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2007年7月 9日 (月)

ライオンズのA・カブレラが右股関節痛で登録抹消!それでも「オールスターまでには何とか間に合うと思う」発言の裏に…?

ライオンズの主砲、アレックス・カブレラが持病の腰痛から来る右股関節痛のため、8日に出場選手登録を抹消された。これに関して9日のスポーツ報知は、カブレラ本人が発した「オールスターには間に合うと思う」というコメントを、オールスターゲームを出場辞退した場合には後半戦の最初の10試合に出場登録出来なくなる可能性があるから、それを免れたいがためだと分析している。ありがちな発想ではあるが、果たして本当にそうなのだろうか?

まずは敗戦処理。が読んだ9日付のスポーツ報知の該当記事を再現しよう。

◆この日、球場に姿を見せたカブレラは「オールスターまでには何とか間に合うと思う。100%とはいかないが、95%ぐらいまでは(戻る)と思う」と神妙な表情。監督推薦で選出されている球宴を辞退すると、後半戦最初の10試合は出場登録できない可能性もあり、伊東監督は「ヘルニアの疑いもある。10日間で治ればいいが…。1日も早く戻ってきてほしい」と不安そうだった。

オールスターゲームの出場が決まっている選手が出場を辞退した場合に、オールスター後のチームの最初の10試合には出場登録が出来ないという件は、先のゴールデンイーグルスからの大量選出の件で球団が一部の選手に出場辞退させることを示唆した際に、この規程の例外にしてほしいと球団代表が語っていたので記憶されている方も多かろう。要するにオールスターをさぼって調整し、公式戦が再開したらすぐにプレーするという、オールスターゲームを軽視することを防ぐ策だ。ただし医師の診断書など一定の書類を提出することで、この措置を免れることも出来、過去にオールスターゲームを故障で出場辞退しながら、登録を抹消されず公式戦再開後、直ちに出場した選手はいる。最も新しい例では昨年のドラゴンズの福留孝介。

しかし敗戦処理。が言いたいのはカブレラと伊東勤監督の短いコメントから、スポーツ報知があたかもカブレラやライオンズ球団が、オールスター後の公式戦再開の時にカブレラが出場できないようでは困るから、オールスターに間に合わせるという考えでいるように思わせる書き方をしているのは如何なものかという点。出場停止逃れとスポーツ報知が結びつけているが、本当にそうなのだろうか?ということだ。カブレラはファン投票による選出ではないが、ファンのために多少無理してでもオールスターゲームに出たいと考えての発言だった可能性はないのか?

カブレラが日本のオールスターゲームに関してどれほど思いこみが強いかは知らないが、一般論として外国人選手は「オールスターゲーム」に出場するということに大きなステータスを感じるそうだ。彼らの多くは本当なら大リーグのオールスターゲームのグラウンドに立ちたいのだろうが、夢叶わず日本でオールスターゲームに出場するとなっても、それをステータスに感じ、ある者は異様にハッスルし、ある者はいつになく緊張してしまうという。日本でのプレーが今年で7年目になるカブレラが朱に交わって赤くなっている可能性も否定出来ないが、逆に三つ子の魂百までであることを個人的には期待したい。

通勤の途中に買ったスポーツ新聞を昼休みにコンビニ弁当を食べながら読んでいる敗戦処理。の感想と、カブレラやライオンズの関係者に密着しているプロの記者が書いた記事のニュアンスとどちらにリアリティーを感じるかといえば、もちろん後者だろう。署名記事ではないが、四六時中ライオンズと行動を共にしている担当記者が書いたのだろうから、カブレラ本人が口にしなくても、公式戦再開時を考えての発言と読み替えたのだろう。

しかし、本当にそうなのだろうか?

もう一度伊東監督のコメント部分のみ再引用する。

◆伊東監督は「ヘルニアの疑いもある。10日間で治ればいいが…。1日も早く戻ってきてほしい」と不安そうだった。

この10日間とは、登録抹消から再登録が可能になるまでの10日間を指しているのだろう。ちなみに出場選手登録が抹消されていてもオールスターゲームに出場することは出来る。8日付で抹消されたカブレラの再登録が可能になるのは18日で、オールスター前の最後の公式戦の日だが、カブレラは無理してこの日に合わせて治療する必要はない。20日と21日に行われるオールスターゲームに出場出来る程度にしておけばよいのだ。幸か不幸か、カブレラはファン投票で選出された訳ではないから、極論を言えば試合に出なくても良い。そうして出場停止を免れ、オールスター後の公式戦再開の24日から出場選手登録をすればよいことになる。悪意に考えれば、カブレラとライオンズ球団はこういうシナリオを描いていることになる。

しかしこの根拠はスポーツ報知の記事だけであり、カブレラのコメントも、伊東監督のコメントも、そのような含みはない。にもかかわらずスポーツ報知が、あたかもオールスター後の出場停止を免れたいがためにカブレラが強行出場するかのような書き方をしているのは何故なのだろうか?

もう四半世紀くらい前の昔話になるが、オールスターゲームにリーグ全体での最多得票を得て出場することが決まっていたジャイアンツの中畑清が、オールスターを前にして軽い故障をしたことがあった。中畑は比較的ケガに弱い方で、ちょっとしたことで休む印象があったが、ある試合で記者が当時の藤田元司監督に「中畑は今日は出られたのではないか?」と尋ねたら、藤田監督は「無理すれば行けたかもしれないけど、オールスターもあるしね。今日一日様子を見た」というようなコメントをしていた。当時敗戦処理。は「どっちが優先なのだ?」と思ったが、藤田監督が130試合の中の、後で取り返せるかもしれない一試合より、多くのファンが出てほしいと願っているオールスターの三試合を重要視したのだ!と思ったら、凄く嬉しくなった。冷静に考えれば、藤田監督のコメントは単なるジョークだったかもしれない。しかし例えジョークでも、そこにはオールスターゲームへのリスペクトが感じられる。そして現実に中畑はその年のオールスターに元気に出場した。

かつてオールスターゲームは一年に三試合あった。アメリカ大リーグのオールスターは年に一試合。オールスターゲームの価値を高めるには試合数を減らした方がよい。-という意見は当時からあった。

三試合やるものを一試合にすれば希少性が出る。

それは正論だ。いや、詭弁ではないか?

希少性を高めるなら、出場出来る選手の数を少なくするのも手だ。開催地域を出来るだけ分散させ、三試合行えば一試合行う場合の三倍の人が生でオールスターゲームを観るチャンスが出来るのに、そういう発想に何故ならないのか?

その後、夏季オリンピック開催の年だけ三試合行い、他は二試合にするという時期があった(三試合目を地方球場で開催し、その収益を寄付する趣旨)があったが、それもなくなった。そして今年は、ナイトゲームだと視聴率が見込めないからといって、一試合がデーゲーム開催になる。

機構側は数少ない収入源であるオールスターゲームの試合数を減らしたくないが、選手会は減らしたがった。二試合なら二試合でよいが、果たしてそれでオールスターゲームのステータスは上がったのか?希少性は高まったのか?ファンには単に「三試合も要らない。二試合で充分だ」と思われているだけなのではないか?

誰がオールスターゲームの価値を貶めているのか知らないが、スポーツ報知が思い込み、固定概念でカブレラの発言から出場停止逃れを連想したのだとしたら、とんでもない話だ。オールスターゲームを軽視しているのはカブレラやライオンズ球団ではなく、スポーツ報知の方だ。

パ・リーグの個性豊かなスター選手がセ・リーグや大リーグにどんどん流出していく中、カブレラが貴重なスター選手であることはいうまでもない。カブレラがいうように100%の状態が無理であっても、95%の力でセ・リーグから選ばれた投手達と真っ向勝負をしてほしい。藤川球児VSカブレラを観たいと思い、藤川とカブレラに投票したファンも少なくないだろう。

2001年に横浜スタジアムで行われたオールスターゲームを敗戦処理。は生観戦したが、試合前の打撃練習ではセンターのスコアボードの脇を抜けて場外に消えていく本塁打を連発してファンの度肝を抜き、試合でも井川慶からレフトスタンドの最上段の、座席の後ろの通路に突き刺さる本塁打を放ったカブレラ。本当に素晴らしかった。95%で臨む今年のオールスターゲームでその再現を望むのは酷かもしれないが、95%なりのパフォーマンスでファンを魅了してくれるのではないか。

普段の対戦ではカブレラは顔も見たくない存在だが、夢の球宴となれば話は別だ<>

敗戦処理。としては、カブレラはオールスターゲームでパフォーマンスを魅せたいからオールスターに間に合わせることを目標にしている。そしてそれがオールスター後の公式戦に弾みを付けることにつなげたい。そう考えていると信じたい。

日刊スポーツも、スポーツニッポンもカブレラの故障や登録抹消の件には触れているが、こういう切り口では触れていない。

スポーツ報知の記事の真意は何処に…?

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