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2007年4月 8日 (日)

ライオンズのユニフォーム組には裏金問題に関して当事者意識はないのか?

ライオンズ球団の裏金問題で4日に調査委員会から発表された中間発表ではいわゆる倫理行動宣言締結以前に裏金をアマ選手やその指導者、関係者に渡していたことが明らかになった。また「他球団でもやっているから」などとライオンズ球団以外でも倫理行動宣言締結以前には平気で裏金、利益供与がなされていたかのような供述もあったとされ、問題の闇の深さがさらにクローズアップされた。それに関して当該球団であるライオンズの伊東勤監督が「現場に十分影響してる」「5選手特定させないで」「いい加減にして」と言っている。既に公式戦が始まっていることもあり、現場を預かる責任者として伊東監督が声を荒げる気持ちもわからないことはないが、自分たちは騒動のまさに渦中の球団の一員であり、少なからず当事者であるという意識はないのだろうか?

仮に伊東監督を始めとする現役の監督、コーチ、選手-いわゆるユニフォーム組の中には入団時において後ろ指を指されるような行為があったものは一人もいないとしても、現実にこの球団で二人のアマチュア選手に対して不正行為が起きているのだから疑惑をかけられるのは避けられない。彼らは「俺(達)はこの件に関しては無実だ」と胸を張って言えるとしても、それを客観的に証明して初めて「無実」と認定される立場であるという自覚が全く欠けている。

また中間報告の中で倫理行動宣言以前の選手のことが取り沙汰されたことに関して伊東監督は「もしも現役選手の中にいても公表は控えて欲しい」と言っていたが、これも当事者意識に欠けた発言といわざるを得ない。

たしかに倫理行動宣言以前に行われた行為をどう扱うかは議論の必要があろう。根来泰周コミッショナー代行も池井優調査委員長も不問に付すべきではとのニュアンスを発していたが、倫理行動宣言以前に関してはこの両者のように調査する側、裁く側が判断すればよいことであり、またマスコミやファンが意見を述べ合えばよいわけで、まな板の上の鯉であるライオンズ側が主張すべきではないと思える。そのために利害関係のない第三者に調査委員会を委ねているのだから。

ただ敗戦処理。の感想としてはまだ途中経過に過ぎない中間報告の時点で、このような曖昧な形で倫理行動宣言以前の話が出たり、ましてや他球団でも当時は…云々との話が出るのは如何なものかと思う。「悪いのは俺たちだけじゃない。他もやっているからそれに負けないよう俺たちもやっていたんだ」という、上からの指示に従ってやっただけの連中の怒りの声だというのは充分に想像できるが。

3月24日の開幕戦で太田秀和球団社長がグラウンドに立ってファンに謝罪するという至極当然の行為に対しても伊東監督やライオンズ選手会は猛反対していた。一年の公式戦のスタート、開幕戦の開幕セレモニーは華々しく賑やかなものであり、いくら世間を騒がせている渦中とはいえ、そんな場で謝罪をすることはないだろうとの趣旨だったらしいが、伊東監督や選手会は太田球団社長との話し合いにおいて、開幕セレモニー以外の場で多くのファンにいつ謝罪するのか、代替案を提示したのか?

開幕セレモニーの華やかな場に球団社長による謝罪が適切か否かを判断するのは伊東監督やライオンズの選手会ではない。当日入場する観客達だ。球場周辺には「ファンは、スカウトにも探せない即戦力だ。」というポスターが掲出されているが、ファンに逃げられますよ。

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