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2008年7月13日 (日)

指揮官が選手を信用しないようでは選手が真価を発揮しない。いつかきっと綻びが生じる。

Photo 1点のリードで迎えた九回表、マウンドには守護神のマーク・クルーンが上がる。この回を抑えればこの試合は勝ちというラストイニング。

 

「あと3つアウトを取ればいい」-だが指揮官は守備固めをしない。守備に不安のあるレフトのアレックス・ラミレスもセンターの谷佳知もそのままだ。クルーンを出してさえおけば、それでも勝てると確信しているのか?

クルーンも期待に応え、相手のベイスターズ打線を三振と当てただけの一塁ゴロに抑えツーアウト。さああと一人というところでベンチから尾花高夫投手総合コーチと通訳が出てくる。そしてその後ろから原辰徳監督も…。

クルーンにアクシデント?

敗戦処理。の脳裏に不安がよぎる。何が起こるのかと思ったら…

(写真:九回表二死無走者で突然タイムがかかり、怪訝そうなクルーン)

「ジャイアンツの選手の交代をお知らせします。レフト、ラミレスに代わりまして鈴木尚広が入り、センター。センターの谷がレフト…」

この期に及んで守備固めである。間が悪いったらありゃしない。

実はジャイアンツは八回裏の攻撃を二番打者で終えている。もしも九回表に同点あるいは逆転されるようなことがあれば、九回裏は三番の小笠原道大から始まる。当然、ラミレスと谷に打席が回る。そうなった場合に備え、打力の落ちる守備固めを送るのを躊躇したのだろう。

しかし二死になったのでさすがに守りに専念と考え、上記の守備固めに踏み切ったというのが真相だろう。

いやはや、何と慎重な采配なのだろうか…。

などと敗戦処理。は感心しない。

1点リードの最終回に最も信頼出来る守護神をマウンドに送る。

六回途中での先発、高橋尚成の降板からすべては最終回のクルーン投入から逆算しての継投ではなかったのか?

上原浩治を注ぎ込んで一度は同点にされたのは計算違いだったかもしれないが直後に小笠原のこの試合二本目の本塁打で勝ち越し、あとは豊田清とクルーンで1イニングずつ締めくくれば良いだけの話だ。そして豊田は期待に応え、全く不安を感じさせない堂々たる投球で三者凡退に抑えお役ご免。クルーンも簡単に最初の二人を打ち取った。

何でこのタイミングで守備固めを送るのか?

クルーンのリズムが悪くなるとか考えないのか?

今日は最近敗戦処理。がはまっているドラマ「ROOKIES」がバレーボール中継でお休みなので東京ドームでジャイアンツ戦を生観戦してきたのですが、小笠原とラミレスが2本ずつ本塁打を放つという会心の試合展開であるはずなのに…全く素直に喜べません。

01  

(写真:左から小笠原の1本目の本塁打、ラミレスの2本目の本塁打、小笠原の2本目の本塁打。ラミレスの1本目は撮り逃しました<苦笑>)

おそらくはテレビ中継などでは先発、高橋尚の交代期に賛否両論なのではないでしょうか?

4対2とリードの六回表、先頭の内川聖一にセンター前に運ばれた後、外野フライ二つで二死一塁となって右の吉村裕基を迎えたところで越智大祐にスイッチした場面。

敗戦処理。はネット裏二階席で観戦していたので高橋尚の投球内容を細かく精査出来ないがこの回の二人目の打者である村田修一がライトにフライを打ち上げた時、打った村田がすぐに走らずに天を仰ぎ、悔やんだ様子ですぐには走り出さず、高橋由伸が捕球体制に入ってからようやくゆっくりと一塁方向に進んだという感じだった。想像するに、村田にとっては打ち損じだったのだろう。その悔しさから、走るよりも後悔が先に立ったのではないか。もちろんチームの顔である四番打者が(でなくともだが、)平凡な飛球とはいえ全力疾走を怠ったのは言語道断だが、それほど無念だったのだろう。次の打席は要注意だなと感じた。

そして続く左対左のラリー・ビグビーにも深めのセンターフライを打たれ、ジャイアンツベンチは高橋尚を替え時と判断したのだろう。

ジャイアンツとしてはリードして七回を迎えれば上原浩治、豊田、クルーンとつないで逃げ切るという公算が大。その継投につなぐまでのあと一つのアウトを、より確実に取るためにピンチが大きくなる前に越智を投入したのだろう。

が、越智がその一つのアウトを取れない。四球と安打で4対3と1点差。左の代打、佐伯貴弘が登場し、藤田宗一にスイッチ。

ここまではジャイアンツベンチも想定の範囲内だったろう。しかし藤田が佐伯に内野安打を打たれてしまうと、二死満塁で代打、相川亮二登場でたまらず上原を前倒しで登板。

このピンチを抑えた上原だったが、続く七回表に前の打席でミスショットをして燃えている村田に同点タイムリー三塁打を浴びてしまう。

村田のカウントがツーボールナッシングになったので敗戦処理。が感じた不安をバッテリーも感じていて勝負を避けているのかと思ったがその後に打たれてしまった。しかも相手の四番打者に対して何故かセンターの谷が浅めに守っていてその頭の上を打球が超えていく毎度毎度のチグハグさ。

ここで1点を何が何でも守りたいのであれば、それこそ鈴木尚を守備固めに入れて浅めの位置に守らせるのも一つの手だろうが、まだまだ攻撃の手を緩めないイニングだろうから守備固めにはまだ早い。しかし、守備に不安のある谷に無理な前進守備をさせるべきではないだろう。今シーズン、浅めに守っている谷の頭上を越されるシーンを何度見せつけられたことか…?

いずれにせよ、野手のいない所に打たれた上原にも責任はある。三日間連投とはいえ、これではやはり北京での守護神は託せない<苦笑>?

幸いなことにその裏の七回裏に小笠原にこの試合2本目の本塁打が出てすぐに5対4と勝ち越し。八回に豊田、九回にクルーンという原構想に再び試合が運ばれていく。本来ならばここで谷に代えてセンターに鈴木尚を入れるのが順当だろう。この回の攻撃で谷に打順が回っており、もう打席に回らない可能性もあったからだ。

それにしても、小笠原の一発で勝ち越した後のジャイアンツの攻撃にも疑問が残った。ラミレスがセンター目に運び、一死一塁になってからの攻撃だ。

何故か谷に送りバントで、ラミレスをスコアリングポジションに進めはしたものの二死になって一塁が空き、阿部慎之助が敬遠で歩かされて上原の代打、清水隆行が登場。清水は右中間を破ろうかという打球を放つが失速してライトの吉村のグラブに収まった。

一死一塁で谷にバントをさせれば阿部の敬遠は予測出来る。上原に代打を送るのは当然とはいえ、結局谷、阿部、代打清水のうち、清水一人で追加点を取りにいったのと同じ。しかも清水は好調ではない。

それならば谷、阿部、清水にそれぞれ打たせ、三人で1点を取りに行った方が追加点の確率が高かったのではないか。谷や阿部の打撃に期待せず、さほど好調とは思えない清水の一振りに一か八か賭けたとしか思えない采配と、守護神クルーンを送ってもなお、その裏に打席が回ることを考えて守備固めをためらう采配。

 

勝ったのはあくまで2本ずつの本塁打を放った中軸打線の破壊力や、ピンチを凌いだリリーフ陣の選手のパフォーマンスによってであり、指揮官の知恵が奏功したとはとても思えない試合だった。

もっとも相手の大矢明彦監督にも大きな疑問が残った。

2点を追う六回表。七回からジャイアンツが上原、豊田、クルーンと投入してくるのは明らかだからこのイニングに少なくとも同点にはしたいところ。相手の継投策の隙を突いて1点を返し、なおも二死一、二塁と同点あるいは逆転のチャンスを迎えた。ここで代打に佐伯を送り、ジャイアンツが左の藤田を投入するが内野安打で二死満塁。一打逆転のチャンスが続いた。しかしこの時点でベイスターズベンチに右打ちの野手は相川とスイッチヒッターの金城龍彦しか残っていなかった。そしてベイスターズベンチの選択は相川だった。

実はベイスターズは現在、一軍に登録されている捕手が先発出場の新沼慎二と相川の二人しかいない。鶴岡に代打佐伯を起用したのは勝負所と見ての判断だろうが、その後に相川まで代打に起用したのは如何なものか…?

ジャイアンツが左の藤田から右の上原にスイッチしても相川に左の代打を起用出来ないのだ。スイッチヒッターの金城や、石井琢朗が控えている。この場面で代打で起用すべきだったのは相川ではなく、交代の効く金城だったはずだ。金城を代打起用すれば、藤田の続投だったかもしれないし、上原vs金城でも、足の速い金城が左打席から高いバウンドのゴロを放てば…。もちろん上原投入後に金城に代打の代打、石井琢という選択肢も可能だったのだ。

まぁ、どっちもどっちの采配ぶりでしたね。

話は変わるが、ジャイアンツの坂本勇人が打席に入る時の登場曲にドラマ「ROOKIES」のテーマソングであるGReeeeN(すみません、正確に表記出来ません。)の「キセキ」を使用している。

 

スタンドでは、

 

「いけねぇ、今日の『ROOKIES』を録画撮るのを忘れた!」

 

等という会話が聞かれた。番組のクライマックスで流れるあの曲だ。

Photo_2

二子玉川学園野球部を率いる、佐藤隆太扮する川藤幸一先生は生徒(選手)を徹底的に信じる。何があっても信じ続ける。だからあの不良達が「川藤!」と教師を呼び捨てにしながらも、先生を信じてついていくのだ。原監督にも川藤監督をほんの少し見習ってもらいたいくらいだ。

 

(写真:本日の特別出演 川藤幸一先生)

閑話休題。

 

どう考えても、最終回の二死からの守備交代は納得出来ない。クルーンは落ち着いて最後の打者を打ち取って事なきを得たが、指揮官が選手を信用しないようでは選手が真価を発揮しない。いつかきっと綻びが生じる。

それに、球界全体で取り組んでいるはずの「試合時間、マイナス6%」の思想にも明らかに背く。イニングの頭に、クルーン投入の時に外野の守備も同時に代えていれば、この九回表二死からの試合中断は防げたはずだからだ。慎重に慎重に慎重に事を運び、石橋を叩いて渡らない、とにかく勝てばいいという発想だけではもはや通用しない時代であるのだ。

 

二岡の不倫が日曜日に観戦する家族連れのファンにふさわしくないというのなら、試合時間短縮を頭の片隅にすら置いていないと思われる指揮官も、この時代にふさわしくないと思えるのだが。

P.S.

今日のオマケ。ジャビット五人衆が勢揃い!

 

選手だけでなく、マスコットも数で勝負しようというのか、この球団は?

01_2

もちろん五人で踊っているといっても「♪カステラ一番、電話は二番…」と歌っているのではない。

この意味がわかる人は四十歳代以上でしょう。わからない人はお父さんかお母さんに聞いて下さい。

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コメント

こんばんは。だから、原監督は名将ではない。
ということです。

WBCで浩二監督は王、原に比べて、監督としての実績が・・・みたいな記事をネットでよんだけど。それは広島と巨人,SBの違いだし。私は三人共、名将とは思ってないですし、五十歩百歩だと思ってます。

 浩二が優れてないとは思ってるが、王や原よりはるかに劣るという指摘は正しくない。

投稿: チェンジアップ | 2013年6月 1日 (土) 21時37分

世界日本ハム様、コメントをありがとうございました。

> 30代半ばですがわかります>カステラ一番電話は二番、三時のおやつは文明堂


おぉぉっ、ご存知ですか!

これからも時々こういう小ネタを挟みますので、またツッコミを入れて下さい。

今後ともよろしくおつきあいの程を。

投稿: 敗戦処理。 | 2008年7月21日 (月) 02時53分

30代半ばですがわかります>カステラ一番電話は二番、三時のおやつは文明堂

投稿: 世界日本ハム | 2008年7月16日 (水) 10時28分

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