一塁コーチ、中田翔
15日、ファイターズのファームが一軍の本拠地、札幌ドームでイースタンの公式戦を行った。1万人を超えるファンがかけつけたが、お目当ての中田翔は前日の試合で痛めた左手首が回復せず欠場し、ファンをガッカリさせた。しかし視察していた梨田昌孝一軍監督の機転で八回裏のファイターズの攻撃時に一塁コーチとして顔見せし、ファンの拍手を浴びていたという。
ということは、一塁コーチって誰がやってもいいってこと?
正確に調べたわけではないが、中田が一塁コーチに立って試合が成立したということはたぶんその試合に登録されている者であれば、監督、コーチでなくても良いのだろう。
札幌ドームに詰めかけたファンの大半は中田が目当てだったことは想像出来る。残念ながら試合に出られない中田を一塁コーチに立たせるというのはファイターズの精一杯のファンサービスだったのだろう。もちろん一塁コーチは誰でも務まるわけではない。一塁走者への指示などが必要な場面に遭遇することもあるだろう。同じ15日、ゴールデンイーグルス対ジャイアンツ戦ではジャイアンツの一塁コーチの福王昭仁が走者に適切な指示を出さなかったことが試合のポイントをを左右したようだ。原辰徳監督も福王コーチに激怒したという。
そもそも中田は現状打撃はともかく、守備と走塁で未熟さを露呈している存在だ。中田に一塁コーチが務まるかという疑問があるが、4点リードした八回裏の攻撃(リードを守りきれば最後の攻撃)ということで、チームとしても小難しく考えなかったのだろう<笑>。
もちろんそれでも三塁コーチよりは重要でないと思われているのは確かだろう。たぶん二軍戦といえども札幌ドームで行う以上はファイターズは三塁側ベンチだったろう。観客も大半がファイターズファンであると思われるが一応一塁側はビジター。ファンサービスなら中田は三塁コーチに立つのが筋だが、より簡単<?>な一塁コーチに立ったということだろう。
それにしても、果たして本当に一、三塁のコーチは誰が立っても良いのだろうか?一軍の公式戦だったらどうなのだろうか?
もしも、あくまでもしもの話ではあるが、ファームの試合だから細かいことにこだわらずに相手(チーム)からクレームも来ないからファンサービスとして認めたなんてことだったら勘弁して欲しい。
オールスターゲームなどで試合に出ていない選手が一、三塁のコーチに立つことがあるが、あれはあくまで非公式戦。ファームといえども公式戦である以上はいい加減なことはしないで欲しいというのがイースタン・リーグを観戦する敗戦処理。の願いなのである。
ちょっと前の出来事だが北京五輪で野球日本代表チームを率いる星野仙一監督とコーチ陣がウエスタン・リーグ公式戦で指揮をとった。5月20日、21日のタイガース対カープ戦で20日はタイガースを率い、翌21日はカープを率いた。星野監督は一応タイガース球団とシニアディレクターという契約を結んではいるが、他のコーチ陣は無所属。彼らは何の資格があってチームを率いることが出来るのか。報道では「特例」という表現を用いていた。
「特例」って何?
一応公平を期すためか、一試合ずつ双方の球団を率いたのだが、公式戦でそんなことをやってもいいの?
「二軍」だから?
ファームを軽視しているのか?-と言いたくなってくる。
タイガースを率いた試合では星野監督は日本代表チームのユニフォームを着ていた。野球規則では監督、コーチ、選手は同じユニフォームを着なければならない。星野監督とコーチ陣は規則違反をしたことになる。
規則違反も関係無しだから「特例」なのか。
オリンピックに勝つために何でもありというのなら、より臨場感というか、緊張感を持たせる意味で星野監督にはジャイアンツの一軍の試合を率いてもらったらどうだろうか。少なくとも今よりは勝率がアップするような気がするがどうだろうか<笑>?
星野監督以下の実戦勘を取り戻すための試合なら、何も公式戦である必要はない。公式戦はあくまで公式戦。NPBとして野球日本代表を支援するというのはわかるがファームを軽視する姿勢が見え隠れしているようであれば、勘弁していただきたい。
中田翔の一塁コーチから星野日本代表監督の公式戦出場と話は飛んだが、「特例」を認めるなといっているのではない。「原則」がきちんと定まっているからこそ、「特例」を設けるのであって、「原理」「原則」が曖昧ならば「特例」もへったくれもない。ファームだから基準がないというのならふざけた話だし、「原則」を踏まえて「特例」を認めているのなら、その内容までマスコミには報じてもらいたいというのが敗戦処理。の意見である。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
Eagles fly free 様、コメントをありがとうございました。
> つまり、
「星野監督以下コーチ陣は、実際に日本代表として北京で戦う」
わけで、
「こちらは、十分特例足り得る」
そう考えます。
一方。
「中田選手は、1塁ベースコーチにはならない」
わけで、これは単に
「北海道日本ハムファイターズという球団にまま観られる、誤ったファン第一主義(「原理」「原則」を踏みにじる行為)に問題がある」
そう考えます。
なるほど、そう整理するとわかりやすいですね。
敗戦処理。は「ファームの特例?」という観点から観てしまいました。
その日の中田は試合には出られない。
ファームの試合では試合に出ない新人選手などがバットボーイを務めたりしますが手首を痛めている中田にはそれすら務められず、したがってファンの前に姿を現せない。それゆえほぼ試合の趨勢が決したと(ファイターズ側が)みなした最後の攻撃で一塁コーチに立たせたのかと思いました。
* ダルビッシュ有でも、一年目にファームにいた時はバットボーイをしていました。バットを片付けに行くのが遅れると、
「タバコ吸っている場合じゃないぞ!」
と容赦ないヤジが飛んでいたものでした<苦笑>。
ところが今日17日に鎌ヶ谷で行われたファイターズ対ジャイアンツ戦を観戦された方の話だと、中田はバットボーイをしていたとのこと。それならば札幌ドームでもバットボーイをさせて「顔見せ」をさせるのもファンサービスの一種になったかと思いました。
> 「こちらは、十分特例足り得る」
だったらなおさらジャイアンツ戦で指揮をとってもらいましょう<笑>。
投稿: 敗戦処理。 | 2008年6月17日 (火) 23時26分
こんばんは。
敗戦処理。さんは
「ファームとは」
こちらの観点から両者の問題を同列に論じられていらっしゃいますが、個人的には、
「2008年8月に、何があるのか」
こちらの観点から捉えたいと思います。
つまり、
「星野監督以下コーチ陣は、実際に日本代表として北京で戦う」
わけで、
「こちらは、十分特例足り得る」
そう考えます。
一方。
「中田選手は、1塁ベースコーチにはならない」
わけで、これは単に
「北海道日本ハムファイターズという球団にまま観られる、誤ったファン第一主義(「原理」「原則」を踏みにじる行為)に問題がある」
そう考えます。
投稿: Eagles fly free | 2008年6月17日 (火) 03時42分