セギノールとあのアルモンテが今でもチームメート?
最近敗戦処理。が入手した資料によると、ファイターズの北海道移転元年の2004年から昨年までの四年間、主砲として活躍したフェルナンド・セギノールと2005年に一年間だけ所属して何の取り柄があるのかわからないのに金子誠を押しやって一時的にレギュラーポジションを獲得したエリック・アルモンテが今またチームメートになっているらしいことが判明しました。
19日から21日までの三連休、いずれも屋外球場でのデーゲーム観戦にいそしむという野球三昧な生活だった敗戦処理。だが実は昼間だけでなく、初日の19日の夜にはある野球がらみのイベントに参加していた。
簡単に言えばプロ野球をネタにした、ディープなトークショーなのだが、そこで参加者に配布された「プロ野球ナイト特別ふろく あの選手は今!?(元NPB選手編)」というチラシにかつて日本プロ野球界に在籍した100人以上の外国人選手の最新の所属先一覧(MLB、マイナーリーグ、独立リーグ、韓国、台湾…)が書かれている。大変な労作なのだが、その中のデトロイト・タイガースの欄に目が止まった。
デトロイト・タイガース(Detroit Tigers)
・ パリッシュ(Larry Parrish)監督(AAA/元ヤクルト)
・ アルモンテ(Erick Almonte)遊撃手(AAA/元日本ハム)
・ ペレス(Timo Perez)内野手(AAA/元広島)
・ セギノール(Fernando Seguinol)一塁手(AAA/元日本ハム)
・ ディスティファーノ(Benny Distefano)打撃コーチ(A/元中日)
これによるとアルモンテとセギノールはデトロイト・タイガースの傘下の3Aのチームに所属していて今でもチームメートということになる。そしてその監督は日本では「ワニ男」の異名で親しまれたスワローズ、タイガースで活躍したラリー・パリッシュであることもわかる。
ファイターズが北海道で過ごした過去四年間の中で唯一のBクラスだった2005年にチームメートだったセギノールとアルモンテ。
この十年間で金子誠のポジションを脅かした唯一の男、アルモンテ。
あまりの貧打(と無気力に見える)ぶりに業を煮やしたファンが、
「オマエなんか鎌ヶ谷に行け!」
とヤジったら別のファンが
「鎌ヶ谷じゃなくて成田に行け!」
といった伝説の男エリック・アルモンテ。
蛇足だがジャイアンツで爪楊枝を加えていた自称豪速球投手ヘクター・アルモンテの弟に当たる。
おっと失礼。敗戦処理。はアルモンテを思い出して感慨にふけっているわけではない。「プロ野球ナイト」を観てきたということを書きたかったのだ。
それにしても不思議な空間だった。
三年後の日本プロ野球界にとんでもないことが起こると予言したスポーツライターの話を検証したり、最初に好きになった野球人はファイターズ時代の上田利治監督で今も田中幸雄を尊敬しているとか言う自称「アキバ系」ならぬ「後楽園系」女性歌手が出てきてミニコンサートを開いたり、千葉マリンや札幌ドームのウグイス嬢の物まねをするタレントとか。シアトルで城島健司と間違えられた城島のそっくりさんとか、猛牛軍団の応援団長から作家に転身したのに野茂にはそんなに思い入れがないとか言っている人もいたし、客の一人が「西鉄ライオンズ」の復刻版ユニフォームを見せたらどう見ても西鉄ライオンズの時代を知らないような年代の客が感動しているし。話題作「マネーボール」は罠だとか言っているアメリカ野球学会の人はいるし…。よくよく聞いてみると、田代まさしが会見を行った会場だというし…。
早くも27回を数える野球バカ向けのイベント。ユニフォーム着用なら当日の飲食代から200円引き。当日のプロ野球のチケットの半券を持参すればワンドリンク無料になると言う。当然、鎌ヶ谷から直行した敗戦処理。は最寄りの阿佐ヶ谷駅でファイターズの鎌ヶ谷限定ユニに着替えて入場した。開始直前に会場にたどり着いた敗戦処理。が客席を見渡すとたしかにいろいろな球団の(いろいろな時代の)ユニフォーム姿がいる。観客は約50人といった感じだったが嬉しいことに鎌ヶ谷限定ユニが敗戦処理。以外にもう一人いた!そして当日の鎌ヶ谷のチケットの半券を見せたが二軍の試合の場合は烏龍茶だそうだ<苦笑>。
このイベントに敗戦処理。が参加したのは、もちろん敗戦処理。も野球バカだからなのだが、主催者の一人に敗戦処理。の恩人がいるからでもある。
敗戦処理。の家のパソコンにインターネットと接続出来る環境が整ったのが1999年。プロバイダーにニフティーサーブを選んだ敗戦処理。はそこにフォーラムと呼ばれるパソコン通信の会議室があることを知り、すぐさま趣味である「プロ野球」のフォーラムを見つけ、翌2000年から入り浸った。
当blogを頻繁に読んで下さっている方はお気付きのように敗戦処理。はお節介な性格である。他球団のファンによる「荒らし」を防ぐように球団別に会議室が設置され、その球団のファン同士でコミュニケーションを取るというコンセプトであったにもかかわらず、若かりし敗戦処理。は各球団の問題点をそれぞれの球団の会議室に投稿してしまったのである。それも元日に。
当然、それぞれの会議室の常連メンバーから猛反発。なかには管理者権限で削除されたものもあった。初心者が掟破りなことをしでかしたのだから当然の措置であろう。「同時多発テロ」とまで揶揄された。
しかしそんな中、いくつかの球団の会議室では、質は悪いながらも一種の問題提議として受け取ってくれ、真摯な回答をいただいたものもあった。もちろんそれはジャイアンツやファイターズのことではない。まさに「地獄に仏」だった。
その後議論を専門にする会議室の存在を知り、「野球界はかくあるべし」的な話題はそちらにうつし、応援しているジャイアンツとファイターズの話題に関してはそれぞれの球団の会議室に投稿するというように敗戦処理。もなじんでいった。
テロリストが更生していく過程においていろいろと奔走してくれ、アドバイスをしてくれた、そのフォーラムの管理人が「プロ野球ナイト」の運営スタッフなのである。
問題児を出入り禁止にするどころか、オフ会にも誘ってくれた。最初はそこで説教でもされるのかと思ったが、何のことはない。コアな野球ファンが野球に関する思いを酒を飲みながら語り合う単なる飲み会だった。もちろん十二球団いろいろなチームのファンが入り乱れている。
その後不思議なもので、議論系の会議室に図式が出来てきた。何の議論にも首を突っ込みたくなる敗戦処理。を始め、様々なメンバーが語り、論じ合うのだが「ジャイアンツファン系」VS「アンチ讀賣的ドラゴンズファン系」という図式になっていくのである。これに「アンチ讀賣的マリーンズファン系」も加わって話をややこしくしていたが…。
この会議室にも、いわゆる荒らしやマナーを守らない輩は頻出したが、早晩淘汰されていく自浄作用のある「大人の議論の場」がいつしか形成されていった。そこでは球界再編問題が勃発する三年前から「パ・リーグの危機」が話し合われていたし、プロアマ問題、ジャイアンツの補強、審判問題等それこそ何でも話し合った。
だが時代は変わった。個人HPの開設ラッシュや、ブログの出現で参加者が次第に減っていったようだ。バックにniftyがあり、ということはその背後に富士通があるというそのフォーラムは参加者に様々な規制をかけていた。誰もが楽しく参加出来るように定められた規制は解きに煩わしさを感じさせたのも事実で、それならば自分でHPを作って好き放題書いた方が良いと考える人が多かったのだろう。
それでも野球を題材にしたベースボールフォーラムは最後まで参加者が多かったようだが、フォーラム自体が昨年3月限りで閉鎖されることになってしまった。
それでもスタッフの有志達が別の形でniftyのフォーラムに類するコミュニティの場を作れないかと考え、現在のfolomyへとつながっていくのだが、残念ながら離れていった人は戻ってこない。
敗戦処理。も引き続きジャイアンツとファイターズの球団別の会議室には参加しているが残念ながら議論系の会議室は明らかにnifty時代とは様相を異にしてしまっている。全体の参加者の分母が小さくなってしまったこともあってか、より固定メンバーになってしまったのである。ジャイアンツ対ドラゴンズ、ジャイアンツ対アンチ讀賣という図式が懐かしくすら思えるほどだ。
今にして思えば、nifty時代の議論系会議室では一部の荒らしを除いては、お互いに立場の違いを認めつつ尊重しあっていた感じがする。敗戦処理。も当時はメールアドレスを公開していたこともあり、会議室の議論を離れ、議論相手とメールでやりとりしたものだ。彼らは敗戦処理。にとって論友と言える存在だったのだ。
そして論友の他にオフ会などで定期的にコミュニケーションを取る仲間もいた。前述の管理人が「プロ野球ナイト」を立ち上げて当時の仲間達に声をかけていたのだが歳月が過ぎお互いに生活環境に変化があったりして遠縁になっていた。
ところが敗戦処理。が19日の「プロ野球ナイト」に参加出来そうなのでいろいろと当時の仲間に声をかけてみると、結構参加しそうな仲間が多いことがわかった。約50人が客として参加した「プロ野球ナイト27」は敗戦処理。にとっては同窓会に変身した。
もちろん敗戦処理。はスタッフではないから、トークショー等を聞きながら昔話に花を咲かせたりしているのだが、本当にあっという間の5時間だった。
最終電車で帰る敗戦処理。は一昔前を思い出した。たしかにniftyのベースボールフォーラムには規制が多かった。しかしそれによって去っていく人もいたが継続して参加するメンバー達は確実に洗練されていったのだ。敗戦処理。自身、今は後を引き継いだfolomyにも身を置きつつも、自分のblogに比重を置いているのも厳然たる事実だ。(実はblogの存在を教えてくれたのも、開設を勧めてくれたのも再三登場しているマネージャー氏なのだ。だからココログなのだ。)
はっきり言ってblogは自己責任ではあるが何でもありの世界だ。
気に入らないトラックバックやコメントは削除し放題だ。実際ジャイアンツとファイターズ以外の球団を扱った時に「余計なお世話だ!」的なコメントも以前にはいただいたこともある。もちろん敗戦処理。としてはnifty時代の教訓を生かし、ひいき球団以外をテーマにする時は通常以上に表現には気を遣っているつもりである。しかし「喉元を過ぎれば…」の諺もある。無意識に注意事項を疎かにしがちな自分の存在に気付かねばなるまい。もちろん誰もそんなことを考えて会場に集まったわけではない。自然に集まり、自然に昔話(だけでなく野球談義に)花が咲いただけである。もしも「プロ野球ナイト27」で旧交を温めた仲間でこのエントリーに目を通して下さっている人がいたら「敗戦処理。は何を訳のわからないことを言っているのか?」と思うかもしれないがご容赦いただきたい。
折しも日本プロ野球は復刻ユニフォームがちょっとしたブームになっている。「故きを温ねて新しきを知る」-その精神を忘れてはならないことを敗戦処理。はことあるごとに主張してきたが自分自身にも当てはまることに気付いた次第である。あらためて当時のマネージャーであり、「プロ野球ナイト」のスタッフであるSさん、そして長く付き合って下さっている皆さんには感謝の意を表したい。
次回の「プロ野球ナイト」は北京五輪の野球の決勝戦の日に行うそうだが、その次のイベントはどうやら10月19日に行われるらしい。
そう、10.19だ。
当日は日曜日。何とか行けそうだ。「プロ野球ナイト」と謳っている手前、ダブルヘッダーで無さそうなのが今のところ残念だが…。
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コメント
椎名マオ様、ようこそ敗戦処理。blogへ。
コメントをありがとうございました。
> この一文がきっかけで、ダブルヘッダー開催が決まりました。第1試合が野球DJイベント「音の球宴」、第2試合がプロ野球ナイトも協力してトークライブとなります。
本当にそうなのですか? これは責任重大ですね。
思いつきで書いただけなのですが<苦笑>。
当日はクライマックスシリーズと重なるので微妙ではありますが、日曜日なので、たぶん二試合とも観戦出来ると思います。
その節はまた、よろしくお願いいたします。
また当blogに遊びにいらして下さい。
投稿: 敗戦処理。 | 2008年8月 2日 (土) 02時30分
宇宙狼様、コメントをありがとうございました。
> そのセギノールが今度はイーグルス所属となりますね。
いっそのこと、アルモンテ(弟)も獲得してもらえませんかね<笑>。
フェルナンデスとアルモンテの三遊間コンビを観てみたいような、観てはいけないような…。
セギ様には豪快な一発で仙台でも人気者になって欲しいものです。
投稿: 敗戦処理。 | 2008年8月 2日 (土) 02時13分
10.19は厳密に言うと「プロ野球ナイト」ではなく「プロ野球 音の球宴」というイベントなのですが、
> 「プロ野球ナイト」と謳っている手前、ダブルヘッダーで無さそうなのが今のところ残念だが…。
この一文がきっかけで、ダブルヘッダー開催が決まりました。第1試合が野球DJイベント「音の球宴」、第2試合がプロ野球ナイトも協力してトークライブとなります。
どうぞお楽しみに。
投稿: 椎名マオ | 2008年7月30日 (水) 17時46分
そのセギノールが今度はイーグルス所属となりますね。
ジャパンマネーはやはりおいしいのでしょうか?
それとも日本の水があっているのでしょうか?
投稿: 宇宙狼 | 2008年7月29日 (火) 21時00分