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2007年5月22日 (火)

スワローズが元ゴールデンイーグルスのシコースキーを獲得!!

02_13 スワローズが米大リーグ、インディアンス傘下の3Aに所属するブライアン・シコースキーを獲得することになった。もちろん、マリーンズやジャイアンツで投球練習前に右腕を威勢良くぐるぐる回していたあのシコースキーだ。ネットのニュース速報では「元巨人・シコースキーがヤクルトへ」(スポーツ報知web版)に代表されるようにシコースキーの日本での経歴をマリーンズからジャイアンツと表記している。しかし一般に元○○と元の所属球団を表記する場合に、一般的には最後に所属した球団を表記する習わしになっている。それならば本エントリーのタイトルの様に表記するのが正しいのだが、駆け足でチェックしたところ「元ゴールデンイーグルス」と表記しているメディアはない。何故?

(写真:ジャイアンツ時代のシコースキー。懐かしいあの腕グルが日本でまた…)

そもそもシコースキーがジャイアンツの後にゴールデンイーグルスに所属していたことなど、ほとんどの野球ファンが知らないのではないか?

ことの概略はこうだ。

2005年のシーズンを終えて、ジャイアンツはシコースキーを翌年の構想から外した。当時監督に復帰した原辰徳監督はシコースキー解雇の経緯を自身のオフィシャルサイト-HARA Spirit 20051115日付「キャンプ終盤報告と補強について」で述べているが、自由契約選手にするためにウェーバー手続きを行った。この時点ではシコースキー自身はジャイアンツが契約しないのなら、日本の他球団でのプレーを希望していたそうで、ジャイアンツとしては正規の手続きを行った。結果、ゴールデンイーグルスが獲得の手続きをし、本人も了承。ゴールデンイーグルスは野球協約第121条に定めるトレードマネーをジャイアンツに払い、シコースキーを獲得した…はずだった。

ところがシコースキーが翻意し、大リーグでのプレーを強く希望。ゴールデンイーグルスと協議の末、シコースキー側が、ゴールデンイーグルスがジャイアンツに支払ったトレードマネーを補填することと、国内移籍をしない(移籍先はMLB組織に限定)という条件でゴールデンイーグルスはシコースキーとの契約を解除した。

シコースキーは20051121日付でゴールデンイーグルスの支配下選手として公示され、1221日付でゴールデンイーグルスの自由契約選手として公示されている。したがってシコースキーの日本プロ野球での最終所属はゴールデンイーグルスなのである。

シコースキーがゴールデンイーグルスを退団した経緯は敗戦処理。が当時の報道で把握している上記の通りであれば、シコースキー本人の都合による退団であり、日本プロ野球界の慣例では「自由契約選手」ではなく「任意引退選手」として手続きされるはずなのだ。もしもシコースキーのゴールデンイーグルス退団時の処理が「任意引退選手」であったなら、ゴールデンイーグルスが許可しない限りシコースキーはスワローズを含むゴールデンイーグルス以外の球団と契約できない。

シコースキーがゴールデンイーグルス退団時に「自由契約選手」を勝ち取った()事情は当事者間の協議の結果ゆえ、真相は定かではないが、シコースキーの来日予定と言われる6月上旬に交流戦でスワローズ対ゴールデンイーグルス戦がある(6月10日、11)。これで抑えられでもしたら、当時の手続きは何だったんだと野村克也監督がぼやくことは間違いない<苦笑>

ところで意外と野球ファンの間でも浸透していないようなので、いわゆる「戦力外通告」について説明しておく。

シーズン終盤、あるいは終了後にスポーツ新聞に「○○球団は次の△名に戦力外通告をしたと発表した…」という記事が載る。これは球団が来季の構想に入っていない選手に対し、その旨を通知するのであるが、実は球団ではこの時点で「自由契約選手」への手続きをするのではない。

戦力外通告を受けた選手が本当にフリーになるには、通常12月上旬まで待たなければならない。

野球協約第66条により球団は毎年1130日までに、その年の支配下選手のうち次年度の選手契約を結ぶ予定の選手(保留選手)の一覧を提出する。これはその時点でいわゆる契約更改を終えているか否かを問わず、要するに球団として来季も契約しようと思っている選手の一覧を提出するのである。そしてコミッショナーが12月2日に保留選手を公示する。そしてこれに漏れた選手は自動的に「自由契約選手」となり、自由に他球団と契約できるのである。近年では戦力外通告の時期と、自由契約になれる12月2日の間に「トライアウト」が実施されるが、「トライアウト」を受けた選手に対し獲得の意思のある球団が出ても、自由契約→獲得という手順を踏むためには12月2日まで待たなければならない。

そんなに待つくらいなら、元の所属球団に頼んでその選手を自由契約にしてもらえばいいじゃないか、と思う人もいるだろう。しかし保留選手提出以前に自由契約選手にするにはウェーバー手続きをしなければならない。ウェーバー手続きされた選手を他球団が獲得するには前述のように元の所属球団にトレードマネー(400万円)を払わなければならない。したがって12月2日を待って契約するのである。

これを逃れるためには昨シーズン後にホークスから戦力外通告を受けた大道典嘉のように、ホークスとジャイアンツの間で「無償トレード」が成立した形にすれば、両球団の合意、手続き後速やかに大道はジャイアンツの一員として練習に参加したり出来る。ホークスファンにとっては思い出したくもないフレーズ-「無償トレード」-という形態だったばっかりに当時のニフティのベースボールフォーラムのホークスファンが参加する掲示板でもジャイアンツに言われなき批難が展開されたが、実際には極めて合理的な手続きだったのである。

それでも大道を獲ったジャイアンツを許せないというホークスファンは、怨みの矛先をホークスのフロントに変えるべし!

近年では、翌シーズンのための「保留選手」の名簿に入れることを本人の許可無く出来ないとする契約を結ぶ外国人選手が少なくなく、それゆえにオフごとに契約でもめて球団を飛び出してより良い条件の球団に移籍する「ごね得移籍」の外国人選手が増えている。外国人選手との契約には海千山千の代理人が控えている。現在問題になっているアマチュア選手への不適切なスカウト活動にタチの悪いブローカーが介在しているのと同様に、外国人選手の「ごね得移籍」も代理人の悪知恵である。ルールで歯止めをかけるべきだ。

そしてこの問題を潜在的なものから顕在化する足がかりとして、各メディアは「元ゴールデンイーグルスのシコースキー」と正しく報じて欲しいものである。何事も処理速度の遅いNPBのこと。このオフに手を付けるなら、今すぐ問題提議しないと間に合わないかもしれないからだ<苦笑>。

P.S.

それにしても、スワローズには花田真人、吉川昌宏、高木啓充…と若い右の中継ぎ要員候補は豊富にいるように思うのだが…。河端龍はいつ戻ってくるのか?

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コメント

こんばんは。

> 敗戦処理。が指摘した「出戻り外国人」とは、日本球団間の移籍選手でなく、何らかの事情で一度日本球界を去ってから再び日本球界に戻ってくる選手で、近年ではセギノールくらいしか成功例が無いように思ったので書きました。
---
なるほど、そういう意味だったのですね。
仰る通り、意味のとり違えをしていました。

> ジャイアンツではマルティネスも成功例にはいるかもしれませんが、マレンとかアリアスとか、一時しのぎとしか思えない補強が多いですね。ゴールデンイーグルスも少なくないですが、それでもリックやウィットのようにシーズンイン前の獲得がほとんどと思われますので、ジャイアンツよりは戦略的に見えます<笑>。
---
私も巨人と楽天の渉外担当の能力がアレなのは否定しませんが(笑)、個人的には出戻りか否かではなく選手としての純粋な能力で判断したいと考えていますので、敗戦処理。さんの仰る「出戻り外国人」の存在自体には割と肯定的に捉えています。

例に挙げられている選手で申しますと、(もともと小久保選手が帰ってくるまでの繋ぎだったので)アリアス選手は措くとしても、マレン投手については外国人投手にありがちなランナーを出してからの技術的(クイック等)、精神的(技術不足に起因する負の連鎖)側面に問題があっただけで、彼の持っていた能力自体と秤にかければ、個人的にはもう少し修正に要する期間を与えても良かったのではないかと思います。

ウィット選手についても直球しか打てないという致命的な弱点があるにせよ(笑)、飛距離はウッズ選手にもひけをとりませんし、一塁守備に至っては雲泥の差で、ゴールデングラブ賞並の力量を持っています。

ただやはり、外国人=即効性が求められているのが現状ですから、
「弱点には目を瞑って/修正できるまで待って、起用する」
なかなかそうは、いかないのでしょうね。

先日お返事させて頂いたこととも関連するのですが、個人的には
「外国人枠を撤廃する代わりに、一定の期間(3~5年程度?)球団の保有権を担保(逆に言うと、球団は一定の期間、雇用/育成責任を負う)」
このように改革できれば、使い捨て/一部外人の年俸バブルも今より改善できるのではないかと思うのですが、敗戦処理。さんは如何ですか。

投稿: Eagles fly free | 2007年5月31日 (木) 03時27分

Eagles fly free 様、コメントをありがとうございました。

ちょっと書き方が紛らわしかったようで。

> うーん、どうなんでしょう。
こちらを拝見してまず思い浮かんだのがシーツ選手、アリアス選手、ブーマー選手などで、成功とは言い難いもののバークレオ、ウィルソン、オバンドー、パウエル(中日)、ムーア選手等々、

敗戦処理。が指摘した「出戻り外国人」とは、日本球団間の移籍選手でなく、何らかの事情で一度日本球界を去ってから再び日本球界に戻ってくる選手で、近年ではセギノールくらいしか成功例が無いように思ったので書きました。

ジャイアンツではマルティネスも成功例にはいるかもしれませんが、マレンとかアリアスとか、一時しのぎとしか思えない補強が多いですね。ゴールデンイーグルスも少なくないですが、それでもリックやウィットのようにシーズンイン前の獲得がほとんどと思われますので、ジャイアンツよりは戦略的に見えます<笑>。

投稿: 敗戦処理。 | 2007年5月29日 (火) 23時42分

こんばんは。

> 確かにリグスが復帰すれば
---
二年契約の一年目ですので、まず帰ってくるかどうかを疑わねばならないとは思うのですが(笑)、

> 四人の外国人枠の内、三人を野手が占めることになりますから、グライシンガーともう一人の外国人投手をやりくりするとしたら、昨年のガトームソンとゴンザレスのようなやり繰りしか無いでしょうからね。二人とも活かすには。
---
その場合には、仰る通りの起用法となりそうですね。
そしてそれを不満に思った方が移籍、残った方が故障、と…φ(-.ー;)@ヤクルトファンの皆さん、他意はありません…

> 余談ですがシコースキーはブルペンでも投球練習開始時に腕グルをやってから投げ始めますね。
---
そうなんですか(?゚Д゚)…
神宮のブルペンで何回か見たことはあるのですが、グルグルをやってから投球練習をはじめたかどうかはちょっと記憶に無いです…
マウンドでやってるのを見て、
「よく壊れないなぁ…(-.ー;)ぼそっ」
そう思ったことは何度もあるのですが。

> それにしても、出戻り外国人を獲得するチームが増えましたね。ジャイアンツの専売特許かと思いましたが。セギノールがなまじ成功したことが他球団に安直な方法に走らせる遠因になっているのですかね?
---
うーん、どうなんでしょう。
こちらを拝見してまず思い浮かんだのがシーツ選手、アリアス選手、ブーマー選手などで、成功とは言い難いもののバークレオ、ウィルソン、オバンドー、パウエル(中日)、ムーア選手等々、統計をとったわけではないので断定は出来ないものの、外国人選手の球団間移籍はジャイアンツやファイターズに限らず結構前からあったのではないかと(確かに遡ればシピン選手はジャイアンツへの移籍ですね…って、こちらは完全に耳学問で恐縮です^^;)。


> ウイットに富んだショート・コントの落ちはラスとにあると言いますし。
---
ラス”と”がtypo…
じゃないですね(笑:なんとか返そうと考えてみたのですが、デイモンやトレイシーでは無理でした^^;)。

投稿: Eagles fly free | 2007年5月29日 (火) 01時55分

Eagles fly free 様、コメントをありがとうございました。

> こちらの件ですが、報道によりますとシコースキー投手は先発として期待されているようですね。
左の充実度(とはいうものの現在、故障、不調の投手も多いですが…)に比べれば、確かに右の先発は手薄だとは思うのですが、そもそもシコースキー投手に長いイニングを投げる適正があるのか、かなり疑問ですよね…

実はエントリーした後に自分もその報道に接して一瞬目を疑いました。

確かにリグスが復帰すれば四人の外国人枠の内、三人を野手が占めることになりますから、グライシンガーともう一人の外国人投手をやりくりするとしたら、昨年のガトームソンとゴンザレスのようなやり繰りしか無いでしょうからね。二人とも活かすには。

先発となれば、あの腕グルを毎回観ることが出来ますね。

余談ですがシコースキーはブルペンでも投球練習開始時に腕グルをやってから投げ始めますね。

それにしても、出戻り外国人を獲得するチームが増えましたね。ジャイアンツの専売特許かと思いましたが。セギノールがなまじ成功したことが他球団に安直な方法に走らせる遠因になっているのですかね?

ウイットに富んだショート・コントの落ちはラスとにあると言いますし。

投稿: 敗戦処理。 | 2007年5月29日 (火) 00時28分

こんばんは。
先日は拙ブログへのトラックバック及びにコメント、ありがとうございました。

カタイ内容?についてはそちらでお返事(というか、あれは最早別の記事になってしまっている側面がありましたが…)させて頂きましたので、こちらではそれ以外のことについて。

> それにしても、スワローズには花田真人、吉川昌宏、高木啓充…と若い右の中継ぎ要員候補は豊富にいるように思うのだが…。河端龍はいつ戻ってくるのか?
---
こちらの件ですが、報道によりますとシコースキー投手は先発として期待されているようですね。
左の充実度(とはいうものの現在、故障、不調の投手も多いですが…)に比べれば、確かに右の先発は手薄だとは思うのですが、そもそもシコースキー投手に長いイニングを投げる適正があるのか、かなり疑問ですよね…
若手なら松岡、高市両投手等、経験者であれば館山投手辺りを起用した方が、今後に向けてはよいような気がします。

投稿: Eagles fly free | 2007年5月25日 (金) 22時42分

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