間言われるウェーバー方式では机上の計算上は新人選手のレベルは均一になりますが、「戦力の均衡化」という意味では既存の選手に差があることを考えると、新人選手の均等配分が(チーム全体の)戦力の均衡化に影響が少ないと敗戦処理。は思っています。

そこでドラフトが何位まで続こうと、常に下位チームから指名するようにしたらどうでしょうか?

計算例

ウェーバー1番目の球団が指名する選手の得点

1位指名 96

2位指名 84

3位指名 72

4位指名 60

5位指名 48

6位指名 36

7位指名 24

8位指名 12

8人合計 432

ウェーバー6番目の球団が指名する選手の得点

1位指名 91

2位指名 79

3位指名 67

4位指名 55

5位指名 43

6位指名 31

7位指名 19

8位指名  7

8人合計 392

ウェーバー12番目の球団が指名する選手の得点

1位指名 85

2位指名 73

3位指名 61

4位指名 49

5位指名 37

6位指名 25

7位指名 13

8位指名  1

8人合計 344

「waver-draftsystem.xls」をダウンロード

このように差が付く訳です。昨年までの最近五年間のリーグ順位をみてみると、五年間で四回以上Bクラスに低迷している球団がパ・リーグに二球団、セ・リーグに二球団。しかも両リーグに一球団ずつ五年間ずっとBクラスに居続ける球団があります。逆にこの五年間で四回以上Aクラスになっている球団がパ・リーグに二球団、セ・リーグには一球団あります。この三球団は五年間ずっとAクラスに定着しています。このことからわかるように、日本プロ野球界はれっきとした格差社会であり、新人選手のレベルに差をつけることで球団間の格差を埋めるという発想があっても良いのではないかというのが敗戦処理。のウェーバー方式に関する考え方です。

もちろん各球団ごとにドラフトでの補強ポイントは異なりますし、スカウトのいわゆる目利きぶりも球団によって能力に差があるでしょう。あくまで上の計算例は机上の空論に過ぎませんが、戦力の均衡化を目指すのがドラフト制度の趣旨であるとすれば、全順位下位から指名するウェーバードラフトであってこそ、ウェーバー方式にする意義があると敗戦処理。は考えます。但し、このドラフトが五年から六年くらい続けば、ある程度球団間格差も一応は縮まるはずです。そこから先は各球団の企業努力に期待する意味で従来型の一巡するごとに下位チームから指名したり、上位チームから指名したりするウェーバー方式に替えることを検討すべきでしょう。

入札+アドバンテージ付き抽選方式に話を戻すと、指名競合時の抽選におけるアドバンテージは1位から3位まで入札を実施するとして常にウェーバー上位順とし、4位以降を純粋にウェーバー方式にするとしても、全順位ウェーバー上位順からの指名にすべきと考えます。

またウェーバー方式を否定する人の中には、ウェーバーの順番をよくしようと、シーズン終盤にわざと負けて順位を下げようとする球団が出てくることを危惧する人がいます。たしかにそういうことがあっても不思議ではありません。特にこの二年間の高校生ドラフトのように、シーズン中のある時点での順位を基準に決めるとなると、「残り試合で挽回すればいいから、ここは負けて順位を下げておこう」という考えで5位と6位を争っている球団が不届きなことを考えかねません。これに関しては日本プロ野球選手会も提案しているように、例えば下位三球団が当日くじ引きなどをして指名順を決めるとかで防げると思いますし、あるいは十二球団全部を勝率順に並べるというのも(直接対決を減らす)有効かと思います。

なおマリーンズのボビー・バレンタイン監督が提案したという、新人選手の年俸や契約金を指名順位ごとに一律にするというのは、現状、FA移籍する選手が移籍初年度は前年と同額にしても、その分を二年目以降に上乗せするような契約をしているのと同じ手段で二年目以降に差をつけるという裏道が考えられるのであまり有効なことではないように思えます。

最後になりますが、ドラフトで希望球団に入れる道をなくすとアマチュアから直接アメリカ大リーグ(またはそのマイナー)に挑戦する選手が増えるという懸念に対しては、不正の温床となり得る制度をいつまでも慣行として残していることの方が日本球界がアマチュア選手から敬遠される理由になり得ると思うのでこの際名称の如何を問わず、選手が希望球団を選んで入団できる制度は廃止すべきでしょう。ただしFA権取得までの期間を短縮せよと言うならば、大リーグのような六年間というのでなく、現行より一年短縮の最短八年間にとどめるべきでしょう。国外移籍は現状通りとしておくのも良いかもしれません。

完全ウェーバー方式もドラフトに関わる不正を根絶する意味でかなり有力な方法だとは思いますが、要は希望枠、逆指名制度など、選手に球団を選べる制度がある限り球団側が不正な方法でアマチュア選手に接触する可能性があるということなのであればそれらをなくせばよいわけで、そこから先はウェーバーでも入札式でもさほど変わらないように思います。今は世論は「不正許すまじ」という風向きになっていますが、野球ファンが「ドラフト会議」にある種のドラマ性を期待しているのは確かだと思います。敗戦処理。案の入札+アドバンテージ付き抽選方式であれば、くじ引きというドラマ性も保たれ、なおかつ下位球団への配慮も保てているのでオススメだと思いますがいかがでしょうか?

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2007年3月17日 (土)

王貞治展に行ってきました。

前エントリーで触れた今日のジャイアンツのオープン戦観戦に先立ち、敗戦処理。は日本橋の三越で開催されている「王貞治展」に行ってきました。先日は長嶋茂雄氏も訪ね、ONのツーショット写真がスポーツ新聞などを飾っていたのでご存じの方も多いのではないだろうか。何を隠そう、敗戦処理。は王貞治マニアである。野球に興味を持ち始めた頃に晩年のミスターを観て、王さんの本塁打記録更新に一喜一憂した世代に当たる敗戦処理。にとって、たいがいの王貞治トリビアは頭に入っているとはいえ、やはりあらためて観てみたいもの。

この展示は報知新聞の創刊135周年記念の行事であり、主催は報知新聞社であり、読売新聞社と日本テレビ放送網が後援している。現在王監督が所属している福岡ソフトバンクホークスや読売巨人軍は協力という形で名を連ねている。

日本橋三越本店の新館7階にある会場に向かってまず驚いたのは、会場前の一角で「ナボナ」で王監督とつながりの深い亀屋万年堂が臨時出店していることだ。現役当時の王監督のCMポスターが掲出され、店頭では懐かしい「ナボナはお菓子のホームラン王です」のフレーズが印象的だった当時のテレビCMがビデオで流されていた。この当時の後楽園球場は内野も外野も天然芝だったのだ。この時代の後楽園の映像には最近ではなかなかお目にかかれない。

根来泰周コミッショナー代行や両リーグ会長からの花、ホークスの孫正義オーナーにジャイアンツの滝鼻卓雄オーナーなどの花などが飾られる会場入口を入ると、王監督の高校時代や現役時代からのゆかりのものやパネルなどが多く飾られている。土曜の午前中ということもあって会場には王監督と同年代かそれ以上という人がほとんどだった。日本橋三越というブランドもあってのことだとは思うが。

王監督に因んだ展示としては敗戦処理。は以前に王監督の出身地である東京・墨田区で王監督の幼少時の頃にちなんだ展示会を見物したことがあるが、その時には王監督の実家の中華料理店「五十番」のどんぶりが飾られていて大いに感動したものだが、今回は残念ながらそれを上回るインパクトのものはなかった。子供の頃に王選手にまつわる本を何冊も読みあさった敗戦処理。にとっては新たなる発見、感動はなかったが、懐かしさがひしひしと蘇ってきた。

そして、デーゲームで行われるオープン戦観戦の後ではなく、敗戦処理。が先にこの展示を訪ねたのは理由がある。この日の11時から行われる荒川博氏のトークショーを観たかったからだ。展示会場が7階でトークショーの会場が1階と離れている不便さはあったが、こちらも王監督と同年代かそれ以上と思われる方が中心に100人以上の賑わいだった。

01_106 元日本テレビの吉田填一郎アナウンサーの進行で荒川博氏のトークショーが始まった。もちろん荒川さんといえば王選手に一本足打法を仕込んだ打撃の師匠。一本足打法の誕生のいきさつから、ハンク・アーロンの記録に挑戦した年に不振だったのを荒川さんが再指導してスランプから脱出して量産体制に入ったとか、おなじみのエピソードを披露していた。荒川さんの姿を観たのは昨年、スワローズが東京六大学の選抜チームと試合をした時に東京MXテレビの放送席にゲストとして出演し、早稲田大学の後輩、広岡達朗氏とともに大学時代の思い出などを試合展開お構いなしに語っていたのを観て以来だ。その前になると、たぶん1999年に大阪近鉄バファローズの球団創立50周年を記念して大阪ドームで行われた旧バファローズとジャイアンツのOB戦にまでさかのぼらなければならない。荒川さんはトークショーの中でもふれていたが、現在は子供たちにティー・ボールを指導しながら野球の楽しさを教えているという。

01_107 荒川さんの現役時代、気分転換に散歩をしていたら中学生が野球をしている。いい左投手がいるのだが、何故か右で打っている。よせばいいのに口を出して左打席で打たせたら見事な二塁打を放った。「あの時に王がそのまま右で打っていたら、アタシはそのまま帰っただろうね。人間の出逢いなんて不思議なものですよ。それですぐ早実に来いってすすめたね」

一本足打法を初めて試合で披露した試合で本塁打を放ったことに関して「まだ未完成だったんだけど、試合前に投手コーチから『荒川、王を何とかしろ』って怒鳴られて仕方なく王にやってみろと言ったの。そうしたら出たんだね。でもあれはまぐれですよ。まだとてもそんなレベルじゃなかった。」などと敗戦処理。が子供の頃に買った本に出ていたエピソードばかりでなく、

遠征先の宿舎で王が試合後、朝まで部屋で素振りをしていたら真下が川上哲治監督の部屋で川上監督が寝不足になったとか、「打撃の神様」といわれたその川上監督のアドバイスでも時には拒否するのに荒川コーチの指導には絶対服従だったなどという荒川さんのプチ自慢や、ハンク・アーロンの本塁打記録を超えた時に王選手の家には電報が殺到したのに対し、荒川さんは「アタシのうちには一通だけ<苦笑>。 でもその一通が川上さんからだったんですよ。『記録のことを一番喜んでいるのはキミだろう』って。あん時はうれしかったねぇ」等という感じで往年の荒川節が健在だったのが何より嬉しい。また「清原は王よりも才能はあるんだろうけど、努力しないからあの程度なんだろうね。そういう意味じゃ王ってのは努力の天才なんだろうね。」と打撃コーチ目線の健在ぶりもうれしかった。

01_108 もちろん、かつて日本テレビの巨人戦中継の顔とも呼ばれた吉田元アナの名調子も懐かしい。正直に言うと、当時はテレビの前でよくツッコミを入れていたものだが、今となっては良い思い出だ。最近の日本テレビの実況アナウンサーよりははるかに上。

現在ではラジオ日本で要職に務めている傍ら、現役のアナウンサーとしてマイクの前に向かうこともあるという。束の間ではあるが、日本プロ野球の古き良き時代にタイムスリップしたような錯覚に浸らせてもらえた。

荒川博さんは王さんより十歳年上とのことだから76歳か。いつまでもお元気でいて欲しいものですね。

ちなみに明日18日は同じく午前11時から張本勲氏のトークショーが予定されている(トークショーは無料で楽しめる)。「喝!」の生放送を終えてから赤坂から日本橋に移動するのだろう。

明日と、春分の日と次の土日と会期中に休みの日が四日間もある。

王監督のファンの方、王選手の時代に思い入れの深い方はぜひ会場に足を運んで味わってきていただきたい。

大好きな野球-王貞治展■

3月13()~3月25()

東京:日本橋三越本店新館7階ギャラリー

午前10時~午後7時30

(最終日は午後6時閉場。入場は閉場30分前まで)

入場料:一般、大学生800円/高校、中学生500円

(小学生以下無料)

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ついにGIANTSの小笠原を観てしまった

Photo_17 日本のプロ野球にFA制度が出来てはや十数年、個人的にこれほど複雑な思いのFA移籍はかつてなかった。そう、小笠原道大のファイターズからジャイアンツへの移籍である。今日はジャイアンツが今年初めて東京ドームでオープン戦を行った。贔屓チームから好きな選手が去っていくのはもちろん寂しいが、別の贔屓チームに移ったからといって素直に喜べるものではない。しかし、そうは言っても間もなくペナントレースは始まる。個人的にも踏ん切りを付ける意味も含め、初めてGIANTSのユニフォームを着て東京ドームでプレーする小笠原の姿を観に行ってきた。

GIANTSの小笠原の左打席を正面から観ようと思い、今日17日のジャイアンツ対ゴールデンイーグルス戦の三塁側S指定席のチケットを前売り発売初日にチケットぴあに電話して購入しておいた。しかし、ジャイアンツ人気の低滞のためか、三塁側というよりほとんどど真ん中のネット裏になってしまった。オープン戦はいわゆる年間予約席も開放しているので、どうやらそのゾーンになったというのが実態のようだが<>

試合前の両軍の打撃練習が終わり、ジャイアンツナインの守備練習が始まる頃に敗戦処理。は席に着いた。真新しいGIANTSの背番号2のユニフォームを着た小笠原は、入団会見で見せたようにトレードマークのヒゲを完全にそり落としていた。テレビの画面などでなく、実際に生で観ると、これはFightersで我々ファイターズファンを感動させてくれたガッツではなく、巨人軍の小笠原道大という選手なのだという気持ちの切り替えが出来るのではと考えていたが、そう簡単には行かないようだ。

「三番・サード」でスタメン出場した小笠原はゴールデンイーグルス先発の岩隈久志、三番手の吉田豊彦と対戦し、2つの三振を含む4打数0安打に終わった。しかし一回裏に岩隈と対戦した第一打席の初球のフルスイング(結果はファウル)を観て、小笠原はどこにのユニフォームを着ていても小笠原なのだなということを強く感じた。

試合は岩隈とジャイアンツの先発、姜建銘がともに好投。特に岩隈は低めにビュンビュンと伸びのあるストレートを集め、旧バファローズ時代を彷彿とさせる内容だった。そんな岩隈から2本のタイムリーを放った谷佳知は小笠原とは対照的に調整順調。FAでなくトレードでの移籍ということでポジションの保証もなく、必死のアピールが続いている。谷の2本のタイムリーが効き、ジャイアンツが3対1で勝った。

またジャイアンツでは姜の後に調整が遅れていた林昌範がオープン戦初登板で1イニングを無失点。左のリリーフ投手に人材を欠くチーム状況だけに林がいるといないとでは大違い。今日の試合の最大の収穫といっても過言ではない。

ゴールデンイーグルスで気になったのは五回裏の守備。

1対1の同点で二死一、二塁。二塁に勝ち越しの走者小坂誠、一塁に俊足の鈴木尚広がいる状況で谷の打球は左中間の安打。センターの鉄平が回り込んで捕球し、内野にボールを還したが、ボールを受けた二塁手の高須洋介がこの返球を打者走者谷の二塁進塁を防ぐ返球と勘違いして、誰も走ってこない二塁ベースにタッチする仕草をしている間に一塁走者鈴木尚の生還を許してしまった。明日のスポーツ報知あたりには「伊原イズム、早くも浸透」などといったコピーが躍りそうだが、根本的には高須のボーンヘッド。野村克也監督の逆鱗にも触れたようで高須は次の回の守備から引っ込められた。

ジャイアンツの守備では今年はライトを守るという高橋由伸に注目していた。ライトを守るということはアテネ五輪の時にばれてしまった右肩痛によるスローイング難がかなり克復されたものと期待できるし、一番を打つということは「走る」ことへの意識が高まったということも期待できる。なるほど姜の唯一の失点となったリックの犠牲フライでは位置的にタイミングが間に合わないもののストライクの返球が帰ってきた。入団一、二年目の頃のレーザービーム復活とまではいかないにせよ、回復に近づいていることは確かなようだ。

小笠原に話を戻そう。今日の打撃結果は第一打席から順に三振、二ゴロ、遊ゴロ、三振。セ・リーグより一週間早く開幕するパ・リーグでは岩隈はおそらく最終調整。それに対して小笠原は前日のライオンズ戦で3打数3安打したように徐々に調子を上げているのだろうがまだまだ一進一退。あくまで二週間後に照準を合わせているのだろう。ただ、ジャイアンツというチームは小笠原が開幕カードの三連戦でブレーキになるようなら、早々と「小久保の方が良かった」などとファンやマスコミからバッシングが始まりかねないチームだ。小笠原は自らの意思でそういうチームを選んだのだからわかっているだろう。但しここで小手先のバッティングで目先のヒット1本で取りあえずジャイアンツファンを安心させる等ということを考えると、昨年、豊田清でさえも初めてのリリーフ失敗がですべてを失ったような錯覚に陥りそうになったというから小笠原には納得のいく調整を続けて欲しい。

小笠原道大はどこのユニフォームを着ていても小笠原道大なのだから。

17日・東京ドーム】

GE 000 100 000 =1

G  001 020 00× =3

GE)●岩隈、小倉、吉田-藤井、嶋

G)○姜、林、S吉武-阿部

本塁打)なし

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2007年3月16日 (金)

「生」観戦した野球場(28)-八王子市民球場

01_92 いろいろな野球場で日本のプロ野球を観てきました。その数40以上。だからどうしたと言われればそれまでですが。

このコーナーでは敗戦処理。がプロ野球の試合を観戦した野球場について順に書いていこうと思います。月に1~2球場の割合で書いていこうと思います。また、シーズン中に新たな球場に行ったら加筆していこうと思います。

28回 八王子市民球場 観戦球場ファイル-27

東京の八王子市にある八王子市民球場。冒頭の写真にもあるように、のどかな感じの典型的な地方球場という感じだ。最寄り駅は八王子ではなく、JR中央線で新宿方面からだと八王子の一つ先の西八王子。駅から歩いて10分ほどの位置だ。この地域は高校野球では西東京地区に分類されるが高校野球の予選の場として使われている。プロ野球ではイースタン・リーグの試合に年一回程度使用される。

敗戦処理。が生観戦したのは2002年4月13日のイースタン・リーグ公式戦、ジャイアンツ対ライオンズ戦。試合開始の約一時間前に敗戦処理。が到着するとライオンズが守備練習を始めていた。たまたま視線の先に、とてもプロ野球選手とは思えない、特にライオンズの選手とは思えないずんぐりむっくりの体型の男が三塁の守備位置でノックを受けていた。もうお気付きだと思うが、「おかわり君」こと中村剛也だ。今から五年前のことだし、とてもスムーズなフィールディングとは言えなかった。スタメン発表で中村が「六番・一塁」で出ると知り、「なるほどな」と思ったものだった。一時期のライオンズのファームには右投げ左打ちの一、二番打者タイプが乱立していたので「ライオンズも変わったなぁ」と思ったものだった。敗戦処理。の気まぐれスコアブックによると第二打席でチョン・ミンテからライトのフェンスを直撃するシングルヒットを放っている。一見詰まった感じの当たりがライナーであっという間にライトの頭を越えたのが印象的だったのを憶えている。

あのずんぐりむっくりが、一塁やDHではなく三塁手として華々しく売り出したのはさすがに意外だったが、ファームの試合を観に行くと、時々こういう原石に巡り会うことがあるから楽しい。この一ヶ月後にライオンズのファームの試合を観戦した時には中村はスタメン落ちしていたが、未知なる若手は日によって全然調子が違う<苦笑>。実際には「こいつは凄い!」と思った選手の大半は大成しないのだが<苦笑>

実は東京を本拠地にするファーム球団はない。ジャイアンツ球場も稲城市ではなく川崎市だ。第24回で紹介した大田スタジアムともども開催される回数が少ない。ジャイアンツのファームは親会社読売新聞の拡販活動の一環として一軍が行かない地方に試合を組んでいる(この日の試合もチケットなどを仕切っているのは読売新聞社の関連の読売情報開発という会社で、球場の外では観客に当日のスポーツ報知を配布した他、読売、報知の定期購読を募っていた)が、もう少し「地元」というものに目を向けるべきだろう。八王子以外に以前は立川でもジャイアンツの二軍戦を行っていたが、東京の西側の拠点と言える八王子、立川はジャイアンツにその気がないならスワローズをターゲットにし、二軍戦の招致に力を入れた方がよいだろう。

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2007年3月13日 (火)

竹は地面で3、4年埋まったまま、土の上には出てこないが、一度顔を出せばぐんぐん伸びる。

標題の言葉は12日のデイリースポーツに掲載されていた大相撲の貴乃花親方のインタビュー記事からの引用です。

「平成の大横綱」と言われた元横綱・貴乃花の貴乃花親方が率いる貴乃花部屋には現在関取(大相撲の力士で一人前と見なされる十両以上の力士)がいない。そのことについてインタビュアーが例えば外国人力士とか、学生相撲出身の力士を弟子にする考えはないのか聞いたところ、貴乃花親方から帰ってきた答えです。

竹は地面で3、4年埋まったまま、土の上には出てこないが、一度顔を出せばぐんぐん伸びる。

貴乃花親方は「『たたきあげ』を育てることが私の使命だと感じています」と答えてから、このフレーズを用いました。

デイリースポーツといえばタイガースファン御用達のスポーツ紙ですが、原辰徳監督やジャイアンツのフロントに聞かせたいコメントですね。

実は昨年の暮れから、テレビで観た原監督の発言でどうにも気になっていた言葉があります。

「我々の軍団は『誤ること はばかることなかれ』だから。間違えたと思ったら新しいものを入れようということに対して全然怖くないから やってみよう」

昨年1127日に放送されたテレビ朝日の「Get Sports」で流れたものですが原監督が復帰した年の開幕前の宮崎キャンプで語ったセリフです。

誤ること はばかることなかれ」は諸葛孔明の言葉らしいが、原監督流の解釈では、要するに失敗したらそれはそれとしてすぐに別の手段を講じればよい、失敗を恥と思う必要はない。-という意味のようだ。選手補強に湯水のごとく資金を注入する、まるでバブル絶頂期の設備投資のような感覚で2006年のシーズンに臨んでいたのであれば、あの結果もなるべくしてなったのだと納得せざるを得ない。

實松一成、古城茂幸、小関竜也、木村拓也、ジョージ・アリアスの獲得は原辰徳流発想から来たものだったのだろう。

このオフもまた大型補強にシフトした。

せめてもの救いはこのオフの補強は文字通り「補強」であって、足りないところを補って強くしようという視点が定まっているところだ。ただし貴乃花親方の発想からすれば、工藤公康にプロテクトをかけなかったことが後々響いてくるはずだが。

オープン戦で希望枠ルーキーの金刃憲人が好投したり、育成選手から晴れて支配下選手に登録された松本哲也が走り回ったり、二岡智宏の故障でショートを守っているのがルーキーの円谷英俊や寺内崇幸だったりする点に昨年までのジャイアンツとは違う点があると期待したいがどうなのだろうか。

さらに遡れば、昨秋の高校生ドラフトでは今春のキャンプ、オープン戦で片鱗を見せている田中将大や増淵竜義らには目もくれずに堂上直倫を指名し、抽選で外れても坂本勇人を始めオール野手の指名だったことに三、四年後に不足する部門がどこかをしっかりと考えた成果を垣間見ることが出来る。

貴乃花部屋から三役クラスの力士が出るのが先か、ジャイアンツから生え抜きのスターが育つのが先か。

原監督は関西遠征の合間を縫って大相撲春場所で来阪している貴乃花親方に頭を下げ、教えをこいてはどうか。

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2007年3月12日 (月)

11年目のファイターズタウン-選手とファンの交流会

02_6 ファイターズがファームの本拠地を鎌ヶ谷に移して今年で11年目。今月3日には7年ぶりとなる一軍オープン戦も開催された。ファイターズといえば一軍の本拠地札幌、北海道のファンとの一体感ある応援が売りであるがファームの本拠地も負けていない。敗戦処理。は地元の親睦団体が主催した恒例の交流会に参加してきた。

地元鎌ヶ谷の親睦団体、ファイターズ鎌ヶ谷の会主催によるファイターズ選手との交流会が鎌ヶ谷のファイターズスタジアムに隣接する室内練習場で開催された。鎌ヶ谷での会ということで参加選手は全員ファームの選手であるが、参加者も地元の野球少年や鎌ヶ谷の試合でよく見かける常連さん達ばかり。球団公式サイトにも告知されない地味なイベントだが、鎌ヶ谷市長やミス鎌ヶ谷、準ミス鎌ヶ谷といった綺麗どころも集まる地元では一大イベントなのだ。敗戦処理。が参加するのは今年で三年目。一昨年はダルビッシュ有が謹慎処分後初めて公の場に出るという話題性があり、昨年は鎌ヶ谷限定マスコットのカビーのお披露目という話題性があったが、今年はこれといった話題はない。神宮で予定されていた一軍のオープン戦が雨天中止になったのでB★Bのサプライズ出演があるかと勝手に期待したが当然なかった<>

だからという訳ではないだろうが、今年は受付で参加者全員に色紙を一枚プレゼントするサービス。これで好きな選手からサインを貰って下さいという計らいで、各選手は予めサインペンを持っていた。もっとも一昨年のガンちゃんのように一人で赤・青・黒と三種類のサインペンを持っている選手はいなかったが…。

もう一つサプライズプレゼントがあり、全員に球団オフィシャルカレンダーが配られた。想像だがこういう会に積極的に参加するようなファンは既に購入済みの方が多いのではないか。だぶってしまう人も少なくないことだろう。在庫一掃のためだろうか<冗>。ちなみに今月、3月は金子誠が一人で出ていて貫禄を感じさせるが、もう一枚めくって4月を見ると、今はなき小笠原道大!!

う~ん、岡島秀樹は載っていないのにガッツが載っているとは<苦笑>

市長を始め来賓の挨拶が始まり、今シーズンから二軍監督になった福良淳一新監督も挨拶をした。福良さん、緊張しすぎているのがよくわかりました。岡本哲司前監督はこういうのを無難にこなすのが巧かった。

その後しばらくは歓談。敗戦処理。は少年野球の子供達に混じり、各選手からサインをもらいまくった。鎌ヶ谷などでの試合観戦時に撮影した写真を差し出して各選手にサインしてもらったが、写真を見た時の各選手の反応が面白い。そういえば各選手のサインを書く時の対応も、昨年までは単にサインを書くだけだった選手が多かったようだが今年はサインを頼んだファンと会話している選手が多いように思えた。敗戦処理。が差し出した写真に対しても「いつの試合ですか」とか「珍しくいいフォームしてますね」など反応してくれた。某左打者が打席での写真に「俺、こんなに足を上げていたかな?」というので「去年の4月のジャイアンツ球場での試合です。」と説明すると「あぁそうでしたね。春先は上げてましたね」と答えてくれた。

また某左投手に昨年撮影した写真を差し出したところ、隣にいた島崎毅コーチから「たまにしか試合で投げないのに、よく撮れましたね」と言われた。コーチ陣といえば、今シーズンからコーチングスタッフに加わった水上義雄コーチの人気はさすがだった。敗戦処理。も4日のジャイアンツ戦で撮影した写真にサインを頼んだが、年配の女性からの人気だけでなく、若い女性ファンからもサインや写真撮影をせがまれていた。水上コーチは評論家生活が長かったから講演や野球教室などでファンや野球少年とふれあう機会も多かったのだろう。対応にそつがない。もちろん現役時代の一時期物議を醸した長髪姿ではない<>

会の冒頭の来賓挨拶では昨年の一軍の優勝に貢献した森本稀哲、田中賢介らがこの鎌ヶ谷を巣立った存在であることに触れている人が多かった。今日気さくにサインをしてくれた若き選手達から第二、第三のヒチョリやケンスケが出てくることを祈って敗戦処理。は会場を後にした。

しまった、ミス鎌ヶ谷からサインをもらうのを忘れた!

* 冒頭の写真は、何故か異様な盛り上がりを見せたフォークダンスコーナー。カビーの前が川名慎一コーチ、後ろが投手の木下達生。亀田弘毅に似ているといわれるだけあり、カビーの頭にパンチを見舞っていた。

【関連エントリー】

【速報】ファイターズの新マスコット-B・Bの弟を発表!! (2006.3.18)

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2007年3月10日 (土)

ライオンズ球団「栄養費問題」発覚が示唆するもの。

9日、ライオンズ太田秀和球団社長兼オーナー代行が緊急記者会見を開き、過去にスカウト活動においてアマチュア選手にいわゆる「栄養費」という形で利益供与していたことを明らかにした。対象は2人の選手で、一方の選手には2004年8月にジャイアンツが当時明治大学の一場靖弘に対して「栄養費」を払っていたことを発表した際に供与を止め、もう一方の選手に対しては2005年6月の「倫理行動宣言」後も支払っていたという。一場靖弘の件ではジャイアンツ以外にも同様の行為をしていたタイガース、ベイスターズの三球団のオーナーがオーナー職を辞任する事態にいたり、その後のドラフト制度改革への動きを高めさせた。今回のライオンズ球団の件は今後さらなる調査の上、球団首脳に処分が科される展開が予想できる。

だが一場問題発生当時は球団合併、球界再編騒動の最中でその方向性にも影響を及ぼしたと言われた。今回も関係者、責任者の処分だけでは終わらず、何かに波及する気がする。

根来泰周コミッショナー代行はライオンズ球団の会見後、広報を通じて「報告は受けた。西武が今後も徹底調査を継続すると言っているので、その報告を待って厳正に対処する」とコメントを出した。しかし2005年6月20日に発表した倫理行動宣言では、

3.この宣言に反する疑いがある場合は、プロ野球実行委員会に調査委員会を設置するなどして事実関係の調査を行うこととし、各球団はこれに誠実に対応する。

とある。問題が起きた当事者球団の内部調査で事の全容、真実が明らかにされるとは限らない。コミッショナー代行にはライオンズ球団による徹底調査を待つのではなく、直ちに倫理行動宣言にうたった調査委員会設置を指示するように求めたい。

それでなくてもライオンズ球団の太田社長は昨年8月の時点で不正に事実を把握していたと自ら語っているのだ。半年以上公表していなかったことになる。太田社長は昨年2月に就任し、8月に前任の社長から聞いたという。10日付日刊スポーツによると、公表が遅れた理由を太田社長は「最初は終わったこととの認識だった。情報提供があって再調査した。隠蔽というわけではないが、報告が遅れたのは私の怠慢」と語った。

前出の倫理行動宣言では別項で

4.これらの申し合わせに反した場合には、コミッショナーの定めるいかなる制裁にも服する。

としている。違反行為に対する制裁の対処方針として「例えばドラフトのルールに違反し、その情状が極めて重いときには、次回のドラフトに対する参加を拒否するごとき処分も考慮する」とある。ここまで定めた以上、身内による、なあなあの処置でお茶を濁す訳にはいくまい。繰り返しになるが強制力のある調査委員会を直ちに立ち上げるべきだ。

ところで冒頭にも書いたが、倫理行動宣言のきっかけにもなった当時明治大学の一場靖弘への栄養費問題は、当該球団のオーナーのオーナー職辞任のみならず、当時世間を騒がせていた球界再編騒動の動きを左右したともいえる。

この年の6月に旧バファローズ球団の近畿日本鉄道による球団経営が困難になったための合併問題が起き、それを突破口に球界再編の動きが激化した。従来のような球団の身売り(オーナー会社の変更)ではなく合併で、球団数減少を意味し、それが「パ・リーグでもう一組の合併」という当時のライオンズの堤義明オーナーの発言でさらに現実味を帯び、多くのファンの思いを無視した一リーグ化に急速に傾いていた時期に、その旗振り役と思われていた当時のジャイアンツの渡邉恒雄オーナーの辞任は急速な動きへのブレーキとなった。

その後前述の倫理行動宣言が発表され、球界全体で襟を正そうとしていたわけだ。ドラフト制度もマイナーチェンジながら分離開催という形に変わり、つい先日も今年からのドラフト制度の方向性をまとめていたところだ。その議論の過程で今春のキャンプ期間中には現役スカウトの間では「不正は消えた」などの報告もあったというが、今回のような発表があると、もはや当事者の発表に信憑性を持てない。

ドラフト改革に関する議論を重ねていた十二球団代表者会議ではもう不正行為はなくなったとの前提の元、この二年間のドラフト方式(高校生ドラフトを分離、希望枠制度の存続)を継続する方向で来週13日には選手会サイドと打ち合わせをする予定だった。かねて希望枠(名称にかかわらず、選手が希望する球団を選べるシステム)の撤廃を主張している選手会が「はい、そうですか」と同意するはずもなく、ドラフト改革に関しても仕切り直しになるだろう。

そもそも現役スカウトが「不正は消えた」と口を揃えたところで、ファンに疑念は消えていたとは思えないから、単なる「現状維持」に過ぎない現行ドラフトの継続という結論がファンに受け入れられるかは甚だ疑問であるし、敗戦処理。個人としても到底賛成できない。ドラフト改革に関してはおいおい書こうと思っているが、今回のような不正発覚とかがないと、変わるべきものが変わらないというのは球界再編騒動から二年あまりが過ぎ、球界に危機感が欠如している証明に他ならない。

敗戦処理。が@niftyのベースボールフォーラムで議論系の掲示板に参加する際に付記しているフッターをこのブログのエントリーでもあらためて書いて締めくくりたい。

以上、球界よ、喉元過ぎても熱さを忘れるな!
敗戦処理。でした。

P.S.

今回のライオンズ球団の不正発覚に際し、アマチュア球界からのコメントが掲載されているがその中で?なものを一つ見つけた。

日本野球連盟 後藤専務理事

「もし社会人から出たとなれば、ちゃんと確定申告をして、きっちり対処する必要がある。」

何なんですかね、この人? そういう問題なのですか?例えは悪いですが「泥棒は盗んだものを返せばいい」と言っているようなものでしょう。払う側の問題ばかりが問われますが、もらう側の論理も考えてみないといけないでしょうね。

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2007年3月 7日 (水)

【決定】ジャイアンツの本拠地開幕戦の始球式は末續慎吾

以前に当ブログでも取り上げた、敗戦処理。が@niftyのベースボールフォーラムで毎年行っているジャイアンツの本拠地開幕戦始球式予想コーナーですが、6日、球団から今年の本拠地開幕戦(4月3日、対ドラゴンズ戦)の始球式は陸上競技の末續慎吾が行うとの発表があり、敗戦処理。を含め予想投票者は全滅という結果に終わりました。

大切な節目の試合のセレモニーでは、タレントなどでなく球界、球団の功労者を招いてセレモニーを行うべきという至極真っ当な意見を踏まえつつ、1990年代から続くジャイアンツの、アイドル路線での開幕戦始球式を皆で予想しているのですが、このような路線で人選されると、誰も当たりません<苦笑>

また、どあら さんが情報提供して下さったリュ・シウォンも、朝鮮日報が報じた、

リュ・シウォンの関係者は24日、「リュ・シウォンは4月に巨人の本拠地・東京ドームで行われる開幕試合か今季初の週末試合で始球式を行う」と語った。巨人はリュ・シウォンが韓国だけでなく日本でも人気が高いスターであることを考慮、始球式のオファーを出したという。

が本当ならば、ドラゴンズ戦の次のカードの対タイガース戦に登場ということになりますね。敗戦処理。は7日()のタイガース戦を生観戦予定ですので、是非観てみたいですね。

現行、リーグ開幕戦の興行権は二年前のシーズンの上位三球団が持つシステムになっており、2005年にBクラスだったジャイアンツはビジターでの開幕となり、二カード目に本拠地開幕戦を迎えるのですが、 ジャイアンツの本拠地開幕戦での始球式がアイドル路線になってからでは1992年、1998年がビジタースタートでした。この時の始球式は1992年が宮沢りえ、1998年が吉川ひなの でした。

宮沢りえ と吉川ひなの の共通点を考えて今年の人選をするのであれば、当然竹内結子か、宇多田ヒカルにまずオファーすべきだったのではないでしょうか<笑>?

それにしても、末續慎吾という人選はどこから出てきたのでしょうか?

ジャイアンツは昨年からアディダスと業務提携を結んでいますが、ミズノに所属する末續慎吾を開幕セレモニーに呼んじゃって良いのでしょうか?

ところで陸上競技のアスリートによる始球式では過去にハンマー投げの室伏広治が2005年のベイスターズの本拠地開幕戦で始球式をして131kmを出して話題になったことがありました。末續はこの記録を超えられるでしょうか?

ちなみに敗戦処理。調べによる、始球式の球速表示トップ3は以下の通りです。

第3位 室伏広治 131km

(2005年4月5日 ベイスターズの本拠地開幕戦)

第2位 村田兆治 140km

(2006年3月27日 マリーンズの開幕第二戦)

第1位 吹石一恵 150km

(2003年7月19日 ベイスターズ対ジャイアンツ戦)

《参照》

バカ野球写真館2003年 その11

14回オフ会 写真館第2部 角逐の巨人戦

まあ、あくまで球速表示ですから<笑>。

なお4月3日のジャイアンツの本拠地開幕戦ですが、「君が代」を「千の風になって」で一大ブームを巻き起こしている秋川雅史が独唱します。今年に限ってはこちらの方が楽しみかも。

【関連エントリー】

【PR】巨人の東京ドーム開幕戦で誰が始球式を務めるかを当てよう!(2007.2.9)

巨人の東京ドーム開幕戦の始球式はリュ・シウォン?(2007.2.28)

【3月10日追記】

その後のジャイアンツから発表によると、リュ・シウォンの始球式は週末のカードではなく、ジャイアンツ本拠地開幕カードのドラゴンズ三連戦の三戦目、4月5日(木)と発表された。三連戦では初戦の末續慎吾、三戦目のリュ・シウォンにはさまれる二戦目、4月4日(水)はタレントの井上和香が始球式を行うことも合わせて発表された。ジャイアンツの前オーナーにして現会長が消費者金融の広告を東京ドームから締め出した過去の経緯から、この業種のCMのイメージが強いタレントは始球式に呼ばれないというのが敗戦処理。や友人関係の間では定説になっていたが<苦笑>、井上和香はプロミスのCMを卒業して晴れて解禁になったようだ。

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2007年3月 4日 (日)

やっぱり鎌ヶ谷には二軍の試合がよく似合う。【3/4イースタン教育リーグ観戦記】

01_101 昨日(3日)のファイターズ対マリーンズ戦に続き、今日も鎌ヶ谷に行ってきました。今日はイースタン教育リーグで、相手はジャイアンツです。満員札止めになった昨日の一軍戦とは雲泥の差がありますが、最寄り駅からのシャトルバスが運行されない教育リーグの試合としては、なかなかの入り具合で、日曜日のジャイアンツ戦だけのことはあります。ネット裏の最前列を眺めると、鎌ヶ谷名物とも言えるヤジ軍団がずらりと並び、やっぱり鎌ヶ谷はこうじゃなきゃ、というのを実感した一日でした。(写真:いつもながらの鎌ヶ谷三塁側スタンド風景。ファームの選手へのエールの横断幕が並ぶ)

敗戦処理。が入場した時にはちょうど両チームのスターティングラインアップが紹介され始めたのですが、ジャイアンツが一番に矢野謙次、二番に小坂誠と並べてきたのには驚きました。FA補強などで内野、外野ともに競争が激しくなっているジャイアンツですがヤングジャイアンツの象徴のように昨年から結果を残し始めた矢野と、ベテランの小坂が実戦を優先すると言うことなのかイースタンの鎌ヶ谷にまで出てくるとは、この球場によく足を運ぶ身としては、前日のマリーンズ、清水直投手同様、ありがたいような、恐れ多いような気持ちになります<>

先発投手は両軍とも二年目の投手。

ファイターズが星野八千穂でジャイアンツが深田拓也。ともにルーキーイヤーの昨年は一軍未登板でしたが深田の方は日米野球の前座としてのジャイアンツ対MLB選抜戦で二冠王のライアン・ハワードから三振を奪って話題になったサウスポーです。

両投手とも無難に立ち上がりから抑えていきましたが均衡が破れたのが四回表。

01_102 この回の先頭、矢野が左中間スタンドに豪快に叩き込みました。星野の方は4イニングを投げて被安打はこの一本だけ。四死球もなく成長の跡を窺わせました。

矢野としては、谷佳知の仕上がりが思いの外早く、ベンチを温めるくらいなら教育リーグに出場した方が矢野のためになるとの判断で鎌ヶ谷まで来たのかもしれませんが、見事に結果を出しました。しかも一発だけでなく、六回表の打席では1点リードで無死一、二塁という状況で右狙いのファウルで粘り、最後にはバントで走者を進めるという、原辰徳監督が観ていたら喜びそうな小技も見せました。ジャイアンツ打線のメンバー構成は谷が活躍してもまだ左右のバランスが悪いように思えます。矢野には昨年以上のレベルアップを期待したいですね。(写真:先制本塁打を放った際の矢野のスイング)

一方で同じようなシチュエーションで出場したと思われる小坂は矢野がつなげた一死二、三塁のチャンスでも三振に倒れるなど2三振を含めて3打数0安打。名人芸といわれるショートの守備でも三遊間のさほど難しいとは思えぬゴロをお手玉しエラーとしてしまうなど、およそ小坂らしくありませんでした。今日の試合ではジャイアンツが昨年の高校生ドラフトで1巡目に指名(堂上直倫の外れ1位)して入団した坂本勇人が本職のショートではなく三塁でスタメン出場し、小坂と三遊間を組んでいましたが、坂本としてはすぐ隣に生きた手本がいる訳ですから首脳陣としても小坂への期待は大きかったでしょうが残念ながら精彩を欠いていました。そもそも二岡智宏が戦列を離脱している時に小坂までリタイヤするようでは…。

01_105 ジャイアンツ先発の深田の方もファイターズ打線がスタメン9人中5人の左打者をぶつけてきたことをあって、自分のペースで投げられた感じです。深田は5イニングを投げて無失点で被安打1。奪三振は一回裏の三者連続を皮切りに8個奪いました。

(写真:先発で好投した深田。投げ方が林昌範に似ている?)

前述のライアン・ハワードからの奪三振は球審のアシストがあってのものだったようですが<苦笑>、工藤公康が抜け、林が故障で出遅れ中ということを考えると、深田もどんどんアピールして欲しいですね。

ファイターズは星野の後、小刻みに継投しますが北海道に縁の深い二人のルーキーが出てきました。五回表には高校生ドラフト3巡目指名の植村祐介(北照高)が、七回表には大学生・社会人ドラフト8巡目指名の内山雄介(旭川大)がそれぞれ登板しました。

植村は球が速いですね。まだまだ天然物という感じで、思いっきりストレートを投げ込むという感じでした。二人目の打者に四球を与え、ひやっとさせましたが、次打者のセンター前に抜けそうな打球を二塁の高口隆行が横っ飛びでおさえて4-6-3の併殺を完成させてくれたため1イニングを無失点という結果になりました。一軍で投げるようになるにはまだまだ時間を要するのかもしれませんが、器の大きさを感じさせる楽しみなルーキーですね。

対照的に内山は緊張していたのでしょうか、何かどことなく仕草がぎこちなかったのですが案の定やっちゃいました。

四球と安打の走者を背負った二死一、三塁から山本光将を投ゴロに仕止めたと思ったら一塁にワンバウンドの送球。一塁の佐藤吉宏も近距離からのワンバウンドに対応しきれずはじき、これで1失点。完全に一人相撲でしたね。高校卒の植村と違い、内山は大学卒なので首脳陣の目も厳しいでしょう。早く自分のペースで投球できるようになって欲しいですね。

ファイターズは二人のルーキー以外には清水章夫、江尻慎太郎、立石尚行がそれぞれ1イニングずつ投げました。

ジャイアンツの方は深田の後は六回裏に育成選手ドラフトで入団したサウスポーの鈴木誠が登板。先頭打者に二塁打されてバントで送られて一死三塁と、外野フライでも同点にされるピンチを招きましたが後続を断って1イニングを無失点に切り抜けました。

七回裏からは酒井順也が3イニングのロングリリーフ。見事無失点に抑えきり、3対0でジャイアンツが完封勝ちという結果でした。

酒井はこのオフの背番号大シャッフルではただでさえ大きい54番から64番に変更。いわば降格組の一人です。今日で26歳になった入団九年目の投手。かなり以前から抑え、セットアッパーの候補として期待されていましたが未だ開花していません。このオフに変えたのか、今日はサイドスローで投げていました。3イニングで許した走者は味方の失策で出した一人のみ。今日の好投をきっかけにして欲しいものです。

【4日・ファイターズスタジアム】

G 000 100 101 =3

F 000 000 000 =0

G)○深田、鈴木誠、S酒井-實松、伊集院

F)●星野、植村、清水、内山、江尻、立石-渡部、小山

本塁打)矢野(星野・4回=ソロ)

01_103 高校卒のルーキーが登板するあたり、この時期の教育リーグの見所でもあるのですが、ファイターズでは今日投げた植村の他に高校生ドラフトでは広陵高の吉川光夫と関西高のダース・ローマシュ匡を獲得しました。登板予定のないこの二人はしおらしくボールボーイを務めていましたが、試合の前半には吉川と陽仲壽、川島慶三の三人でボールボーイを務めていました。吉川はともかく、他の二人は…<苦笑>。(写真:ユニフォーム姿が川島。その隣が陽。少し前屈みなのがダース)

01_104 その陽の目を覚めさせるようなルーキーが入ってきました。今日の試合で「九番・遊撃」でフル出場した大学生・社会人ドラフト7巡目指名の今浪隆博(明治大学)は守備が軽快で右に左に難しいゴロを難なく捕球していました。今日のフィールディングを観た限りでは現時点で守備では陽や尾崎匡哉を既に抜いていると思えます。九番打者で出てくるくらいですから、打撃に課題があるのだろうと思いますが、左打ちで、六回裏の第二打席で左投手の鈴木から放った左中間二塁打は、いわゆる「球に逆らわないバッティング」という感じで、今後の成長を期待させます。今シーズン守備重視なら高口、今浪の二遊間コンビは外せないでしょう。今日のプレーを観る限りではそのくらい褒め言葉を並べたくなります。(写真:左対左攻略法のお手本のような打撃で二塁打を放った今浪)

昨日の一軍戦での糸井嘉男といい、今日の今浪といい、負け試合でもこういう選手のプレーを観ると、嬉しくなります。これだからファーム観戦はやめられませんね。

その一方で三塁に回った市川卓の守備はぎこちなくて危なっかしいし、外野から回った一塁の佐藤吉宏は一回表の守備でいきなりファウルフライを落球。八回にも市川からの普通の送球を落球するなどちょっと一塁には不向きな印象を持ちました。

04_3 ジャイアンツは一軍の競争に敗れた選手達が再浮上を狙う場として、ファイターズはまだ天然に近い素材の選手の鍛錬の場としてそれぞれ今年のファームが機能する様な感じがします。かつて佐藤義則コーチがファイターズの投手陣のレベルをあげてくれましたが、今年は新加入の水上善雄コーチ(意外ですがコーチ業は初めてとのこと)が内野守備のレベルを上げてくれることを期待したいです。

(写真:三塁ベースコーチから戻ってくる水上コーチ)

その一方でファイターズは昨日の一軍同様、とにかく打てません。キャンプ、一軍オープン戦で話題の金子洋平が「三番・左翼」でフル出場しましたが、三打席連続三振の後、第四打席も三塁ゴロと四タコ。三振に終わっても期待感を持たせる思いっきりの良いスイングは巷間囁かれているように中村紀洋によく似ています。楽しみな存在であることは間違いない様なので早く壁を打ち破って鎌ヶ谷を脱出して下さい。そして金子洋に押し出されるように「七番・DH」に回った鵜久森淳志も三打席連続三振に終わって全く精彩を欠いています。とにかく全体で2安打のみでした。昨年から指導に当たっている島田一輝コーチと大村巌コーチ、何とかして下さい。

今日は右打者の打席を撮影しようと試合当初は一塁側(ジャイアンツ側)に陣取っていたのですが、佐藤の失策などに対する鎌ヶ谷名物の矢継ぎ早なヤジ攻撃に、ジャイアンツファンの人達が驚いていました。たしかに慣れていない人は驚くでしょう。また三塁側に陣取ってからは前日の一軍オープン戦を観戦に来たら当日券完売で入れなかったとぼやいている人が結構いました。冒頭に書いたように常連のヤジ軍団、特にTさんは今年も健在だということがわかりました。

やっぱり鎌ヶ谷には二軍戦が似合いますね。

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2007年3月 3日 (土)

地元?鎌ヶ谷で開幕カードのマリーンズ相手に完敗…<涙>。

01_93 昨日書いた通り、行ってきました。世紀の暴挙?-ファイターズの二軍本拠地、鎌ヶ谷ファイターズスタジアムでの一軍のオープン戦、対マリーンズ戦を生観戦してきました。例年ならこの場所でこの時期にこの両チームが対戦することはあってもそれはイースタン教育リーグだったりするわけですが、今年は何をとち狂ったのか、一軍のオープン戦を、それも土曜日に組んできたのです。(写真は外野席の外から観戦するファン。無料?)

案の定というか、午前11時過ぎの時点で球場までのシャトルバスが出る鎌ヶ谷駅前のバスロータリーで「当日券は完売しました。入場券をお持ちでないお客様は入場できません」とのアナウンスが出ていました。外野芝生席を含めて5千人弱のキャパシティーしかない球場で一軍の試合をすること自体が無謀ですね。

普段(イースタン・リーグ開催時を指す。以下同)ならこのバスロータリーからバスに乗る際に、だいたい何人かは見覚えのある人が多いのですが、今日は全然違います。ここはマリーンズのホームタウンである訳です。マリサポがバスを待つ列に大挙しているのです。

普段はこのバスは片道100円で、行きも帰りも球場で料金を払うのですが(バス代回収係が元選手の菅野光夫さん=現寮長だったりする)、今日は無料。球場の駐車場を開放していないのでおのずとこの鎌ヶ谷駅と、新鎌ヶ谷駅からのバスに集中する。

Dscf0001_1 ついてビックリ! というか予想できたが、普段はない出店が並んでいて、観客がごった返し。ファイターズのマスコットのB☆Bとカビーがお揃いでお出迎え。片や一軍帯同、片や鎌ヶ谷専属?でこの兄弟(兄弟なのです、実は。)のツーショットは実は珍しい。ファイターズファンだけでなくマリーンズファンにも囲まれ、サイン、記念写真攻めに。何故かこの日のカードとは関係ない ドアラ のぬいぐるみをB☆Bに持たせて写真を撮っているファンもいた。敗戦処理。もしばし余韻に浸っていたが、ベースボールフォーラムでお世話になっているマリーンズファンのCさんに遭遇。この方とは偶然現地で会うということが多い。

チケットを持たずに現地まで来てしまった人のために追加で立ち見用の入場券を発売したとかしないとか。それじゃ鎌ヶ谷駅で諦めた人は諦め損だったのか?

前もって入手したネット裏S指定席に座ると、普段は観客を入れていない外野芝生席が試合開始1時間以上前にもかかわらず9割以上埋まっている。ビジター側のライトスタンドはいつものように黒一色。普段の鎌ヶ谷ならネット裏の最前列はヤジのキツイ常連のオヤジ達のたまり場、いや失礼指定席になっているが、今日はその常連のTさんの姿も、甲高い笑い声も聞こえてこない。ちょっぴり寂しい。最前列には地元鎌ヶ谷のファイターズ支援団体の方々や、いかついマリーンズのスコアラーが陣取った。ファイターズ先発予定の新外国人、ブライアン・スウィーニーを丸裸にするつもりなのだろうか。

試合はファイターズがそのスウィーニー、マリーンズが清水直の先発。清水直はこれから土曜ごとに登板し、24日の同じカードの開幕戦(千葉マリン)に照準を合わせていくのだろうか。ファイターズは稲葉篤紀、フェルナンド・セギノールといったベテラン、新外国人のアンディ・グリーンに加え、超ベテランの田中幸雄までスタメンに名を連ねる現状でのベストオーダー。昨年の今頃はまだ投手だった糸井嘉男が六番でセンターに入った。打順は田中幸雄の前を打つ。マリーンズも今江敏晃、福浦和也、サブローがスタメンにいないが西岡剛あらためTSUYOSIや、新加入のフリオ・ズレータら錚々たるメンバーで、一部で不安視された「教育リーグの有料化」状態ではなく一安心<苦笑>

もうひとつ普段と違ったのは外野席の両軍の応援団に鳴り物応援が認められていたこと。普段の試合ではせいぜい太鼓一台だけ。トランペット応援が認められていれば、シーレックスの応援団などは例えば北川利之にはCMで有名な某専門学校のCMソングを使用しているようにベイスターズとは一風変わった応援スタイルを展開するのだろうが、ここは普段は鳴り物禁止。そういえば普段は捕っても回収されるファウルボールを今日はサービスしていたようだ。

いつもと変わらなかったのはマリーンズの清水直の投球。先発して3イニングを無失点。稲葉、グリーンに逆方向にシングルを打たれ、田中幸雄にはセンターポーバーの二塁打を浴びるが、糸井や鶴岡慎也といった若手には格の違いを見せつけた感じだった。

一方のスウィーニーは緩急でマリーンズ打線を翻弄していた感じだ。まだお互いに相手の手の内を知らないということもあり、こちらは清水直より1イニング多い4イニングを被安打1の無失点に抑えた。トレイ・ヒルマン監督がダルビッシュ有と八木智哉の二本柱を同じカードに投げさせない方針ならば開幕のマリーンズ二連戦の二戦目の先発ということもあり得る訳だが、ネット裏のマリーンズ偵察隊の眼にどう映ったか。

そのスウィーニーがマウンドを降りた五回表。二番手の須永英輝がマウンドに上がると共に、稲葉が退いて坪井智哉がライトの守備に入った。坪井は昨シーズン終了時に一度は戦力外通告を受けてトライアウトまで受けたものの獲得する球団が無く、何故か元のさやに収まったのだが、こういう選手にファンは暖かい。ファイターズファンばかりでなく、ライトの守備位置ではマリーンズファンからも大きな声援を受けていた。坪井智哉公式サイトを読むと戦力外通告→再契約までの間には筆舌に尽くしがたい水面下でのやりとりがあったことがうかがえますが、球団も坪井サイドも大人だったようで中村紀洋のような事態に至らなかったのはファンにとっては救いです。昨年は鎌ヶ谷で何回も坪井のプレーを観ましたが、今年は鎌ヶ谷ではこれっきりにしてほしいものです。

そして対照的に今年も鎌ヶ谷に居座りそうなのが二番手で登板した須永。岡島秀樹、ブラッドリー・トーマスらが抜けて左手で投げる投手にはいっぱいチャンスがあるファイターズ投手陣なのですが、須永にはまだそれがわかっていないようですね。

五回表は何とか二死を取った後、代打の青野毅に四球。全体に球がうわずっており、敗戦処理。がネット裏で観戦していたこともあり、ストライクとボールがはっきりしているのがわかります。何か意図があって、警戒しすぎての四球なら仕方がないのでしょうが、そうは思えません。このイニングは後続を断ちましたが、続く六回表、渡辺正人に四球を与えた後、いかにもストライクを取りにいった球をサブローに右中間スタンドに放り込まれました。

紅白戦などで今年の須永は一味違うとの報道もあって期待していたのですが今日に関する限りでは昨年までの須永と変わりありません。チームは明日、神戸でバファローズ戦、その後西日本での試合が続きますが、鎌ヶ谷居残り指令が出てもおかしくない内容でした。

ファイターズ打線は清水直の降板以降も小刻みなマリーンズの継投に手も足も出ません「稲葉ジャンプに外野芝生席は耐えられるのかとか心配されましたが三番を打つ稲葉の前に走者が出ないのでパフォーマンスできず。そういえば最後まで「北の国から」が聞けませんでした(チャンスらしいチャンスすらなかった)。

キャンプから評判のルーキー金子洋平は途中から森本稀哲に代わりレフトに入り打席にも立ちましたが、背中に死球を受けたため豪快なスイングを観ることが出来ませんでした。残念。

マリーンズが九回表にファイターズ四番手のルーキー山本一徳から大塚明のタイムリー二塁打で1点を加え3対0。これまた四球がらみの失点でしたが同じ期待のサウスポーでも山本には須永と比べて攻める気持ちのようなものが伝わってきたので、いい勉強をしたというところでしょうか。

最終回にファイターズは糸井がこの日二本目の長打となる右中間三塁打を放った後、小谷野栄一が三塁線を破る二塁打を放って1点を返しましたが反撃もそこまで。二試合連続完封負けを免れるのがやっとというザマでした。

【3日・ファイターズスタジアム】

M 000 002 001 =3

F 000 000 001 =1

M)清水直、○加藤、藪田、松本、荻野、S神田-里崎

F)スウィーニー、●須永、菊地、山本-鶴岡、今成

本塁打)サブロー1号2ラン(須永・6回)

糸井のもう一本の長打は変速サウスポーのルーキー、松本幸大から流し打ってレフトのラインぎりぎりに落とす二塁打。現時点でまだ打者転向まる一年未満であることを考えれば、かなりのセンスと思える。コンバート当初はとても危なっかしかった守備もだいぶマシになってきた。前述の坪井、金子洋とのポジション争いが楽しみだ。

試合が終盤にさしかかり、何となくまったり感が漂ってきた当たりで、鎌ヶ谷名物のあの甲高い笑い声がネット裏三塁方向から聞こえてくるようになってきた。やっぱりTさんは鎌ヶ谷にかけつけていたのだ。姿こそ確認できなかったが、あのTさんに間違いない。毎年、その年の最初の鎌ヶ谷での観戦でTさんの姿を見つけると何故か安心し、いないと心配になるものだ<>Tさんのことだ、明日もきっと鎌ヶ谷に来るのだろう。

明日は鎌ヶ谷では教育リーグの対ジャイアンツ戦。普段の鎌ヶ谷に戻るだろう。明日も行こう。

【関連エントリー】

世紀の暴挙?-観客収容力5000人弱の鎌ヶ谷ファイターズスタジアムで土曜に一軍オープン戦を開催!? (2007.3.2)

「生」観戦した野球場(12)-ファイターズスタジアム(2006.7.16)

3月4日追記

01_95 この日は一軍のオープン戦で使用するということで、センターのスコアボード上に両球団の球団旗などの他に昨年の一軍が勝ち取った日本一のチャンピオンフラッグが掲げられた(たぶんこの一日だけであろう)。試合終了後にはファイターズの監督、コーチ、選手がマウンド付近に整列し、ファームの本拠地のファンに一年間の声援への御礼と優勝報告を行った。

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2007年3月 2日 (金)

世紀の暴挙?-観客収容力5000人弱の鎌ヶ谷ファイターズスタジアムで土曜に一軍オープン戦を開催!?

01_12

明日3日、いよいよ敗戦処理。にとって今季初の生観戦を迎える。今季初の生観戦は鎌ヶ谷のファイターズスタジアムでのファイターズ対マリーンズ戦。鎌ヶ谷で行うといっても、イースタン教育リーグではない。一軍のオープン戦なのである!! ファイターズスタジアムのキャパシティは最近発売された「球場物語2」(ベースボール・マガジン社刊)によると、内野が2,400席で、通常開放しないがこの試合では開放する外野芝生席もほぼ同数の収容能力というから合わせても5,000人弱といったところか。当日は土曜日で、相手は地元千葉県をホームタウンとするマリーンズ。早くもファンの間から暴挙とか無謀とか言われている一軍オープン戦の土曜開催。果たしてどうなりますか。

鎌ヶ谷で一軍のオープン戦が開かれるのは、いわゆるこけら落としとなった1997年と、翌年の1998年以来、9年ぶりの開催。当時も土曜日の開催だったが、両チームとも明らかにその当時よりファンを増やしている。ファイターズは一軍が北海道に移転してから年間10試合程度の東京ドーム主催試合を組んでいるが、東京ドーム主催試合やライオンズやマリーンズのホームゲームで関東圏に来る時には関東圏のファイターズファンは、近場で観られる機会が限られている分かえって集中して来場する傾向があるようだ。今年は東京ドームでの公式戦主催試合は8試合。対ジャイアンツ交流戦でジャイアンツの本拠地として東京ドームで試合をすることはあるがこれはビジター。他にオープン戦で1試合東京ドーム主催試合が組まれているがこれは平日のナイトゲームで、オープン戦で土日に関東圏で主催試合を組むのは今年は明日の鎌ヶ谷のみ。マリーンズファンともども相当の来場が見込まれるだろう。

この試合のチケットの前売りが発売されたのは2月10日。ファイターズスタジアムの窓口以外ではローソンチケットのみがチケットを扱った。発売開始日は土曜日だったが敗戦処理。にとっては出勤日だったため、一緒に観戦予定の知人にチケット購入を託した。ローソンチケットの電話は案の定つながりにくく、知人はスタジアム窓口で直接購入した。ちなみに今週の日曜日の昼過ぎに敗戦処理。が地元のローソンのLoppiでこの試合のチケットの発売状況を調べてみたら、定価2,500円の内野S(ネット裏)指定席と1,200円の外野芝生席は完売。残る2,000円の内野A指定席もファイターズ側の三塁側が完売でマリーンズ側の一塁側が残っているのみだった。

球団の公式サイトによると前売りで全て売れてしまった場合には当日券は無いとのことだが、当日券を求めるファンが当日スタジアムに訪れることもあるだろう。トラブルが心配だ。

また当日は、イースタンの試合では使用できる球場の駐車場は全面使用禁止。最寄りの東武野田線、鎌ヶ谷駅からは午前10時から15分おきに、新京成、北総鉄道、東武野田線の新鎌ヶ谷駅からは同じく10時から20分おきにそれぞれ無料シャトルバスが出る。それ以外はそれぞれの駅からタクシー利用ということになろうが、いずれにしてもかなりの混乱になるだろう。

鎌ヶ谷では通常トランペット応援は禁止されている。イースタンの試合ではファイターズの応援は太鼓がリードする。当然一軍の試合でも禁止だろう。一説によると球場保持のため「稲葉ジャンプ」も禁止されるという噂もある。だらだらといろいろ書いているが、要するにオープン戦とはいえ一軍の試合をするのは無理がある施設だと言うことだ。

救いはSHINJOが引退したことか<苦笑>

ひょっとしたら、スタンドの大半をマリーンズファンに占められるという不安もある。このカードはパ・リーグの開幕カードで今月2425日に千葉マリンで対戦する。いわば開幕カードの前哨戦で、それだけにマリサポの熱気が並々ならぬものであることは容易に想像が付く。

ドキドキするが、ワクワクする。

今年も生観戦でドラマを楽しめる時期についになったのだ。

今のところ天気も良さそうだし、楽しみだ。

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「生」観戦した野球場(12)-ファイターズスタジアム(2006.7.16)

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2007年3月 1日 (木)

「生」観戦した野球場(27)-札幌ドーム

01_90 いろいろな野球場で日本のプロ野球を観てきました。その数40以上。だからどうしたと言われればそれまでですが。

このコーナーでは敗戦処理。がプロ野球の試合を観戦した野球場について順に書いていこうと思います。月に1~2球場の割合で書いていこうと思います。また、シーズン中に新たな球場に行ったら加筆していこうと思います。

27回 札幌ドーム 観戦球場ファイル-26

今回は敗戦処理。が応援するファイターズが2004年から本拠地にしている札幌ドームを取り上げる。札幌ドームは2001年6月にこけら落としが行われた。日本で六番目のドーム球場である。こけら落としのカードは例年札幌円山球場で行われていたジャイアンツの年一回のいわゆる札幌シリーズで、6月26日からの三連戦。対戦相手はドラゴンズで福留孝介が札幌ドーム第1号の本塁打を放った。

札幌ドームが他のドーム球場と決定的に異なる点は屋根やスタンドを可動式にすることで隣接するサッカー施設を全天候で使用できる点。北海道という土地柄必要不可欠なシステムと言えよう。こちらはJリーグのコンサドーレ札幌がホームグラウンドとして使用しているが、同クラブがJ2に降格してからは、より使用料の安い施設で試合を行うようにシフトされ、降雪等に悩まされる時期のみ札幌ドームを使用するようになったという。

ドームが出来た時点ではプロ野球チームが本拠地として使用する話がまとまっていた訳ではない。最初に手を挙げたのはファイターズではなくライオンズ。埼玉県の所沢にある本拠地をそのままに、札幌ドームを準本拠地と設定し、年間2030試合程度の公式戦を行う構想を当時の堤義明オーナーが語っていた。

実際ライオンズはジャイアンツがこけら落としをした約半月後、マリーンズを相手に札幌ドームで三連戦を主催した。

ライオンズが「準本拠地化」という新たな概念を打ち出したのは、本拠地の西武ドームでの観客動員が頭打ちになっているので、これまでプロ野球チームの本拠地になったことのない地域に足を伸ばすという発想があったのだろう。ただし完全移転となると自社で所有する西武ドームの利用価値がなくなるため、二股をかけるしかなかったのだろう。そうは言えない堤オーナーはこの当時「(札幌では)増やしても30試合にとどめたい。北海道という土地は各地の人たちと交流があり、いろいろな球団の主催でゲームをやれば各地の出身の人が楽しめるから」と答えていた。

当時この件に関して@niftyのベースボールフォーラムの議論系の掲示板の常連の論客の一人が、「ライオンズの選手達は所沢の本拠地の近くに住んでいる選手が多く、札幌で試合を開催するたびに彼らが羽田空港まで車で移動するのは道路渋滞や時間を考えると強烈なストレスになる」と懸念していたが、幸いにもその懸念は杞憂に終わった。東京ドームを本拠地とするファイターズが全面移転を打ち出したのである。

十二球団で最も多くのファンを持つジャイアンツと本拠地を同じにすることで差別化、独自性を打ち出せなかったファイターズは東京ドームが出来た当時こそ主催者発表ながらリーグトップの観客動員を誇っていたがその後は年々ジリ貧状態で、抜本的な打開策が必要な時期だった。2002年3月21日、日刊スポーツなどが一面でファイターズの北海道移転計画を報じた。

これに慌てたのがライオンズ。2002年の開幕戦を両リーグ同一日にし、出来るだけ日本全国各地で試合を行おうという企画に乗って、開幕戦を所沢でなく札幌ドームで行うことにしたくらいで、オーナーの準本拠地化構想に沿う実績造りをしていたところに寝耳に水だった。

地元札幌、北海道の人々の声も、松坂大輔、松井稼頭央らスター選手の多いライオンズとはいえ、完全な移転でない形では「オラが街のチーム」との愛着を持てないと思ったのだろう。まだSHINJOも在籍しておらず全国区の選手などいないものの、完全に移転する球団の方に思い入れが強くなるのは当然だろう。

この両球団による札幌ドーム争奪戦には裏があり、ファイターズが札幌ドームに移転してしまうと、空いた東京ドームはその分を埋めようとして、石原慎太郎東京都知事が構想を持っているといわれる後楽園競輪の復活話が本格化する(東京ドームの位置は後楽園競輪の跡地)。そうなると西武グループが運営する西武園競輪にとっては客足が奪われて大きな打撃を負いかねないというのっぴきならない背景があったのではないかと、この当時インターネットの巨大掲示板で囁かれたものだった。ファイターズの札幌ドーム移転が明らかになったこの年、親会社の日本ハムの食肉偽装問題が発覚したのは偶然ではないとも巨大掲示板では囁かれた。もちろん根拠があっての話ではないが。

敗戦処理。の札幌ドーム初観戦はファイターズの移転計画が明らかになるちょっと前の2002年3月9日、ジャイアンツ対ライオンズのオープン戦だった。松井秀喜、清原和博による二者連続本塁打が飛び出し、圧倒的に多いジャイアンツファンを驚喜させたが試合は引き分けだった。その後ファイターズが移転してから2004年と2006年にそれぞれゴールデンウイークに生観戦した。これまではすべてデーゲームなので、今度はナイトゲームも観てみたいものだ。

ご承知の通り昨年、移転三年目のファイターズが日本一を勝ち取った。特にシーズン終盤から、地元ファンによる圧倒的なホームアドバンテージの元で試合が行える環境が整った。東京ドーム時代、ヘタをすると本拠地なのに相手チーム応援団の熱気に圧倒されかねなかった時代を知るものにとって隔世の感がある。甲子園とも、福岡ドームとも異なる独特の雰囲気が球場全体を覆っているといわれる。

奇しくも今夜、今年初めての札幌ドームでのファイターズの試合が行われる。小笠原道大が抜けてチーム力の低下が懸念され、スーパースターSHINJOの引退で集客力のダウンも間違いない中、ファイターズが道民球団として本当に定着するかはこれから一、二年が勝負だと思う。「札幌、北海道の人達は熱しやすいが冷めやすい」といわれる。球団としては何が何でも東京ドームバブルの二の舞いは避けなければならないし、札幌ドーム側としてはチームの強弱に左右されない、長く安定した動員力があって初めて「オラが街の球団」だという危機感があるだろう。先日表明したネーミングライツの件は札幌ドーム自体の問題ではなく札幌市自体の歳入増大計画の一環と聞いているが、昨年の大ブームに浮かれない、地に足のついた将来展望に基づいての計画であれば肯定したい。

ちなみに札幌ドームのネーミングライツをどんな企業が買うのか、@niftyのベースボールフォーラムの北海道日本ハムファイターズ掲示板で予想してみたのでご一読いただければ幸いである。3700.札幌ドームの命名権はどこへ?

01_91 初観戦した2002年時の札幌ドーム内観。冒頭の、昨年5月に撮影した写真と比べると、この頃あった内野席のネットが取り外されているのがわかる。横浜スタジアムという前例があるものの、結構大胆だ。

(見分けづらいですね。ゴメンナサイ)

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