「生」観戦した野球場(38)-静岡県営草薙野球場
第36回(8月2日エントリー)で取り上げた「長野オリンピックスタジアム」同様、プロ野球チームのホームタウンでない都道府県では有数の施設と言える静岡県の県営草薙野球場を取り上げる。一般には「静岡草薙球場」の名前で親しまれている。
その歴史は古く、1934年にはベーブ・ルースらを擁した大リーグ選抜軍が日米野球で使用。対戦した沢村栄治の力投は今でも語り継がれていて、球場外には沢村栄治像とベーブ・ルース像が建てられている。(写真:球場外の広場にある両雄の像。振りかぶっているのが沢村栄治像で、打席で構えているのがベーブ・ルース像)
最近ではベイスターズ球団の地方開催試合に使われることも多いが、JR静岡駅から10分ほど歩く静岡鉄道の新静岡駅から静岡鉄道に乗って県総合運動場駅で下車。同駅から徒歩約10分の場所にある。外野が天然芝で内野が土というシンプルな球場だが、両翼91m、中堅115mという狭さが玉に瑕。そのせいかパ・リーグ東西対抗ではアーチ合戦になることもしばしば。(各投手がほとんどストレートしか投げないからという方が正しいか。)また老朽化も否定できない。
毎年11月のパ・リーグ東西対抗の会場としてファンに定着している。敗戦処理。も2003年から2005年、2006年と三回連続生観戦した(2004年は球界再編騒動のあおりを受けて休止)。
残念ながらパ・リーグ東西対抗は2006年を以て終了となったが、これは日本プロ野球選手会が11月に行われる日米野球などの真剣勝負とは言い難い興行色の強いイベントへの協力を拒否する姿勢を示したのに対し、パ・リーグ会長である小池唯夫が表明したもの。
2006年のパ・リーグ東西対抗では小池会長の試合前のスピーチに対して外野席の応援団を中心に凄まじいブーイングが飛んだが、参加している選手達自体が乗り気でないのだから小池会長ばかりにブーイングを浴びせるのは筋違いにも思えた。ただし小池会長が元毎日新聞社社長という立場であり、選手会が難色を示している本丸と思える日米野球は隔年で読売新聞社と毎日新聞社が交互で主催しており、次回2008年は毎日新聞社の主催で行われるため、選手会に非協力的な立場を取られたらたまらないから東西対抗の中止で手打ちを行ったのではないかとの疑念も生じている。
アクセスは
しかしかつてはセ・リーグ、パ・リーグとも各球団の本拠地持ち回りで行われていたリーグ内の東西対抗が地方開催に切り替えられてから、セ・リーグが終了してもパ・リーグで継続できたのは静岡という土地柄によるところが大きいと敗戦処理。は見ている。
割と日本の真ん中的な位置である静岡県で、新幹線の駅から地元の鉄道に一度乗り換えるだけという利便性があり、特定球団のカラーに染まっていないから北は北海道、南は福岡から各球団のファンがこの日のために集まってくることが出来るのである。もちろんかつてのセ・リーグの東西対抗のように宮崎県で開催しても熱心な野球ファンは海を越えて駆けつけるだろうが、やはり限界がある。福岡や北海道から静岡に来ることも容易ではないが、ホークスのルーツは大阪であり、ファイターズのルーツは東京で両地域のファンも年に一度のこの場所でのお祭りを楽しみにしているからだ。
実際、試合終了後に繰り広げられる、外野席入口外の広場での六球団応援団が入り乱れての応援合戦は壮観だ。各球団の応援団のリーダーが順にステージに上がり、レギュラー選手の応援歌を皮切りに懐かしの人気選手やダメ外国人選手のヒッティングマーチに皆で盛り上がる趣向だ。ライオンズの応援団のリーダーなどはその風貌からいつの間にか「和田さん」が通り名になってしまった<笑>。これが楽しみでパ・リーグ東西対抗を遠来から観戦に来るファンも少なくないらしい。
しかし、そのパ・リーグ東西対抗はもはやない。
敗戦処理。の過去の生観戦実績もこの大会の三回のみ。今後訪れる機会はないかもしれない。個人的にはこの球場にはファーム日本選手権の招致をして欲しいと考えている。ファームは球団の所在地を東西で分けてリーグを組織していて、その両リーグのチャンピオン同士の対戦の場として、静岡というロケーションはふさわしいと思うからだ。少なくとも山形県よりは。三日前(9月29日)に観戦してその思いを強くした<苦笑>。
あっ、この球場ではジャイアンツとタイガースのOB戦が開催されることも多い。今年も11月18日に開催されるという。今度はそれを楽しみにしよう。
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