2008年こんなオーダーが観たい!!-ジャイアンツ編
キャンプが始まって一週間以上経過し、この時期恒例の週刊ベースボール(ベースボール・マガジン社刊)の選手名鑑号も発売され、オープン戦が待ち遠しい時期になってきた。ストーブリーグとは異なる妄想が膨らむ時期でもある。そこで敗戦処理。としては贔屓チームに「こんなオーダーを観たい」というのを書いてみたい。初めに断っておきますがこれは「予想」ではなく「願望」です。
このオフの間に、セ・リーグのライバル球団で契約がこじれた外国人選手を補強し、戦力アップとライバル球団の戦力ダウンの一挙両得<苦笑>に成功したジャイアンツ。早くも「勝って当然」との一部の声があるようだが、敗戦処理。はそんなに楽観視していない。
たしかに打線に関してはセ・リーグで実績のあるアレックス・ラミレスの加入で、間違いなく打線にさらに厚味が加わる。さすがに昨年のように年間200本安打を今年も続けられるかは疑問だが同一リーグでの移籍だけに戸惑いも少ないだろう。しかしラミレスが加わり、昨年124試合に出場したデーモン・ホリンズが抜けた結果、センターを守れる選手が見当たらないのである。ラミレスの加入が決まった時のスポーツ紙でのオーダー予想は概ねこんな感じだった。
(右)高橋由
(中)谷
(三)小笠原
(左)ラミレス
(一)イ・スンヨプ
(遊)二岡
(捕)阿部
(二)脇谷
※青字は左打者。
ほぼ左右ジグザグ打線で、打率三割経験者が7人並ぶ打線は豪華そのものだ。特に昨年、年間の「先頭打者本塁打」の記録を更新した高橋由伸と、谷佳知の一、二番コンビはどちらもクリーンアップにいても不思議でない贅沢なメンツだが、打撃では昨年復活ぶりをアピールした谷も守備面に関しては残念ながら復活を感じさせなかった。スローイングは緩慢になり、守備範囲は狭まったまま。旧ブルーウェーブでセンターを守っていた頃とは大違いだ。ジャイアンツファンですら守備に難があることがわかっている清水隆行と同時にスタメンで出る場合には清水にセンターを守らせていたくらいだから、谷にセンターを守れる守備力はもはや無いと思うのが順当だろう。
そして今キャンプ中、何のインタビューだったか失念したが原辰徳監督は「守備に問題のある選手はレギュラーとしては使いません。」と言っていた。これが本音であれば、谷のセンター起用は有り得ない。オフシーズンに谷は右ひじを手術しているが、このことが谷の守備力にミラクルを起こせば別だが。
谷がセンターを守れないとすると、誰がセンターを守るのか?
昨年、四年ぶりにゴールデングラブ賞に選ばれた高橋由伸をセンターに回すというのも考えられるが、敗戦処理。としては高橋由には故障の不安がつきまとう。2006年のシーズンで起こったごく普通のスライディングキャッチでの二度にわたる長期離脱を思い出すと、とてもじゃないがセンターに回って故障をして欲しくない。また、高橋由がセンターに入っても、強肩が求められるライトの守備にラミレスか谷の一方を回すのは無謀なので高橋由のセンターには大して意味がない。そうなるとセンターを矢野謙次、鈴木尚広ら若手の競争枠にするしかなかろう。
実は昨シーズンの終了後(まだラミレス獲得の話が出ていない頃)、敗戦処理。は2008年のオーダーとしてこんな感じを想定していた。
(二)脇谷
(左)谷
(三)小笠原
(右)高橋由
(遊)二岡
(一)イ・スンヨプ
(捕)阿部
(中)矢野
2007年のシーズンにおいて残念ながら四番の座を完うしたとは言い難いイ・スンヨプに代わり、高橋由を四番に据えることを考えていたのだ。高橋由の「先頭打者本塁打」に代表される、長打力のある一番打者から始まる攻撃的オーダーの魅力は棄てがたいが、チームの顔たる選手会長(注.2008年度から二岡智宏に引き継ぎ)&将来の幹部候補生には打線の中心である四番か、外野守備の要であるセンター、この二つのうち、少なくともどちらか一つは担って欲しいというのが敗戦処理。の高橋由に対する考え方なのだ。
高橋由に対しては、一年前のオフにはトレード構想まで書いた(2006年11月24日付当ブログ小笠原獲得では終わらない!?-まだまだ続くかジャイアンツの「大胆な血の入れ替え」参照)が、2007年のシーズンには数年ぶりにジャイアンツの主力選手としてふさわしい数字を残した。後輩の二岡に選手会長の座を譲った今シーズンだが、移籍組選手で固められそうなクリーンアップに割って入るくらいの意気込みを見せて欲しいのだ。
で、そんなこんなを考えて、2008年のジャイアンツにこんなオーダーをリクエストしたいのだ。
(遊)二岡
(二)木村拓
(三)小笠原
(右)高橋由
(左)ラミレス
(捕)阿部
(一)イ・スンヨプ
(中)矢野
※青字は左打者、緑字はスイッチヒッター。
本当なら二岡にも高橋由と同じ理由でクリーンアップの一角を担わせたいところだが、小笠原道大やラミレスを外してまでクリーンアップに割り込ませるほどの信頼感はまだないという感じだ。そして昨シーズン打力の復活だけでなく、見事にツナギ役としての二番打者の役割を果たした谷の代わりの二番打者の座は矢野や脇谷亮太ではなく、ベテランの木村拓也に託したい。小坂誠をここに入れることも考えたが、昨シーズン痛めた右肩がまだ万全でないそうだ。
あとは谷が「守備に問題のある選手はレギュラーとしては使いません。」と明言した原監督の基準を上回るほど守備力も復活するか、原監督の基準の許容範囲がやたらに広い場合に昨シーズン同様の二番・谷が機能することになるが、守備を考えればそれはもろ刃の剣であることは言うまでもない。
多少の失点を覚悟してでも打線の強化でそれを取り返す野球を例年通り繰り返すのであれば、マスコミ辞令であっても「守備に問題のある選手はレギュラーとしては使いません。」等と監督自ら言わないことだ。願望でなく予想という観点で考えれば現実には谷がオーダーから外れることはないだろうという気がするが、敗戦処理。の「願望」となるとそういうものではない。もちろん谷に対しても原監督に対しても怨みや嫌悪感を持っているものではない。ただ、こういう「願望」もあるというだけである。
【参考資料】「2008G-playerlist.xls」をダウンロード
※青字は左打者。
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