おめでとう岡島秀樹!!-メジャーのオールスターを楽しんでこい!!!
大リーグ・レッドソックスの岡島秀樹が大リーグ・オールスターゲームに出場することになった。ジャイアンツ時代から岡島を応援していた敗戦処理。としてはアメリカンドリームのような岡島の活躍、そして大舞台への出場決定をこの上なく喜びたい。二年前にはジャイアンツで堀内恒夫監督の構想から外れて一軍と二軍を往復していた男が、今季鳴り物入りで大リーグへの移籍を果たした松坂大輔、井川慶、岩村明憲らが果たせなかった夢を勝ち得たのだ。岡島よ、おめでとう。この表現は個人的にあまり好きではないが、敢えて送ろう。
「岡島よ、メジャーのオールスターを楽しんでこい」
最後の一人を選ぶ手段がインターネット投票と言うことで、日本のファンも投票出来ることから大量の組織票が投じられたなんて陰口が聞こえてきそうだが<苦笑>、大リーグに詳しい知人によると今回岡島とともにインターネット投票の対象になった選手と岡島の成績は遜色なく、誰が選ばれても不思議でない状況だったらしい。
偶然だろうが、今年の大リーグ・オールスターゲームに選ばれたもう一人の日本人選手、斎藤隆も移籍前数年間はベイスターズでぱっとしなかった。かつて松井秀喜とイチローが大リーグのオールスターゲームで同時に外野で守備に付いた時には「ついに日本野球もここまで来たか」と感慨深かったにふけったものだが今回はそれとは異なる意味で感慨深い。
かつて長嶋茂雄監督が当時の投手コーチだった鹿取義隆に「何とか一本立ちさせてくれ」と命じてあの独特なフォームのまま徐々に台頭し、ドラフトの逆指名入団組やFA、他球団からの移籍組などに混じり、数少ない叩き上げとして2000年の「ON対決」といわれたホークスとの日本シリーズでは胴上げ投手にまで登り詰めた岡島。3勝2敗と王手をかけた第六戦で最終回のマウンドに「ピッチャー岡島」と場内アナウンスされた時の大歓声をテレビ画面を通じて確認した敗戦処理。は、あの補強に明け暮れた長嶋巨人でその集大成とも言える日本シリーズの最後のイニングを託されたのが、叩き上げの岡島だったことが何より嬉しかった。
しかし、その栄誉のマウンドがジャイアンツにおける岡島のピークだった。
その後の原辰徳、堀内恒夫と代わる指揮官の下、安定感に欠ける岡島の投球はいつしか他の投手に役割を奪われ、存在感を薄くしていた。そして阿部慎之助に続く実戦経験の豊富な第二捕手が欲しいというチーム事情の元、2006年のシーズン開幕前に實松一成、古城茂幸とのトレードでファイターズへ。左のリリーフ投手に人材を欠くチーム事情にはまり、かつての輝きを取り戻した岡島は武田久、MICHEALとともに勝利の方程式を形成し、25年ぶりのリーグ優勝、44年ぶりの日本一に大きく貢献した。
当初敗戦処理。は岡島のファイターズでの活躍を、あの変則投法にパ・リーグの選手が慣れていないことと、岡島とコンビを組むことが多い中嶋聡捕手が絶妙に持ち味を引き出していることに起因していると推測していたが、岡島のレッドソックスでの安定ぶりを観ると、少なくとも後者は当てはまらない。確実に言えることは岡島はレッドソックスという大リーグのチームで無くてはならない投手になったということである。
FAで流出を余儀なくされたファイターズはともかく、余剰戦力のように扱ったジャイアンツは考え直す必要があるだろう。
しかし、そんな過去はともかく、岡島は松坂や岩村もまだ手中にしていない栄誉を手にした。
最後にもう一度書こう、
「岡島よ、メジャーのオールスターを楽しんでこい」
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