何とかならんか中田翔?
期待が大き過ぎたのだろうか?
高校時代に歴代最多の本塁打を放ったあの姿は何だったのか?
実際、テレビで観た大阪桐蔭時代の一発は典型的な長距離砲のそれだと思えた。気分屋で態度が今ひとつだという悪口が耳に入ってきた。しかし先輩の元悪童は今ではファイターズどころか日本球界のエース。多少の素行の悪さなんて、時間と自覚が解決すると勝手に思い込んでしまった。チームが貧打で左打者ばかりの構成だから、早い時期にクリーンアップを打つのではないかとすら妄想が膨らんでいった。オープン戦の途中で二軍落ちをしたが、あの松井秀喜だって一年目のオープン戦は大型扇風機だった。開幕二軍が確定したが、鎌ヶ谷を卒業するのは時間の問題だと思っていた。
敗戦処理。は中田翔に過大な期待をしすぎていたのか?
4月、5月は三振の山。一試合に四、五回打席が回れば一本くらいは快音を残すがあとの打席は三振か、バットに当てても力ない打球が飛ぶだけ。そんな中田を何度となく見せつけられた。
5月の下旬にはテレビ番組の企画がらみとはいえ3000本安打の大御所、張本勲の直接指導も受けた。
その後、徐々に打ち始めた。敗戦処理。も生一発を堪能することが出来た。
しかし、その矢先に左手首の異常を訴えて戦列を離れる。
バットボーイなど、普通の高校卒ルーキーが一通りこなす雑用という名の修行もこなし、異状が回復すれば心身ともにたくましくなった中田の姿を観ることが出来るのではと期待した。
と・こ・ろ・が…
不調を訴えてから約一ヶ月も経ってから骨折だったことが判明。
新聞報道で骨折発覚が遅れた経緯などが報じられていたが、義務づけられていた毎朝の体調チェック表を中田が出さない時期があったとかの事例を挙げて中田の怠慢、自覚の無さを罵る球団スタッフもいるようだが、所詮はまだ高校を出たばかりの子供。球団の管理責任が問われて然るべきだろう。
中田に精神的な未熟さがあるのは事実だろう。しかしそれと故障は別の次元の出来事だ。実際異常発覚時に中田本人は「内視鏡手術を受けたい」とのコメントを残していた。精神面を指導するなら、治療、リハビリと並行してでも可能だったはずだ。
今回の球団の対応を観ていると、なかなか大器の片鱗を見せてくれなかった打撃に関しても精神的な未熟さを治すことが優先などと別次元の問題ばかり指摘して打撃技術面などの本質に触れていないのではないかと疑いたくもなってくる。
張本の指導を受けてから幾分結果が出るようになったが、張本ほどの大物でないと指導出来ないほど難しい生徒なのだろうか?何のためにファームに二人も打撃コーチがいるのか?
7月5日の鎌ヶ谷でのファイターズ対ゴールデンイーグルス戦。中田は試合前には須永英輝とともにサイン会を行っていた。
整理券を入手出来なかった敗戦処理。は近くから眺めるしかなかったが、同じ至近距離からの観察でも1月の新入団選手交流会とは精悍さが段違いなのはわかった。そしてこの日、中田は試合前にさらに一仕事していた。「鎌スタ☆祭」で新発売するユニフォームのモデルを務め、PRに一躍買っていた。もちろん試合中にはバットボーイやボールボーイをこなしていた。プロ野球選手には試合に出られなくても、出来ることはある。ファンにサービスをするのもある意味仕事の一つだ。長期離脱でモチベーションが下がるのを防ぐために敢えて球団が中田にサインを書かせたり、グラウンドで目立つ行為をさせたりしたのかと敗戦処理。は勝手に思っていた。
しかし骨折判明と、その経緯の報道に触れるにつけ、それが買いかぶりであることに気付いた。
何かと比較しがちな三年前のダルビッシュは鎌ヶ谷で育ったというより、初めから鎌ヶ谷の器を超えていたのだろう。
中田は今、バットボーイやボールボーイとしてしか、チームの役に立っていない。しかしそのダルビッシュも短い期間とはいえ鎌ヶ谷でバットボーイやボールボーイをしていた時期があった。球審からニューボールの提出を求められ、ちょっと出遅れただけで「タバコ吸ってるんじゃねぇぞ!」と容赦ないヤジが飛んでいたのを思い出す。
次に敗戦処理。が鎌ヶ谷で観戦するのはたぶん9月の週末。報道だと試合に復帰出来るのがその頃。バットボーイやボールボーイだけではなく、いろいろと勉強する機会はあるだろう。一回りたくましくなった中田をその時に観たい。
P.S.
今日のオマケ-今からたった三年前。鎌ヶ谷でのファーム生活。試合中に雑用をこなすダルビッシュ。
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コメント
にしたく 様、毎度コメントをありがとうございました。
> 中田翔選手と同じ学年の人間としては、昨夏の地方大会敗退の時点で、「ん~・・・」と、中田選手の能力に疑いの眼差しを向け始めちゃったんですが。
にしたく さんは「中田世代」なのですか。
敗戦処理。世代の現役プロ野球選手が一人減り、二人減り…で寂しいです<苦笑>。
ガキの頃は「甲子園で活躍するスター選手」を格好いいお兄さんという感じで憧れの目で見るものですが、いつしか自分が同じ年になってしまうのですよね。そうすると別の感情を持つというか。
遠い昔のことですが、敗戦処理。がそういう年代だった頃を思い出します。
投稿: 敗戦処理。 | 2008年8月 2日 (土) 02時51分
中田翔選手と同じ学年の人間としては、昨夏の地方大会敗退の時点で、「ん~・・・」と、中田選手の能力に疑いの眼差しを向け始めちゃったんですが。
YS佐藤・G藤村・B田中・M唐川・T清原・H岩嵜・F中田 ・・・
同学年ルーキー達が、一軍で二軍で苦しんでいる姿を見ていると、「高校野球」と「プロ野球」の果てしなく大きな差を改めて実感させられます。
投稿: にしたく | 2008年7月31日 (木) 07時53分