2007ファーム日本選手権観戦記-敗戦処理。の長い一日!?
「高田繁 急浮上 ヤクルト監督」なんてあまり愉快でない見出しのスポーツニッポンを買って新幹線に乗り込んだ敗戦処理。の行き先はファーム日本選手権が行われる山形県野球場。以前はファーム日本選手権は一年ごとに場所を変えて地方球場で開催していたが、ここ二年ゴールデンイーグルスのファームが主催試合を行うこの球場で続けて行われる。
終盤までまれにみるデッドヒートだったイースタン・リーグを制したジャイアンツに1995年以来のファーム日本選手権制覇を期待して山形まで駆けつけましたが、相手は一軍がリーグ優勝を争っている因縁の宿敵ドラゴンズである。イースタン防御率1位の深田拓也を立てて必勝を期したジャイアンツだったが、全部で3本の本塁打を浴びて2対7で完敗。ウエスタン・リーグを制したドラゴンズが2004年以来、3年ぶり4回目のファーム日本一に輝きました。
と、いつもなら観戦記を書くところですが、そうも言っていられない事情がありまして。
(写真:ファーム日本選手権に勝利して胴上げされるドラゴンズの辻発彦監督)
正直に言って、敗戦処理。はウエスタン・リーグの状況をほとんど把握していない。ドラゴンズで言えば、時折一軍に出てくる選手や、ドラフトの時に騒がれた選手を何人かイメージできるくらいだ。
しかし、活躍したのは今書いた条件に当てはまる選手達ばかりだった。
試合は二回裏にジャイアンツが安打と相手のエラーでつかんだ二死一、三塁の場面で投手の深田が左中間を深々と破るタイムリーで2点を先制。深田はバットだけでなく投げる方も絶好調で四回まで無安打の好投。しかし五回表に初の被安打となる打球が無情にも右中間のスタンドへ。堂上剛裕にソロ本塁打を浴びた。
ドラゴンズベンチは二回裏に投手にタイムリーを浴びた先発の川井進を2失点なのに三回で諦め、四回裏から吉見一起を投入。吉見がジャイアンツ打線を抑えていたが、1点を追うドラゴンズの六回表の攻撃はその吉見から。当然代打かと思ったが吉見がそのまま打席へ。これが粘る粘る。先の深田のタイムリーは出会い頭のような感じだが吉見は徐々にタイミングを合わせているようで、結局三遊間を破るクリーンヒット。バントと内野ゴロで吉見が三塁に進んだ二死三塁から三番の森岡良介がセンターオーバーの逆転2ラン。
(写真:逆転本塁打を放ってベンチ前でナインとハイタッチをする背番号45の森岡と突破口を開いた背番号19の吉見)
好投深田のあっけない打たれ方にジャイアンツベンチはたまらず二番手に酒井順也を投入するが、これが裏目でさらに三本の長短打を浴びて2点を追加されて2対5。一気にドラゴンズに形勢が動いた。
吉見はロングリリーフとなってその後もジャイアンツ打線を抑え続け、ドラゴンズ打線は八回表に平田良介の2ランでさらに点差を広げる。結局2対7。六回表を境にジャイアンツとドラゴンズの形勢が見事に逆転してしまった。
【29日・山形県野球場】
D 000 014 020 =7
G 020 000 000 =2
D)川井、○吉見、金剛-田中
G)●深田、酒井、真田、東野、越智-星、實松
本塁打)堂上剛1号(深田・5回)、森岡1号2ラン(深田・6回)、平田1号2ラン(東野・8回)
二番手の吉見一起と酒井順也の差がはっきり出た結果となった。特にジャイアンツは酒井が致命的な追加点を献上してから真田裕貴を送るちぐはぐさで余計に悔いが残った。また、1点ビハインドで投手の打席で代打を送らなかった辻発彦監督の采配もズバリだった。
さらに、ドラゴンズで本塁打を放った堂上、森岡、平田はいずれも高校時代に甲子園を沸かせたスラッガーで高校からドラゴンズ入り。五年目の森岡には歯痒い思いをしているファンも少なくないかもしれないが、好素材が大舞台で晴れ晴れした活躍をするのを観ると、ジャイアンツファンとしては羨ましい限りだ。
高校卒ルーキーの坂本勇人、田中大二郎を打線の軸にして一年間を乗り切ったジャイアンツ。今日の敗戦を上には上がいると素直に認め、この中から来シーズンはジャイアンツ球場ではなく東京ドームで暴れる若武者が出て欲しい。深田には第二の成瀬善久になって欲しいし、坂本と田中には松井秀喜以来の高校卒、即入団選手としてのレギュラーになって欲しい。三人とも不可能ではないと思う。
と、何とも簡単にまとめてしまったが、それには訳がある。今この書き込みは帰りの新幹線の車内で書いているのだが、東京に出たらそのまま千葉マリンスタジアムに向かう算段なのだ。
一日で二度、贔屓球団の「優勝」の瞬間を観ようという試みは早くも崩れたが、何とか幕張に間に合いたい。まあウチの先発がスウィーニーだから、短時間で終わる試合にはならないと見込んでいるのだが…<笑>。
【6月29日追補】 画像のレイアウト、サイズを変更しました。
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コメント
山形まで行かれたのがすごいです。
マリンの胴上げの瞬間には間に合ったのでしょうか...?
投稿: 長緯 | 2007年9月29日 (土) 21時19分