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2008年8月31日 (日)

MLBのビデオ判定導入はNPBにも波及するのか?

現地時間26日、メジャーリーグ機構は28日開催の公式戦からビデオ判定を導入すると発表した。対象となるのは本塁打せいの打球で、フェンス越えの確認、フェアかファウルかの判断、観客の妨害があったかの確認で、試合の主任審判員が判定の必要を認めた場合のみ専用のモニターで検証する。ストライク、ボールの判定や、タッチプレイのアウト、セーフの判定には使われない。

日本でもファンの間で「誤審問題」が論議される時などに俎上に上がったビデオ判定を限定的ではあるがMLBが導入に踏み切った。これまでアメリカが取り入れたルールのほとんどを数年後に取り入れた日本野球界にも波及するのだろうか?

この報道に補足のように付記される日本野球界のスタンスとして、

 

「日本は大リーグと違って地方球場での試合が多い。設備を考えるとすべてをカバーするのは難しい」

 

と、長谷川一雄コミッショナー事務局長がコメントしていた。さすがに来シーズンから各球団のホームグラウンドに限定して導入等と言うことにはならないだろうが、上に書いたようにいずれNPBでも真剣に導入が検討される時が来るのではと敗戦処理。は個人的には予測している。

「審判の判定ミスも、野球の一部である。ビデオで判定するのは野球の本質にそぐわない」

こういう意見をよく聞く。

個人的にはあらかた賛成だ。いくら丁寧にグラウンドを整備してもイレギュラーバウンドで打球の方向が変わってしまうことがあり、またそれによって試合の流れに影響を及ぼしてしまうのと同様、審判の判定もイレギュラーなものがある。そうとでも割り切らないと野球を観ることが出来ないからだ<苦笑>

ただし、ビデオ判定導入を考えるとすれば、今回のMLBのように外野の線審が行うべき業務の機能を代行させるのは良しと思っている。

何故ならば本来は六人でまかなうべき判定を四人で行っているのだから、その減った二人分の機能を何らかの方法で補わなければならないだろうからだ。

「一番近くで観ている審判の判定が一番正確だ」

判定に当事者や監督が抗議している時、テレビ中継でアナウンサーがこのような言い方をしているのをよく聞くが、この原則に当てはまらないのが今回MLBがビデオ判定の対象としているシチュエーション。ビデオ判定導入の是非に関しては様々な意見があるだろうが、ビデオ判定を導入するとしたならばこのシチュエーションに限定するという考え方には頷ける。

蛇足ながら付け加えると、「審判四人制から審判六人制に即刻戻すべき」という意見もファンレベルでよく聞かれるが、いくら以前はそれでやっていたからといって、単純計算で1.5倍の人員が必要になる二人増を現実にどう対処するのかということに関して説得力のある意見になかなか巡り会えない。

その分の人数をどうやってまかなうのか、人件費その他を誰が負担するのか?その辺の具体性無き提案ばかりだからである。もちろんビデオ判定導入に関するコストも不透明だ。前出の長谷川事務局長のように年に一回あるかないかの地方球場の試合でどうするかという問題もある。

「CS放送も含めれば全試合がほぼ生放送される時代なのだから、テレビ局の協力を得ればよい」という意見もあるだろうが、テレビ局を親会社に持つ球団や、親会社のグループにテレビ局がある球団が現実に存在する。公平と公正が保証されるかという問題がある。どちらにしても一筋縄ではいかない問題だ。

MLBのビデオ判定に関しては主任審判がビデオを参考に下した判定に対して監督らに一切の抗議権を認めないという。ビデオを検証するのに試合を中断しなければならない上に、不利な結果を受けた側の側の抗議に聞く時間まで割いていたら、試合が長くなってたまったものではない。

今のところ、少なくとも敗戦処理。の知る限りにおいてはまだビデオ判定導入に関するトラブル情報がない。これまでの経緯からいずれ導入を検討せざるを得なくなるであろうNPBはとりあえずMLBの導入をシミュレーションとして研究材料にして欲しい。

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コメント

M様、初めまして。敗戦処理。blogへようこそ。

コメントをありがとうございました。

> 私はビデオ導入賛成です。
ただし、いちいちアンパイアがビデオ画面を見に行くような手際の悪さはいやですね。したがって、ビデオ画面を裏方で見る要員が必要。この人が誰だかわからず、場合によって不平等な判定を招くような心配があるのならやめましょう。

なるほど。確かに別室でビデオを検証する裏方要員に何人も人を割くくらいなら、その人達に線審を務めてもらった方がいいかもしれませんし、透明性が保たれるかという問題を解消しないといけないでしょうね。

> 場内ビジョンで見せちゃう、なんて言うのは逆にいいかなとも。

これは善し悪しだと思いますよ。

微妙なシーンであればあるほど、スタンドで観ているファンには自分が応援しているチームに好都合なように見えてしまうと思いますよ。

「野球場」っていうのはそういう空間だと思いますから。

暴論かもしれませんが、「理性<群集心理」でしょう。

例えばの話、マリーンズの試合で外野席で応援するのを楽しみにしている人に何人か、同じ質問をしたことがあります。

「マリーンズの攻撃の時に、なぜ、相手投手が一球牽制しただけでブーイングを浴びせるのか?」

これに対し、まともな答えが返ってきた試しがありません。

(これはマリーンズファンを指しているのではありませんが)応援しているチームの打者が見逃し三振に取られて不服そうにしている時に外野席から審判の判定にケチをつける人がいますが、本当に審判がミスしていると確信しているとしたら、相当桁外れな視力の持ち主でしょう。

しかしこれらは俯瞰で観ているから敗戦処理。も批判出来るのであって、実際に「野球場」という空間にいると、そのような心理状況になってしまうのでしょう。

ですから、スタンドのファンに大型ビジョンでそのシーンを再現するのは善し悪し、いや場合によっては逆効果になるかもしれないと思います。


> あと、フェアかファウルかは見る角度によって変わりそう。ポールの真下から見上げるようでないと意味ないかも。カメラ1台でなんとかなるとは思えません。

これが最大の問題でしょうね。

MLBではどうするのでしょうか?

ビデオを判断材料にした場合、不利になったチーム側の抗議を受け付けないと言うくらいですから、参考VTRを公開することもないでしょう。MLBがどうやるのか、興味深いです。続報を知りたいですね。

今後とも敗戦処理。blogをよろしくお願いいたします。

投稿: 敗戦処理。 | 2008年9月 2日 (火) 00時30分

長緯様、コメントをありがとうございました。

> 自分としては、「審判は必ずしも正確ではないが、そういった微妙な判定も含めてひとつひとつの試合が成り立っており、そしてファンは試合を楽しめるのだ」といつも割り切りながら球場やテレビで観戦をしているのですが・・・

にしたく さんや、長緯さんのようなスタンスで野球を観戦している人ばかりだと、いわゆる「誤審問題」も前向きに改善されると思うのですが。

敗戦処理。の「誤審問題」に対するスタンスは2006年の6月にエントリーした

http://mop-upguy.cocolog-nifty.com/baseball/2006/06/post_8537.html

と、変わっていません。

しかし、何らかの有効な措置をとるでもなく、いつまでも馬なりで良いのか?という疑問もあります。

なかなか答えが出ない、難しい問題ですね。

投稿: 敗戦処理。 | 2008年9月 2日 (火) 00時14分

にしたく様、コメントをありがとうございました。

> 微妙な判定によるイライラを知っていながら、微妙な判定が生み出すドラマをも知っているからこそ、ビデオ判定導入にはあまり気が進みませんね。個人的には。

敗戦処理。の中でも正直に言って結論が出ていません。まさに↑のようなニュアンスがあるからです。

ただ、ビデオ判定導入に関して、唯一認める余地があるとすれば、現状、まかないきれていない、かつては存在した「線審」がいたらカバー出来ていた領域のフォローだと思います。

Mさんが投稿で指摘されているように、正確な判定を下し得る位置にビデオを設置出来るかという問題もあります。

そういう意味でも「アメリカが風邪を引いたら日本がくしゃみをする」のではなく、シミュレーションとしてMLBの試合を利用してほしいです。

投稿: 敗戦処理。 | 2008年9月 1日 (月) 23時58分

敗戦処理。さんこんばんは。
私はビデオ導入賛成です。
ただし、いちいちアンパイアがビデオ画面を見に行くような手際の悪さはいやですね。したがって、ビデオ画面を裏方で見る要員が必要。この人が誰だかわからず、場合によって不平等な判定を招くような心配があるのならやめましょう。
場内ビジョンで見せちゃう、なんて言うのは逆にいいかなとも。
あと、フェアかファウルかは見る角度によって変わりそう。ポールの真下から見上げるようでないと意味ないかも。カメラ1台でなんとかなるとは思えません。

投稿: M | 2008年8月31日 (日) 19時38分

今日日中、なにげなくテレビ観戦していたホークスvsライオンズ戦でも、9回の大事な場面で微妙な判定がありました。VTRでは、明らかに審判の判定と違うように見えました。

しかし、こういったケースを目にして、即座に「ビデオ判定を取り入れてほしい」とは思いません。またNPB側の言うように「すべての球場をカバーするのは難しい」というのも理解できます。

自分としては、「審判は必ずしも正確ではないが、そういった微妙な判定も含めてひとつひとつの試合が成り立っており、そしてファンは試合を楽しめるのだ」といつも割り切りながら球場やテレビで観戦をしているのですが・・・

投稿: 長緯 | 2008年8月31日 (日) 18時53分

設備の整備された東京ドームでの明らかな誤審に、実況アナウンサーがVTRを流しながら、「この場面です。・・・んぁ~、際どい判定と言いましょうか・・・」と言葉を詰まらせるのは聞きあきたのは事実です。
 
ただ、試合時間短縮を目指す日本プロ野球においては、ビデオ判定導入による時間延長も有りうるかなとも思います。
ビデオ判定を導入している大相撲を例にとると、特に微妙な判定では、二回も三回も見直しているようで、一つの取り組みほどの時間をとるケースも目立ちます。
 
微妙な判定によるイライラを知っていながら、微妙な判定が生み出すドラマをも知っているからこそ、ビデオ判定導入にはあまり気が進みませんね。個人的には。

投稿: にしたく | 2008年8月31日 (日) 18時20分

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