アサヒスーパードライは野球日本代表の夢と情熱を応援します。
何か変なのである。印刷した時点で最終的な代表メンバーが確定していなかったのだろうか、個々の選手が特定できにくいようになっているのはまだしも、「北京五輪」とか「目指せ、金メダル!」のフレーズがどこにもない。
「野球日本代表の夢?」
「情熱?」
「そんなの北京で金メダルを取ることに決まってんだろう。いちいち書かなくてもわかる!」
というなかれ、そこには大人の事情があるのである。
JOC(日本オリンピック委員会)のホームページの中にあるJOCスポンサー一覧をご覧いただきたい。
錚々たる企業が名を連ねている。一部の例外を除き、一業種一社が徹底されている。アルコール飲料業界では麒麟麦酒がJOCオフィシャルパートナーになっている。同社は日本サッカー協会のオフィシャルスポンサーとしても有名だが、JOCにもスポンサードしている。
これに対し、ライバルであるアサヒビールは野球日本代表のオフィシャルスポンサーになっているので自社製品のPRに野球日本代表チームの選手の写真などを使えるが、JOCないしIOCとスポンサーシップを交わしている訳ではないので「北京五輪」、「金メダル」などのフレーズを使用できない。
* 同じく野球日本代表のオフィシャルスポンサーであるENEOSがテレビCMで「世界一」という言葉を使っているのが限界、いや、せめてもの抵抗か?
それにしても、アサヒビールのCMは選手はイメージ映像。ひょっとしたら代表選手ではなく、役者が日本代表のユニフォームを着て演じているのかもしれないような作品なのに対して、ENEOSの方は昨冬のアジア予選の映像を使用している。この違いは何なんだろうか?
ちなみに広告費のかけ方ならこの二社に負けないサントリーは、Jリーグとのスポンサーシップも解消してしまったらしく、野球での年一回の「モルツ球団」のイベントが目立つくらいか。
制約ゆえに、何とも中途半端に「夢と情熱を応援します」としか言えないアサヒビールの苦悩を鑑みながら、スーパードライを飲んで野球日本代表の試合を堪能しようとして、もう一つ気付いてしまった。
冒頭の6缶パックの写真をもう一度観て欲しい。中には誰がモデルになっているか何となく想像できるものもあるが、どう考えても選ばれることが確実だった、あの日本のエースがいない。
それもそのはず。
ライバル会社のチューハイのCMに出ている。こりゃだめだ。
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コメント
にしたく様、コメントをありがとうございました。
飲酒は20歳になってからですよ。
> 「ダダッダ」な、あのチューハイですね(笑)
ダルビッシュにはチューハイのCMよりも、最近広告業界で元気のいい「パチンコ」のCMに出て欲しい気もしますが、ちょっとブラックジョークが過ぎるかな?
> 権利や提供企業なんかの、そういう大人の世界の話は分かりませんが、そこらへんが常識の範囲内で、もうちょい緩くなる時代の到来を期待しています。
企業と企業の競争が激しいですから、ルールというか、仁義というか、いろいろ難しいですね。
年に一度の「モルツ球団」の試合に大魔神佐々木が出ないのは現役時代にキリンの淡麗生のCMに出ていたからでしょうし。
その辺を頭に入れながら(想像しながら)やじうま的に物事を見るのが好きな敗戦処理。でした。
投稿: 敗戦処理。 | 2008年8月17日 (日) 21時25分
「ダダッダ」な、あのチューハイですね(笑)
「麒麟よりアサヒ派」という、未成年な僕にとっては、十分すぎるCMかなとは思いました。
権利や提供企業なんかの、そういう大人の世界の話は分かりませんが、そこらへんが常識の範囲内で、もうちょい緩くなる時代の到来を期待しています。
投稿: にしたく | 2008年8月17日 (日) 18時17分