あの裏金男・那須野巧並みに金がかかった大物ルーキーが今ようやく!?
人の噂も七十五日というが、シーズン突入で忘れられたかのような、オフシーズンのライオンズやベイスターズを舞台にした裏金騒動。26日にライオンズ球団が「西武ライオンズ憲章」を制定して発表したが、この報道を聞いてオフシーズンに激震を起こした裏金騒動のことを久しぶりに思い出したファンも多かったのでは<苦笑>?
もう一方の主役、実は5億3000万円もの契約金をもらっていたことが発覚したベイスターズの那須野巧も今やチームに欠かせぬ貴重な左のセットアッパーとして連日連夜マウンドに上がる大活躍。26日現在でチーム107試合中、二番目に多い52試合に登板(チーム最多は木塚敦志の59試合)している。しかし、今回取り上げるのはライオンズ球団の憲章でも、那須野の活躍ぶりでもない。那須野と同じくらい金がかかった一年前の大物ルーキーがようやく頭角を現しつつある。え、そんな奴いたっけ?って、いたんです。金のかかった大物ルーキーが。
ホークス入団二年目の三塁手、松田宣浩。
入団時の契約金、推定1億円、年俸推定1億5000万円。
松田がこの他に裏金をもらっていたという訳ではない。亜細亜大学で通算19本塁打を放ったスラッガーとして希望枠で入団した松田に対して球団はポジションを空けた。前年に135試合出場して打率.263、27本塁打、90打点でクリーンアップの一角を担った三塁手のトニー・バティスタを契約一年残してホークスは解雇したのだった。バティスタとホークスは2005年~2006年の二年契約。一年分の5億2000万円を契約通りホークスはバティスタに支払ったとされる。松田に対しては正規の金額しか払っていないにしても、トータルのコストでは那須野並みということである。
ホークスの親会社がダイエーからソフトバンクに代わった2004年シーズン終了後。天文学的な有利子負債を積み立て、産業再生機構のお世話になった会社から一転大金持ちの親会社に代わり、その資金力を見せつけるかのようにメジャーで214本塁打、打率.251、681打点をマークしたバリバリの現役大リーガー、バティスタを獲得したのだった。バティスタの獲得はまさに「ソフトバンク」としては球界進出の名刺代わりのような感じだった。それでも翌年の大物ルーキー獲得で契約を一年残してあっさりと解雇。結果的に大金のかかったルーキーになったのである。もちろん松田には一切の罪はない。一年目の成績が62試合で打率.211、3本塁打、18打点と評判倒れだったとしても<苦笑>。
その松田が、正三塁手、小久保裕紀の故障による離脱で三塁のポジションに入り、わずかずつではあるが、頭角を現している。
21日のライオンズ戦で小久保が死球を受け、守備から途中出場した試合で3打数1安打を放ったのを皮切りにこの日から5試合すべてに安打を放ち13打数5安打。打率.385をマーク。25日にはマリーンズの清水直行から今季第2号も放った。
小久保離脱以前は一塁での出場機会もあったので、今の調子を王貞治監督以下首脳陣が本物と判断すれば、小久保復帰後も松中信彦をDHにし、松田が一塁でスタメン出場というシチュエーションも充分に考えられる。
個人的にも松田を注目していた。東都大学リーグの野球に詳しい知人から亜細亜大学時代の松田を強く薦められていた。当時ジャイアンツの、将来の和製大砲候補として、小久保の後の三塁手としてジャイアンツは是非獲得すべきだとその知人は敗戦処理。にさかんにPRしていた。実際にはジャイアンツは即戦力投手を優先に考え、東北福祉大学で抑え役をしていた福田聡志を獲得したのだが。
かつて王監督は小久保に対して辛抱に辛抱を重ね、四番打者として起用を続け、その中で四番打者とは何たるかを学ばせた。当時の発展途上のホークスと、今のパ・リーグ地力ナンバーワンのホークスでは状況が異なるから、昨年も松田と心中する訳にはいかなかった。そういう意味では今の松田は単なる「期待の若手」の何人かのうちの一人に過ぎないのかもしれない。安打が出ているから使っているだけかもしれない。
おそらく「ソフトバンク」にとって、松田にバティスタの分まで…とは考えないのだろう。一年分の年俸をドブに捨てた形ではあるが、後悔していないのだろう。少なくとも今シーズンは「だから松田を早く一人前にしよう」とは考えていないのだ。松田は自分でアピールするしかないのであり、今がそのチャンスなのである。このチャンスを確実につかみたい。
ファイターズを応援する身としては小久保の穴が埋まらない方がありがたいのだが、個人的にはいわゆる「和製大砲」待望論者でもある(それゆえに鵜久森淳志をひたすら押している)のでずっと気に掛けている。
今週末にファイターズはホークスと対戦する。その時には松田の調子が下降期に入っていますように<笑>。
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コメント
ロッカールーム様、初めまして。コメントをありがとうございました。
「ダイエー」から「ソフトバンク」に代わった時点で小久保と球団の間の確執が薄れていくと考えると、バティスタと二年契約。そして契約満了後、小久保FAで復帰というシナリオをホークスファンの方も描いていたように思います。
* 実際のところは王監督の闘病というのがキーになっているとは思いますが。
それにしても5億2000万円をドブに捨てるとは、
「予想外だ!」
(ちょっと古いですね。)
> 右の大砲フェチの時代は30年前に終ってると思うんですがね。
「歴史は繰り返す」のですよ<笑>。
* 30年前って誰の頃だろうか?
また当ブログに遊びにいらして下さい。
投稿: 敗戦処理。 | 2007年8月29日 (水) 00時12分
しかし秋山は巡回コーチかなんかに祭り上げられませんかね。右の大砲フェチの時代は30年前に終ってると思うんですがね。
投稿: ロッカールーム | 2007年8月28日 (火) 12時04分
小久保も2年目までは外野で起用されていたしバティスタを残留させて松田・江川を外野で起用する手もあった。2006年のバティスタ解雇は実はあまり意味が無い。
(「何故バティスタを切ったか」ではなく)バティスタと1年契約した本当の理由は故障体質でサードしかできない小久保復帰を想定したシミュレートでしょうね。
ただ3年目のオプション行使って内容を考えるとヤッパリ小久保は重症で自らの力で復活を遂げたのだし、最初から復帰を考えていたトレードじゃないことは確かでしょうね。2003年の時点で古巣に小久保を押し付けた黒幕は王自身かもしれない。
私は底意地が悪いんでね、仁志と小田嶋のトレードが無くて結果が去年までの寺原なりの結果だったら早実閥で多村強奪なんて叩かれてるだろうな~。王は20年経っても原にケツ拭いてもらってるんじゃないかな~とか思ってしまうのですよ。
投稿: ロッカールーム | 2007年8月28日 (火) 12時03分