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2008年2月 3日 (日)

パ・リーグ会長は何故ジェレミー・パウエル二重契約問題を自ら裁こうとしないのか?

先月11日にバファローズが獲得を表明した前ジャイアンツのジェレミー・パウエルに関して、同29日にホークスがパウエルとバファローズは正式な契約手続きを完了していないとして(より好条件を提示して)契約にこぎ着けたというニュースには驚かされたが、もっと驚いたのはバファローズ、ホークス双方を徴収したパ・リーグ小池唯夫会長の「2つの契約書は有効なものと見ざるを得ない。いわゆる二重契約と判断せざるを得ません。」という発言。

 

 

この人はいったい自分の立場を何と心得ているのだろうか?

ホークスサイドはパウエルとバファローズが正式に契約を結んでいないことを突き止めたのは企業努力だと主張したが、事態を重く観たパ・リーグは翌日、両球団から事情を徴収。バファローズが持っているパウエルの直筆サインが入った統一契約書のFAXと、ホークスが持っているパウエルから郵送された、これまたサイン入りの統一契約書(原本)を両方とも有効だと認めてしまったのだ。

これが何を意味するかというと、例えばの話、パウエルとバファローズは厳密には契約を交わしていないとはいえ、海を隔てての交渉だから正式手続きまでのタイムラグが生じるのは当然で、その間隙を縫ってのホークスとパウエルとの契約は道義的に認める訳に行かず無効という裁定になったとしても、ホークスにペナルティは課せないということだ。

ましてや「プロ野球は信頼関係を保って、問題があっても話し合いで解決してきた」などと平気で口にし、自ら解決のために骨を折る気がないことを明言するに至っては、リーグの長として、揉め事に白黒をつけるという当然の「仕事」を放棄する怠慢ぶりだ。しかも「2つの契約書は有効」と言ってしまったため、両球団とも強気の姿勢を示すことも考えられ、早期解決の妨げになりかねない余計な一言を発してしまったという意味で二重の罪と言えよう。

 

 

このパ・リーグ会長はライオンズのG.G.佐藤の年俸調停の時も差し戻し、あくまで当事者同士で話し合って解決せよと、自らの「仕事」を放棄している。話し合っても話が付かないから調停という手段になったと言うことが全くわかっていない。

その点では「(契約書が)両方が有効ということはあり得ない」「二重契約をするような選手は(野球協約)83条を使って入団させなければいい」等とのコメントを発している根来泰周コミッショナー代行の方が(さすがに法律の専門家だけあって)まともな感覚でのコメントが発せられている。しかし残念ながらパ・リーグに対して踏み込んで自ら陣頭指揮を取る姿勢をまだ示していない。

 

 

* ちなみにパ・リーグの会長は新聞社の出身。他紙を購読している人に契約をさせる二重契約もいとわず購読者数を増やすことが当たり前というジャンルに長年携わってきた人ならではの発想とも言える<苦笑>。

百歩譲って、パ・リーグ会長がこのようなトラブルを収集する立場でないというのなら、リーグ内に裁定機関を別に設けるか、第三者によるトラブル解決期間を発足させるべきであり、それすらもしないのであれば、はっきり言ってリーグの長としては危機管理能力が無さ過ぎると言わざるを得ない。パ・リーグ各球団はこんな頼りないトップに代わる人物を捜し、依頼した方がよいだろう。

敗戦処理。は個人的にはホークスがしたことはそれこそかつての「空白の一日」的な発想で法の網の目をくぐり抜けるような行為と認識している。仮にルール上の盲点を突いているとしても、安易に認めてはいけないと思う。野球協約上、ホークスの行為にルール違反がないとしても、二つの球団に対して統一契約書にサインしたパウエルの行為に対し、根来コミッショナー代行がコメントしたように不適格選手として処分するのが妥当だろう。

それにしても、バファローズの清原和博がパウエルのことを「登録名は『お金』にしろ!」と罵ったのには笑った。自分が「月給泥棒」と陰口を叩かれていることを全く自覚していないかのようだ<>。清原の人件費がなければ、ライバル球団に寝返られることのない金額提示が出来たかもしれないというのに。しかも、2日になって一転パウエル批判がトーンダウンしたという。チームメートになる可能性が高いと判断したのだろうか?

清原はもしもパウエルがホークスに入団することになって対戦することになったら、バットの芯に一万円札を巻き付けると言っていたが、そういう日が実現するように、とにかく治療とリハビリをしっかりやってくれ。「金で寝返る男vs月給泥棒」がホークスとバファローズの対戦の遺恨対決として売りになるかもしれない。

 

 

それにしても、昨シーズンは故障に泣かされたとはいえ、故障回復後の登板でも7試合で0勝2敗、防御率5.80と惨々だった選手に対し、まるで横取りするかのような方法をとってまで獲得するとはホークスもよほど切羽詰まっているのだろう。エースの斉藤和巳の長期離脱がはっきりとし、和田毅も開幕に間に合わないという事情はあるにせよ…。

  

敗戦処理。はホークスの系列会社による放映権管理の件で「ホークスがパの讀賣になる」のではと危惧したが、そのエントリーにコメントして下さった鎌ヶ谷大仏さんのご指摘通り編成面で「讀賣化」傾向が垣間見られてしまった。

 

 

そしてそのホークスの編成面での最高責任者はGMを兼任している王貞治監督だということをはっきりと書いて本エントリーを締めくくる。

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コメント

宇宙狼様、お久しぶりです。

敗戦処理。です。

パ・リーグの会長は野球協約が改正されたらコミッショナーが両リーグを統轄するようになるかもしれないのでやる気を失っているのかもしれませんね。

たしかに根来氏も、いくら任期が過ぎたからと言っていつまでも「代行」というのは…。

誰か後任探しは進んでいるのでしょうか?

「乗りかかった舟」という言葉がありますが、根来氏には球界構造改革をある程度めどを付けるまで責任持ってやり遂げて欲しいです。


P.S.
早いものであと一ヶ月もすれば鎌ヶ谷で教育リーグが始まります。楽しみですね。

投稿: 敗戦処理。 | 2008年2月 3日 (日) 22時57分

こんばんは。お久しぶりです。

この件に関する根来氏の見解は正論であるとは思うのですが、その根来氏自身も「プロ野球は無責任社会」といっておきながらコミッショナーに留まっていますからね。何をか言わんや、です。

清原も・・・年末の格闘技の試合で、一昨年の年末に反則で負けた某選手が去年末、今度はKO負け(後に無効試合に裁定変更)した時に、「あの日は悔しくて、朝4時まで眠れなかった。三崎はリングに残って秋山に説教したが、ボクも言われた気がする。オレはいつ戦おうかな? あいつの顔面オレが蹴ってやろうかな」というコメントしていますから。お前の戦う場所はリングじゃないだろ! という感じです。それとも、野球がダメなら格闘技で・・とか考えているのでしょうかね?
だとしたらプロ野球、格闘技の双方を舐めているような気がして腹ただしいことこの上ないです。


投稿: 宇宙狼 | 2008年2月 3日 (日) 22時08分

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昨夜(29日深夜)の時点から、色々情報が入ってきたので、あらためて。 [続きを読む]

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