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2007年3月10日 (土)

ライオンズ球団「栄養費問題」発覚が示唆するもの。

9日、ライオンズ太田秀和球団社長兼オーナー代行が緊急記者会見を開き、過去にスカウト活動においてアマチュア選手にいわゆる「栄養費」という形で利益供与していたことを明らかにした。対象は2人の選手で、一方の選手には2004年8月にジャイアンツが当時明治大学の一場靖弘に対して「栄養費」を払っていたことを発表した際に供与を止め、もう一方の選手に対しては2005年6月の「倫理行動宣言」後も支払っていたという。一場靖弘の件ではジャイアンツ以外にも同様の行為をしていたタイガース、ベイスターズの三球団のオーナーがオーナー職を辞任する事態にいたり、その後のドラフト制度改革への動きを高めさせた。今回のライオンズ球団の件は今後さらなる調査の上、球団首脳に処分が科される展開が予想できる。

だが一場問題発生当時は球団合併、球界再編騒動の最中でその方向性にも影響を及ぼしたと言われた。今回も関係者、責任者の処分だけでは終わらず、何かに波及する気がする。

根来泰周コミッショナー代行はライオンズ球団の会見後、広報を通じて「報告は受けた。西武が今後も徹底調査を継続すると言っているので、その報告を待って厳正に対処する」とコメントを出した。しかし2005年6月20日に発表した倫理行動宣言では、

3.この宣言に反する疑いがある場合は、プロ野球実行委員会に調査委員会を設置するなどして事実関係の調査を行うこととし、各球団はこれに誠実に対応する。

とある。問題が起きた当事者球団の内部調査で事の全容、真実が明らかにされるとは限らない。コミッショナー代行にはライオンズ球団による徹底調査を待つのではなく、直ちに倫理行動宣言にうたった調査委員会設置を指示するように求めたい。

それでなくてもライオンズ球団の太田社長は昨年8月の時点で不正に事実を把握していたと自ら語っているのだ。半年以上公表していなかったことになる。太田社長は昨年2月に就任し、8月に前任の社長から聞いたという。10日付日刊スポーツによると、公表が遅れた理由を太田社長は「最初は終わったこととの認識だった。情報提供があって再調査した。隠蔽というわけではないが、報告が遅れたのは私の怠慢」と語った。

前出の倫理行動宣言では別項で

4.これらの申し合わせに反した場合には、コミッショナーの定めるいかなる制裁にも服する。

としている。違反行為に対する制裁の対処方針として「例えばドラフトのルールに違反し、その情状が極めて重いときには、次回のドラフトに対する参加を拒否するごとき処分も考慮する」とある。ここまで定めた以上、身内による、なあなあの処置でお茶を濁す訳にはいくまい。繰り返しになるが強制力のある調査委員会を直ちに立ち上げるべきだ。

ところで冒頭にも書いたが、倫理行動宣言のきっかけにもなった当時明治大学の一場靖弘への栄養費問題は、当該球団のオーナーのオーナー職辞任のみならず、当時世間を騒がせていた球界再編騒動の動きを左右したともいえる。

この年の6月に旧バファローズ球団の近畿日本鉄道による球団経営が困難になったための合併問題が起き、それを突破口に球界再編の動きが激化した。従来のような球団の身売り(オーナー会社の変更)ではなく合併で、球団数減少を意味し、それが「パ・リーグでもう一組の合併」という当時のライオンズの堤義明オーナーの発言でさらに現実味を帯び、多くのファンの思いを無視した一リーグ化に急速に傾いていた時期に、その旗振り役と思われていた当時のジャイアンツの渡邉恒雄オーナーの辞任は急速な動きへのブレーキとなった。

その後前述の倫理行動宣言が発表され、球界全体で襟を正そうとしていたわけだ。ドラフト制度もマイナーチェンジながら分離開催という形に変わり、つい先日も今年からのドラフト制度の方向性をまとめていたところだ。その議論の過程で今春のキャンプ期間中には現役スカウトの間では「不正は消えた」などの報告もあったというが、今回のような発表があると、もはや当事者の発表に信憑性を持てない。

ドラフト改革に関する議論を重ねていた十二球団代表者会議ではもう不正行為はなくなったとの前提の元、この二年間のドラフト方式(高校生ドラフトを分離、希望枠制度の存続)を継続する方向で来週13日には選手会サイドと打ち合わせをする予定だった。かねて希望枠(名称にかかわらず、選手が希望する球団を選べるシステム)の撤廃を主張している選手会が「はい、そうですか」と同意するはずもなく、ドラフト改革に関しても仕切り直しになるだろう。

そもそも現役スカウトが「不正は消えた」と口を揃えたところで、ファンに疑念は消えていたとは思えないから、単なる「現状維持」に過ぎない現行ドラフトの継続という結論がファンに受け入れられるかは甚だ疑問であるし、敗戦処理。個人としても到底賛成できない。ドラフト改革に関してはおいおい書こうと思っているが、今回のような不正発覚とかがないと、変わるべきものが変わらないというのは球界再編騒動から二年あまりが過ぎ、球界に危機感が欠如している証明に他ならない。

敗戦処理。が@niftyのベースボールフォーラムで議論系の掲示板に参加する際に付記しているフッターをこのブログのエントリーでもあらためて書いて締めくくりたい。

以上、球界よ、喉元過ぎても熱さを忘れるな!
敗戦処理。でした。

P.S.

今回のライオンズ球団の不正発覚に際し、アマチュア球界からのコメントが掲載されているがその中で?なものを一つ見つけた。

日本野球連盟 後藤専務理事

「もし社会人から出たとなれば、ちゃんと確定申告をして、きっちり対処する必要がある。」

何なんですかね、この人? そういう問題なのですか?例えは悪いですが「泥棒は盗んだものを返せばいい」と言っているようなものでしょう。払う側の問題ばかりが問われますが、もらう側の論理も考えてみないといけないでしょうね。

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