王貞治展に行ってきました。
前エントリーで触れた今日のジャイアンツのオープン戦観戦に先立ち、敗戦処理。は日本橋の三越で開催されている「王貞治展」に行ってきました。先日は長嶋茂雄氏も訪ね、ONのツーショット写真がスポーツ新聞などを飾っていたのでご存じの方も多いのではないだろうか。何を隠そう、敗戦処理。は王貞治マニアである。野球に興味を持ち始めた頃に晩年のミスターを観て、王さんの本塁打記録更新に一喜一憂した世代に当たる敗戦処理。にとって、たいがいの王貞治トリビアは頭に入っているとはいえ、やはりあらためて観てみたいもの。
この展示は報知新聞の創刊135周年記念の行事であり、主催は報知新聞社であり、読売新聞社と日本テレビ放送網が後援している。現在王監督が所属している福岡ソフトバンクホークスや読売巨人軍は協力という形で名を連ねている。
日本橋三越本店の新館7階にある会場に向かってまず驚いたのは、会場前の一角で「ナボナ」で王監督とつながりの深い亀屋万年堂が臨時出店していることだ。現役当時の王監督のCMポスターが掲出され、店頭では懐かしい「ナボナはお菓子のホームラン王です」のフレーズが印象的だった当時のテレビCMがビデオで流されていた。この当時の後楽園球場は内野も外野も天然芝だったのだ。この時代の後楽園の映像には最近ではなかなかお目にかかれない。
根来泰周コミッショナー代行や両リーグ会長からの花、ホークスの孫正義オーナーにジャイアンツの滝鼻卓雄オーナーなどの花などが飾られる会場入口を入ると、王監督の高校時代や現役時代からのゆかりのものやパネルなどが多く飾られている。土曜の午前中ということもあって会場には王監督と同年代かそれ以上という人がほとんどだった。日本橋三越というブランドもあってのことだとは思うが。
王監督に因んだ展示としては敗戦処理。は以前に王監督の出身地である東京・墨田区で王監督の幼少時の頃にちなんだ展示会を見物したことがあるが、その時には王監督の実家の中華料理店「五十番」のどんぶりが飾られていて大いに感動したものだが、今回は残念ながらそれを上回るインパクトのものはなかった。子供の頃に王選手にまつわる本を何冊も読みあさった敗戦処理。にとっては新たなる発見、感動はなかったが、懐かしさがひしひしと蘇ってきた。
そして、デーゲームで行われるオープン戦観戦の後ではなく、敗戦処理。が先にこの展示を訪ねたのは理由がある。この日の11時から行われる荒川博氏のトークショーを観たかったからだ。展示会場が7階でトークショーの会場が1階と離れている不便さはあったが、こちらも王監督と同年代かそれ以上と思われる方が中心に100人以上の賑わいだった。
元日本テレビの吉田填一郎アナウンサーの進行で荒川博氏のトークショーが始まった。もちろん荒川さんといえば王選手に一本足打法を仕込んだ打撃の師匠。一本足打法の誕生のいきさつから、ハンク・アーロンの記録に挑戦した年に不振だったのを荒川さんが再指導してスランプから脱出して量産体制に入ったとか、おなじみのエピソードを披露していた。荒川さんの姿を観たのは昨年、スワローズが東京六大学の選抜チームと試合をした時に東京MXテレビの放送席にゲストとして出演し、早稲田大学の後輩、広岡達朗氏とともに大学時代の思い出などを試合展開お構いなしに語っていたのを観て以来だ。その前になると、たぶん1999年に大阪近鉄バファローズの球団創立50周年を記念して大阪ドームで行われた旧バファローズとジャイアンツのOB戦にまでさかのぼらなければならない。荒川さんはトークショーの中でもふれていたが、現在は子供たちにティー・ボールを指導しながら野球の楽しさを教えているという。
荒川さんの現役時代、気分転換に散歩をしていたら中学生が野球をしている。いい左投手がいるのだが、何故か右で打っている。よせばいいのに口を出して左打席で打たせたら見事な二塁打を放った。「あの時に王がそのまま右で打っていたら、アタシはそのまま帰っただろうね。人間の出逢いなんて不思議なものですよ。それですぐ早実に来いってすすめたね」
一本足打法を初めて試合で披露した試合で本塁打を放ったことに関して「まだ未完成だったんだけど、試合前に投手コーチから『荒川、王を何とかしろ』って怒鳴られて仕方なく王にやってみろと言ったの。そうしたら出たんだね。でもあれはまぐれですよ。まだとてもそんなレベルじゃなかった。」などと敗戦処理。が子供の頃に買った本に出ていたエピソードばかりでなく、
遠征先の宿舎で王が試合後、朝まで部屋で素振りをしていたら真下が川上哲治監督の部屋で川上監督が寝不足になったとか、「打撃の神様」といわれたその川上監督のアドバイスでも時には拒否するのに荒川コーチの指導には絶対服従だったなどという荒川さんのプチ自慢や、ハンク・アーロンの本塁打記録を超えた時に王選手の家には電報が殺到したのに対し、荒川さんは「アタシのうちには一通だけ<苦笑>。 でもその一通が川上さんからだったんですよ。『記録のことを一番喜んでいるのはキミだろう』って。あん時はうれしかったねぇ」等という感じで往年の荒川節が健在だったのが何より嬉しい。また「清原は王よりも才能はあるんだろうけど、努力しないからあの程度なんだろうね。そういう意味じゃ王ってのは努力の天才なんだろうね。」と打撃コーチ目線の健在ぶりもうれしかった。
もちろん、かつて日本テレビの巨人戦中継の顔とも呼ばれた吉田元アナの名調子も懐かしい。正直に言うと、当時はテレビの前でよくツッコミを入れていたものだが、今となっては良い思い出だ。最近の日本テレビの実況アナウンサーよりははるかに上。
現在ではラジオ日本で要職に務めている傍ら、現役のアナウンサーとしてマイクの前に向かうこともあるという。束の間ではあるが、日本プロ野球の古き良き時代にタイムスリップしたような錯覚に浸らせてもらえた。
荒川博さんは王さんより十歳年上とのことだから76歳か。いつまでもお元気でいて欲しいものですね。
ちなみに明日18日は同じく午前11時から張本勲氏のトークショーが予定されている(トークショーは無料で楽しめる)。「喝!」の生放送を終えてから赤坂から日本橋に移動するのだろう。
明日と、春分の日と次の土日と会期中に休みの日が四日間もある。
王監督のファンの方、王選手の時代に思い入れの深い方はぜひ会場に足を運んで味わってきていただきたい。
■ 大好きな野球-王貞治展■
3月13日(火)~3月25日(日)
東京:日本橋三越本店新館7階ギャラリー
午前10時~午後7時30分
(最終日は午後6時閉場。入場は閉場30分前まで)
入場料:一般、大学生800円/高校、中学生500円
(小学生以下無料)
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