まずい、もう一敗も出来ない!!
ペナントレースも両リーグとも激しい優勝争いが繰り広げられていますが、イースタン・リーグも凄いことになっています。今日(17日)のスポーツ新聞などに「巨人弟にM5」などと書かれていましたのでご存じの方も多いと思いますが、マジック5とはいえ残り試合も5試合しかない状況で上位四球団が競っています。
9月16日現在イースタン上位四球団成績
1位 ジャイアンツ 50勝38敗3分
2位 シーレックス 49勝39敗3分 1差
3位 ファイターズ 48勝40敗3分 2差
4位 スワローズ 46勝40敗4分 3差
※ ゲーム差は首位との差
と言う訳で、ファイターズファンとしては一軍の闘いも当然気になるところですが、諺に「遠くの一軍より近くの二軍」とあるように、鎌ヶ谷に行って、ライオンズのファームとの対戦を観てきました。
いやぁ、三十数年のプロ野球観戦歴を持つ敗戦処理。ですが、こんな試合初めてでした。
上述のような優勝争いを考えると非常にナーバスになる時期なのですが、「青汁デー」と銘打って試合前に売店のある通路で振る舞い酒ならぬ振る舞い青汁が配られ、CMに出演している、ファイターズの前身のフライヤーズのOBにあたる悪役商会の八名信夫さんも来場していました。
八名さんは始球式を務めた他、五回終了後のアトラクション「青汁早飲みリレー」のプレゼンターも務めました。
今日はカビーの他にB☆Bも来場。このアトラクションでは観客から参加希望者を募り、カビーチームとB☆Bチームに分け、出場者が青汁を飲み干して、マイクの前に立ってCMで有名な決めぜりふ「うーん、不味い。もう一杯!!」と叫んで次の人にリレーし、チーム単位で早い方が勝ち。また叫び声が上手だった方が勝ちというゲームでした。(写真:始球式を務めた八名信夫。フライヤーズ時代は投手! 72歳とは思えぬ堂々のフォーム!!)
八名さんは表彰式でCMでのあの名ぜりふをリクエストされていましたが、残念ながら聞けませんでした。
八名さんがさすがだなと感じたのは挨拶した時に普通の芸能人なら「選手の皆さんは…」というところを「選手諸君は…」と言っていた点。今でこそ俳優としての地位を固めた方ですが、フライヤーズの元投手。現役ファイターズナインは後輩に当たる訳ですから、「諸君」と呼ぶのもむべなるかな。
そんなゆるい一面もありましたが、試合の方は壮絶な乱戦になりました。プロ野球観戦歴三十年を超える敗戦処理。ですが、こんな凄い試合は初めて観ました。
いやぁ~、本当に凄かった。
先発はウチが星野八千穂で、相手は元ジャイアンツの河原純一です。
星野が初回に大崎雄太朗に先頭打者本塁打を浴びるスタートなら、河原の方は一回裏に先頭の陽仲壽の打球を右足に直撃されて打者一人で降板。今にして思えばこれが波乱の幕開けだったのでしょう。
星野とて、山本一徳が一軍に上がったため急遽先発に回った感じで、先発というよりは一番手という感じでした。三回に大崎に二打席連続本塁打を浴びましたが、今シーズンの1号と2号とのこと。四回表から二番手の歌藤達夫が出てきました。
ファイターズ打線は二回裏に市川卓がツーラン。三回裏には安打と敵失で得た一死二、三塁から小田智之が2点タイムリーと三回を終わって4対2と、昨日シーレックス相手に13点奪ったいきおいを持続しているかに思えました。
しかし四回表に二番手の歌藤が二死一、二塁のピンチで星秀和を一塁ゴロに打ち取ったかと思ったら地をはうようなほぼ正面のゴロをミッチ・ジョーンズが取り損ねるタイムリーエラーでまず1点。この後二打席連続本塁打の大崎と、続く黒瀬春樹に連続タイムリーを浴びて4対5と逆転されます。
この後は萩原淳、糸数敬作、伊藤剛と出てくる投手がことごとく失点を重ねます。特に五回終了後の「青汁早飲みリレー」に敗れたB☆Bが罰ゲームとして七回表の相手の攻撃時に1イニングの間、ライトスタンドの先の駐車場の奥の坂の上にバケツを持って立たされているなか、七回表に4失点したのが響き、九回表を終えて5対14という大差になった時には今年最後の観戦になるかもしれないのに…」と腹立たしくなりました。
(写真:罰ゲームでライト場外の坂の上でバケツを持って立たされるB☆B。何もケン・グリフィーJr.の場外本塁打記念碑の横でやらなくても…)
よく高校野球の試合などで大差がついているのにアナウンサーが「試合は最後までわかりません…」的なことを言うと「何言ってんだよ」と突っ込みたくなります。九回裏の攻撃開始時に応援団が「さあこの回10本ホームランを打ってひっくり返しましょう!」と叫んだ時にもスタンドは完全に白けていました。
しかし、しかしそのまさかが起きてくるのです。
この回からマウンドに上がった七番手の松川誉弘が、左のサイドスローという変速投手なのですが、これがストライクを取れません。見る見るうちに走者がたまり、ストライクを取りに行くとタイムリーという繰り返しでファイターズがじわりじわり反撃していくのです。
それでも9点差あるのですから、「追いつけないだろう」という雰囲気の中、押し出しの四球と、陽のタイムリー、さらに四球で3点還してなお無死満塁で松川をKOした当たりからファイターズファンが本気になります。
ファイターズは八番手の山本歩に対しても小田がタイムリー。ジョーンズは三振したものの(4打数3三振、残す1打数は併殺打…!)、さらに佐藤吉宏、尾崎匡哉が連続タイムリー。あっという間に11対14。ついに本塁打が出れば逆転サヨナラという場面になり、二回裏にツーランを放っている市川にこの回二度目の打席が回って最高潮に。市川は慎重に選んで押しだし。12対14!!
とうとうワンヒットで同点。長打が出れば逆転サヨナラもという局面になり、鵜久森淳志の代打、小山桂治に期待がかかります。
小山は二塁ゴロ、一塁走者のフォースアウトのみでこの間に1点入り13対14。一回り前に今成亮太の代打で出た渡部龍一のこの回二度目の打席に期待が集まりましたが、ハーフスイングを空振りに取られ、後一歩のところで及びませんでした。
一塁の塁審もいい加減に試合を終わらせようとしたのでしょうか?
一点差及ばず、無念の黒星。
しかし最後までこの乱戦につきあったファイターズファンから突然拍手が起き出しました。
負けたのに拍手が起きる。何なんだこの感動は!
負けたのにこんなに感動したのは田中幸雄の2000本安打達成試合以来だぞ!
【17日・ファイターズスタジアム】
グ 101 310 413 =14
F 022 001 008 =13
グ)河原、藤原、○田中、田沢、東、石井貴、松川、山本歩-上本
F)星野、●歌藤、萩原、糸数、伊藤-今成
本塁打)大崎1号(星野・1回)、市川6号2ラン(藤原・2回)、大崎2号(星野・3回)、高山3号(萩原・5回)、高山4号(伊藤・8回)
冷静に考えれば五人の投手が揃いも揃って打たれまくって14点も取られるのが論外なのですが、最終回の怒濤の反撃(と言っても半分は相手の自滅ですが…)にファンは皆、感動したのでしょう。
相手の応援団も、1、2点の反撃の頃には「頑張れ、頑張れマーツーカーワー」などと声を出していましたがしまいには声が出なくなっていました。
九回裏の攻撃を振り返っておきます。
九回表終了、5対14
投手、石井貴→松川
(九回裏)
尾崎 左安
市川 四球
鵜久森 四球
今成の代打渡部 四球(6対14)
陽 右中2(8対14)
今浪 四球
投手、松川→山本歩
織田 左前安(9対14)
ジョーンズ 三振
佐藤 左前安(10対14)
尾崎 中前安(11対14)
市川 四球(12対14)
鵜久森の代打小山 二ゴロ
一塁走者が二塁封殺(13対14)
渡部 三振 試合終了
本当に凄い試合でした。敗因はジョーンズで、ジョーンズだけが試合後も非難を浴びていましたが、皆、滅多に観ることの出来ないものを観ることが出来て、満足しているといったら語弊があるかもしれませんが、納得して球場を後にしていた様子でした。
しかし、現実に目を向けなければなりません。ジャイアンツは今日も勝ちました。ファイターズは3ゲーム差と離されました。今日は上位四球団ではジャイアンツだけが勝利。ファイターズの他にシーレックスとスワローズも敗れました。
その結果順位はこうなりました。
9月17日現在イースタン上位四球団成績
1位 ジャイアンツ 51勝38敗3分 M3
2位 シーレックス 49勝40敗3分 2差
3位 ファイターズ 48勝41敗3分 3差
4位 スワローズ 46勝41敗4分 4差
※ ゲーム差は首位との差
まずい、もう一敗 も出来ない!!
オチが付いたところでお後がよろしいようで。
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