地元?鎌ヶ谷で開幕カードのマリーンズ相手に完敗…<涙>。
昨日書いた通り、行ってきました。世紀の暴挙?-ファイターズの二軍本拠地、鎌ヶ谷ファイターズスタジアムでの一軍のオープン戦、対マリーンズ戦を生観戦してきました。例年ならこの場所でこの時期にこの両チームが対戦することはあってもそれはイースタン教育リーグだったりするわけですが、今年は何をとち狂ったのか、一軍のオープン戦を、それも土曜日に組んできたのです。(写真は外野席の外から観戦するファン。無料?)
案の定というか、午前11時過ぎの時点で球場までのシャトルバスが出る鎌ヶ谷駅前のバスロータリーで「当日券は完売しました。入場券をお持ちでないお客様は入場できません」とのアナウンスが出ていました。外野芝生席を含めて5千人弱のキャパシティーしかない球場で一軍の試合をすること自体が無謀ですね。
普段(イースタン・リーグ開催時を指す。以下同)ならこのバスロータリーからバスに乗る際に、だいたい何人かは見覚えのある人が多いのですが、今日は全然違います。ここはマリーンズのホームタウンである訳です。マリサポがバスを待つ列に大挙しているのです。
普段はこのバスは片道100円で、行きも帰りも球場で料金を払うのですが(バス代回収係が元選手の菅野光夫さん=現寮長だったりする)、今日は無料。球場の駐車場を開放していないのでおのずとこの鎌ヶ谷駅と、新鎌ヶ谷駅からのバスに集中する。
ついてビックリ! というか予想できたが、普段はない出店が並んでいて、観客がごった返し。ファイターズのマスコットのB☆Bとカビーがお揃いでお出迎え。片や一軍帯同、片や鎌ヶ谷専属?でこの兄弟(兄弟なのです、実は。)のツーショットは実は珍しい。ファイターズファンだけでなくマリーンズファンにも囲まれ、サイン、記念写真攻めに。何故かこの日のカードとは関係ない ドアラ のぬいぐるみをB☆Bに持たせて写真を撮っているファンもいた。敗戦処理。もしばし余韻に浸っていたが、ベースボールフォーラムでお世話になっているマリーンズファンのCさんに遭遇。この方とは偶然現地で会うということが多い。
チケットを持たずに現地まで来てしまった人のために追加で立ち見用の入場券を発売したとかしないとか。それじゃ鎌ヶ谷駅で諦めた人は諦め損だったのか?
前もって入手したネット裏S指定席に座ると、普段は観客を入れていない外野芝生席が試合開始1時間以上前にもかかわらず9割以上埋まっている。ビジター側のライトスタンドはいつものように黒一色。普段の鎌ヶ谷ならネット裏の最前列はヤジのキツイ常連のオヤジ達のたまり場、いや失礼指定席になっているが、今日はその常連のTさんの姿も、甲高い笑い声も聞こえてこない。ちょっぴり寂しい。最前列には地元鎌ヶ谷のファイターズ支援団体の方々や、いかついマリーンズのスコアラーが陣取った。ファイターズ先発予定の新外国人、ブライアン・スウィーニーを丸裸にするつもりなのだろうか。
試合はファイターズがそのスウィーニー、マリーンズが清水直の先発。清水直はこれから土曜ごとに登板し、24日の同じカードの開幕戦(千葉マリン)に照準を合わせていくのだろうか。ファイターズは稲葉篤紀、フェルナンド・セギノールといったベテラン、新外国人のアンディ・グリーンに加え、超ベテランの田中幸雄までスタメンに名を連ねる現状でのベストオーダー。昨年の今頃はまだ投手だった糸井嘉男が六番でセンターに入った。打順は田中幸雄の前を打つ。マリーンズも今江敏晃、福浦和也、サブローがスタメンにいないが西岡剛あらためTSUYOSIや、新加入のフリオ・ズレータら錚々たるメンバーで、一部で不安視された「教育リーグの有料化」状態ではなく一安心<苦笑>。
もうひとつ普段と違ったのは外野席の両軍の応援団に鳴り物応援が認められていたこと。普段の試合ではせいぜい太鼓一台だけ。トランペット応援が認められていれば、シーレックスの応援団などは例えば北川利之にはCMで有名な某専門学校のCMソングを使用しているようにベイスターズとは一風変わった応援スタイルを展開するのだろうが、ここは普段は鳴り物禁止。そういえば普段は捕っても回収されるファウルボールを今日はサービスしていたようだ。
いつもと変わらなかったのはマリーンズの清水直の投球。先発して3イニングを無失点。稲葉、グリーンに逆方向にシングルを打たれ、田中幸雄にはセンターポーバーの二塁打を浴びるが、糸井や鶴岡慎也といった若手には格の違いを見せつけた感じだった。
一方のスウィーニーは緩急でマリーンズ打線を翻弄していた感じだ。まだお互いに相手の手の内を知らないということもあり、こちらは清水直より1イニング多い4イニングを被安打1の無失点に抑えた。トレイ・ヒルマン監督がダルビッシュ有と八木智哉の二本柱を同じカードに投げさせない方針ならば開幕のマリーンズ二連戦の二戦目の先発ということもあり得る訳だが、ネット裏のマリーンズ偵察隊の眼にどう映ったか。
そのスウィーニーがマウンドを降りた五回表。二番手の須永英輝がマウンドに上がると共に、稲葉が退いて坪井智哉がライトの守備に入った。坪井は昨シーズン終了時に一度は戦力外通告を受けてトライアウトまで受けたものの獲得する球団が無く、何故か元のさやに収まったのだが、こういう選手にファンは暖かい。ファイターズファンばかりでなく、ライトの守備位置ではマリーンズファンからも大きな声援を受けていた。坪井智哉公式サイトを読むと戦力外通告→再契約までの間には筆舌に尽くしがたい水面下でのやりとりがあったことがうかがえますが、球団も坪井サイドも大人だったようで中村紀洋のような事態に至らなかったのはファンにとっては救いです。昨年は鎌ヶ谷で何回も坪井のプレーを観ましたが、今年は鎌ヶ谷ではこれっきりにしてほしいものです。
そして対照的に今年も鎌ヶ谷に居座りそうなのが二番手で登板した須永。岡島秀樹、ブラッドリー・トーマスらが抜けて左手で投げる投手にはいっぱいチャンスがあるファイターズ投手陣なのですが、須永にはまだそれがわかっていないようですね。
五回表は何とか二死を取った後、代打の青野毅に四球。全体に球がうわずっており、敗戦処理。がネット裏で観戦していたこともあり、ストライクとボールがはっきりしているのがわかります。何か意図があって、警戒しすぎての四球なら仕方がないのでしょうが、そうは思えません。このイニングは後続を断ちましたが、続く六回表、渡辺正人に四球を与えた後、いかにもストライクを取りにいった球をサブローに右中間スタンドに放り込まれました。
紅白戦などで今年の須永は一味違うとの報道もあって期待していたのですが今日に関する限りでは昨年までの須永と変わりありません。チームは明日、神戸でバファローズ戦、その後西日本での試合が続きますが、鎌ヶ谷居残り指令が出てもおかしくない内容でした。
ファイターズ打線は清水直の降板以降も小刻みなマリーンズの継投に手も足も出ません「稲葉ジャンプに外野芝生席は耐えられるのか」とか心配されましたが三番を打つ稲葉の前に走者が出ないのでパフォーマンスできず。そういえば最後まで「北の国から」が聞けませんでした(チャンスらしいチャンスすらなかった)。
キャンプから評判のルーキー金子洋平は途中から森本稀哲に代わりレフトに入り打席にも立ちましたが、背中に死球を受けたため豪快なスイングを観ることが出来ませんでした。残念。
マリーンズが九回表にファイターズ四番手のルーキー山本一徳から大塚明のタイムリー二塁打で1点を加え3対0。これまた四球がらみの失点でしたが同じ期待のサウスポーでも山本には須永と比べて攻める気持ちのようなものが伝わってきたので、いい勉強をしたというところでしょうか。
最終回にファイターズは糸井がこの日二本目の長打となる右中間三塁打を放った後、小谷野栄一が三塁線を破る二塁打を放って1点を返しましたが反撃もそこまで。二試合連続完封負けを免れるのがやっとというザマでした。
【3日・ファイターズスタジアム】
M 000 002 001 =3
F 000 000 001 =1
M)清水直、○加藤、藪田、松本、荻野、S神田-里崎
F)スウィーニー、●須永、菊地、山本-鶴岡、今成
本塁打)サブロー1号2ラン(須永・6回)
糸井のもう一本の長打は変速サウスポーのルーキー、松本幸大から流し打ってレフトのラインぎりぎりに落とす二塁打。現時点でまだ打者転向まる一年未満であることを考えれば、かなりのセンスと思える。コンバート当初はとても危なっかしかった守備もだいぶマシになってきた。前述の坪井、金子洋とのポジション争いが楽しみだ。
試合が終盤にさしかかり、何となくまったり感が漂ってきた当たりで、鎌ヶ谷名物のあの甲高い笑い声がネット裏三塁方向から聞こえてくるようになってきた。やっぱりTさんは鎌ヶ谷にかけつけていたのだ。姿こそ確認できなかったが、あのTさんに間違いない。毎年、その年の最初の鎌ヶ谷での観戦でTさんの姿を見つけると何故か安心し、いないと心配になるものだ<笑>。Tさんのことだ、明日もきっと鎌ヶ谷に来るのだろう。
明日は鎌ヶ谷では教育リーグの対ジャイアンツ戦。普段の鎌ヶ谷に戻るだろう。明日も行こう。
【関連エントリー】
世紀の暴挙?-観客収容力5000人弱の鎌ヶ谷ファイターズスタジアムで土曜に一軍オープン戦を開催!? (2007.3.2)
「生」観戦した野球場(12)-ファイターズスタジアム(2006.7.16)
3月4日追記
この日は一軍のオープン戦で使用するということで、センターのスコアボード上に両球団の球団旗などの他に昨年の一軍が勝ち取った日本一のチャンピオンフラッグが掲げられた(たぶんこの一日だけであろう)。試合終了後にはファイターズの監督、コーチ、選手がマウンド付近に整列し、ファームの本拠地のファンに一年間の声援への御礼と優勝報告を行った。
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コメント
Eagles fly free 様、コメントの返事が遅くなってしまいました。
>敗戦処理。さんのファームで汗を流す選手に対する雑感、将に仰る通りだと思います。
私がアマチュア野球を観る際にも、同様のことを感じますので。
アマチュアの試合までも多く観戦されているという点に素直に感銘します。
敗戦処理。はせいぜいドラフトの目玉選手が出場する試合を近場でやっていれば一年に一回程度観戦する身です。
ファーム観戦というものは、ファームといっても自分の贔屓チームの一部であるわけですから、応援するチームのゲームを生で観たいというファンとしての欲求の延長線上にあるものと自分ではとらえています。
ただそれがいつの間にか手段ではなく目的になってしまったようで、贔屓チームと対戦するイースタンの他球団に対しても妙に愛着がわくようになってきました。
イースタンの試合で自分の贔屓チームを痛い目に遭わせていた選手が一軍に昇格して活躍したりすると「やっぱり○○選手はファームにいつまでもいる選手ではないな」などと感心したりする自分に時に怖くなります<笑>。
そんな訳で二年前まで主に二軍で活躍していた元マリーンズ選手の店で行われたベースボールフォーラムの仲間達などとの忘年会、新年会に参加しましたがその元選手に現役時代から親近感を持っていたような錯覚に陥りました。
今日(18日)もジャイアンツ球場か鎌ヶ谷で教育リーグを観戦しようかと思っていたのですが体調が今一つなので休みました。
代わりにという訳ではありませんが、かねて暖めていたドラフト案を書いてみましたのでお時間のある時に目を通してやって下さい。
投稿: 敗戦処理。 | 2007年3月18日 (日) 23時14分
こんばんは。
敗戦処理。さんのファームで汗を流す選手に対する雑感、将に仰る通りだと思います。
私がアマチュア野球を観る際にも、同様のことを感じますので。
我々が観戦していて感じるような「ブレ」を無くしていける選手が、一軍で活躍できる選手なのかもしれませんね。
なんにせよ。
「あの選手は昔、こうだったなぁ」
こんなふうに振り返ることが出来るというのも、長く野球を観続けていればこその楽しみですよね。
投稿: Eagles fly free | 2007年3月12日 (月) 22時36分
コメントをありがとうございました。
>高校の時点では尾崎選手や長田選手の方が有名でしたが、人の運命とはわからないものですね。
敗戦処理。さんの中では、遂に今浪選手に取って代わられてしまいましたか^^;
ファーム観戦の面白さといってはナンですが、次に今浪を観る時には「やっぱり尾崎の方が上」なんてことになっていたりするのですね<苦笑>。
良かったり悪かったりを繰り返して選手は成長するものなのでしょうが、不連続というか、長続きしないのですね。
しかしある日突然、飛躍する選手がたまにいるので、だからこそ鎌ヶ谷くんだりまで足を運ぶ甲斐があるというものです。
Eagles fly free さんはアマチュア球界にも造詣が深いですね。金子洋平の件にしろ、貴重な情報をありがとうございました。
投稿: 敗戦処理。 | 2007年3月10日 (土) 00時37分
す、すいません。
コメントを投稿する箇所を、間違えてしまいました…
投稿: Eagles fly free | 2007年3月 7日 (水) 23時00分
こんばんは。
先日はコメントありがとうございました。
高校の時点では尾崎選手や長田選手の方が有名でしたが、人の運命とはわからないものですね。
敗戦処理。さんの中では、遂に今浪選手に取って代わられてしまいましたか^^;
と、それはさておき。
既にロッテの正遊撃手である西岡選手や、オリックスに入った大引選手など、この世代の遊撃手はかなりレベルが高いですよね。
敗戦処理。さんもご指摘の通り、今浪選手の守備はなかなかですし、高々と掲げられたバットから繰り出される振りもシャープですよね。
六大学の秋季リーグ戦では、何気に(笑)打率二位でした(ただ、イマイチ積極性に欠ける=早いカウントでの甘い球を見逃す傾向があるような気がします)。
どうも本人は大学で野球を辞めるつもりだった(ドラフトにはかからないと思っていた)らしく、指名にはかなり驚いたそうです。
ただ、元々プロへの憧れはあったようなので、是非このチャンスを活かして欲しいですね。
追伸
尾崎選手、2月の阪神との練習試合に出場していたのですが。
観るたびにスケールダウンしていくような気がして、ちょっと哀しいです。
同級生の入団に、いい意味で発奮して欲しいところですね。
報徳と平安で甲子園にも行っていますから、おそらく顔見知りだと思います。
投稿: Eagles fly free | 2007年3月 7日 (水) 22時57分