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2008年8月25日 (月)

「ボク、ジョンソン。オロナミンC、オイシイデスネ~」

↑のセリフを観てTVCMが頭に浮かんだ人は、もうオッサン(あるいはオバサン)です<>

そう、最近でこそ上戸彩が旬な有名人と絶妙な掛け合いをするシリーズが定着しているオロナミンC(大塚製薬)のテレビCMであるが、過去約四半世紀の間、ジャイアンツの主力選手が出演するシリーズが好評を博していたのだ。そしてその初期のメンバーの一人が、当時ジャイアンツの外国人助っ人だったデーブ・ジョンソン。そう北京五輪のアメリカ代表を率いた監督だ。

来日二年目の外国人助っ人は決して流暢とは言えない日本語で商品を宣伝していた。チームメートの堀内恒夫、高田繁、柴田勲、張本勲と共演していた。

■デーブ・ジョンソン( David Allen Johnson )

1943130日、フロリダ州生まれ。1965年オリオールズで大リーグデビューを果たし、1973年にブレーブスに移籍。その年にリーグ2位の43本塁打を放つ。1975年シーズン早々に日本のジャイアンツに入団。ジャイアンツで1976年まで2シーズンプレーした。来日当時は、長く外国人助っ人を獲得しなかったジャイアンツ久々の助っ人として、また前年に現役を引退した長嶋茂雄監督の穴を埋める大型助っ人として期待されたが、環境の違いや、不慣れな三塁手としての起用に戸惑ったのか一年目は不本意な成績に終わった。しかし翌1976年には本職の二塁手として起用され、環境にも適応し、26本塁打を放つなどジャイアンツのリーグ優勝に著しく貢献した。翌年、大リーグに復帰。現役引退後は1984年にメッツの監督に就任し、1986年にはワールド・チャンピオンに輝いた。この年の秋には日米野球の大リーグオールスターチームを率い、全日本相手に6勝1敗と圧倒した。特に打線が活発で7試合で19本塁打を含む59得点を叩き出し、7試合の得失点差で38もの大差をつけたのが際立った。

なんでもジョンソンの日本での初打席の対戦相手がドラゴンズで、相手投手が星野仙一だったそうだ。結果は見逃しの三振。ジョンソン監督、約三十年越しのリベンジと言ったところか。

ちなみにジョンソン監督が日米野球の監督を務めた1986年は日米野球の分岐点とも言える大会であった。

それまではジャイアンツが、来日する大リーグの単独チームと全国津々浦々で対戦する興行形式であったのが、その前の1984年にはジャイアンツが球団創立50周年ということもあって、日本シリーズ優勝チームと前年のワールドシリーズ制覇チームとの対戦が企画され(即ちジャイアンツには「日本一」の使命が課せられていた。 にも関わらずリーグ優勝すら出来なかった。)、この1986年から大リーグ連合チームと、十二球団から選ばれた選手のチームの対戦形式に変更となり、現在まで続いている。

その分岐点となる大会の全米チームの監督に選ばれたのが、日本でプレー経験のある、メッツ監督のジョンソンだったわけだ。ちなみに全日本の監督は当時の最年長監督で、アイディアマンとして定評のあったホエールズの近藤貞雄監督であった。なお蛇足ながら、この時全米チームのジョンソン監督の下でコーチを務めたのが現マリーンズ監督、ボビー・バレンタイン。

マスコミは「ジョンソン監督の凱旋」などと書き立てる一方で、「復讐」というニュアンスで面白おかしく取り上げる向きもあった。

北京五輪の三位決定戦の試合開始直前。ホームプレートを挟んで整列した両監督が何ごとか会話をしていたのがテレビ映像で伝わってきたが、お互いに昔のことを思い出していたのか?

敗戦処理。のジョンソンの印象は、何と言っても二塁守備の堅実さ。

あれから三十年以上たつが、いまだに日本のプロ野球でジョンソンより上手い二塁守備を観たことがない。もちろんあの当時にも高木守道や、土井正三といった、子供心にも「巧い」と思わせる名手がいたのだが、ジョンソンとは比較にならなかった。

例えて言えば、大人と子供の違いというか…。

日本の二塁手なら、外野に抜けそうな打球をダイビングして辛うじて止めるところをジョンソンは回り込んで捕球して、そのままの態勢から矢のような送球をする、そういう二塁手だった。

敗戦処理。にとって日本の野球とアメリカの野球の違いを実感させた最初の選手だったかもしれない。

余談だがそんなジョンソンに日本男児ここにあり、を示したのは他ならぬ当時の指揮官、長嶋監督だったという。

来日一年目。結果が出ずに苦しんでいたジョンソンはある日の試合後、悶々としながら風呂に入っていた所にあとから長嶋監督が入ってきたそうだ。長嶋監督は試合の不振をそのまま風呂場まで引きずっているようなジョンソンに業を煮やし、ジョンソンが腰に巻いていたタオルを奪い取って一喝したという。

「ユーは、マンか?」

一説によるとジョンソンはこのことを日本での野球生活で最も不愉快な瞬間だと思っているらしいが長嶋監督も、いい度胸をしている。

ジョンソンが監督で、ヘッドコーチをやはり日本のジャイアンツでプレーしたレジー・スミスが務めたアメリカ代表。準決勝でのイ・スンヨプといい、ジャイアンツの新旧助っ人にやられた感じの日本代表。

プロ入団時にドラフトでの指名を反故にされ、「打倒巨人」を貫いた男がこれまでの野球人生の最も高いステージに就いた「野球日本代表監督」の座。そしてその夢を破ったのが生涯の敵と目した宿敵の新旧助っ人とは何とも皮肉な結果ではないか。

ところでジョンソン監督は背番号5のユニフォームを着てアメリカ代表チームを率いていた。日本のジャイアンツでつけていた背番号だが、大リーグ時代にもつけていた、ゆかりのある背番号なのだろうか?

ジャイアンツでは前年まで背番号5のV9戦士、黒江透修が引退して空き番になっていたからつけたという印象だったが、そもそもジョンソンにゆかりの番号だったのか。

あるいは、金メダル獲得の難敵と思えた日本代表を意識して、日本時代を思い出して選んだのか、気になるところだ。

P.S.

今日のオマケ。ジョンソンは出ていませんが…。

【参考文献】

「プロ野球人名事典2003(森岡浩編著・日外アソシエーツ刊)

「メジャー・リーグ人名事典」(出野哲也編著・彩流社刊)

B.B.MOOK325 日米野球交流史」(ベースボール・マガジン社刊)

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コメント

>物まねが似ていなかったからじゃないですか<笑>?

ううっ<泣>

いや、相手がみんな40歳以下の人たちだったもので(笑)

そういえば、自分とほぼ同じ世代の現役選手というと、もう横浜の工藤あたりしかいません・・・
工藤ならこのギャグ通じるかも(失礼)

投稿: 長緯 | 2008年8月29日 (金) 21時35分

長緯様、コメントをありがとうございました。

> 自分のまわりの野球ファンに対し、今回の五輪の話題になると、この物まねを誰に対しても受けを狙ってやってみたのですが、誰も知らずに、全然受けませんでした・・・。

物まねが似ていなかったからじゃないですか<笑>?

> 自分が子供のころ、年配の野球ファンが「何ともうしましょうか・・・」と小西得郎氏の物まねをやっても、自分はそれが何だか全然分からず、そのおじさんが淋しがっていたのを思い出します。

おぅ、金だ!ひろお~か?

お後がよろしいようで。

投稿: 敗戦処理。 | 2008年8月28日 (木) 00時17分

にしたく様、コメントをありがとうございました。

> 感覚としては・・・30年後のベネズエラの監督がラミレスだったり、であるようなもなんでしょうか。

ラミレス監督率いるベネズエラ代表が、古田監督率いる日本代表戦で勝利し、しかも決勝本塁打した選手がベンチの前でギャグをする。

なんてことになるかもしれませんね。

巨人の人気低迷のバロメーターとして何年も前からテレビ視聴率の低迷がとやかく言われていますが、オロナミンCのCMから降ろされるというのも、大きなダメージとして危機感を持つきっかけにして欲しかったですね。

* 例えばライオンズなら、栄養費の問題が出る前に渡辺美里がコンサートをやめた時に危機感を持つとか。

投稿: 敗戦処理。 | 2008年8月28日 (木) 00時13分

>ボク、ジョンソン。オロナミンC、オイシイデスネ~

自分のまわりの野球ファンに対し、今回の五輪の話題になると、この物まねを誰に対しても受けを狙ってやってみたのですが、誰も知らずに、全然受けませんでした・・・。

つくづく自分も歳をとったと感じます(笑)

自分が子供のころ、年配の野球ファンが「何ともうしましょうか・・・」と小西得郎氏の物まねをやっても、自分はそれが何だか全然分からず、そのおじさんが淋しがっていたのを思い出します。

逆の立場になりましたね。

投稿: 長緯 | 2008年8月25日 (月) 21時40分

個人的には、ポケットビスケッツの「マーガレット」に乗せて、仁志選手とか川相選手が(確か)出演していたCMが、一番印象深かったです。
 
調べてみたところ、アメリカチーム監督のデーブジョンソン氏は、僕の父が高校の頃に巨人在籍していたらしいです。
感覚としては・・・30年後のベネズエラの監督がラミレスだったり、であるようなもなんでしょうか。
複雑ですよね(笑)

投稿: にしたく | 2008年8月25日 (月) 10時02分

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