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2007年3月13日 (火)

竹は地面で3、4年埋まったまま、土の上には出てこないが、一度顔を出せばぐんぐん伸びる。

標題の言葉は12日のデイリースポーツに掲載されていた大相撲の貴乃花親方のインタビュー記事からの引用です。

「平成の大横綱」と言われた元横綱・貴乃花の貴乃花親方が率いる貴乃花部屋には現在関取(大相撲の力士で一人前と見なされる十両以上の力士)がいない。そのことについてインタビュアーが例えば外国人力士とか、学生相撲出身の力士を弟子にする考えはないのか聞いたところ、貴乃花親方から帰ってきた答えです。

竹は地面で3、4年埋まったまま、土の上には出てこないが、一度顔を出せばぐんぐん伸びる。

貴乃花親方は「『たたきあげ』を育てることが私の使命だと感じています」と答えてから、このフレーズを用いました。

デイリースポーツといえばタイガースファン御用達のスポーツ紙ですが、原辰徳監督やジャイアンツのフロントに聞かせたいコメントですね。

実は昨年の暮れから、テレビで観た原監督の発言でどうにも気になっていた言葉があります。

「我々の軍団は『誤ること はばかることなかれ』だから。間違えたと思ったら新しいものを入れようということに対して全然怖くないから やってみよう」

昨年1127日に放送されたテレビ朝日の「Get Sports」で流れたものですが原監督が復帰した年の開幕前の宮崎キャンプで語ったセリフです。

誤ること はばかることなかれ」は諸葛孔明の言葉らしいが、原監督流の解釈では、要するに失敗したらそれはそれとしてすぐに別の手段を講じればよい、失敗を恥と思う必要はない。-という意味のようだ。選手補強に湯水のごとく資金を注入する、まるでバブル絶頂期の設備投資のような感覚で2006年のシーズンに臨んでいたのであれば、あの結果もなるべくしてなったのだと納得せざるを得ない。

實松一成、古城茂幸、小関竜也、木村拓也、ジョージ・アリアスの獲得は原辰徳流発想から来たものだったのだろう。

このオフもまた大型補強にシフトした。

せめてもの救いはこのオフの補強は文字通り「補強」であって、足りないところを補って強くしようという視点が定まっているところだ。ただし貴乃花親方の発想からすれば、工藤公康にプロテクトをかけなかったことが後々響いてくるはずだが。

オープン戦で希望枠ルーキーの金刃憲人が好投したり、育成選手から晴れて支配下選手に登録された松本哲也が走り回ったり、二岡智宏の故障でショートを守っているのがルーキーの円谷英俊や寺内崇幸だったりする点に昨年までのジャイアンツとは違う点があると期待したいがどうなのだろうか。

さらに遡れば、昨秋の高校生ドラフトでは今春のキャンプ、オープン戦で片鱗を見せている田中将大や増淵竜義らには目もくれずに堂上直倫を指名し、抽選で外れても坂本勇人を始めオール野手の指名だったことに三、四年後に不足する部門がどこかをしっかりと考えた成果を垣間見ることが出来る。

貴乃花部屋から三役クラスの力士が出るのが先か、ジャイアンツから生え抜きのスターが育つのが先か。

原監督は関西遠征の合間を縫って大相撲春場所で来阪している貴乃花親方に頭を下げ、教えをこいてはどうか。

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