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2008年3月24日 (月)

スポーツ報知には載らない上原浩治の叫び!?

ジャイアンツのエース、上原浩治の叫びが日刊スポーツに載っていた。今シーズンは一昨年まで務めていた先発に戻るための調整を続けていてその最終登板が22日の対アスレチックス戦だったわけだが、登板前に上原はあっさりと「収穫何もない」と切り捨てた。それはこの日の投球予定が2イニングと短いからではない。打者の傾向も、野球の質も異なるメジャー相手の登板となるからだ。

22日付の日刊スポーツによると上原は

「試合を行うこと自体は賛成だが、疑問しか残らないな。パが始まったばかりのこの時期に、なぜメジャーと練習試合をするのか、分からない。明日の当番で、収穫は何もないと思う。」

と言ったらしい。

所属球団の親会社、読売新聞社が主催者に名を連ねるMLBの日本開幕興行に敢えて異を唱えたジャイアンツのエースの叫び。敗戦処理。から観ても確かにこの時期の開催に違和感はあるが。

MLBの公式戦が日本で開催されるのは2000年のメッツVSカブス、2004年のダイヤモンドバックスVSヤンキースに次いで三度目(他に計画されながら中止になった2003年のマリナーズVSアスレチックスがあり)。第一回の2000年こそセ・パ両リーグの公式戦開催前に行われたが2004年と今回はパ・リーグ公式戦と重なる。今年の場合、レッドソックスとアスレチックスが対戦する2526日にセ・リーグは公式戦開幕前の調整時期で試合がないが、パ・リーグは公式戦がそれぞれ三試合組まれている。

2004年にパ・リーグ公式戦と同日にMLB日本開催の公式戦が開催された時にも疑問視する声が挙がった。特に開催時よりもその後で、その年に勃発した旧ブルーウェーブと旧バファローズの合併騒動に端を発した球界再編騒動において、その黒幕とも言われた当時のジャイアンツのオーナー渡邉恒雄が代表者と言える読売新聞社がMLB公式戦日本開催の主催者に名を連ねていたことから「パ・リーグ潰し」の一環だったのではないかとまで憶測されたほどだった。

難しいところだと思う。

過去の日本開催での観客動員などを考えれば、MLBの球団同士の公式戦の真剣勝負を生で日本の球場で観たいというニーズが日本のファンの間にあるのは事実だ。2000年には史上初という話題性があたし、2004年には松井秀喜の凱旋帰国、今回は松坂大輔の凱旋帰国という一層の話題がある(さらに幻となった2003年にはイチローが凱旋帰国する予定だった)。需要と供給がかみ合えばイベントとして開催されるのは必然と言えよう。

しかし、問題は時期である。

誰もが気がついているように、日本球界の有力スター選手が次々とMLBのチームに移籍していき、日本プロ野球界の危機が叫ばれる中でその日本プロ野球の公式戦と同時期に開催するのは如何なものかということだ。

MLB公式戦が行われるのが東京ドームだということでパ・リーグは2004年の時に続き、今回もこの二日間に関東地区でのカードを組まないようにしてきた。パ・リーグとして出来る対抗策としてはその程度なのだろう。冒頭の上原発言を掲載した日刊スポーツにはパ・リーグの小池唯夫会長の「実行委員会で決められたことだから仕方がない」というコメントも併せて掲載されている。

敗戦処理。自身、2004年にヤンキースが来日した際には「松井秀喜の凱旋試合」ということで古巣ジャイアンツ対ヤンキース戦を生観戦した身なのであまり否定論に説得力が無いかもしれないが。

あの試合での東京ドームのそれこそ360°全体からの「ホームラン、マ・ツ・イ!」という大声援に身震いし、その異様な雰囲気の中、サービスボールだったかもしれないが高橋尚成から特大のアーチを放った瞬間、心臓が止まりそうになったほどだった。

閑話休題。

MLBのチームが日本に来て公式戦を行うとすれば、移動の手間などを考えると開幕の時期くらいしか無いだろう。やるとしたらこの時期だ。

疑問に思うのは、主催者側に少しでも配慮があれば、MLB開幕戦を火曜、水曜の二連戦でなく、月曜、火曜の二連戦に出来なかったのだろうかという点。今回は月曜日にあたる24日にホークス対マリーンズの一試合だけ組まれているがMLB開幕戦を月曜日に組めばホークス戦を他のカード同様に火曜からにすることも出来たろうし、少しでも営業妨害を軽減できる。こういう発想が起きないのが疑問であり、残念である。

それと、もう一つはMLB公式戦開催年に限らず、セ・リーグより開幕の早いパ・リーグ公式戦の開幕。人気と話題性で優っているセ・リーグより早く開幕し、開幕興行のブランドロイヤリティーを高めなければという危機感は十分に理解できるし、今年のように間に一日休みを入れてでも祝日に当たる木曜日に開幕戦を持ってくるという姿勢には涙ぐましいものすら感じる。

そしてセ・リーグより早く開幕することでシーズン中の日程の過密化を少しでも避け、クライマックスシリーズも先にスタートし、セとの日程面での競合を極力避けようとしている。

しかし、しかしである。

320日という公式戦開幕から逆算すると、オープン戦が少ないのである。春季キャンプのスタートが21日より早められない以上、キャンプインから公式戦開幕までの時期を短くすればするほど、オープン戦を組める時期が短くなるのである。敗戦処理。がパ・リーグでファイターズを応援しているからなおさら感じるのかもしれないが、オープン戦が少なく調整が不充分になりかねない気がするのである。

 

実際ファイターズはパ・リーグの中でも最少の11試合。2月のキャンプ中に練習試合を組んでいたがそれで補えるものなのだろうか。そしてその結果、オープン戦だけでは先発ローテーション投手の調整機会が不足し、イースタン教育リーグに一軍先発ローテーション投手が登板することになり、さらにそのしわ寄せで本来「教育リーグ」で教育を施されなければならない若手の機会が限られてしまう。

MLB日本興行があるからパ・リーグの公式戦開幕時期を見直すのではなく、パ・リーグとしての選手の調整面での実利を考えて開幕時期を再検討する必要があるのではないか。オープン戦の弊害以外にも東北地方の宮城県に本拠地を置くゴールデンイーグルスがナイトゲームをしづらいというネックもある。昨年、今年と開幕早々の時期に平日のデーゲーム開催を余儀なくされている。

セ・リーグと同じ3月最終週の開幕で、金曜日に開幕するセより一日遅くして土曜日にデーゲーム開催で開幕戦を行っても良いのではないか。「それではセ・リーグの話題に埋没する」という時代よりはパにスポットライトが当たるようになっていると敗戦処理。には映るのだがどうだろうか?

ところで、ある意味「問題発言」とも取れる上原の発言。スポーツ報知では触れられていない。22日付同紙では上原の「何もないよ。収穫もない。何もやらへんよ」と言うコメントこそ掲載されているものの、『収穫もない』の意味については触れられていない。一方の日刊スポーツでは翌23日付誌面でご丁寧に上原発言に対する滝鼻卓雄オーナーのコメントを「滝鼻オーナー上原苦言を流す」と題して載せている。

「怒っている人もいるけど、これだけ盛り上がっていれば、いいんじゃないですか」

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