中田翔、長嶋茂雄に及ばず!?
いやはや、中田人気だからか、それとも単に開幕戦だからか、ファイターズタウンは人、人、人。そもそも鎌ヶ谷駅からのシャトルバスが定員オーバーで客を残したまま出発する程。協進交通や丸十タクシーはさぞ繁盛したことだろう。
敗戦処理。にとっては初めての鎌ヶ谷開幕戦観戦。ファームの開幕戦と侮る無かれ。花束贈呈や地元児童らによる国歌の合唱、始球式が粛々と行われる。これらの進行をカビーとともに仕切るのは昨年なら伊藤さんだったが、この日は元一軍広報担当の中原信広さん。鎌ヶ谷事業部グループチーフディレクターとして、すっかり鎌ヶ谷の顔となった中原さんがリードしていた。
(写真:カビーとともに開幕セレモニーについて観客に説明する鎌ヶ谷事業部グループの中原チーフディレクター)
試合は金澤健人と田中良平の先発。金澤は教育リーグに続き、またも初戦先発。一軍のオープン戦でも登板していたが結構期待されているということだろうか。ただその金澤がどうもピリッとしない。二回表には青野毅に先制タイムリーを浴び、四回表には早坂圭介に2点タイムリー。つかみ所の無いままに0対3とされてしまう。
一方の田中良平は絶好調だった。二回裏には注目の中田翔を空振りの三振に仕留め、三回までは走者を出しても併殺に切り、順調に思えた。
しかし、四回裏に先頭の村田和哉の打球を足に受けてしまい、そのままベンチへ。マリーンズファンは一軍開幕戦の小林宏之の悪夢が脳裏をよぎったことだろうが、治療して田中良は再びマウンドへ。しかし村田の打球の衝撃は軽くなかったのか、にわかに乱れる。
今浪隆博、陽仲壽に連打を浴びて1点を返される。陽の当たりで三塁を狙った今浪が刺されて一段落かと思いきや続く金子洋平にも左中間の二塁打で一死二、三塁。一打出れば同点という場面で打席に中田。これ以上ないオイシイ場面だったはずだが中田は投ゴロ。走者が入れ替わっただけだった。それでも中田の後を打つミッチ・ジョーンズがレフト前に弾き返し1点差とし、死球と四球が続いて押し出しで3対3の同点となった。
ここで打席に入ったのが高校卒ルーキーながら「九番・右翼」で開幕スタメン入りを果たした大平成一。左打席から綺麗なスイングでセンター前に運び、ついにファイターズが5対3と逆転した。
(写真:プロ入り初安打が同点からの勝ち越し打となった大平)
ここでようやくマリーンズは田中良を諦め、二番手にこちらも高校卒ルーキーの阿部和成をマウンドに送るが村田に四球を与えた二死満塁から今浪にセンターオーバーの三塁打を浴びてしまう。今浪は四回裏のこの時点で早くも猛打賞。
その後、マリーンズも「三番・左翼」でスタメン出場していたベニー・アグバヤニが2ランを放つがファイターズも途中からマスクをかぶった尾崎匡哉が2ランを放つなど点の取り合いとなり、最終回にはマリーンズも一発出れば同点という場面まで作るが四番手の菊地和正が何とか抑え、11対7でファイターズが開幕戦を飾った。
【22日・ファイターズスタジアム】
M 010 200 202 =7
F 000 810 02× =11
M)●田中良、阿部、川崎、池田、相原-金澤
F)○金澤、糸数、中村、S菊地-小山、尾崎
本塁打)ベニー1号(糸数・7回)、尾崎1号2ラン(池田・8回)
キャンプ、オープン戦では中田翔が騒がれ、開幕登録では豊島明好が異例の抜擢で注目を浴びているファイターズの高校卒ルーキー達。その中に大平が割って入った感じだ。鵜久森淳志の指定席だった右翼のポジションに教育リーグの時期から座り、いきなり開幕戦で結果を出した。中田もいい刺激になったことだろう。
もちろん鵜久森も…。
それにしても中田。見逃しのストライクが減り、振って振ってカットして球に食らいついていく姿勢には一軍のオープン戦に出ていた頃の最後の方に比べるとだいぶ積極さが出てきた感じだ。たしかにスイングの速さが半端じゃないのは素人目にもわかる。唯一打球が前に飛んだ四回裏の投ゴロは1対3で一死二、三塁という一打同点のメチャクチャ盛り上がる場面だったが期待に応えられなかった。当たりにつられて三塁走者の陽が飛び出して三本間で挟まれてしまったが陽が時間稼ぎをしているのに中田は一塁から二塁を窺おうとせず、陽にジェスチャーで進塁を促される始末だった。中田には打撃以外にも覚えることがたくさんあるということか。
打撃以上に不安の守備ではスタメンで三塁を守ったもののなかなか打球が飛んでこず、唯一の守備機会は八回表、青野のごくごく平凡な三塁ゴロだけ。無難に一塁送球してアウトを取ったが。
中田の仕事は打って走って守るだけではない。試合後は三塁側の出口から勇翔寮に戻るまでにサインを求めるファンに対応しなければならない。球団スタッフにガードされながら黙々とサインし続けた中田。敗戦処理。もちゃっかり一枚してもらった。プロの野球選手は試合の反省とは別に可能な限りファンにサービスをしなければならないということもこの際学んで欲しい。
今日はイースタンの開幕戦ということで鎌ヶ谷で今年初めて会う人もいて試合後には挨拶回り。いつも親切に声をかけて下さる地元親睦団体の方達や、誰でも楽しめるユニークな歌詞の応援歌を考えては披露する応援団の方にこれから半年間のご挨拶が出来た。
挨拶回りやら中田のサイン待ちやらで結構時間が経ってしまったが、この日の観客数が2,500人を数え、外野席の一部にも観客を入れた程で、観客の帰りの足としてのシャトルバスが何往復も繰り返した。敗戦処理。が乗車した最終便がスタジアムから出たのは17:40。帰りも丸十タクシーと協進交通はフル回転だった。もちろんこれだけの観客が集まったのだから仁陣も大賑わいでどのイニングの合間に行っても列が途切れることはなかった。
(写真:左中間の一角のみ観客を入れた外野スタンド。後方の看板はスポーツ紙にも報じられた、看板直撃弾に懸賞が付く広告。)
今日は開幕戦ということで特別だろうが個人的にも中田以外にも大平や村田など、成長が楽しみなルーキーもいるので今年もなるべく多く鎌ヶ谷に足を運びたいと思った次第である。
P.S.
同じく本拠地で開幕を迎えたジャイアンツの方は今日は「GOGO巨人軍」をぶつけてきた。原辰徳監督や一軍主力選手総出演のこのイベント。例年なら1月に行うのを今年はこの時期にぶつけてきた。ファームの開幕戦を13時試合開始でなく30分遅らせ、一軍の方はデーゲームでなくナイトゲームでMLBのアスレチックス戦。果たしてよみうりランド&ジャイアンツ球場の集客はどのくらいだったのだろうか?
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コメント
jiRo様、コメントをありがとうございました。
先日はトラックバックありがとうございました。
> ミッチの(実は)強肩や、ベニー
場外弾でのスタッフの慌て様など、
鎌ヶ谷らしさは発揮していたと思います。
あの外野スタンドの一角だけというのは何だったのでしょうか<笑>?
それとベニーの特大弾には驚かされましたね。
実は札幌の開幕戦を観ていて隣席の知人がマリーンズのオーダーを観て「切れ目のない羨ましい打線ですね」とため息をついていたのですが、そこにベニーと青野が加わったらと思うとぞっとしますね。
そういえばこの日のベニーは試合後に他のマリーンズナインとは別に、球場正面からタクシーで移動しようとして出てきたところをファンにつかまってサイン攻めにあっていました。
中田のサインをもらおうとするファンは三塁側の出口に、マリーンズナインがバスに乗り込む一瞬のチャンスにサインをもらおうとしている人達は一塁側に群がっているので意表を突いて正面から出てきたベニーには元々サイン目当てではない両軍のファンが集まっていた感じでしたね。イヤな顔一つせずサインをし続けるベニーは立派だと思いました。
jiRoさんのblogにも遊びに行くようにしますのでコチラの方も今後ともよろしくお願いいたします。
投稿: 敗戦処理。 | 2008年3月26日 (水) 23時57分
こんばんは、早速お邪魔しました。
ミッチの(実は)強肩や、ベニー
場外弾でのスタッフの慌て様など、
鎌ヶ谷らしさは発揮していたと思います。
またお邪魔させていただきますので、
こちらこそ宜しくお願いいたします。
投稿: jiRo | 2008年3月25日 (火) 19時44分