1月1日のジャイアンツ球場
(元旦のジャイアンツ球場 敗戦処理。撮影)
あらためまして、明けましておめでとうございます。今日は初詣の途中にジャイアンツ球場に寄ってきました。なまりまくった身体に新年早々283段の階段を上がるのは少々きつかったですが、一年の最初の日にこういう場所に行くのもいいんじゃないかなと。もちろん、よみうりランドで行われている「それいけ!アンパンマンショー」が目的ではありません。ちなみに正月特別企画として吉村禎章二軍監督がアンパンマンに扮します。バイキンマンには栄村忠広が友情出演<冗>。
暮れには開いていた球場の入口も閉まっており、このオフに手がけている内外野の境、土と芝生の境界をなだらかにする工事が途中になっています。捕手の星孝典が元日から球場周辺を走るという報道がありましたが、星に限らず選手らしい姿は観ることが出来ませんでした。(もちろんそういう目的で行ったのではありませんが。)
室内練習場もご覧のように門松が飾られてすっかりお正月休みモード。敗戦処理。以外にファンらしき人物はおらず、年賀状を配る人と、遊園地に向かっていると思われる人がいるくらいです。
敗戦処理。にとって元日にジャイアンツ球場を訪ねるのはもちろん初めてです。うまく言い表せませんが、急に初詣の前に立ち寄りたくなり、お賽銭の他にカメラを持ち出しました。
実は暮れの30日、31日にジャイアンツが敗れたクライマックスシリーズ三試合のビデオを観ました。ダイジェストでなく、試合の最初から最後までです。当日の中継を録画したものがまだHDDに残っていたのです。
負けたことがわかっている試合を再び観るのは苦痛以外の何物でもありませんが、結果論ではなく、敗因がよく解りますね。レギュラーシーズン中にT.ウッズ対策を充分に立てられず、ある試合では走者無しの場面でも逃げまくって歩かせるなどの愚策を見せて打たれずにジャイアンツが勝った試合もありましたが、結局シーズンを通して対策を立てられなかったので短期決戦で勝負するのか逃げまくるのか方針すら立てられず、肝心なところで手痛い一発を打たれていますね。研究不足なのか、実際に相対する投手に力がないのか、おそらくその双方だと思いますが、これでは勝てませんな。
元日のスポーツ報知で原辰徳監督が、クライマックスシリーズのような短期決戦に勝つためには本当の主軸、本当のエースがいなくてはだめだというようなことを語っています。いわゆる「全員野球」より、誰か大黒柱がいてその選手が先頭に立ってチームを引っ張って、相手をなぎ倒すようなチームにしたいということなのでしょう。現役時代、ジャイアンツの四番を「聖域」と表現した原監督らしい発想ですね。
でも、清原和博が頼りないとタフィ・ローズや小久保裕紀を獲得し、さらにはイ・スンヨプを獲得し、小笠原道大も獲って、このオフにはアレックス・ラミレス。誰に主軸になって欲しいの?
投手だってそう。上原浩治を今シーズンは先発に戻すそうだが、抑えに回った昨年はともかく、その前二年間は先発投手なのに勝ち星は一桁止まり&負け越し。それでセス・グライシンガーを獲得したにせよ、昨年の先発ローテーションを引っ張った内海哲也や高橋尚成の立場はどうなのか?誰がエースなの?
また、記事の中で原監督はこうも語っている。
■野手は1~7番まで不動といっていい破壊力抜群のオーダーで、しかも原監督が理想とするジグザグ打線が組める。若手の入り込む余地はほとんどないといっていい。
「確かに野手はレギュラー陣が円熟期を迎える。そこに割って入ってくるのは難しい状況だが、まずはベンチ入りメンバーに入り込み、レギュラー陣に追いつき、追い抜く選手がひとりでも多く出てきてほしいし、そういう選手を我々は見逃さずに指導していきたい。そういう選手出てこい、と」
大型補強の繰り返しだから若手が育たないのか?
若手が育たないから大型補強の繰り返しなのか?
ジャイアンツのファームは昨年、イースタン・リーグで優勝した。
ウエスタン・リーグの優勝チームと対戦するファーム日本選手権のスターティングメンバーはこうだった。
(中)松本哲也
(三)寺内崇幸
(遊)坂本勇人
(右)亀井義行
(左)田中大二郎
(一)三浦貴
(二)岩舘学
(捕)星孝典
(投)深田拓也
あまりにも線が細い…。 昨年の高校卒ルーキー、坂本勇人と田中大二郎にはレギュラー陣に近づく期待をしているが、若い彼らにその時期が来る頃には、また別の選手を補強していて門を狭くするのがジャイアンツの編成方針なのではないか?
個人的にはもうひとり、深田拓也には「第二の成瀬善久」と秘かに期待している。この選手は敗戦処理。的に一軍で使うのではなく、先発ローテーション投手にアクシデントが起きたり、穴があくときに一軍で先発で使えるように、イースタンでは先発ローテーションで固定して投げさせてほしい。
ああいう補強をしてしまった以上、今年すぐにとはいわないが、いずれファームから叩き上げの選手が一軍で暴れまくるようになってほしい。そんな思いもあって元日早々無人のジャイアンツ球場に足を運んだ訳だが、その後買ったスポーツ報知で上記の原監督のコメントを読んで「どこまで本気なのか…」と首を傾げざるを得ない。
例えば、外国人枠。
普通に考えれば、一軍の四人の外国人枠はイ・スンヨプと新たに加入したマーク・クルーン、グライシンガー、ラミレスの四人だろう。昨年いたデーモン・ホリンズは彼らの加入前に解雇されたが、宙ぶらりんにされていたルイス・ゴンザレスは残留予定だそうだ。だとすれば、二軍に落ちるゴンザレスは三人の外国人野手にアクシデントがあった時のためにイースタンで優先的に出場機会を与えられるだろう。そうなると、日本人の若手内野手が割を食うことになる。坂本は「ポスト二岡智宏」という含みがあるのでショートに固定だろうが、岩舘学、円谷英俊、寺内崇幸らが割を食う形になる。
昨年、ジャイアンツファンの知人から「遠くの鎌ヶ谷より近くのジャイアンツ球場」と皮肉られた。約二時間もかかる鎌ヶ谷ばかりに足を運ばず、近場のジャイアンツ球場の試合をもっと観戦しろ!!という意味なのだが、痛いところを突かれたという感じだ。
上記の原監督のコメント風にいえば、「ジャイアンツ球場に観に行きたいと思わせる選手がひとりでも多く出てきてほしいし、そういう選手を敗戦処理。は見逃さずに注目していきたい。そういう選手出てこい、と」
そのスポーツ報知によると原監督は今年のスローガンを引き続き「奪回」にするという。昨年このスローガンを用いた時に「失ったもの全てを奪い返す」と言っていた。昨年はリーグ優勝こそ果たしたものの、日本一と、テレビ視聴率は取り返すことが出来なかった。
ジャイアンツがジャイアンツに戻るためには、大型補強に頼るだけでなく、このジャイアンツ球場の土にまみれて成長する選手も必要なはずだ。「狭き門」に敢えて立ち向かう選手を観に、283段の階段を上る機会を増やしたい。
P.S.
ちなみにジャイアンツ寮も撮影してきました。こちらも静かです。門は開いていました。
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