野球体育博物館で企画展「後楽園スタヂアムと東京ドーム」開催中
敗戦処理。は9日に東京ドームでジャイアンツ対タイガース戦を生観戦してきたのだが、早めにドームに着いたので21番入口の脇に入口のある野球体育博物館をのぞいてきた。早く着いた場合にはここか、山下書店で時間をつぶすのが通例なのだが、なかなか懐かしい企画展を開催していた。企画展「後楽園スタヂアムと東京ドーム」-後楽園球場が天然芝だった頃に野球ファンになり、この球場を本拠地にするジャイアンツとファイターズを応援する敗戦処理。には感動的な企画だった。この企画展は11月11日まで開催予定とのこと。是非、訪ねてみて下さい。
野球体育博物館は東京ドームの主に一塁側1階内野席の入口に当たる21番入口のすぐ横に入口があるのだが、その前を待ち合わせ場所にしている人はいても、中に入る人は意外に少ないようだ。その隣のグッズショップをのぞく人の方が多いようだ。しかしこの博物館でだいたい二ヶ月周期で開催される企画展にはなかなか秀逸なものが多い。もちろん好みで当たり外れもあるだろうが、いつ行っても放送されている昨年のWBCのビデオを観るも好し、野球殿堂入り表彰者のレリーフを観るも好し、巨大な硬球のはりぼてに多数の選手がサインしたのを観るのも好し。とにかく野球好きの人なら、どこかしらで楽しめます。
さて、今回の企画展「後楽園スタヂアムと東京ドーム」ですが、東京ドームが出来てから野球ファンになった方が、前身の後楽園球場とはこういうものだったと知るためと言うより、後楽園の時代に何度も足を運んだ人向けという感じだろう。さすがに敗戦処理。も約70年前の日米野球や昭和天皇がご観戦された天覧試合は歴史上の出来事として認識している程度なので当時の資料が展示されていてもぐっと来ることはないが、設置してある当時の観客席にはつい長く座ってしまう。そしてその観客席に座って目の前にあるモニターでは後楽園で最初から最後まで行われた1981年のジャイアンツとファイターズによる日本シリーズのダイジェストVTRが流れている。ここにやはり人が集まってくる。
ジャイアンツの現監督、原辰徳のルーキーイヤーで、トロイカ体制と言われた藤田元司監督、王貞治助監督、牧野茂ヘッドコーチの映像も懐かしい。藤田さんも牧野さんも故人となってしまったことに思いを寄せると、感傷的になる。ファイターズの監督は「喝!」でおなじみの「大沢親分」こと大沢啓二監督。他にも江川卓、西本聖、中畑清、江夏豊、木田勇、柏原純一、トニー・ソレイタ、ロイ・ホワイトら懐かしい面々が登場する。
ファイターズファンは第三戦まで観て席を立つのだろうが、シリーズの流れを決めたといわれる第四戦でファイターズがジャイアンツの一塁走者、河埜和正を牽制球で誘い出しておきながら一塁の柏原が深追いして二塁進塁を許してしまったシーンもしっかり出てくる。またナレーターがファイターズの遊撃手、高代延博のことを「足を痛めている」とさかんに説明しているのも印象的だ。
また、今ジャイアンツベンチで原監督の隣で苦虫を噛み潰したような顔で仁王立ちしている篠塚和典(当時は利夫)が木田から上半身が一回転するような華麗なフォームでライトスタンドに本塁打するシーンには「すげぇ、イチローみたい」という声が挙がっていた。「イチローが似ているんだよ」と敢えて反論しなかったが<笑>。
ちょっと残念なのは、天然芝時代の後楽園球場をしのばせる展示品が少ないこと。実は映像としてもあまり残っていないようだ。王選手の756号も人工芝になって二年目の1976年の出来事。天然芝時代の後楽園球場の映像をじっくりと観たい人はこの展示よりむしろ、バップから発売されているDVD「長嶋茂雄現役引退試合」を観ることをオススメしたい。
「わが巨人軍は永久に不滅です」でおなじみの1974年10月14日ダブルヘッダー第二試合の映像を一回表から試合終了まで当時の日本テレビの中継映像を元に再現しており、村山実さんの解説、赤木孝男アナによる実況、リポーターも小川光明、吉田塡一郎、浅見源司郎と「おおぉっ」と叫びたくなるような豪華<?>メンバー。当時の後楽園球場は内外野天然芝という貴重な球場だったのだ。カメラがバックネット裏から撮影しているのも今からすると、かえって新鮮だ。
なにしろ、セ・パ両球団が本拠地にしていた球場だ。他チームのファンの方も、ビジターとして大なり小なり思い入れのある球場だろう。興味のある方は野球観戦の前に、いやこれだけのために訪ねてみて下さい。
P.S.
今年は26年ぶりにジャイアンツとファイターズによる日本シリーズが実現するかもしれない。「後楽園シリーズ」と言われながらおそらく90%以上はジャイアンツファンだった当時と比べ、本拠地を札幌ドームに移した26年ぶりの対決はいわゆるホーム&アウェイ色がはっきりした闘いになるかもしれない。ファイターズが東京ドームを離れる時にファンとして最も悔いが残ったのは東京ドームで日本シリーズを出来なかったことだが、ジャイアンツとやるなら東京VS札幌という構図の方がよいだろう。なにより名古屋や甲子園でやるよりも、敗戦処理。の様な東京時代の残党にはありがたい。
敗戦処理。がその場合にどちらを応援するかはもちろんトップシークレット。
■野球体育博物館
( http://www.baseball-museum.or.jp/ )
最寄り駅
・水道橋駅(JR:中央線・総武線、都営地下鉄:都営三田線)、
・後楽園駅(東京メトロ:丸ノ内線、南北線)、
・春日駅(都営地下鉄:大江戸線)
各徒歩3~5分、東京ドーム21番入口横
開館時間
・3月~9月 10:00~18:00/10月~2月 10:00~17:00
※ 入館は閉館時間の30分前まで
休館日
・月曜日(祝日、東京ドームでの野球開催日、春・夏休み期間中は開館)、
・年末年始(12月29日~1月1日)
入場料
・大人500円(300円)、65歳以上300円、小・中学生200円(150円)
障害者割引:大人300円、小・中学生150円
※()内は20名以上の団体
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