« 「生」観戦した野球場(39)-松山中央公園野球場 | トップページ | ダルビッシュ有の沢村栄治賞受賞と日本シリーズ第五戦での山井大介途中降板 »

2007年11月 3日 (土)

敗軍のファン、将を語る。

日本シリーズが終わってしまいました。ファイターズは一勝四敗に終わりました。個人的には今年こそ26年ぶりのジャイアンツとファイターズの日本シリーズが再現されるのではないかと胸を躍らせていた時期もありましたが、結果的にはジャイアンツもファイターズもドラゴンズに蹴散らされた形になりました。

別のところ-はっきり言えばfolomyですが-で「日本シリーズの敗因は日本シリーズに出場したことである」というような趣旨のことを書きましたが、これが基本的に敗戦処理。のスタンスです。日本シリーズで勝つことは素晴らしいことで、当然難しいことですが、日本シリーズに出ることの方が難しいからです。ファイターズ以外のパ・リーグ五球団は今年に関しては日本シリーズに出場出来ないのですから。

ま、そんな感じでドラゴンズに蹴散らされたジャイアンツとファイターズをそれぞれ応援する敗戦処理。がポストシーズンゲームで敗れた両チームへの感情が何故か異なっていることに気付きました。

まずファイターズに関しては、もちろん一勝四敗という結果は残念で残念でたまりませんが、前述したように日本シリーズに出場できたということの方が素晴らしいのであまり責める気にならないのです。

日本シリーズ第五戦では山井大介、岩瀬仁紀のリレーの前にファイターズ打線は一人の走者も出せない結果に終わりましたが、ファイターズ以外のパ・リーグ五球団は山井に対して安打を放つどころか、打席にすら立てない訳ですから。

もちろん負けた内容に関して言いたいことはあります。

第三戦で、武田勝を先発させて絶不調と観るやすぐさまブライアン・スウィーニーを初回から投入したこと。これが理解できません。

トレイ・ヒルマン監督は日本シリーズに臨むに当たってどのような先発ローテーションを考えていたのでしょうか?

最大七試合の日本シリーズで先発投手を四人で回すのか、それとも五人なのか。

日本シリーズだからといって、あくまで公式戦やクライマックスシリーズの延長線上にあるものと考えて今まで通りの野球を踏襲するのならダルビッシュ有、ライアン・グリン、武田勝。パ・リーグの年間の規定投球回数に達した投手であり、防御率のリーグ順位がダルビッシュ2位、グリン3位、武田勝6位。この三人に加え、シーズン終盤にようやく先発投手として安定感を見せてきたスウィーニーの四人で回すと考えるのが妥当だろう。

日本シリーズに近い短期決戦のクライマックスシリーズでの結果やそれ以降のコンディションなどを加味して調子優先で決めるなら、マリーンズ相手のクライマックスシリーズで一人で2敗した武田勝を外し、それにかわる先発要員を考えなければならない。

ヒルマン監督はそのどちらでもなかった…。

前者なら第一戦から順に先発はダルビッシュ、グリン、武田勝、スウィーニーの順でしょうし、後者ならダルビッシュ、グリン、スウィーニー、吉川光夫の順でしょう。

中途半端でしたね…。

個人的にヒルマン監督に対して最も評価しているのは一貫性、頑なさだったので残念です。

ファイターズに関してはそれだけです。

ドラゴンズが強かったのでしょう。ドラゴンズの皆さん、ドラゴンズファンの皆さん、おめでとうございます。

さて、もう一方のジャイアンツです。

2002年以来、5年ぶりのリーグ優勝を果たしました。クライマックスシリーズで勝ち上がっていれば日本シリーズに出場できるところまで行ったのですが届きませんでした。

敗戦処理。は今年の新制度-公式戦1位がリーグ優勝であり、クライマックスシリーズで勝ち抜いたチームが日本シリーズに出場する-という制度に対して応援しているファイターズとジャイアンツにはとにかくリーグ優勝を目指して欲しい。三位以内に入ってクライマックスシリーズで一発逆転をなどはとりあえず考えず、長丁場の公式戦で優勝して欲しいと。

その点ではファイターズもジャイアンツも「目標」を達成してくれたのですが、ファイターズに関しては満足しているのにジャイアンツに対しては腹立たしさが残っているのです。

しばらくは自分でもその感情の違いを整理できませんでした。

やっとわかりました。

ジャイアンツのクライマックスシリーズでの負け方に納得できなかったのです。

シーズン中、打たれまくったT.ウッズに対する対策が結局最後まで立てられなかった。逃げて逃げて逃げまくって走者を貯めて傷口を拡げたり、逃げられずに勝負しては一発かまされる。ある試合では初回から歩かせたり、先頭打者でも歩かせたり。この試合でジャイアンツは勝ちましたが空いた口が塞がりませんでした。

当然、クライマックスシリーズでも打たれますわな。

公式戦よりはウッズに対して向かっていく姿勢を見せていたように感じることもできましたが、対策がないので痛いところで一発をかまされました。

それよりも痛々しかったのが第二戦、第三戦でのリードされている状況での九回表上原浩治投入。

第一戦に負けたジャイアンツとしては切羽詰まった状況であるのは解るが、クライマックスシリーズになって林昌範、豊田清が戦列に復帰したというのにビハインドの九回表にマウンドを託せるのが勝ち試合のクローザー上原しかいないというのはそのイニングに至るまでの起用法に誤りがあるとしか思えない。

上原は第二戦でのリリーフで追加点となる失点をしてしまったが、そんなことは問題ではない。そもそも上原は第二戦でも第三戦でもその裏に自分に打順が回るような位置に入れられている。九回裏の反撃で上原に代打を出して同点で延長戦になっても、もう信頼できる投手は残っていない。

ドラゴンズでは岩瀬が八回裏途中から登板していたが、第二戦では平井正史が、第三戦では平井と岡本真也がまだ残っていた。

どちらの試合でもジャイアンツは八回表に豊田が登板しているが八回裏に豊田に打順が回っておらず、降板させる必然性はない。1イニング14球で済んだ第二戦なら豊田に九回表も続投させるという選択肢もあったはずだし、第三戦は八回から豊田でなく、林を先に使うという選択肢もあったはずだ。

ジャイアンツにとっては負けたら終わりである第三戦。八回を終えて2対4とリードされ、今シーズン最後のイニングになるかもしれない九回表に原監督は豊田に替えて上原をマウンドに送った。第二戦同様、八回裏に豊田に打順が回って代打を起用した訳ではない。

今シーズン最後のイニングになるかもしれないマウンドに一年間チームを引っ張ってきたクローザーの上原を注ぎ込む。過去に同様の状況になったチームで同じような例はあり、よくあるケースだ。実際、東京ドームでも大きな歓声が沸き起こった。

しかし、敗戦処理。に言わせればこの時点で敗戦を覚悟したかのような継投としか思えない。そうでなければ、原監督がこの時点で冷静さを失っていたとしか考えられない。上原は九回裏に四人目の打者として打席が回ってくるのだ。

九回表を上原で抑えてムードを変えて一気に逆転を狙う。-上原投入が諦めと覚悟によるものでないとしたら、上原投入の理由はこれ以外にない。しかし冷静に考えて、1点差ならまだしも2点差を1イニングでひっくり返すのは至難の業だ。クライマックスシリーズの場合、上位チームであるジャイアンツにとっては引き分けは勝ちにほぼ等しい。それならば2点差を一気に逆転ではなく、同点にして延長戦狙いという発想もあったはずだ。そこまで考えて上原を投入するのなら、打順の遠いところに上原を入れ、同点にしてなおかつ上原にもう1イニング投げてもらうという発想に何故ならないのか?八回裏のジャイアンツはこの試合の六番打者・阿部慎之助で終わっていたが絶不調の四番・イ・スンヨプを退けて上原をその打順に入れるという発想に何故至らなかったのか?

チームの指揮官に覚悟というか諦めというか、そんな状況で九回の1イニングを迎えていた間隔があったとしたら、もはやその時点でジャイアンツは終わりであり、九回裏に代走で出た古城茂幸が次打者の平凡なレフトフライで飛び出して帰塁出来なかったお粗末なプレーも出るべくして出たとしか言いようがない<苦笑>

要するに敗戦処理。としては負け方に納得が行かないのである。

日本シリーズでドラゴンズに敗れたファイターズでは守護神MICHEALが一度も登板しなかったが、そういう展開にならなかったので登板機会無しは自然な結果である。特にナゴヤドームではファイターズは表の攻撃なので、ビハインドで切り札を斬ってその後に逆転しても九回裏を抑えないと勝てないからなおさら意味のない投入はできない。

ジャイアンツファン(に限らずクライマックスシリーズという名のプレーオフ制度を初めて経験するセ・リーグのチームのファン共通化もしれないが)にとって初めての状況だったので、ジャイアンツファンの中には5年ぶりのリーグ優勝で充分であり、初めてで今一つよく解らない制度に思い入れが強くならないという人も少なくないだろう。敗戦処理。はそこまで割り切っていないが、基本的にリーグ優勝で万々歳という立場だが、あまりにもお粗末な敗れ方で腹が立ってしまったのだった。

ジャイアンツが出場したドラゴンズとのクライマックスシリーズ三試合の入場者数は合計で135,387人。一試合平均で45,129人にあたり、この数字は今シーズンのジャイアンツの公式戦の主催試合の一試合平均の観客動員数40,436人に比べ、1割以上も多い。十二球団で主催試合一試合当たりの平均観客動員数が最も多いタイガースの43,669人をも上回る。もちろんこの動員人数にはドラゴンズファンの数も含まれているが、クライマックスシリーズも勝ち抜いて日本シリーズに進んで欲しいと思っていたジャイアンツファンが圧倒的に多いとみて間違いないだろう。

全体を通しては「ジャイアンツナインよ、一年間ありがとう!」といえるシーズンだったが、公式戦よりファンの期待度の高いクライマックスシリーズにおいて惨敗したことに関しては少なくとも球団内部では反省材料にして欲しいものだ。

もちろん来シーズンも敗戦処理。は文句を言いながらもこの両チームを応援していくが。

|

« 「生」観戦した野球場(39)-松山中央公園野球場 | トップページ | ダルビッシュ有の沢村栄治賞受賞と日本シリーズ第五戦での山井大介途中降板 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/38724/8739420

この記事へのトラックバック一覧です: 敗軍のファン、将を語る。:

« 「生」観戦した野球場(39)-松山中央公園野球場 | トップページ | ダルビッシュ有の沢村栄治賞受賞と日本シリーズ第五戦での山井大介途中降板 »