「生」観戦した野球場(29)-西武第二球場
いろいろな野球場で日本のプロ野球を観てきました。その数40以上。だからどうしたと言われればそれまでですが。
このコーナーでは敗戦処理。がプロ野球の試合を観戦した野球場について順に書いていこうと思います。月に1~2球場の割合で書いていこうと思います。また、シーズン中に新たな球場に行ったら加筆していこうと思います。
第29回 西武第二球場 観戦球場ファイル-28-
ライオンズのファームの本拠地として、イースタン・リーグで使用される球場。一軍の本拠地が近年ネーミングライツで名称が変わっており、そのネーミングライツを得た企業がファームのチーム名にも企業名をつける権利を得ているがファームの本拠地球場は「西武第二球場」という名称から変わらない。
それもそのはずで、ネーミングライツを得ようという企業にはそれぞれ思惑があるだろうが、追加料金を払ってまで買うほどの価値を見いだせない球場といって差し支えないだろう。
一軍の本拠地の裏にあり、その先に若手選手の合宿所もあり、練習、育成環境としては申し分のない場所にあるが、「西武ライオンズ球場」が出来た時の、大リーグの本拠地球場にも負けない豪華さといった印象からすると、ファームの球場のあまりの粗末さぶりには落胆せざるを得ない。
単なる空き地に囲いをつくっているだけと言っても良い環境で、観客席らしきものもネット裏に数えるほどあるだけで、そこ以外で観るファンは一塁側や三塁側のネット越しに土手に座って観戦するしかない。いっそのこと外野の後方で観戦しようかと思うと、場内アナウンスが聞こえない。観戦するには不自由が多い球場といわざるを得ない。
またマリーンズの浦和球場同様、スタンドがないため観戦時の目線がグラウンドレベルになるので、打者がゴロを放った時、その打球方向を瞬時に判断するのが困難という非常に厄介な問題がある。敗戦処理。はグラウンドを俯瞰で眺めながら観戦するのが好きなので個人的にはこういう球場は歓迎しない。(冒頭の写真からも目線の低さがわかるでしょう)
ただしマニアックな見方をしようと思えば、一、三塁側のブルペンのすぐ脇で観戦することが出来、登板を間近に控えたプロの投手が徐々に集中力を高めながら投球練習をする姿を目と鼻の先で見ることが出来る。
敗戦処理。が初めて生観戦した2002年5月3日のライオンズ対ファイターズ戦の時には三塁側ブルペンのすぐ脇に陣取ったが、ブルペン付近で素振りをしようとしたファイターズの選手が三塁塁審から「そこは素振り禁止だ。やめなさい」と注意を受ける声がはっきりと聞き取れたし、ファイターズの白井一幸二軍監督(当時)がピンチにマウンドに行く制限に関してミスをした時には球審がベンチ前に来て説明している内容も聞き取れたほどだった。さらにいえば、ファイターズのブルペンからは投手陣やブルペン捕手達による、とても仕事中とは思えないくだらない雑談まで聞こえてしまった。
以前にも書いたが、ファームの本拠地グラウンドが整備されていない球団は、少額であっても入場料を取れる体裁を整えるべきだと思う。少額であっても入場料を取り、ファームといえども選手達にお客さんからお金をいただいているという緊張感を持たせるべきだと思うからである。プロ野球選手の仕事は究極的にいえば投げるとか打つとかのプレーのみではなく、それによってファンの財布のひもを緩めさせ、球団の収入を増やすことであり、それが出来て初めてプロ野球選手として給料を上げて欲しいとか要求できるのである。
特にライオンズの場合、大学生、社会人出身の即戦力タイプだけでなく、例えば近年なら中島博之や中村剛也といった選手がファームから這い上がってくる土壌がある。そうした選手達にプロとは何ぞやを気づかせる意味でも、入場料を取れる設備にして欲しいのである。
スワローズの宮本慎也がこのオフの契約更改でファームの専用球場の施設改善を訴えていたが、その戸田球場と似たり寄ったりの西武第二球場をも、それこそ松坂マネーあたりで何とかしてもらいたいものだ。大幅なリニューアルが無理なら、せめて観客用の椅子を整備するなり、ファームの試合のためにわざわざ足を運んでくれるお客様をもっと大切にするという発想も欲しいところだ。
ライオンズのファームは、飯能市などの埼玉県内各市での主催試合を増やし、地元埼玉の新たなるファンを開拓しようという姿勢を見せているが、その試合で興味を持ったファンが、いざファームの本拠地に行ってみたら「うちの近くの高校野球の予選に使っている球場の方がよほどマシ」という印象を持つのが関の山だろう。
球団として今はもっと他に大切な大きな問題があるが、ぜひとも善処してもらいたい。
【関連エントリー】
「生」観戦した野球場(4)-西武ライオンズ球場(2006.3.16)
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