アジアシリーズ2008に冠スポンサー無し
11日、アジアシリーズ2008の開催要項が発表された。例年通り日本、台湾、韓国の各国リーグを制したチャンピオンチームが参加するとともに昨年までは代表チームで参加していた中国も今年は単独チームで参加する。会場は今年も東京ドームで、11月13日から16日まで行われる。中国もチャンピオンチームが参加することでまた新たな展開が期待出来る、と思ったら昨年まで協賛していた冠スポンサーのコナミが撤退したため今年は冠無しの大会となったという。優勝賞金(5,000万円)と賞金総額(1億円)は変わらないと言うが、この大会、曲がり角なのですかね?
まだ記憶に新しい北京五輪での野球日本代表の、対韓国代表戦2連敗。これが引き金になり、今年のアジアシリーズには新たな盛り上がりが期待出来るのではと敗戦処理。は勝手に思い込んでいた。
とりあえずアジアシリーズではイ・スンヨプが敵に回ることは無いし<苦笑>。
しかもアジアシリーズは過去三回とも日本の出場チームが優勝していて、ともすれば意外性が無く思われがちだが、昨年の大会では初めて日本のチームが予選で韓国のチームに敗れた。昨年は初日に日本のドラゴンズが韓国のSKワイバーンズに3対6で敗れる波乱の幕開きだったのだ。
北京五輪での屈辱、露呈した力関係が皮肉にもマンネリに陥る手前のアジアシリーズの活路を見いだす要因になるのではと思っていた。
しかし、冠スポンサーのコナミの撤退は大きな打撃だ。今大会は冠無しと発表されたということは、他のスポンサーを当たったが見つからなかったということなのだろう。
かくなる上は、東京ドームでの開催を見直すとか、抜本的な開催方法の見直しを考えるしかないだろう。日本以外の参加国にドーム球場の施設がないことから、開催時期を考えると日本で行うしかないという話を以前に聞いたことがあるが、昨年の北京五輪の予選は12月の頭に台湾の屋外球場で行われた。11月中旬であれば、日本以外でもやってやれないことはないだろう。アジアなら時差も少なく、テレビ中継の時間帯も大きな変化はないだろう。
WBCは「アメリカの、アメリカによる、アメリカのための大会」だし、対MLBの牽制球としてアジア大会の発展は個人的にはNPBにとって不可欠だと考えている。もちろんその先にアジアシリーズチャンピオンとワールドシリーズのチャンピオンとの対決を見越しているからだ。
現在、コミッショナー事務局サイドがWBCの打ち合わせなどで渡米しているが,WBCより先にやってくるアジアシリーズも軽視してはならない大会だと個人的には思っている。加藤良三コミッショナー、こちらも腕の見せ所ですよ。
ところで、今年の日本シリーズは11月1日(土)に第一戦が行われる予定で、第七戦は11月9日(日)。アジアシリーズ初戦の四日前だ。他国の状況はわからないが、日本シリーズ終了後にローテーションを組み直せるかが鍵になるだろう。
そしてこの日程だと今年は日米野球を開催する暇がない。二年前に選手会から「11月は真剣勝負の月にしたい」と請願されパ・リーグは東西対抗の廃止に踏み切ったが、ついに日米野球にもメスが入るのか?
隔年開催で、なおかつ読売新聞社と毎日新聞社が交互に主催する日米野球。今年は毎日新聞社主催の順番。パ・リーグが東西対抗を切った時、毎日新聞社出身のパ・リーグ会長が日米野球開催を維持するために身代わりで東西対抗を差しだしたと敗戦処理。は邪推したが、日米野球中止なら思惑外れと言うことになろう。それとも、アジアシリーズ終了後に無理矢理開催するのだろうか?
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コメント
Eagles fly free 様、コメントをありがとうございました。
このたびの9月21日付でいただいたコメントに対するお返事を考えていたところ、コメントにしてはかなり長い文章になってしまうことに気付きました。
そこではなはだ勝手ではありますが、コメント欄でのお返事ではなく、新たなエントリーとしてお返事させていただくことにしました。ご了承下さい。
9月25日付けエントリー「田澤純一問題への対抗策。」をご覧いただければ幸いです。
http://mop-upguy.cocolog-nifty.com/baseball/2008/09/eagles-fly-free.html
よろしくお願いいたします。
投稿: 敗戦処理。 | 2008年9月26日 (金) 00時13分
敗戦処理。さん、こんばんは。
> 難しいですね。現状では。
---
ですよね?
だからこそ、田澤投手の問題は
「職業選択の自由」
この言葉で簡単にスルーすべきではないと個人的には考えています。
> しかし、それなら何故WBCを主催するのかという疑問もあります。
---
その答えなら、実はそれほど難しくないのではないでしょうか。
「キューバ以外の優勝なら、結局はMLB(所属の選手)の勝利だから(=結果的にMLBの宣伝になるので、キューバにさえ気をつければいい)」
です(本来なら日本も、松井選手や井口選手が参加するはずでしたよね?=これが吉と出ましたが=)。
#ちなみにそうはさせじと、第二回WBCの案を考えました(笑)
> WBCが国別世界選手権であるなら、クラブチーム別世界選手権があって良いはず。
---
私も同感ですが、これは裏を返せば、
「我々のような日本のプロ野球ファンにとって『良いはず』のこと」
なだけで、
「MLBにとっては、『大して良くもない』こと=MLBの宣伝にはならない(負ける)確率は、WBCの比ではない=」
ですよね?
> しかしこの論理だと、MLB側は例えば「アジアシリーズ」の上位2チームに、MLBのポストシーズンゲームへの参加を呼び掛けてくるかもしれませんね。ワイルドカードで出るチームの代わりに「アジアシリーズ」の上位2チームが出るとか。
>
> もちろんNPBとしては年間スケジュールの大幅な見直しを必要とするので容易には受けられないでしょうが。
---
確率上1/4もの高率でアジアのチームがワールドチャンピオンになれるのなら、むしろどんな手を使ってでも出して「いただくべき」かと(笑:もっとも、前述の理由で実現されないでしょうが^^;)。
> 敗戦処理。としては国別の世界選手権とクラブチーム№1決定戦の両立を目指していますので、現状「アジアシリーズ」のグレードアップ以外に糸口が無さそうなので何とか期待しているといった状況です。
>
> しかし、冠スポンサーに見放されるようでは…。
---
私も、「アジアシリーズ」に期待しています。
だからこそ私は、第一回大会から東京ドームでウォームアップの段階から全戦生観戦しています(中国チームの上達振りは、目覚しいばかりです)。
ですが。
敗戦処理。さんにしても、現状MLBに対抗していくにはこれだけでは分が悪いと感じられているわけですよね?
であるならば、タダでさえ手札が少ないNPBが、自ら率先して手札(田澤問題)を落すようなマネはすべきではないと考えますし、心有るファンならその辺のことまで認識した上で物事を考えるべきかと思うのですが、如何でしょうか。
> P.S.
> 斎藤佑樹もそうなるのですか?
---
田澤投手が成功すれば、その可能性は十分あると思います。
年報は十倍ですし。
となれば、(現状、ただの名前の羅列に聞こえるかもしれませんが)
山崎(中大)
澤村(中大)
鮫島(中大)
遠藤(中大)
南(立正大)
垣ヶ原(青学大)
加賀美(法大)
荒木(明大)
等々、同世代の逸材が一気に海をわたることも考えられます。
そうなれば。
90年代後半にKBOを襲った事態が、NPBにも絶対起こります(アテネで韓国が代表権を逸したのは、この問題も深く関わっています)。
KBOは、立て直すのに10年かかりました。
投稿: Eagles fly free | 2008年9月21日 (日) 23時51分
Eagles fly free 様、コメントをありがとうございました。
お久しぶりですね。
> 将来的にアジア側の総意としてMLBに対し上記要望をしたとして、
「今や、田澤純一や斎藤佑樹など日本のトップアマは最初からNPBでなくMLBに来るルートが確立されている。そういう意味では、以前よりも更に『MLBのチャンピオン=ワールドチャンピオン』このステータスは上がっているといえる。よってMLBとしては、現状アジアのチームとの対決の必要性をさほど感じない」
そう突っぱねられたら、敗戦処理。さんなら、どうお答えになりますか?
難しいですね。現状では。
しかし、それなら何故WBCを主催するのかという疑問もあります。
WBCが国別世界選手権であるなら、クラブチーム別世界選手権があって良いはず。
しかしこの論理だと、MLB側は例えば「アジアシリーズ」の上位2チームに、MLBのポストシーズンゲームへの参加を呼び掛けてくるかもしれませんね。ワイルドカードで出るチームの代わりに「アジアシリーズ」の上位2チームが出るとか。
もちろんNPBとしては年間スケジュールの大幅な見直しを必要とするので容易には受けられないでしょうが。
敗戦処理。としては国別の世界選手権とクラブチーム№1決定戦の両立を目指していますので、現状「アジアシリーズ」のグレードアップ以外に糸口が無さそうなので何とか期待しているといった状況です。
しかし、冠スポンサーに見放されるようでは…。
P.S.
斎藤佑樹もそうなるのですか?
投稿: 敗戦処理。 | 2008年9月21日 (日) 00時23分
ギガンテック様、初めまして。
コメントをありがとうございました。
> 私見ですが、企業名を外したら、プロ野球自体存続できなくなってしまいますが、冠スポンサーを戴くような場合に限って、企業名を外してみたらどうでしょうか?スポンサーに対して入り口を広くしないと、へんてこりんな企業が入り込んできそうで不安です。
難しい問題ですね。
最近でこそ「地域名+企業名」という形の名称が増えてきましたが、これまでプロ野球チームを財政的に支えてきたのは地域ではなく企業であるのは明白ですから、球団の名前に企業名が入っていて何が悪いのか?という論理は十分に理解出来ます。
しかし、そのせいで、ギガンテックさんが指摘されているとおり協賛スポンサーの幅が狭められてしまうのも事実なのでしょうね。
現在、NPBパートナーはそのコナミを含め四社ですがほんの十年前には倍くらいありました。その中にはファミリーマートや日本マクドナルドと言った有名な企業もありましたが、十二球団の親会社のグループ企業とバッティングするということで更新されませんでした。
「へんてこりんな企業」に入り込まれるのは困ったものですが、時代につれていろいろな分野で業態が変化を遂げてきますから、その動きに対応して良きパートナーを見つけていくしかないですよね。
冠スポンサーは一定期間だけのおつきあい、球団の親会社は永くつきあえる企業かどうか。見極める基準も異なってくるでしょうからね。
コメント、本当にありがとうございました。
これからもお気軽に敗戦処理。blogに遊びにいらして下さい。
投稿: 敗戦処理。 | 2008年9月21日 (日) 00時09分
にしたく様、コメントをありがとうございました。
> 日米野球の存在を忘れつつありました(汗)大昔、福岡(現ヤフー)ドームに観に行った記憶があります。
夢の彼方にあった大リーグから、ソーサやラミレスが来日し、日本からもW松井などといったセパ両リーグのスーパースターたちが競演し、勝敗以上に感動しました。
あれからもう10年なのですね。
敗戦処理。も東京ドームでサミー・ソーサの弾丸ライナーのホームランを観ました。
まさか、バットにコルクが入っていたとは<オイオイ>!
何年か前の開催で、日本側の攻撃で一塁コーチに(コーチとして登録されている本職のコーチがいるにもかかわらず)試合に出ていない「選手」が立っているのを観て、普段の公式戦より遙かに高い入場料を払うのが馬鹿馬鹿しくなりました。
> スポンサー。小学生の頃からパワプロで育った世代としては、「野球=パワプロ=コナミ」的な発想を安易に思い浮かべてしまいます。
スポンサーが変わる・無くなるのは残念ですが、新スポンサーを探す際には、ただ単に「お金を出してくれる」ことだけでなく、野球関連企業や個人でお願いします。
NPBだけでなく、野球日本代表のスポンサーを務めるENEOSにも契約期間が切れたら撤退するという噂があります。
広告価値がないのですかね?
撤退代わりに田沢を説得して欲しいですね<笑>。
投稿: 敗戦処理。 | 2008年9月20日 (土) 23時04分
敗戦処理。さん、こんばんは。
> WBCは「アメリカの、アメリカによる、アメリカのための大会」だし、対MLBの牽制球としてアジア大会の発展は個人的にはNPBにとって不可欠だと考えている。
---
この点については私も同意見なのですが、
> もちろんその先にアジアシリーズチャンピオンとワールドシリーズのチャンピオンとの対決を見越しているからだ。
---
将来的にアジア側の総意としてMLBに対し上記要望をしたとして、
「今や、田澤純一や斎藤佑樹など日本のトップアマは最初からNPBでなくMLBに来るルートが確立されている。そういう意味では、以前よりも更に『MLBのチャンピオン=ワールドチャンピオン』このステータスは上がっているといえる。よってMLBとしては、現状アジアのチームとの対決の必要性をさほど感じない」
そう突っぱねられたら、敗戦処理。さんなら、どうお答えになりますか?
投稿: Eagles fly free | 2008年9月18日 (木) 22時43分
いつも楽しく拝見させていただいております。今回の記事を読んで思い出したのが、ちょうど10年ほど前、読売(ナベツネ)とJR東日本の誰だかがJリーグに対して「もっとスポンサー起業がお金を出しやすいようにすべきだ」と主張して、チーム名に企業名を入れるべきだと主張していたのを思い出しました。当時は大金を積む企業がそう主張するのは納得いかないながらもしょうがないと思っていたのですが、現在の状況を鑑みるに、企業名を前面に出すのはいかがなものかと思います。私見ですが、企業名を外したら、プロ野球自体存続できなくなってしまいますが、冠スポンサーを戴くような場合に限って、企業名を外してみたらどうでしょうか?スポンサーに対して入り口を広くしないと、へんてこりんな企業が入り込んできそうで不安です。
投稿: ギガンテック | 2008年9月16日 (火) 21時10分
日米野球の存在を忘れつつありました(汗)大昔、福岡(現ヤフー)ドームに観に行った記憶があります。
夢の彼方にあった大リーグから、ソーサやラミレスが来日し、日本からもW松井などといったセパ両リーグのスーパースターたちが競演し、勝敗以上に感動しました。
あれから10年。
オリンピックにオールプロチームが参加し、WBCでアメリカを上回り、アジアシリーズでも日本のチームが3連覇・・・
野球を取り巻く変化に柔軟に対応せねばなりません。
スポンサー。小学生の頃からパワプロで育った世代としては、「野球=パワプロ=コナミ」的な発想を安易に思い浮かべてしまいます。
スポンサーが変わる・無くなるのは残念ですが、新スポンサーを探す際には、ただ単に「お金を出してくれる」ことだけでなく、野球関連企業や個人でお願いします。
あくまで冗談ですが「NABETSUNEアジアシリーズ2008」なんてのも、やろうと思えばできそうです(笑)
投稿: にしたく | 2008年9月16日 (火) 15時54分