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2007年4月23日 (月)

【伝統の一戦】悪夢の逆転サヨナラ負けから二連勝!-今年のジャイアンツはひょっとしたらと思わせる四年前のあのこととの相似

今年初めて甲子園で行われた20日からのタイガース対ジャイアンツの三連戦。20日の第一戦、延長戦でジャイアンツが十二回表に3点を奪って4対1とリードしたものの満を持して投入した豊田清がその裏に4点を奪われて悪夢の逆転サヨナラ負け。開幕からここまでまずまずの好スタートが吹っ飛んでしまうかのような大どんでん返しだったが、その後二日間、ジャイアンツが連勝。先の東京ドームでの三連戦に続き、またまた二勝一敗でジャイアンツの勝ち越しとなった。

下手をすれば三連敗を喫しそうな、尾を引きそうな逆転サヨナラ負けからの巻き返し。敗戦処理。は四年前のあのことを思い出し、今年は行けそうな予感がしてきました。

今から四年前、2003年のジャイアンツとタイガースの初対決は壮絶な対戦となった。七回まで2対1でタイガースがリードという投手戦が終盤崩れていく。タイガースが八回表に2点、九回表に3点を加え7対1とリード。もう勝ちは決まったものと思われた。

ところが九回裏、ジャイアンツが怒濤の反撃。2点を返され4点差に。なおも二死二塁で阿部慎之助という場面で四番手吉野誠が登板。阿部が四球。続く仁志敏久を吉野がツーナッシングと追い込んだところで星野仙一監督が何故か吉野から五番手の藤川球児にスイッチ。ジャイアンツは仁志がタイムリーで3点差とし、続く代打の後藤孝志が3ラン本塁打を放って7対7の同点に。まさかの延長戦突入。

十二回表にタイガースがジョージ・アリアスの犠飛で8対7と勝ち越し、今度こそ勝利を手にしたかと思ったがその裏、六番手の谷中真二が一死から高橋由伸にソロ本塁打を浴びて結局8対8の引き分け。しかもこの時、高橋由を迎えて星野監督自らマウンドに上がり、谷中に檄を飛ばした直後の一発だった。

ツーナッシングからの投手交代、自らマウンドに上って檄を飛ばした直後の同点弾と、星野監督の一人相撲とも思える采配でタイガースは勝てる試合を引き分けにしてしまった。後味が悪く、残る二試合に尾を引きそうなドローゲームだった。

試合後のミーティングで星野監督はナインの前で自らの非を認め、頭を下げたという。それが奏功したのかどうか、タイガースは残る二戦に連勝し、この年最初のジャイアンツ三連戦を二勝一分けで終えることが出来た。

そしてこの年、タイガースは1985年以来、18年ぶりのリーグ優勝を果たした。

【1回戦・4/11 東京ドーム】

T 000 110 023 001 =8

G 000 001 006 001 =8

T)伊良部、ウィリアムス、ポート、吉野、藤川、谷中-矢野

G)木佐貫、ベイリー、柏田、久保、河原-阿部

本塁打)金本1号2ラン(木佐貫・8回)、アリアス4号(ベイリー・9回)、片岡2号2ラン(ベイリー・9回)、後藤2号3ラン(藤川・9回)、高橋由1号(谷中・12回)

【2回戦・4/12 東京ドーム】

T 008 000 001 =9

G 000 020 000 =2

T)○ムーア、ウィリアムス、吉野、金澤-矢野

G)●工藤、木村、前田、ベイリー、岡島、久保-阿部

本塁打)今岡1号2ラン(工藤・3回)、アリアス5号(久保・9回)

【3回戦・4/13 東京ドーム】

T 001 101 013 =7

G 011 100 000 =3

T)下柳、○吉野、藤川、Sウィリアムス-野口、矢野

G)上原、岡島、●真田-阿部

本塁打)ペタジーニ5号(下柳・1回)、二岡4号(下柳・3回)、アリアス6号2ラン(真田・9回)

そして今年、20日からの三連戦で逆にジャイアンツが第一戦で確実に勝たなければならない試合をまさかの逆転負けで落としたにもかかわらず翌21日、22日と連勝。初戦の「まさか」が引き分け止まりと、逆転サヨナラ負けという違いこそあるものの、この三連戦は四年前の三連戦とパターンがそっくりではないか。

これはジャイアンツにとって吉兆と思えるがどうだろうか。

重ねてタイガースはこの2003年には同じく前回優勝の1985年以来、18年ぶりにジャイアンツ戦の対戦成績を1710敗1引き分けと勝ち越した。17年連続で負け越した宿命のライバルにようやく勝ち越したタイガースはその後2005年まで三年連続でジャイアンツに勝ち越し。昨年は拮抗し、全くの五分に終わった。ジャイアンツとしては敵地甲子園で勝ち越したことをきっかけにこのカードの連続負け越しもストップしたいところだ。

タイガースは2003年、圧倒的な強さでリーグ優勝を果たした。マスコミは前年までのタイガースとの違いをこのジャイアンツとの三連戦をモデルにして語ることが多かった。しかしその報道の多くは、その年以前の低迷期のタイガースならば引き分けどころか逆転負けを喫していてもおかしくないところを引き分けにとどめたことを評価するものであった。つまり、初戦の8対8で終わった試合を「負けなくてよかった…。」、「負けなかったことが昨年までとの大きな違い」と評していたのだ。

これは敗戦処理。的にはとんでもない曲解で、今ならそれこそ「捏造報道」だと本ブログで吠えていただろう。

何故なら九回表を終わって6点をリードしている試合を勝てないチームなんておかしいとしか思えなかったからだ。そりゃあ、負けるよりは引き分けの方がベターだが、勝てなかったと言うだけで大きな汚点なのである。ましてや冒頭で触れたように指揮官、星野監督の一人相撲なのに星野批判が出ないのはおかしい。星野監督独特のマスコミを利用したセルフ・プロデュースに他ならないというのが当時の敗戦処理。の意見だった。

ただしこの三連戦の結果と、この年のリーグ優勝という結果に相関関係がないと思っている訳ではない。

敗戦処理。流の解釈では、最終回に6点差を追いつかれた試合で引き分けにとどめたのが大きいのではなく、絶対に勝てたはずの試合を引き分けにしてしまったにもかかわらず残る二試合にその結果を引きずらず、二連勝したことが大きいのであり、その前年までの長期低迷中のタイガースとの明らかな違いなのである。

もちろんそのようにチームを変貌させたのは星野監督の手腕による所が大きいのだろうが、初戦の引き分けは明らかに星野監督のミスである。当時のマスコミはそのような分析をせず、総論で星野野球を持ち上げ、各論で部分的に批判すると言うことをしなかった(もちろん今も星野監督に対する評価に限らず一般論としてこの傾向は続いている)。

今年のジャイアンツに戻ろう。

原辰徳監督が復活にかけている豊田の大失態を今後どのようにリカバリーするかという課題は残っている。昨年も今の時期は絶好調だったが、怪我人の続出とともに急降下した前科があるから手放しに喜べないという側面もあるが、上々のスタートであることには間違いない。

今シーズンの原監督にも細かく観ていけばツッコミどころは満載であるし、まだまだ予断は許さない状況だが、騙されたつもりで「好調ジャイアンツ」を信じてみようと思う。

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